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障害者雇用と一般雇用どちらがいい?|2025年版|リアルな情報を発信

障害者雇用と一般雇用、どちらを選ぶべき?メリット・デメリットを徹底解説。筆者の実体験も交え、あなたに合った働き方を見つけるヒントをお届け。

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「障害者雇用って、配慮があるのはありがたいけど、給与面やキャリア的にはどうなんだろう…」「一般雇用で働いてるけど、実はしんどい。でも今さら障害をオープンにするのも怖いし…」 そんな悩みを抱えていませんか。 働き方には正解があるわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがあります。大切なのは、「自分に合った働き方とは何か」を、自分自身で少しずつ見つけていくこと。 この記事では、障害者雇用と一般雇用、両方の求人枠で働いた経験のある筆者が、それぞれの違いやよくある質問を整理しながら、働く上での選択肢を広げるための視点をお届けします。あなたがこれからの職場で、無理なく、安心して働き続けていくためのヒントになれば幸いです。 執筆者紹介 小鳥遊(たかなし)さん 発達障害やタスク管理をテーマに、2021年まで会社員、2022年からフリーランスとして活動している。 発達障害(ADHD)当事者。主に発達障害や仕事術をテーマとするweb記事を執筆。2020年に共著「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」(サンクチュアリ出版)を執筆し発行部数は10万部を超える。 また、就労移行支援事業所でタスク管理等に関する定期プログラムやセミナー等を実施。企業や大学等での講演、個人/法人のタスク管理コンサルティングもおこなっている。 [toc] 障害者雇用と一般雇用とは? 就職活動を始めるうえで、まず知っておきたいのが「障害者雇用」と「一般雇用」の違いです。ここでは、「オープン・クローズ」という考え方や、それぞれの雇用形態の特徴について解説します。 オープン就労とクローズ就労の違い 障害者雇用と一般雇用の違いを知るうえで、最初に押さえておきたいのが「オープン就労」と「クローズ就労」という考え方です。 オープン就労とは、障害があることを就職先に開示して働くこと。 クローズ就労とは、障害があることを就職先に伝えずに働くこと。 ※それぞれ「就労」をつけずに「オープン・クローズ」と呼ばれることも多いです。以降は「オープン・クローズ」と表記します。 「オープン=障害者雇用(障害者求人枠)」と思われがちですが、実際には一般求人枠であっても障害を開示して働くこともオープンに含まれます。つまり、オープンかクローズかは「雇用の枠」ではなく「開示の有無」によって区別されます。 筆者は、3社経験していますが、1社目は「オープンで障害者雇用」、2社目は「クローズで一般雇用」、3社目は「オープンで障害者雇用」から「オープンで一般雇用」に切り替わりました。 障害者雇用(障害者求人枠)とは? 日本では、障害のある人が働く機会を確保するために、企業に対して一定の割合で障害者を雇用する義務(法定雇用率)が定められています。2025年現在の民間企業の法定雇用率は2.5%、2026年7月には2.7%に引き上げ予定となっています。また、法定雇用率が適用される会社や法人の対象も拡大傾向にあり、2025年現在は従業員数40人以上、2026年7月からは37.5人以上となる予定です。 このルールに基づいて設けられているのが、障害者求人枠です。 障害者雇用で働くには、障害者手帳の取得が必須です。発達障害などで医師の診断があっても、手帳がなければこの枠に応募することはできないということです。 障害者雇用は、障害の特性や必要な配慮を事前に伝えたうえで働くことが前提となっており、職場から配慮を得られやすいのが大きな特徴です。 たとえば、勤務時間や業務内容の調整、通院配慮、職場内でのコミュニケーション支援など、状況に応じた「合理的配慮」を受けやすくなります。 一方で、障害やその特性によって業務内容や働き方に制限がある場合には、給与水準や昇進スピードが限定的になるケースもあります。また、業務内容が単純作業に偏るケースがあり、キャリアアップよりも「安定」や「安心」を重視する働き方が中心となる傾向もあります。 ただし最近では、障害の有無ではなくスキルと成果でフラットに評価される環境も広がっています。 筆者がはじめて就職した会社は、まさに「フラット」なIT企業でした。当時、障害者求人枠での求人票の中で、比較的給料が高く、面接でも「仕事を頑張れば役職だったり給料も高くなっていきますか?」と質問して「そうですよ」と答えてもらったことを覚えています。 さらに、障害者雇用ならではの働き方として、特有の仕組みが用意されていることもあります。 たとえば「特例子会社制度」は、障害のある方が安心して働けるよう、配慮された環境を備えた子会社を企業が設立し、その子会社での雇用を親会社の雇用率に算入できる仕組みです。障害特性への理解がある職場づくりが進んでいるケースも多く、はじめての就労先として選ばれることもあります。 また、「トライアル雇用制度」は、働くことに不安がある方に向けた“お試し雇用”の制度で、一定期間(通常3か月)働いてみたうえで、双方が合意すれば本採用に進む仕組みです。障害者専用の制度もあり、無理のない形で職場に慣れていけるステップとして活用されています。 一般雇用(一般求人枠)とは? 一般雇用とは、障害の有無にかかわらず、誰でも応募できる求人枠のことです。障害者手帳の有無は問われませんし、障害の開示も必須ではありません。 開示するかどうかは、本人の判断に委ねられています。ただし、開示しない(クローズ)場合は、そもそも障害があることを企業に伝えていないため、障害による困りごとがあったとしても配慮を求めることができません。 開示をする(オープン)場合は、障害の診断があり障害による業務への支障がみとめられたときに、必要な配慮を申し出ることができます。ただし、「合理的」であることが前提であるため、就業先にとって過重な負担と判断された場合は配慮を受けられないこともあります。 また、一般雇用では、他の社員と同様の成果や働き方を求められることが多くなります。 そのため、特性への自己理解や対処法を身につけていて、配慮がなくても働ける環境や仕事を選べる人には向いているといえます。 筆者は2社目で一般雇用・クローズで働きました。係長級の役職も付けていただいて入社し、それなりの水準の給料でした。そういったメリットがある反面、「その分しっかり働かないといけない」と考えて、自分にプレッシャーをかけてしまい、長くは続きませんでした。 障害者雇用・一般雇用のメリットとデメリット 「障害者雇用と一般雇用、どちらがいいのか?」と考えるとき、単純に比較できるものではありません。ここでは、自分に合った働き方を見極める手がかりとして、それぞれのメリット・デメリットを整理してみます。 この記事では、一般的に言われているそれぞれの雇用枠での働き方に沿って情報をお伝えします。実際には、企業によって募集要項や人事制度、受けられる配慮の程度はさまざまですので、参考としてお読みください。 障害者雇用で働くメリット・デメリット 障害者雇用のメリット ▷ 応募・選考のしやすさ 未経験OKの求人が多く、スキルや職歴が問われにくい傾向がある 競争倍率が比較的低めで、就職のハードルが下がる場合がある 書類選考や面接に加えて「職場実習」を設ける企業も多く、事前に職場との相性を確かめられる ▷ 障害への配慮を受けやすい 合理的配慮(業務調整、通院配慮、コミュニケーション支援など)を求めやすい 勤務時間や業務内容を、特性に応じて柔軟に調整してもらえる 周囲が障害を理解してくれている安心感がある ▷ 心身の安定につながりやすい 「障害を隠さなければいけない」という不安がない 体調の波や特性について、職場に相談できる環境がある ▷ 職場定着支援が受けられる 就労移行支援や定着支援事業を通じて、職場との間にサポーターが入ることができる 支援機関との面談は企業に知られずにおこなえるケースも多い(精神的安全の確保) 筆者は、障害者雇用で働き始めましたが、そのときは新卒の年齢から数年近く経っており、同年代の友人はすでにスキルや経験を積んで社会で活躍していました。そんな友人に引け目を感じていた筆者にとって、スキルや職歴が問われにくい障害者雇用は、「心機一転でスタートできる」という意味合いからも、スムーズに社会に出られた実感がありました。 また、最初に入った会社では、一緒に働いていた先輩社員が、事前に「精神障害のある人と働くためには」といった本を読んでくれていて、合理的配慮としてだけではなく、筆者個人の性格や得手不得手をよく観察して受け入れてくれて、とても働きやすい環境を作ってくれました。 障害者雇用で働くデメリット ▷ 求人の幅が狭い 一般雇用に比べ、選べる業種・職種に偏りがあることが多い。 