志望企業の探し方 〜①基本編〜では、就職・転職活動をはじめたときの志望企業の探し方について、基礎知識をご紹介しました。
この記事では、主に大人の発達障害による「働きづらさ」を感じている方に向け、障害者雇用での採用となる「障害者求人枠」の探し方についてご紹介します。
大人になってから診断を受けることの多い発達障害。これまでは「一般雇用(クローズ就労)」で働いてきたけど、障害への配慮を受けたい、職場に障害を理解してもらいたいなどの理由から「障害者雇用(オープン就労)」への転職を希望する方は少なくありません。
障害者雇用と一般雇用では、就職活動のフローや求人選びのポイントが異なる部分があるので、探し方のコツを知っておくことが大切です。はじめて障害者求人枠へ応募を検討している方は、ぜひポイントを押さえておきましょう。
目次
1. 障害者求人枠を探す 3 つの方法
障害者雇用の求人を探すための方法は、大きく分けて以下の 3 つです。
1-1. インターネットで探す
企業の採用ページでは一般求人枠と一緒に、障害者求人枠の情報が公開されている場合があります。採用ページでは業務内容や待遇だけでなく、「障害者雇用をどれくらい推進しているのか、どのような想いを持って行っているのか」というその企業にとっての障害者雇用の位置づけについても確認しておきましょう。
求人サイトでは、障害者求人枠のみを専門に扱っているものもあります。障害者雇用で働くうえでチェックしたいポイントがまとまっていたり、企業に独自の取材をして記事を掲載していたりするので、情報源としてうまく活用しましょう。
なお、大手企業の場合、自社ではなく特例子会社を通じて障害者雇用を行っている例もあります。その場合、会社名が異なりますので、検索する際には注意しましょう。
例:グリー株式会社 → 特例子会社はグリービジネスオペレーションズ株式会社
特例子会社については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
1-2. ハローワークで探す
各ハローワーク(職業安定所)には障害者雇用の担当窓口が置かれており、障害のある求職者(働きたい人)と、障害者雇用をおこなう企業の両方を支援する役割を担っています。
管轄する地域内の自治体や、支援施設と連携を取っている場合も多く、障害特性をうまく付き合いながら働くためのサポートをしてくれますので、求人を探すだけでなく、総合的な相談窓口としても活用できます。
1-3. 障害福祉サービスを利用して探す
障害がある方の「働く」を支援する障害福祉サービス、就労移行支援事業所へ相談する方法もあります。
この施設は、都道府県の指定を受けた事業者により運営されている障害福祉サービスであり、障害のある方に向けた職業訓練や、就職・転職活動を支援するサービスを提供しています。
周辺地域の行政や医療機関とつながりを持っていることも多く、「まだ病院にかかっていない」という場合に地域の専門医を紹介してくれたり、必要な役所での手続きを教えてもらえたりするほか、仕事についての悩みを相談することもできます。
就労移行支援事業所については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
2. 障害者求人枠を探すときの 3 つのポイント
障害者求人枠には、一般求人枠と異なる“障害者雇用ならでは”の情報が掲載されています。とくに注目すべきポイントは、以下の 3つです。
2-1. 障害者雇用の採用実績
まずは、その企業がこれまでにどのくらい障害者雇用の採用実績があるのかを確認しましょう。雇用人数や平均年齢の他にも、定着率(入社後どのくらい勤務継続をしているか)や障害種別も注目すべきポイントです。
障害種別によって必要な配慮は異なり、企業により受け入れ体制はさまざまです。
例えば、知的障害のある方を中心に雇用している企業の場合、仕事内容は“ルーティン作業”や“軽作業”など「比較的、業務の負担が少ない仕事であるケース」が多くなります。
身体障害のある方を中心に雇用している企業の場合は、「職場の環境(バリアフリー等)の配慮はあるが、特性に応じた業務分担はおこなっていない」といった傾向があります。
発達障害のある方の採用実績が豊富な企業は、発達障害ならではの特性や配慮について理解がある可能性が高いと考えられます。発達障害のある方の働きやすさを知る指標のひとつとして、障害種別の雇用実績をチェックしておきましょう。
定着率は、障害者雇用をはじめてから年数が少ない企業の場合は情報がないこともあります。逆に、定着率が高い企業は「障害者雇用に慣れていて、定着させるためのノウハウを持っている(サポートが充実している)」と言えるでしょう。
2-2. 提供されている合理的配慮
実際にその企業で提供している合理的配慮の内容もチェックしましょう。例えば、以下のようなものです。
定期面談の実施 | 時差出勤・フレックス制度 |
通院のための休暇 | 休憩室・医務室の設置 |
パーテーションの設置、座席の配置調整(感覚過敏への配慮) | イヤーマフ・サングラスの着用許可(感覚過敏への配慮) |
電話対応なし | 一人ひとりに合わせた業務調整 |
マニュアルの完備 |
求人情報に書かれていない配慮や、実際にはまだ提供実績がない配慮についても、相談にのってもらえることもありますので、面接の際などに確認してみると良いでしょう。
合理的配慮については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
- 合理的配慮とは?基礎知識をまとめました。
- 発達障害のある方の合理的配慮の事例集
- 「合理的配慮」申請マニュアル 4つのステップとポイントをまとめました。
- みんなの「お悩み」ポイントはどこ?合理的配慮のよくある質問集
2-3. 障害者雇用に対する考え方
障害者求人枠を探すときのポイントとして最も重要といえるのが、その企業の障害者雇用に対する考え方です。
近年、人材の多様性(ダイバーシティ)への取り組みとして、障害者雇用にも前向きに取り組む企業が増えています。しかしその中には、法令で定められた義務(障害者雇用率)の達成だけが目的にされている場合も、残念ながらごく一部であります。
「障害の有無にかかわらず、一人ひとりが活躍する場を提供しよう」といったように、前向きな考えを持った企業を選ぶことが大切です。
考え方については、求人情報からだけでは読み取れないことも多くあります。面接の場でも、しっかりと聞いてみることをおすすめします。
3. もし、探しても志望企業がうまく見つけられなかったら
障害者求人枠は一般求人枠とは就職活動のフローが異なる部分があり、特に大人になってから発達障害と診断された方にとっては、手続きや制度など馴染みのない部分も多くあります。
その仕組みを理解し、自分に合った求人を探すことはなかなか難しいことです。
- 「考えれば考えるほど、頭がグルグルしてしまって答えにたどり着けない」
- 「一人だと途中で投げ出してしまう」
- 「客観的に考えることが苦手」
……と悩んでしまう方も、少なくありません。そんな方々のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。
就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業)
就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。
「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。
ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。
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