支援の現場から見る 障害者雇用・一般雇用のメリットとデメリット の記事で紹介した内容は「これまでの」障害者雇用に関するものでしたが、近年では、企業の障害者雇用への理解も深まってきています。
また、社会的な情勢の変化もあって、障害者雇用のあり方が変わってきています。私たちが企業の障害者雇用担当者から直接お話しをお伺いしたところ、大きく2つの動きがあることがわかりました。
この記事では、時代とともに変わりつつある「これからの」障害者雇用についてご紹介します。
①「戦力」としての採用
「障害への配慮はするが、業務内容や評価制度は一般雇用と同じ」という求人が増えています。
これまで企業は、障害者雇用を「法定雇用率を達成する」「CSR(企業の社会的責任)を果たす」といった側面から捉えていることが少なくありませんでした。しかし近年では、障害の有無を問わず、戦力となり得るかを採用基準とする企業が増加傾向にあります。
従来の障害者雇用では、一般的に下記のようなデメリットがあると言われてきました。
- 昇格の機会が少ない
- 昇給を目指すことが難しい
- 任せられる仕事の裁量が少ない
- 職域が狭く、同じ作業の繰り返し
- 専門的な知識を求められる仕事がない
そのため、障害に配慮してもらえる代わりに「仕事のやりがい」を求めることは難しく、仕事におけるスキル向上やキャリアアップのチャンスが少ないケースも多くありました。
しかし近年ではダイバーシティ(多様な人材の活用)の広がりや、少子高齢化による労働力不足といった社会情勢などを反映し、「障害への配慮をすれば、一般雇用の社員と同等(あるいは、得意分野においてはそれ以上)の能力を発揮できる」という考えの企業が増えてきました。
障害の有無に関わらず、「これまでの経験」や「業務遂行スキル」で評価されるため、求められる業務内容や成果が一般雇用と変わりないという点で難しさもありますが、待遇(給与など)の向上や、何よりも、やりがいを感じて仕事をしたい方にとっては、選択肢が増えてきたと言えるでしょう。
②柔軟な勤務形態
障害者の方が長期的に活躍し続けられるための環境作りのため、本人の志向や、求めるキャリア、現在の状況に応じて、より「フレキシブル」な雇用条件を設定する企業も増えてきました。
例えば、「入社後しばらく給与は低くてもいいので、短い時間から少しずつ働きたい」という場合、短時間勤務の期間中はパートタイマーで雇用し、本人の希望や勤怠の状況を見ながら途中でフルタイムに変更(正社員登用)する、といった事例もあります。
他にも、入社当初の試用期間は「障害者チーム」で働き、本人の特性や希望と、業務スキルとを照らし合わせて見極めたうえで「そのまま障害者チームに残る」、あるいは「一般雇用の方と同じ部署に転属する」という選択肢を用意している事例もあります。
いずれの事例でも、障害者の方が自分の特性に合わせて、もっとも力を発揮しやすい環境で、腰を据えて長く活躍してもらいたい、という狙いがあるのです。
まとめ
ダイバーシティの推進や、障害福祉に関する法改正(法定雇用率の引き上げなど)に伴い、積極的に障害者雇用を行う企業が増えてくる中で「活躍できる人材を採用するために、これまでのやり方を見直していく」という動きが広まってきています。
「これまで」の障害者雇用のイメージから、ネガティブな印象を持つ方もいらっしゃいますが、「自分らしく働く」ために一般雇用と障害者雇用のどちらが良いのか考えてみることは大切です。しかし、実際には応募する企業一つひとつについて、制度の内容や考え方を理解し、自分に合っている企業を探すことは簡単ではありません。そんなときには、発達障害の方を対象とした就職のプロに相談してみるのはいかがでしょうか。
自治体の障害者支援担当窓口や、発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センターなどの専門機関、そして就労移行支援事業所など、発達障害の方の【働く】をサポートする、いろいろな支援の仕組みが用意されています。
就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。
就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業)
就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。
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参考URL
厚生労働省|障害者雇用対策
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html
厚生労働省|障害者の雇用
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html
厚生労働省|「特例子会社」制度の概要
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/07.pdf