実際の求人では、6割以上が事務職、2割が軽作業(ディーキャリア調べ)となっており、専門性のある職が少ない ▷ 待遇やキャリアパスに制限がある場合も 初期雇用が契約社員やパートスタートになることが多く、給与水準も低め 昇進やジョブローテーションなどの機会が少なく、「成長機会」を得にくい職場もある 一部企業では「障害者雇用枠と一般枠で評価制度が分かれている」ケースもある 筆者自身は、障害者雇用で入社した会社で、待遇やキャリアに関する大きな不満を感じたことはありませんでした。しかし、就職活動中に参加した合同面接会では、参加している企業の求人票を見る限り、「スキルを磨いて専門性を高めていくのは難しそうだ」という印象を強く受けました。 たとえば、事務職の求人に対しても「成長やキャリアアップの道筋が見えにくい」と感じることが多く、自分が目指していた働き方とはギャップがありました。そのとき、「障害者になった途端、自分のやりたい仕事への道が閉ざされてしまうのか」と、強い不安と悲しさを感じたのをよく覚えています。 一般雇用で働くメリット・デメリット 一般雇用のメリット ▷ 幅広い求人の中から選べる 求人数が多く、業界・職種・地域等の採用条件の選択肢が豊富 スキルや実務経験がある場合、より専門的な仕事に就けるチャンスが広がる ▷ キャリアアップの道が開ける 障害者雇用よりも、昇格・昇給・異動・新規プロジェクトへの参加など、キャリアパスの選択肢が多い 裁量のある仕事や責任あるポジションを任されやすく、やりがいを感じやすい オープンであれクローズであれ、会社の許す限り「やりたい」といったことをやれる自由は、非常に魅力的でした。こうした自由度の高い環境のなかで、筆者は3社目の途中から副業を開始しました。 発達障害のある方々に、自分が発達障害傾向をカバーして働けるようになったことを講演会や執筆活動を通してお伝えするという副業がわずかながら収益化できたことで、その収益を会社が受け取ることと引き換えに、会社の業務の一環として行うことを提案し、毎週金曜日会社外で働くことができるようになりました。それが現在筆者がフリーランスとして働いている活動の礎になりました。 一般雇用のデメリット ▷ 応募・選考の難易度が高い 実習のない企業が多く、実際に働いてみないと相性が分かりづらい スキルや職歴、適応力などが厳しく見られる場合がある ▷ 障害への配慮が得られにくい クローズの場合、合理的配慮を求めることが難しい オープンの場合も、企業側の理解や制度が整っていないと、通院・服薬・特性への配慮をしてもらえないことも 定着支援など障害福祉サービスからの支援が受けられず、トラブルが起きた際も基本は「自己解決」 ▷ 精神的な不安・疲労感が蓄積しやすい 「いつか障害がバレるのでは?」という不安を抱えながら働くことになる 長時間労働や急な残業が発生しやすく、生活リズムが崩れることも 一般雇用では、良い意味でも悪い意味でも障害者雇用より自由です。筆者自身、一般雇用で働いた際には、苦手な作業への対応に苦慮した経験があります。筆者のADHDの不注意傾向のせいか、仕事を自分一人でミスなくこなすことが非常に難しかったです。 クローズで働いていると、そういったことを苦手だというのは当然ながら理解されづらいですし、自分から言うことも難しいです。そのため、苦手なことも自分だけで克服しようと頑張りすぎて、深夜や早朝まで残業したり、それでもうっかりミスなどがあって注意を受けたりすることで、不安や疲労が蓄積したのは実際あったなと感じています。 このように、障害者雇用にも、一般雇用にも、それぞれにメリットとデメリットがあります。 大事なのは、「どちらが自分に合っているか」を、働きやすさ・安心感・将来像の観点から冷静に見極めることです。 最近では、障害の有無にかかわらず、スキルや成果で評価する企業も増えています。「障害者雇用=安定」「一般雇用=挑戦」といった枠にとらわれず、自分にとって何を大切にしたいのかという視点で選ぶことが、納得のいく働き方につながります。 筆者自身も、発達障害の特性である「興味の偏り」が強く、関心の持てない仕事にはどうしても集中できませんでした。興味のある分野である程度の収益が見込めるようになったことをきっかけに、「このままでは会社に迷惑をかけてしまう」と判断して退職。現在はフリーランスとして働いています。結果として、自分が何を大切にしたいかという軸で選んだ道だったと感じています。
自己理解が必須!?障害者雇用の面接がうまくいくノウハウ

転職活動で合計250社から「お見送り」…ADHD当事者である筆者の経験をもとに、障害者雇用枠求人ならではの「面接対策」をご紹介!

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「就職活動に苦手意識がある」「面接でうまく話せない」「就活の進捗管理が難しい」「障害のことをどう伝えればいいか分からない」 ADHD当事者である筆者は、転職活動をしたとき、書類審査のみの会社も含めて合計250社、面接だけでも30社からお見送りをされました。最終的には、転職活動を始めてから約半年後に、ほぼ同時に3社から内定をいただき終了したのですが、どの方にお話しても、選考に通過しなかった数は驚かれます。 そんな筆者だからこそ分かったことや経験談、その他障害者雇用枠求人ならではの面接対策についてお伝えしていきます。 皆さんが自分らしいキャリアに向けた一歩を進むためのヒントになるよう、特に現在就職活動をしている方々が納得のいく就職ができるよう、この記事がお役に立つことを願っています。 執筆者紹介 小鳥遊(たかなし)さん 発達障害やタスク管理をテーマに、2021年まで会社員、2022年からフリーランスとして活動している。 発達障害(ADHD)当事者。主に発達障害や仕事術をテーマとするweb記事を執筆。2020年に共著「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」(サンクチュアリ出版)を執筆し発行部数は10万部を超える。 また、就労移行支援事業所でタスク管理等に関する定期プログラムやセミナー等を実施。企業や大学等での講演、個人/法人のタスク管理コンサルティングもおこなっている。 [toc] 障害者雇用枠ならではの選考内容 一般雇用枠にはない障害者雇用枠ならではの選考内容として、代表的なものに「障害に関する資料の提出(面接にはその説明)」と「企業実習」があります。※「企業実習」はすべての企業で実施されているわけではありませんが、選考フローのひとつとして取り組む企業が増えてきています 自分の特性を理解してもらうための資料「障害について(ナビゲーションブック)」 通常、求人に応募しようとする会社へ提出する書類は、「履歴書」と「職務経歴書」の2つのみです。しかし、筆者は、障害を開示せずに働くクローズ就労だけでなく、障害を開示して働くオープン就労でも応募をしていたため、さらにもう1つの書類として、障害内容や障害に対してどのように配慮して欲しいかなどを書いた「障害について」という資料(=ナビゲーションブック※)をオープン就労用に用意していました。 ※「ナビゲーションブック」とは、障害のある方が就職活動をするときや職場定着を目指すときに活用できるツールで、①自身の障害のこと(障害の特徴=特性や症状)②仕事をするうえで困難なこと③職場に求める合理的配慮をまとめたものです。オープン就労の中でも、一般雇用枠の場合には提出は任意であることがほとんどですが、障害者雇用枠の場合には応募書類のひとつとして提出を求められることが多いです。 雇用主とのマッチングを見極める期間としての「職場体験実習・企業実習」 筆者が定期的に講師としてプログラムをおこなっている就労移行支援事業所のある東京都では、東京しごと財団が「職場体験実習」を実施しています。また、近年では多くの企業が選考時に同様の「企業実習(インターン)」を取り入れています。 企業等で働いた経験がない(少ない)、自分の適性が分からないなど、企業等で働くことに不安がある場合に、いきなり「就職」ではなく、仕事を「体験」できます。この職場体験実習により、企業等の現場を知ることができ、また、実習中の体験を通じて、自分の新たな課題を発見することもできます。 東京しごと財団HP「職場体験実習」 通常の就職活動は、書類選考と2,3回の面接のみで採用するのがほとんどです。しかし、それだと企業側と応募者がマッチするかどうか分かりません。特に、障害者雇用枠においては、職場環境とマッチする/しないの差が大きく、さらにマッチしなかったときの影響も大きくなりがちです。 そこで、あらかじめ実習期間を設けることで、企業側だけでなく、応募者である障害者からも、職場環境との相性などをじっくり判断する機会を設けています。 発達障害のある方が就職活動で苦手とすること ここでは発達障害のある方が就職活動をおこなう上で、苦手とすることを解説していきます。なお、あわせてこちらもお読みいただくと、より面接への対策をおこなうことができます。 面接でうまく話せない 話しすぎる まずは、特に多動性の特徴のある方に顕著ですが、面接で話しすぎてしまうというのがあります。ADHDである筆者も、その多動性からか、今考えればかなり話しすぎていたように思います。なお、そういった点も含めて面接での話し方で気をつけるべき点を後述の「面接中の対策」でご紹介します。 少なくとも「話しすぎない」ということを念頭においた途端、今まで面接でどこにも通らなかったのが、3社から立て続けに内定をいただけたという経験が、筆者にはあります。