【事例紹介】発達障害による「二次障害」とは?原因と対処・予防法は

二次障害にはどんな種類があるのか?

二次障害と一口に言っても、その症状や原因にはさまざまな種類があります。予防のためにも「どのような症状が、どのような原因で起こるのか」を知っておきましょう。ここでは、代表的なものを三つご紹介します。

① 不安障害

たとえば「見通しがつかないことが苦手」「こだわりが強く、過去の失敗を引きずってしまう」という特性や、考えを切り替える難しさなどが原因となり、不安を過剰に感じたり、不安が続いたりする。ときには「このまま死んでしまったらどうしよう」というように、切迫した恐怖感を感じることもある。

思わぬ状況で不安が発作のように生じ、めまいや吐き気、過呼吸などの症状が出てしまう「パニック障害」や、人前で注目をあびることに恐怖感を覚え、震えたり逃げ出そうとしてしまう「社会不安(社交不安)障害」なども、不安障害の一種。

②抑うつ/うつ病

発達障害の特性により、コミュニケーションや対人関係に難しさを感じることや、学校や職場などでの失敗経験から、「がんばっているのに、なぜうまくできないのか」「また失敗したらどうしよう」とネガティブな感情が積み重なってしまう。

その結果、「自分はダメな人間だ」「自分が悪いんだ」などと自分を責めるようになり、自己肯定感が下がったり、さらに自分を責めるようになってしまうことで、心や体に不調が表れてしまう。

「うつ」に関連する言葉には、うつ病・抑うつ・うつ状態などさまざまな言い方があるが、明確な基準は決まっていない。一般的には、現れている症状の数が少ない状態を「抑うつ」、症状の数が多くなった状態を「うつ病」と呼ぶことが多い。

心の不調の例

何をするにもおっくう・勉強や仕事に集中できない・人に会いたくない・自分を責めたくなる・同じことをグルグルと頭の中で考えてしまう、等

体の不調の例

眠れない・眠りすぎてしまう・食欲がない・頭痛・めまい・息苦しさ・月経不順(女性の場合)、等

③反抗挑戦性障害/行為障害

発達障害の特性による失敗が続き、失敗に対する周囲からの理解も得られない状況が続くと、自己肯定感が下がり、「誰も自分のことを理解してくれない」という気持ちから周囲の人たちを信じられなくなってしまう。

その結果「怒りっぽくイライラしたり、かんしゃくを起こす」「挑発的な態度を取ったり、わざと口論を吹っかけたりする」「意地悪で執念深い」などの行動を周囲に対して取ってしまう。

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上記以外の二次障害については、以下のページもご参照ください。

二次障害|大人の発達障害とは | 就労移行支援事業所ディーキャリア

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