3. 就活の最大の山場「自己分析」を行うための5つのステップ
就職活動と言えば必ずセットで語られるのが、先ほどもご紹介した自己分析です。しかし、多くの方が悩んでしまうポイントでもあります。
インターネットで調べてみると、さまざまな方法やツールが見つかりますが、闇雲にそれらを試すのではなく、順序立てて深掘りしていくことが大切です。ここでは、自己分析を5つのステップに分けてポイントをご紹介します。
ステップ1:過去分析
自己分析しろと言われて、いきなり「自分は何が得意か、どんな仕事をしたいか」と考え始めても、なかなか答えを出すことはできません。
自己分析を始めるコツは、そのような“明確な答えのない問題”をいきなり考えるのではなく、過去に起こったエピソード=事実をひたすら紙に書き出してみることです。
具体的には、まず“自分史年表”を作りましょう。
子どもの頃から大人になるまでの年齢ごとに、印象的だったエピソードと「自分の生活はどのくらい充実していたか」という充実度を、表とグラフで書いていきます。
充実度の高いときには、評価された・褒められた・何かを達成したなどのポジティブなエピソードがあるはずです。そうしたエピソード(事実)が、自分の得意なことや好きなこと、何にやりがいを感じるのか、どんなことに喜びを感じるのかを探るヒントになり、自己PRや仕事に求める条件を考えることへとつながります。
逆に充実度が低いとき、つまり、失敗した・挫折した・苦痛に感じたなどのネガティブなエピソードは、避けるべき仕事や条件を探るヒントになります。
ステップ2:価値観
仕事における価値観とは、自分がどのようなことにモチベーション(やる気・意欲・動機)を感じるのかということです。ステップ1で作成した自分史年表も参考にしながら、
- やる気が出る・意欲的になる・やりがいを感じるのはどんなときか?
- 逆に、やる気が出ない・意欲がなくなる・やりがいを感じられないのはどんなときか?
……を考えてみましょう。モチベーションの源泉となるものを明確にすることで、自分の価値観=仕事に求めるものが少しずつ明確になっていきます。価値観に合う仕事を選ぶことができれば、自分の強みを最大限に発揮することにもつながります。
ステップ3:長所・強み
自分の長所や強みを考えることは、自己分析の中でもっとも難しいと言われています。
人は誰しも、自分を客観的に見つめることは難しいものです。ここでも、ステップ1:過去分析で探した客観的な事実から考えてみましょう。「これまでの人生のなかで、充実度が高かったところ」にヒントが隠されていることがあります。例えば、
- いつも、進学や入社してから数年後が充実していた → 自分だけのポジションを確立できると充実感を感じる → みんなと横並びの定型業務よりも、自分しかできない特殊な業務や、新しい取り組みに挑戦することに強みを発揮する
- 自分から立候補しなかったのに、生徒会の役員に推薦された → グイグイ引っ張っていくよりも、周囲に気を配り調和を図ることで充実感を感じる → ホスピタリティが高く、他のメンバーやお客様のサポートに強みを発揮する
……というように、ぱっと見ではすぐに分からなくても、深掘りすることで長所や強みがあぶり出されてくることもあります。時間がかかるかも知れませんが、ここを考え抜くことが、自己PRや仕事への適性を考える上で重要です。
ちなみに、面接などで長所や強みを尋ねられる理由は、「自己分析がどれだけできているか → 仕事に必要な“分析能力”がどこまであるのかを測るため」とも言われています。
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