「過ぎたるは猶及ばざるが如し(やり過ぎることは、やり足りないことと同じように良くない)」という言葉がありますが、まさにその通りです。足りなければ面接官から聞いてきます。 質問と答えが噛み合わない さらにもう1つ、面接でうまく話せないということについて筆者がよく感じていたのが、「質問と答えが噛み合わない」ということでした。これもADHDの多動性がおそらく関係しているのだと考えているのですが、話し初めと話し終わりでテーマが変わってしまうことが多かったのです。 これは、話し初めはAという話題だったのに、話しているうちにどんどん話がそれていき、いつのまにか別の話題になってしまい、最終的にはBというテーマになってしまった、といったことです。もしかしたら、ADHDのある方は、日常会話でもこのようなことが身に覚えがあるかもしれません。 ASDで他者視点の欠如がある場合は、相手の質問の意図を読み取ることができず、的外れな回答をしてしまうケースがあります。 進捗管理が難しい ADHD/ASD共通の苦手なこととして「マルチタスク」があります。まさに、就職活動は同時並行のマルチタスク処理が要求されます。1社ずつ応募していけばマルチタスクにはなりませんが、そうなると時間が非常にかかってしまい、現実的ではありません。 筆者は、進捗管理をこのようなExcelの表にまとめていました。 ※右端の「障害」欄の「有」は、障害を開示する「オープン就労」の求人であることを示しています。 この進捗管理表を更新すること自体が楽しくなってきて、それが250社落ちても就職活動を続けられる原動力になったと言っても過言ではありません。 就職活動のマナーが分からない あまり胸張って言えるようなことではありませんが、筆者は暗黙のルール=ビジネスマナーを認識するのが非常に苦手です。特に服装には無頓着で、靴が汚れている、袖のボタンが1つ取れかかっている、ネクタイの色がふさわしくない、髪の毛がまとまっていない、などの身だしなみについて、完全に対策できたことはないに等しいです。 こういったことは、まさか面接をする相手企業に問い合わせることもできず、せめてマナー本などを見るくらいしか手立てがありませんでした。 面接の具体的な対策 面接における具体的な対策として、「事前準備」と「面接中の対策」をご紹介します。 事前準備 よく聞かれる質問に、まずは回答を文章であらかじめ書いておくと良いです。よく聞かれる質問の例は後述します。一度書いてまとめておくと、頭に入りやすくなります。 書き方としては、PREP法を用いると良いでしょう。PREP法とは、以下の順番で話をしていく手法です。 P=Point 「結論」 R=Reason 「理由」 E=Example 「事例」 P=Point 「結論を繰り返す」 たとえば、面接で「当社を志望した理由を教えてください」という質問に対しては、このようになります。 結論:御社のチャレンジし続ける企業風土です。 理由:というのも、私もまたチャレンジの連続をしてきたからです。 事例:私は去年はTOEIC、今年は簿記に挑戦しており、来年は宅建を受けてみようと思っています。 結論:ということで、御社のチャレンジし続ける企業風土に惹かれています。 面接中の対策 まずは結論から 事前準備のところでも書きましたが、面接中の口頭でのやり取りでも、PREP法を意識して話すと、混乱せずに伝えることができます。特に、発達障害の特性のある方は、話があちらこちらに飛びがちです。話をしている間に、自分でも何について話しているか分からなくなってしまうのです。それを防ぐためにも、PREP法は有効です。 一文でいったん区切る 思考があちらこちらに飛びがちだと、経験上一文を言い切ることが難しくなります。「~~だと思います」「~~です」と言い切ろうとしても、それに続くトピックが思い浮かび、言いたくなるのです。そこで、続けざまに話し出してしまいます。結果、「話が長く、要点がはっきりしない」という悪印象を与えてしまうことが、筆者にはよくありました。 語尾を伸ばさない 思考を続けながら話すと、それに引っ張られて語尾が伸びることが筆者にはよくありました(今もあります)。上記の「一文でいったん区切る」とあわせて活用すると、抑制の効いた、理解しやすい印象を相手に持ってもらうことができます。 分からなければ「~~ということでしょうか?」と聞く 面接中、面接官の言うことが分からなかったとき、筆者は「分かっていないことを悟られてはいけない」と考え、分かったふりをしてその後懸命に文脈から内容を類推する、ということをしていました。これは本当に意味がありません。分からなければ、正直に伝えるのをおすすめします。「分かりません」ではなく、「~~ということでしょうか?」と自分からの理解も精一杯していることが伝わるような言い方をするとなお良しです。 いずれにしても、「立て板に水のごとく(よどみなく、すらすらと話す様子)」うまく話そうと思わないことが、結果的に良い伝え方、伝わり方になることが多いです。 面接でよく聞かれること 面接では、履歴書の内容、職務経歴書の内容、志望動機などの他に、障害者雇用枠特有の「頻出質問」があります。その中からいくつかピックアップしてみます。 1. 自身の障害について 自身の障害のことについては、ほぼ自己紹介のようなものなので、ひととおり説明できるようにしておくと良いと思います。筆者の場合、面接ではありませんが、イベントなどで登壇したときの自己紹介をする際には、以下のように「診断名」「具体的な傾向(障害特性による困難や苦手なことなど)」をセットにしてお伝えするようにしています。 「私は、10数年前にADHDの診断を受けました」 「具体的には、主なものとして、抜け漏れ、先送り、過度の自責傾向、段取り苦手といった傾向があります」 2. 障害対策として取り組んでいること さらに、職場で本人が自ら働けるような自助努力をしているかは、面接官としても聞きたいところです。そこで、障害対策として取り組んでいることも、要点を押さえて伝えられるようにしておくと良いです。どのような要点の押さえ方をすれば良いかというと、上記の「自身の障害について」で挙げた「具体的な傾向」に対応する形で伝えれば良いです。筆者であれば、以下のようにお伝えしています。 「私は、タスク管理ツールに書き出すことで抜け漏れを防いでいます」 「また、仕事を細かい作業に分けることで、先送りや段取りが苦手なところをカバーしています」 「さらに、タスクのボールを自分が持っているかどうかを可視化して、自責傾向を抑えています」 3. 必要な合理的配慮について 自身の障害を説明し、できる限り対策を講じていることを伝えると、必要な配慮がグッと相手に入りやすくなります。同時に、「ここまで自分は頑張っているのだから、自分の希望をストレートに伝えても大丈夫」という余裕が出てきやすくなります。必要な配慮を依頼するときには、「特性による行動面の特徴」「具体的な配慮事項」をセットでお伝えしていました。筆者の実例は、このようなものでした。 「過度な自責傾向があるため、強い口調で指摘をされると、思考が止まってしまい業務が手につかないことがあります。」 「何か注意すべき点があるときには感情的に叱責するのではなく、冷静に対話していただけるとありがたいです。」 そのほかの合理的配慮の依頼例としては、以下のようなものがあります。 抜け漏れについては「重要な書類は、Wチェックをしていただきたい」 先送り、段取りが苦手については「週1回業務確認のミーティングを実施していただきたい」 上記3点は、どの企業の面接を受けるとしても、障害者雇用枠での選考であれば必要になります。ご自分なりの想定回答をご用意いただけると良いかと思います。そして、その大前提として、「自己理解」が必要となります。 自分にはどんな障害があり、具体的にどのような傾向でどのような困りごとが発生しているか それに対してどう対策しているか それでも対応し切れなくて配慮して欲しいことは何か これらの項目にスムーズに答えられるように自己理解をしておくと、面接に通る確率が上がることでしょう。 面接や就職活動の対策は、しかるべき人に頼ろう これまで、面接対策として、よくありがちな困りごとや苦手なこと等を中心にお伝えしてきました。筆者は、就労移行支援事業所等の存在を知らなかったため、自己理解から具体的な対策をするまでに年単位の時間がかかってしまい、それでも十分な対策ができたとは言えない状態でした。 面接のみならず、就職活動では、個々人の困りごとや特性などを総合的に判断し、原因にあわせた対策が必要になります。面接での細かな工夫なども含め、専門的な知見を持った人の協力を得て、自分にあった対処法を見つけて実践していくことが大切です。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。就労移行支援事業所ディーキャリアは、利用者様一人ひとりに合う金銭管理方法を見つけるサポートも行なっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
発達障害や鬱で「就活がうまくいかない」苦手感の克服方法

就活がうまくいかず250社落ちた経験のあるADHD当事者が、失敗から学んだ対策法について紹介します。特性理解がポイントです!

