目次
ステップ4:働く目的
私たちは、そもそもなぜ「働く」のでしょうか。考えるヒントになる話をご紹介しましょう。
ヨーロッパのむかし話に「レンガ積み職人の話」というものがあります。町の中心に教会を建てるため、三人のレンガ積み職人が働いていました。「あなたはなぜ、レンガを積んでいるんですか?」と尋ねると、彼らはこう答えました。
- 職人A「理由なんかない。これが仕事だからだよ」
- 職人B「一生懸命お金を稼いで、家族を養うためだよ」
- 職人C「町の人たちの心の拠り所となる、教会を作るためだよ」
三人とも仕事の内容は同じ“レンガを積む”ことですが、心の中にある仕事の目的は大きく異なります。Aさんは、もしかしたら「たいへんな仕事だな、早く終わらないかな」と思っているかも知れません。Cさんは、「たいへんな仕事だけど、町の人に喜んでもらえるのは嬉しいな」と思っているかも知れません。
仕事に対して明確な目的を持てている方が、志望動機は書きやすくなります。「こんな社会人になりたい」「こんな夢を実現したい」といったように、仕事を通じて自分はどんな目的は達成したいのか、考えてみましょう。
一方で、もしかすると「そんな大それた目的なんてない。Bさんのように、生計を立てることや家族を養うことで精一杯だ」と思う方もいらっしゃるかも知れません。
たしかに、誰かの役に立てたり社会貢献したりするような目的を持てていたなら、それはすばらしいことです。だからと言って「安定した給料をもらい、生活の不安なく日々を過ごしたい」という目的はダメかと言えば、決してそんなことはありません。
人は誰しも、自分が満たされ日々の生活と安全が確保できた後に、はじめて周囲に目を配ることができるようになります。志望動機への書き方には工夫が必要ですが、「まずはとにかく目の前の仕事を頑張ってお金を稼ぎたい」というのも、立派な目的だと言えるのではないでしょうか。
大切なことは、働くことの目的や意味を自分なりに明確にし、それを達成するためにどういう就職活動をすれば良いのかを考えることです。
ステップ5:私の希望
ここまでの1〜4のステップを通じて、
- 自分の長所や強みを活かせる仕事はなにか
- 自分の価値観に沿った仕事はなにか
- 自分の働く目的に沿った仕事はなにか
……を考えることができたと思います。それらを踏まえ、最後は自分が今回の就職活動で実現したい希望条件を書き出してみましょう。下記に条件の例をまとめていますので、書き出す際の参考にしてみてください。
もちろん、すべての条件に当てはまる企業が見つかるとは限りません。ここでのポイントは、書き出した希望条件が自分にとってどれだけ重要なのかということです。絶対に自分が譲れないものは何か、ある程度まで妥協してもよいものは何か、一つ一つについて考え、重要度や優先順位を付けておきましょう。
条件の例 | |
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人と関わる仕事がしたい | 手に職を付けたい(専門職へのチャレンジ) |
ものづくりに携わりたい | 人のサポートがしたい |
マネジメントをやりたい | 自己成長を目指したい |
障害への配慮がある会社で働きたい | 障害に関係なく責任のある仕事がしたい |
社会貢献がしたい | 高い給与を稼ぎたい |
自分のペースで働きたい | 通勤時間が短いところで働きたい |
ワークライフバランスを取りたい | 雇用形態(正社員・派遣・アルバイト) |
給与は最低●●円以上欲しい |
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