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「就職活動、お見送りの連絡ばかりでちっとも内定がもらえない」 「そもそも、選考に通る履歴書や職務経歴書の書き方のコツが分からない」 ADHDの診断を受けた筆者は、上記のような悩みを抱えて就職活動(就活)をおこない、250社落ちました。その経験から、どんな特性がありどんな困りごとがあったのか、その対策を講じるにはどうしたらいいかをお伝えします。 皆さんが少しでも安心した社会生活を送れるよう、この記事がお役に立つことを願っています。 執筆者紹介 小鳥遊(たかなし)さん 発達障害やタスク管理をテーマに、2021年まで会社員、2022年からフリーランスとして活動している。 発達障害(ADHD)当事者。主に発達障害や仕事術をテーマとするweb記事を執筆。2020年に共著「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」(サンクチュアリ出版)を執筆し発行部数は10万部を超える。 また、就労移行支援事業所でタスク管理等に関する定期プログラムやセミナー等を実施。企業や大学等での講演、個人/法人のタスク管理コンサルティングもおこなっている。 [toc] 特性による就活困りごとエピソード ここでは、筆者にある特性や発達障害の特性がある人ならではの就活における困りごとエピソードをお伝えします。 衝動性 ADHDには衝動性という特性があります。筆者においては、「考えたことを口に出さないと気が済まない、思考がつい口をついて出てしまう」という形で表れました。その特性に関連した就活失敗事例をお伝えします。 ①話しすぎ シンプルに面接で話しすぎていました。筆者は1社目を退職した後、半年ほど就活をしました。その半年間に(障害者雇用と一般雇用の求人合わせて)250社近くお見送りをされ、3社から内定をもらいました。その3社の内定は、「あること」に気をつけた途端に連続して獲得することができました。 その「あること」とは、話しすぎないということです。具体的には、「いったん言い終わったら、『これも言った方がいいかも』という内容を付け足さず、ぐっとこらえて相手の反応を見る」というものです。おそらく、付け足しの言葉はかなりの確率で相手にとって無駄なことだったのでしょう。無駄が削ぎ落され、分かりやすく話せるという好印象を面接官に与えた結果、内定につながったのではないかと考えています。 ②思考がそのまま口に出てしまう 大学生のときの話です。ある金融機関に応募したところ、面接前日に面接官を名乗る人から携帯電話あてに着信がありました。出てみると、翌日の面接に成績証明書を持参して欲しいとのこと。前日にいきなりそんな指示をされて少々面食らった私は、「え!?今日の明日ですか!?いきなり言われても用意できないかもしれませんが、とりあえず頑張ってみます」と答えました。 翌日、成績証明書が手に入り「これでどうだ」とばかり面接に臨みました。すると、面接官の態度がとてもそっけなかったのです。結果はお見送りでした。結果の連絡があってから、「あのとき『はい!明日大学で取ってまいります!」と元気よく返事をしていたら、もしかしたらそっけない態度もされず、選考も先に進めたのではないかと思いました。 意に沿わないことを言われても、笑顔で対応することが求められていたのかもしれません。思考をそのまま口にしてしまう傾向がストレートに出てしまったことで、お見送りという結果につながったのではないかと考えています。 知識の偏り 筆者がADHDの診断を受けたとき、臨床心理士から心理検査の結果に関して「知識の偏りがある」と言われました。知識に偏りがあるということは、興味があることについては積極的に行動し知識と経験を蓄積していくのに対して、興味がないことに関しては行動も消極的になり、経験も積めず知識も蓄えられないということです。 大学生のときの話です。同級生は就活をしてある程度経つと何らかの企業から内定をもらうようになりました。一方、筆者は内定が出ずじまいでした。その違いとして筆者が感じたのは、「説得力のある志望動機が言えるかどうか」でした。 同級生は、仮にA社の事業内容について少ししか興味がないにもかかわらず、その自分の興味とA社の事業内容の重なる部分をクローズアップして、「ということで御社に興味を持ちまして......」と言えていたのです。対して筆者は、自己分析や業界研究をあまり深めていなかったこともあり、基本的に一般企業の事業内容に共感もできず興味も持てず、志望動機が言えなかったのです。 それでも無理矢理ひねり出したのですが、社会の荒波に揉まれ人生経験を積んだ面接官が「これは本気で思っていないな」と見抜くのはたやすかったことでしょう。 能力の凹凸の落差 これは厳密に言うと「発達障害の特性」とは違いますが、ある能力は秀でているのに、別のことについてはびっくりするぐらいできないのは、発達障害のある人によくあることです。 とある有名企業の特例子会社の最終面接で、会社の役員の人たちが数人並んでいる中、そのうちの一人から「君はここにくるべき人ではない」と言われてしまいました。筆者は、「物忘れ」「先送り」「自責傾向」「段取り下手」という、どちらかと言うと事務処理に関する能力に自信がなく、逆に人前で話すようなことは大の得意でした。面接ではその筆者の得意がいかんなく発揮されたのです。 普通の面接であれば、好印象を与えて「では合格!」という方向にいきそうなものです。しかし、おそらく逆に「こんなにちゃんとしているのに、なぜ特例子会社で障害者雇用に応募してくるのだろうか」と面接官の人たちは思ったのでしょう。そして出てきたのが、「君はここにくるべき人ではない」という、やんわりとしたお断りの言葉だったのではないかと筆者は思っています。 特性があることによる自信のなさ これも特性自体の話ではありませんが、仕事に支障が出るような特性があるという後ろめたさ・自信のなさを埋め合わせるように譲歩をしてしまっていました。 ①「合理的配慮いりません」 初めて会社というものに入社して(障害者雇用で)働き始めたときの話です。配慮事項を聞かれたとき、「こんな自分を採用してくれたんだから、余計な迷惑を会社にかけていられない」という気持ちから、「合理的配慮をしていただく必要はありません!足りないところがあれば、自分で頑張ってどうにかします!」といった返答をしてしまいました。 ②休みが求人票と違っても受け入れる 上記とは別の会社で、一般雇用で入社したときの話です。求人票では「土日祝日お休み」と書いてあったのですが、内定をもらってから説明を受けたときには、「休みは月9日のシフト休日」と言われたのです。筆者は休日は就職にあたって重要な事項と考えていたため、とても迷いました。しかし、一般雇用で役職つきであり比較的高めの給与であったこと、何より「これを逃したら、これ以上の条件で就職できないのではないか」という自信のなさから、その条件を受け入れてしまいました。 こういった特性をあらかじめ知った上で就活をしていれば、250社も落ちなかったんじゃないかと筆者は今になって思います。 特性を知る方法 ここでは、特性を知る方法について、筆者の経験談も交えてお伝えします。 就活サポートの事例から 就労移行支援事業所ディーキャリアの就職サポートの事例で、卒業生の方がこのように振り返っています。 発達障害のある方が長く働くためには、自分の特性について知ることがとても大切だと考えています。 自分にどのような特性があるかを知って、どのように具体的に対策をすればよいかを知ることで、働きやすくなると思います。 面接のときにも、自分の障害のこと・特性への自己対処法・企業に求める合理的配慮を自分で説明する必要があり、自己理解の度合いが採用の合否にも影響することもあるそうです。 事業所によって支援実績のある障害種別が違うので、自分の障害にあった事業所で、自己理解とセルフケアを学ぶのがおすすめです。 筆者が特性を知った経緯 筆者が初めて就活をしたのは、今から10数年前、2007年のことです。その頃は就労移行支援というものを筆者は知らず、ひとりで就職活動をしていました。そもそも、障害者の就労を支援するいわゆる就労移行支援という制度は2006年に施行された「障害者自立支援法」に基づいたものなので、知らなくても無理はありません。 ひとりで障害者雇用の求人票を見てはハローワーク経由で連絡し、ひとりで履歴書などの書類を作って提出し、面接を受けるという流れを半年程繰り返して1社目で働き始めます。そのプロセスには、自分の特性を知る機会はほぼありませんでした。 それからどのようにして特性を知ったのかというと、「ただひたすら失敗やしくじりを繰り返して経験し、自分の特性や弱みを身をもって思い知った」というのが筆者が一番しっくりくる言い方です。 この「特性の知り方」は確実です。間違いなく、自分の特性を知ることができます。しかし、時間がかかります。筆者は、2007年に会社での勤務を開始してから、明らかに自分の特性を把握しているなと実感できるようになるまで7年かかりました。また、業務での失敗やそれが重なっての休職や退職という精神的にダメージを受けることを何度も繰り返すことになるので、リスキーでもあります。 早く安全に特性を知る方法 筆者の例よりも早く安全に特性を知る方法があります。それは、第三者からの意見に耳を傾けることです。自分の特性を知ることは、多くの場合自分の弱点や苦手なことを洗い出すことになります。そういった作業は、自分ひとりではなかなかできません。家族や友人など親しい人から聞きだすのもありかもしれません。 もちろん、特性を知る手がかりとして自己分析をおこなうのも大いにありえます。自己分析の方法は、こちらにくわしく説明してありますので、ご参照ください。 ただ、「①特性を知る」ことができたとしても、そのための「②自己対処法の習得や企業に求める合理的配慮などの洗い出し」をして、その上で「③応募書類の作成や面接対策」をすることが必要になってきます。 筆者は、上記で挙げた就活では、①と②はほぼできておらず、③を自治体などが提供する就労サービスを利用しておこなったのみでした。その結果が250社のお見送りだったり、せっかく就職しても辞めることになったりということになりました。もし①から③をワンストップでサポートを受けることができたら......と思わずにはいられません。 「自己対処法や合理的配慮の洗い出し」、それと「就活」について 以上のように、障害当事者として就職するには、「特性を知る」に加えて、「自己対処法や合理的配慮の洗い出し」「就活(応募書類の作成や面接練習など)」という2点も重要だと筆者は考えています。 自己対処法や合理的配慮の洗い出しについて ①自己対処法の洗い出し 仕事をする上で起こる困りごとに対して、自分ができることを考えて洗い出しをおこないます。その多くは、「忘れないように書きとめるメモ帳を常に持っておく」「仕事上の書類が行方不明になったり紛失しないように、スキャンしてデータ保存する」といった小さな工夫であることが多いです。 「なんだ、そんな些細なことか」と思うかもしれません。しかし、筆者の経験上、「そんな些細なこと」だから、習慣化するのが難しく、自己対処のハードルを上げてしまうのです。1つ1つ確実に実行していって、自分なりの対処法を身に付けていく姿勢が大事です。具体的にどのような自己対処法があるかについて、以下の記事も参考にしてください。 筆者のおこなった自己対処法については、以下の記事に詳しく書いてあるので、よろしければご覧ください。 ②合理的配慮の洗い出し 自己対処をするにも限界があります。それでも対処できないのであれば、企業側に配慮してもらうよう理解を求めることになります。それが「合理的配慮」です。合理的配慮の基礎知識は以下の記事にまとめられているのでご紹介します。 また、特性を知るところから、自己対処法の洗い出しを経て、企業へ求める合理的配慮を決めるところまでを分かりやすくまとめた記事もあります。こちらをお読みください。 筆者は、これまでに3社の就労経験があります。1社目と3社目が障害者雇用で、合理的配慮を申請しました。1社目は前述の通り「合理的配慮無しで良いです!」と伝えました。3社目については、特性も理解し、自己対処法も確立していたこともあり、1つに絞ってシンプルに伝えることができました。それは「怒らないでください」というものです。 自責傾向が強く、また度重なる失敗やミスにより自己肯定感が低くなっていた筆者は、とにかく叱責を受けることが何より精神的ダメージを受けるものでした。怒られ終わった後も、自分による自分へのダメ出しが続き、心理的に勝手に自分を追い込んでしまうのです。その結果、仕事が手につかず、また新たなミスを誘発してしまうことも多々ありました。 そういったことにならないよう、「一点だけお願いします。怒らないでください。改善すべき点があれば、冷静に指摘するという形にして欲しいです」と、社長面接で合理的配慮を聞かれた筆者は伝えました。 ただ、「怒らないで欲しい」とは、人によっては受け入れがたい話かもしれません。そこで筆者は、仕事の進め方(タスク管理)を活用して仕事についてはしっかり責任を持ってやるという自己対処法もセットで伝え、「自分でできる限りのことはやります。それでも対処が難しいところだけはお願いします」と伝えるようにしました。 「就活」について 志望企業を選んだり、面接対策や応募書類添削などをおこなう、いわゆる「就活」については、先にご紹介した就労移行支援事業所ディーキャリアの卒業生がこのように振り返っています。 自分の経歴は変えられない中で、どう書類でまとめればよいか・離職期間や転職の回数についてどう説明すればよいかをアドバイスしてもらえたことがよかったです。離職期間が長かったり、転職回数が多い方には、就労移行支援のフォローをもらうことがおすすめです。 障害者雇用枠での就職活動は、自分の障害のことや必要な配慮事項を伝えなければなりません。自分の言葉で説明するのが難しかったので、応募書類の作成や面接練習などのサポートはありがたかったです。 自分に合う求人を一緒に探してくれたり、面接に同席をしてくれたりしたことも心強かったです。 「就活」については、以下のページをお読みいただくと、より具体的にご理解いただけます。 必須とも言える第三者によるサポート 特性を知ることも、自己対処法や合理的配慮の洗い出しも、そして具体的に就活をおこなう際にも、いずれも第三者のサポートは必須ではないかと筆者は考えています。筆者はすべてをほぼ自分のみでやりましたが、せっかく就職してもうまくいかなかったり、そもそも特性の理解ができていなかったり、自己対処法や合理的配慮の洗い出しをするということすら考えが至りませんでした。 さらに、これら3点がすべて揃って就職までこぎつけるのに、数年の時間がかかりました。逆にサポートがあれば、そんなにかからなかっただろうと筆者は考えています。3点をまとめてサポートしてくれる上に、志望する企業へ就職するために必要なスキル習得の訓練もできるのが、就労移行支援事業所です。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ディーキャリアは、就労へ向けて以下4点においてサービスを提供しています。 「就労準備性」の向上就労するうえで必要な心身の健康管理(生活リズムの安定、通院・服薬等)、ビジネスマナーの習得、コミュニケーションスキル・実務スキルの習得等をおこないます。 自分の障害特性への対処法の習得障害理解を深め、自己対処法の習得、必要な合理的配慮の洗い出しをおこないます。 「自分らしい"働き方"」の探求業界職種はもちろん、一人ひとりに合った「働き方(障害者雇用or一般雇用、給与、職場環境、勤務時間等)」をスタッフに相談しながら決めることができます。 就職サポート応募書類の添削や、面接練習、キャリア相談などを通して、就職に至るまでの「就活」をサポートします。具体的には以下をご参照ください。 具体的には以下をご参照ください。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
【発達障害当事者が解説】職場に発達障害を隠すとどうなる?

障害者雇用と一般雇用の両方で就労経験がある筆者が、自身の体験談を交えながら、障害開示をするメリットとデメリットをお伝えします。

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「発達障害を隠して働いているが、問題ないのか」「診断がある場合は、障害者雇用枠で働かないといけないのか」「発達障害があることが、会社にバレてしまうことはあるのか」 発達障害があることを職場に言わずに働いている(以下表②)場合、「自分の障害のことが知られてしまうのではないか」「知られたら辞めさせられるのではないか」という不安がつきまとうのではないでしょうか。 <発達障害のある人の働き方> No雇用枠障害のオープン/クローズ①障害者雇用枠オープン(障害を開示)②一般雇用枠クローズ(障害を非開示)③一般雇用枠オープン(障害を開示) 発達障害のある人の働き方に関する基礎情報と体験談は以下のコラムでもお伝えしています。あわせてお読みください。 発達障害の1つであるADHDの特性のある筆者は、上記①②③いずれも経験があり、一般雇用枠でのクローズ就労のときは、自分の障害がバレてしまうのではないかと考えてヒヤッとしたことがあります。そんな経験談も交えながら、「発達障害の診断が出ているが、会社に言わないとどうなる?」と気になっている方々へ、一般雇用枠でのクローズ就労のメリットとデメリット・発達障害当事者としての働き方についての考えをお伝えします。 皆さんが少しでも安心した社会生活を送れるよう、この記事がお役に立つことを願っています。 [toc] 執筆者紹介 小鳥遊(たかなし)さん 発達障害やタスク管理をテーマに、2021年まで会社員、2022年からフリーランスとして活動している。 発達障害(ADHD)当事者。主に発達障害や仕事術をテーマとするweb記事を執筆。2020年に共著「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」(サンクチュアリ出版)を執筆し発行部数は10万部を超える。 また、就労移行支援事業所でタスク管理等に関する定期プログラムやセミナー等を実施。企業や大学等での講演、個人/法人のタスク管理コンサルティングもおこなっている。 障害を伝えずに働くことは可能です! まず第一にお伝えしたいのは、「障害を伝えずに働くことは可能」だということです。障害があったら、それを必ず伝えなければいけないと考える必要はありません。また、こちらから言わなければ、原則的に会社は知ることはありません。 また、仮に自分の障害が会社に知られたとしても、「障害がある」という理由だけで解雇する権利は会社にはありません。障害者雇用促進法第35条では、障害者であることを理由に不当な差別的取り扱いをしてはならないと定められています。 障害者雇用促進法 第35条事業主は、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者でない者と不当な差別的取扱いをしてはならない。 したがって、まずは「障害が知られても不当な扱いは受けないと制度的に保障されている」と安心していただければと思います。 障害を開示せず一般雇用枠で働くメリット そもそも、なぜ「一般雇用枠で」「障害を開示しない」クローズ就労で働くという選択肢があるのか考えてみたいと思います。 なお、冒頭でご案内したとおり、一般雇用枠でオープン就労をするという選択肢もあります。ただし、多くの場合は「一般雇用枠でクローズ就労」か「障害者雇用枠でオープン就労」のどちらかを選ぶことになるため、今回はこの2つを対比させながら考えていきたいと思います。 給料が高い 障害者雇用枠で障害を開示して働くオープン就労に比べて、一般雇用枠で障害を開示せず働くクローズ就労の方が、給料が高い傾向があります。 オープン/クローズの就労タイプ別に特徴などを図にまとめてみました。会社によって雇用条件や業務内容はさまざまですが、一般的にこのような傾向があると理解して良いと思います。 就労タイプ特徴筆者の経験事例給料障害者雇用枠オープン就労障害特性への配慮の面から、比較的負荷の低い業務が中心書類のPDF化郵便物の集配など低め一般雇用枠クローズ就労負荷が高く責任が重い業務も担う全国の社用車の配置案株主総会準備など高め キャリアパスが豊富 また、一般雇用枠のクローズ就労は、負荷の低い業務から負荷の高い業務まで幅広くこなすのが想定されるため、「将来どんな仕事をしたいか」について、より多くの選択肢があることが多いです。 それに対して、負荷の低い業務のみを担当することが多い障害者雇用枠のオープン就労では、より負荷の高い業務を行なうポジションにステップアップすることは難しいのではないでしょうか。 より多くの業務をこなせるようになるのは、将来的に自分の価値を高めることにつながります。その点で、一般雇用枠のクローズ就労にはメリットがあると考えられます。 このように、一般雇用枠でクローズ就労をするメリットとして、「給料が比較的高いこと」「キャリアパスが豊富であること」があると言えそうです。 障害者雇用枠では高い給与や豊富なキャリアパスは不可能? なお、近年では、これまでの実務スキルや知識を活かし、一般雇用枠と同様の業務を担当し同等の給与をもらえる障害者枠求人も増えてきました。また、スキルや知識がなくても、積極的に多くの仕事をしたいと伝えれば色々やらせてもらえる職場も、まれにですがあります。 筆者も、1社目の会社で、障害者雇用枠で採用されたものの、当初求人票に書かれていた業務以外の仕事を多くするようになった経験があります。しかし、その結果「あの人は普通に仕事を振っても大丈夫」と思われて、どんどん仕事が増えていつしかコントロールが効かなくなってしまい、負荷に耐えきれず筆者は休職することになってしまいました。 障害者雇用枠で働きながらも、一般雇用枠と同様の業務を担当し同等の給与をもらえるようになるためには、体調管理や業務量の管理、きちんと障害特性への配慮が受けられるような環境でいられるかなどについて相当気を付けなければならず、まだまだ課題があると言えます。 障害を開示せず一般雇用枠で働くデメリット それでは、障害を開示しないクローズ就労で働くデメリットについて考えてみたいと思います。 障害が知られないか不安になる 障害があることを言わずに働いていると、常に「知られてしまうのではないか」と不安に駆られながら働くことになります。このプレッシャーは無視できません。「こちらから言わなければ、会社側は障害の事実を知ることはない」と前述しましたが、意図せず知られてしまう例外があります。3つほど具体的な事例を挙げてみます。 障害者控除の申請会社で毎年配られる年末調整の書類に障害者控除記入欄がある。会社の労務などの担当者がチェックするので、その際に知られる場合がある。障害年金・傷病手当金の申請障害年金が支給されているときに、重ねて傷病手当金の申請をする場合、障害年金の受給の事実を記載する必要がある。傷病手当金は会社を通して申請するので、その際に知られてしまうことがある。健康診断問診で精神科で処方された薬を服用していると回答した場合、それが会社側に伝わることがあります。その薬がどんな病状のときに処方されるかを調べられたら、それによって障害が知られる可能性がある。 障害がバレるかもしれなかった筆者の事例 障害があることが知られる場面は他にもあります。1社目に障害者雇用枠でオープン就労をし、2社目に一般雇用枠でクローズ就労に転職をした筆者がヒヤッとした事例をご紹介します。 1社目の休職中、給与が出ない代わりに傷病手当金の支給を受けていた筆者は、休職してそのまま退職となったため、1社目の最後の数か月は「給与ゼロ」でした。そのため、1社目の源泉徴収票の年収や所得の欄には、ありえないくらい低い額が記載されていました。 2社目の年末調整には1社目の源泉徴収票を提出しなければいけないことが分かり、筆者は気が気ではありませんでした。源泉徴収票を確認され、「どうして年収がこんなに低いのですか?」と訊かれたら、障害があること、その影響から仕事がうまくいかなくなって休職したことを話さないといけないと考えたからです。 2社目の入社面接の最後に「心身ともに健康ですか?」と面接官に質問されたときのことが思い出されました。その際、「発達障害が影響して二次障害を起こして休職したのだけど、それは健康と言えるのだろうか?」と一瞬疑問がよぎったものの、ここで言いよどんでしまうと入社に支障が出るのではないかと思い、「はい」とだけ返答しました。 面接で「心身ともに健康」と伝えておきながら、実はその数か月前まで休職していましただなんて言えない。そう思うと、隠していたことがバレてしまってとがめられるのではないかと内心不安でいっぱいでした。 しかし、話さずに済みました。2社目の入社が12月半ばだったので、すでに社内の年末調整の手続きは終わっており、「年末調整の手続きはもう終わってしまったので、自分で確定申告をしてください」と言われたのです。その結果、源泉徴収票を見られることはなかったのでした。 結果的に何もなかったものの、「障害が知られてしまうかもしれない」という不安を抱きつつ仕事をするのは、精神的に結構プレッシャーがかかるものです。無いに越したことはありません。 配慮が受けられない 障害を開示しないので、合理的配慮も受けられないということになります。発達障害のある人が配慮なしに仕事をするのは、相当負荷のかかることです。 厚生労働省が令和2年に発表した|障害者雇用の促進について 関係資料」によると「一般求人障害非開示=一般雇用枠でクローズ就労」で就職した場合の職場定着率は1年で30.8%とかなり低いというのが現状です。一方で「障害者求人」の場合には70.4%と比較的高い定着率となっています。 障害を開示して配慮を受けられる方が、障害を開示せず配慮を受けられない方よりも、圧倒的に定着率が高いのです。 配慮が受けられない環境に耐えきれなかった筆者の事例 筆者は、前述した通り2社目は一般雇用枠でクローズ就労、つまり配慮なしに仕事をする状況でした。結果、1年強で仕事が続けられなくなり休職を余儀なくされました。 締切は守れない、チェックミスを連発する、やるべきことが溜まりすぎてどれから手をつければ良いか分からない。そういったことが日常茶飯事になると、次第に頭が働かなくなってきます。 「頭が働かなくなる」→「仕事上でミスをする、仕事が溜まる」→「より頭が働かなくなる」という悪循環に陥り、「自分は職場にいていいのか」と自己嫌悪にさいなまれるようになっていきました。職場のデスクで昼食を取るのもできなくなり、昼休みになると逃げるように職場近くのレストランやカフェに行くようになりました。 発達障害は外から見て分かる障害ではありません。したがって、より働きやすくなるためには、自分の障害のことを説明して、配慮を求める必要があります。しかし、一般雇用枠でのクローズ就労は、それができません。 そういったこともあり、自己嫌悪がさらに悪化して、「どうせ自分は仕事がちゃんとできない」と思い込むようになってしまい、出社するのが怖くなり、仕事をするどころの精神状態ではなくなって休職をすることになってしまいました。 解雇につながることも また、配慮が受けられない環境は、思った以上に簡単に自分を追い詰めてしまいます。単に「仕事がつらい」だけではなく、解雇されてもしかたがない・解雇理由ありとされるような状況に陥ることもあるのです。 解雇理由は、会社が自由に従業員を解雇できないよう就業規則に定めておかねばならないとされています。厚生労働省が公開している就業規則のひな形では、解雇理由として、次のような事項などが列挙されています。 精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき 正当な理由なく無断欠勤が●日以上に及び、出勤の督促に応じなかったとき  正当な理由なく無断でしばしば遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、 ●回にわたって注意を受けても改めなかったとき 就業規則に明記された解雇理由に該当しなければ、解雇されることはありません。しかし逆にいえば、該当したら解雇される可能性があるという点、注意が必要です。 筆者は解雇された経験はありませんが、そうなってしまう一歩手前までいったと感じています。前述の通り、出社するのが怖くなると、「休みます」の連絡さえ難しくなります。その状態がエスカレートすれば、「無断で長期にわたり欠勤をする」ことにつながりかねませんでした。 「自分に合った働き方」を 以上、障害を開示せず一般雇用枠で働くメリットとデメリットを見てきました。それを踏まえて、「発達障害の診断が出ているが、会社に言わないとどうなる?」と気になっている方々へお伝えしたいことをまとめました。 今、一般雇用枠でクローズ就労をしている方へ 今現在、障害を開示せずクローズ就労をしている方、繰り返しになりますが、「障害を伝えずに働くことは可能」です。障害特性による苦手があったとしても、働くにあたって支障がないのであれば、会社・チームにとって頼りになる存在になっているはずです。自信を持って仕事を続けてください。 もし、仕事をやるにあたって困りごとがあり、しんどさを感じているのであれば、それは自分からの大事なシグナルです。無理せず、仕事の負荷を減らしたり、ちょっとお休みをしたりといったアクションをするのをお勧めします。 そんなとき、「本当なら毎日きちんと仕事ができて当たり前なのに、なんて私はダメなんだ」と思ってしまうかもしれません。その必要はありません。自分に合った「仕事のやり方」「対処法」に工夫の余地があるだけだ、と考えてみてください。 ただ、自己対処を尽くしても、どうしても仕事が続けられないということもあるかもしれません。その場合は、休職するなり退職するなりいったん職場から離れて自分に合った働き方を考え直してみるのも、長い目で見ればありです。 一般雇用枠でクローズ就労したいが迷っている方へ 迷っているということは、障害特性が仕事上に影響が出てしまうことを危惧されているのだと思います。そんな方は、いったん特性に配慮してもらいやすい障害者雇用枠でのオープン就労も選択肢の一つです。もちろん、障害者雇用枠は給料などの条件が低めに設定されていることが多いですが、それを差し引いても、「働きやすい職場」「長く働ける職場」での就労をまずは優先しても良いのではないでしょうか。 筆者は、待遇や条件面を理由に一般雇用枠のクローズ就労を選んだところ、前述したとおり1年ちょっとで就労を継続するのが難しくなってしまいました。そういった経験からも、事情が許す限り、まずは障害者雇用枠のオープン就労の検討から始めるのが現実的だと考えます。 とはいえ、給与の高低は見逃せない問題です。そこで、人によってはオープン就労で「働くこと」自体に慣れてきたらクローズ就労への転職を考えてみるといった計画性を持ってキャリアプランを立てるのもありです。 同じ会社で障害者雇用枠から一般雇用枠へ移行することも 冒頭で簡単に触れさせていただきましたが、「障害を開示しつつ一般雇用枠で働く」という選択肢もあります。 筆者は、同じ会社で「障害を開示して、障害者雇用枠のオープン就労で働き始める」→「一般雇用枠のオープン就労へ移行して継続して働く」という経験をしています。もちろん、スムーズに話は進むとは限りませんが、そんな例もあると知っておいても損はないと思います。 その会社は、障害があったとしても働きぶりが一般雇用の方と同等であれば、差は設けていませんでした。また、その会社で働いているあいだ、役職も付いて手当もつき、昇給もありました。 筆者にとってよかったのは、障害者雇用枠で働き始めた際に申し出た配慮事項が、一般雇用枠へ移行した後でもそのまま継続されたことです。筆者の配慮事項は、強い調子で叱責をされると必要以上に自分を責めてしまい頭の中が真っ白になって仕事にならないことから「怒らないで欲しい。改善すべきところがあれば、冷静に『提案』して欲しい」というものでした。 もちろん、どんな配慮事項も一般雇用枠でも受け入れられるとは言えませんが、「怒らない」というのは実行しやすい配慮であることもあり、職場で受け入れられる「円滑に仕事を進めるために業務上必要なこと」と認められたのだと筆者は推測しています。ちなみに、一般雇用枠であったとしても合理的配慮を依頼することができます。ただし、会社との話し合いのうえで「合理的」だと判断されるかどうかによります。詳しく「合理的配慮」について知りたい方は以下のコラムもあわせてお読みください。 余談になりますが、そもそもなぜ障害者雇用枠から一般雇用枠になったのかご説明をしたいと思います。それは筆者の「忘れっぽい」というADHD特性がいかんなく発揮されてしまい、障害者手帳の更新を忘れてしまったからです。意図せず移行してしまいましたが、それでも就労を継続させてくれた会社には感謝しかありません。 自己理解にもとづいた「配慮事項の明確化」「自己対処」が大切 障害者雇用枠/一般雇用枠、オープン/クローズ就労のどの働き方をするにしても、自分に合った働き方を探す上で、自分の特性をしっかり理解し、必要であれば配慮事項を明確に伝えられ、特性に対して自己対処ができて求められる成果をあげられることは、その選択肢を広げるという意味でプラスになります。 筆者は、仕事が膨大であっても精神的に落ち着いて取り組める「タスク管理」というスキルで自己対処ができ、それでも配慮して欲しい点として「怒らないで(強い調子で叱責しないで)欲しい。改善すべきところがあれば、提案という形でお願いしたい」と明確に打ち出すことができました。 しかし、配慮事項を明確にし、自分なりの自己対処法を身に付け、長期的に継続できる自分なりの働き方を探すのは、自分一人でおこなうには難しく、膨大な手間がかかってしまうでしょう。 そんなときは、自分一人で悩んだり、余計に手間をかけたりしてしまうよりも専門家の手を借りることも検討してみましょう。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある方が就職するための「訓練・就職活動」の支援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚生労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 もちろん、今の時点でサービスを利用する目的を決めていなくても大丈夫です。 「まだやりたいことが決まっていない、将来のビジョンが見えていない」「何を目的にサービス利用をすべきかイメージが湧かない」「自分に合っているか分からない」 …と悩んでいる方も安心してお問い合わせください。一人ひとりのご状況や困りごとをヒアリングしながら、ご提案をさせていてだきます。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
【発達障害当事者が解説】「仕事がうまくいかない」対策と継続のコツ

「仕事がうまくいかない…」を乗り越えるための対策を筆者の実体験をまじえご紹介。対策を立てた後に『継続』するためのコツもお伝えします。

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「仕事がうまくいかない」「同じようなミスを繰り返してしまう」 発達障害の特性がある方にとって、「仕事がうまくいくかどうか」はかなり大きなテーマでしょう。注意欠如・多動性障害(ADHD)の当事者である筆者も、過去に仕事でミスや失敗をして落ち込み、不安感にさいなまれる経験をしてきました。 平成29年に発表された厚生労働省の発表によると、精神障害者の障害者雇用の離職理由について「仕事内容があわない」「作業、能率面で適応できなかった」という項目が上位にきています。また、日本国内の企業の99.7%を占める中小企業のうち、障害者雇用の定着の理由として「作業を遂行する能力」を挙げる企業が一番多いという調査結果も出ています。 参考文献:障害者雇用の現状等|厚生労働省 発達障害特性への対策は世にたくさん発信されています。一方で、発達障害のある方の離職率が劇的に低くなったという話は聞きません。つまり、対策を知ったとしても、それを実際の自分の業務に生かすことが難しいのではないでしょうか。 今回の記事では、発達障害のある方によくある失敗とその対策、そして、対策を継続し習慣化していった筆者の体験談をお伝えします。皆さんが少しでも職場で長く違和感なく働けるよう、この記事がお役に立つことを願っています。 [toc] 執筆者紹介 小鳥遊(たかなし)さん 発達障害やタスク管理をテーマに、2021年まで会社員、2022年からフリーランスとして活動している。 発達障害(ADHD)当事者。主に発達障害や仕事術をテーマとするweb記事を執筆。2020年に共著「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」(サンクチュアリ出版)を執筆し発行部数は10万部を超える。 また、就労移行支援事業所でタスク管理等に関する定期プログラムやセミナー等を実施。企業や大学等での講演、個人/法人のタスク管理コンサルティングもおこなっている。 発達障害当事者によくある失敗 発達障害の特性があると、以下のような失敗をしがちです。それぞれについて、原因と対策を挙げてみます。今回ご紹介をする【原因】は、あくまでも一例です。特性は一人ひとり異なるため、あくまでも参考としてご覧ください。 ① ケアレスミスが多い 【原因】 一般に、「記憶の抜け漏れ・忘れ」はケアレスミスにつながりやすいと考えられます。発達障害の特性の有無と、「ワーキングメモリ」と呼ばれる作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力の間には関連性があることが指摘されています。 参考文献:「ワーキングメモリと実行機能の発達」|発達心理学研究 2019,第30巻,第4号,173-175 【対策】 ワーキングメモリの働きを自分でコントロールすることはなかなかできません。頭の中だけで覚えておこうとするのではなく、紙のノートやPCのメモ帳に書き出して保存することが、簡単ながら一番効果的な対策です。電話を受けたらメモをする、口頭で指示を受けたらToDoリストに書き出すなど、確実に残る記録としていつでも参照できるようにしておくことが大切です。 ② 納期を守れない 【原因】 発達障害の特性の1つとして、不安が強く心配性であるため、失敗・挫折への恐怖が強いという傾向があり、仕事(やるべきこと)の先延ばしをして納期を破ってしまいがちだとされています。 参考文献:ひきこもり支援者読本 第2章「ひきこもりと発達障害」|内閣府 【対策】 「できないかもしれない」と思ってしまう仕事は「失敗せずやれる」と思えるような細かい作業手順に分解することでその不安や恐怖を取り除きます。すると、とりあえず手を付けることができるようになります。その結果、先延ばしを避けて納期通りにやるべきことを終わらせることができます。 ③ 優先順位を間違える 【原因】 やるべきことが複数あり、そのどれから着手するかを決める、いわゆる「優先順位づけ」についてもまた、発達障害当事者は困難を抱えがちです。それは、目の前の作業に没頭するあまり、全体と部分の把握を適切に切り替えることが難しかったり、先々の展開を想像することが苦手だったりすることが原因といっても良いでしょう。 参考文献:注意欠陥/多動性障害児を対象とした課題解決場面におけるメタ認知を促すための支援方法に関する事例的研究|上越教育大学大学院 【対策】 「手を付けなければいけない順番」の指標として締切を意識します。締切を意識することで、早く終わらせなければいけないのはどれかが分かり、正しく優先順位づけをすることができます。 このように、それぞれ原因を知り対策を講じることで、よくある失敗を事前に避け、仕事の質を上げることができます。しかし、対策を講じたは良いが続かなかった、飽きて途中で辞めてしまったといった経験がある方も多いのではないでしょうか。 そこで、筆者の「挫折してしまった(継続できなかった)経験」と「うまく継続できた経験」を対比して、対策を習慣化するコツをお伝えします。 うまくいかなかった「ToDoリスト」 筆者は「タスク管理ツール」を使うことで仕事のクオリティーを上げて長く安定して働き続ける力をつけました。しかし、最初からうまくいったわけではありません。 はじめての会社で先輩や上司から言われたのが「ToDoリストを作りなさい」というものでした。それまで「自分のやるべきことを書いて管理する」ということを一切してこなかった筆者は、ただ「作りなさい」と言われ、見よう見まねでやらなきゃいけないと思うことをノートに列挙して仕事をするようになりました。 増殖し続けるリスト ToDoリストに自分の仕事を書き出すだけでうまくいく......わけではありませんでした。むしろ書き出せば書き出すほど仕事の悩みは大きくなりました。「書いても消えない」のです。 例えば、ある日に10個の仕事を書き出したとします。そのうち7個くらいこなしたとして、残りの3個の仕事は翌日のページに繰り越されます。翌日新しい仕事がまた10個発生したら、合計13個の仕事がリストに並びます。そんな調子で数日経過すると、書き出す気がなえるほど膨大な数の仕事を毎日リストに書くことになってしまいます。 なにから手を付ければ良いかが分からない また、ToDoリストに書き出した仕事の数々を眺めて、「あれ?これ何から手を付ければいいんだろう?」と手が止まることも頻繁に起こりました。ある仕事について手が止まると、別の仕事に目がいきます。ところが、別の仕事も同じく手が止まる。また別の仕事に目が向く。またどう着手すれば良いかが分からない。その繰り返しで、結局リスト上の仕事を減らすことが難しくなってしまい、リスト上の仕事が増えることに拍車をかけてしまいました。 優先順位が分からない さらに、目の前におびただしい数の仕事があるとどうしても目移りしてしまい、「あれもやらなければ」「これもやらなければ」と混乱してしまいました。その結果、本当なら最優先で取り組むべき仕事を後回しにしてしまったり、逆にすぐにやらなくてもいい仕事をなぜかすぐにやらないといけないと思い込んでしまったりと、優先順位をきちんとつけることができていませんでした。 ToDoリストによる管理が崩壊 そうしたことが重なり、ToDoリストを更新することが面倒くさくなって、仕事の基本である「自分がやるべきことを客観的に把握する」のをやめてしまいました。 なお、当時の筆者は上記のように細かく分析できていたわけではなく、「なぜか仕事がうまくいかない」という大雑把な認識しかありませんでした。したがって、「ToDoリストを使いやすくするように改善していこう」という考えが微塵もなく、ToDoリストを更新する作業が「仕事を邪魔する面倒くさいこと」としてしか認識できなかったのです。 こうして、筆者の「仕事をうまくこなす」ための作戦は完全に挫折して終わりました。 うまくいった「特性対策ツール」 ただやるべきことを列挙しただけのToDoリストだけでは仕事がうまく管理できなかった私に足りなかったもの。それは「ToDoリストを自分用に変えていこう」という考えでした。 ここに、対策を講じた後にやるべきことのヒントがあると筆者は考えています。それは、「実践」「検証」「改善」を繰り返すことです。以前のToDoリストでの失敗を糧にこの3つを繰り返すことで、ただのToDoリストを「自分ならではの特性対策ツール」へ変えることができ、仕事がうまく回るようになりました。 ①まずはToDoリストにやるべきことを書き出す 実は、ToDoリストを使うことには失敗だけでなく、良い部分もありました。それは、「書いたことは忘れない」という安心感です。むしろ、「書いたから安心して忘れることができる」と言っても良いかもしれません。やるべきことをToDoリストに書き出すことにより、少なくとも「覚えたはずなのに忘れる」「抜け漏れが発生する」といったことによるケアレスミスは減らすことができました。 しかし、以前にToDoリストを使ったときは、「書き出すだけ」で終わっていたのです。そのため「議事録の作成」や「企画の立案」といったざっくりした内容の項目が並ぶToDoリストを眺めては、「議事録を作るためには、何からとりかかればいいのだろうか」「どのような手順を踏めば企画書を作成できるのだろうか」と考えてしまい、いつまでたっても着手できずにいました。 ②仕事の手順を付け加える そこで、書き出したToDoリストに「より具体的で分かりやすい作業手順」を付け加えるようにしてみました。例えば「議事録の作成」の場合、まずは「議事録のフォーマットを先輩から手に入れる」ことが必要ですので、これが最初の作業手順となります。これをToDoリストに書き足しておけば、「まず最初に何をすれば良いか」が分かるので、作業に着手しやすくなります。 これにより、手が付けられず無駄に時間が過ぎていくことを予防でき、結果的に先延ばしを回避することができて納期を守りやすくなりました。ただ、いくら「着手しやすい手順」が目の前に並んでいても、「では、どの作業から着手しよう」というところで迷いが生じます。つまり「優先順位の問題」を考えなければならないのです。 ③自分が進めている仕事かどうかを付け加える 優先順位の問題の対策としてまず考えられるのは、「優先順位をつける対象の数を減らす」ことです。誰かが進めているのを待っているだけの仕事は、自分がすぐに手を付けられないので、そもそも「着手すべき仕事」の優先度を判断する対象から外すことができます。 さらに、「自分が進めている仕事」と、「誰かが進めていて自分はそれが終わるのを待っているだけの仕事」を区別できるように、ToDoリストに「自分」「相手」などと付け加えました。その結果、優先順位をつける対象を絞り込むことができ、どの作業から手を付けたらいいのかが分かりやすくなりました。 ただし、優先順位をつける対象をある程度絞り込めたとしても、最終的にはその中から「今、自分が進めるべき仕事」をどれか1つ選ばなければなりません。その選択基準がなければ、結局、優先順位がつけられていないのと同じことになってしまいます。 ④手順の締切を付け加える そこで、「今、自分が進めるべき仕事」を1つ選びやすくするために、その手順の締切を付け加えました。締切の日付があれば、「これは早めにやっておいた方が良さそうだ」「これは締切が随分あとだから、まだ寝かせていても大丈夫」ということが分かるので、「今、自分が進めるべき仕事」を選びやすくなります。 このようにして、「ケアレスミス」「納期を守れない」「優先順位がつけられない・間違える」という困りごとへの対策を、自分のものにすることができました。また、実践→検証→改善というサイクルを繰り返すことによる「手間暇かけた感」が、この特性対策ツールへの愛着を湧かせ、この仕事の管理方法を継続させる土台となりました。 対策を継続させるための仕組み ここまででも十分に仕事で活用できる管理ツールにはなったのですが、さらに継続させるための仕組みとして、「適切に自分に報酬を与える」ようにしました。 国立精神・神経医療研究センターの研究によると、ADHDのある方には「後で手に入る高額の報酬よりも、すぐに手に入る少額の報酬を選ぶ傾向がある」と言われています。 参考文献:報酬はヒトの行動抑制機能を高めるか?神経心理学的アプローチによる報酬効果の検討と展望|日本生理人類学会誌 Vol.27,  No.2  2022, 5 38 - 45 ここでいう「報酬」とは、仕事が進んだり、完了できたりすることによる「満足感」と考えていただければと思います。ADHDである筆者も例に漏れず、大きなプロジェクトを終わらせたときの満足感のような「後で手に入る高額の報酬」までは待てません。そこで、「すぐに手に入る少額の報酬」を自分で設定するようにしたのです。 完了数の表示 今までご説明した「特性対策ツール」を、私はExcelで作っています。そのExcel上で、「完了した仕事の数」を表示させるようにしました。ロールプレイングゲームでは、経験値が一定数たまるとレベルが上がります。現実の世界では数字がたまっても何も変わらないのですが、Excel上の数値が上がるだけでも「やった!」と満足感を覚えます。仕事を1つ1つ終わらせるごとに「仕事の経験値をためる」という感覚を自分に起こさせるようにしたのです。 毎日の仕事の発生数/完了数の表示 Excel上でその日発生した仕事の数と、完了させた仕事の数とを比較できるようにしました。例えば、ある日仕事が5つ発生して、4つ完了させていたとします。その時点で「1負け」です。そこで、なんとかすぐに完了できる仕事がないか探します。運よくすぐに終わる仕事が見つかると「引き分け」になります。さらにもう1つ仕事が完了できたら「1勝ち」となります。 「発生数/完了数の勝ち負け」の仕組みは最初はお遊び程度だったのですが、これもロールプレイングゲームのような満足感を味わうことができ、仕事を進めるよい燃料になりました。 仕事が画面から消える これはもう筆者の個人的な趣味のような領域になってしまうのですが、完了させた仕事は記録には残るものの、Excelの画面上では見えなくするようにしました。Excelの「フィルタ機能」を使うとことで、完了させたToDoがスッと消える(正確には、画面から見えなくなる)のです。 この瞬間がたまらなく好きになり、この消える際の「スッ」というExcel上の動きを見るだけで一種の快感のようなものを覚えるようになりました。 まずは自己理解から 以上、筆者の失敗事例とうまくいった事例から、「実践」→「検証」→「改善」というサイクルを回すことでより自分に合ったやり方を見つけることで継続できることをお伝えしました。 ただ、筆者とまったく同じことをしましょうと言うつもりはまったくありません。この事例からお伝えしたいことは、「実践・検証・改善を繰り返すことでより習慣化しやすくなる」「改善には、自己理解が助けになる」ということです。 特に、自己理解を深めておくことが大事だと筆者は考えています。抜け漏れしやすかったり、先延ばしぐせがあったり、優先順位がつけにくかったりする特性を認識していないと、そもそも対策を立てること自体ができないからです。 自己の障害特性を理解し、仮説レベルでもいいので対策を立てて実践し、その結果を検証し、自分の特性に照らして「特性のある自分でも対応できそうな」改善策を付け加え、それを実践して......という繰り返しをすることが、発達障害の特性を持つ私たちがより生きやすくなる道だと筆者は考えます。 ただ、正直なことをお話すると、何から何まで自分でやろうとするのは、とても時間と手間がかかります。筆者自身も特性を把握するまでには数年の時間がかかりました。今、この記事をお読みの方は「そこまで時間と手間をかけていられない」とお考えだと思います。 そんなときには、自分一人で悩むよりも専門家の手を借りることも検討してみましょう。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある方が就職するための「訓練・就職活動」の支援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚生労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 もちろん、今の時点でサービスを利用する目的をが決めていなくても大丈夫です。 「まだやりたいことが決まっていない、将来のビジョンが見えていない」「何を目的にサービス利用をすべきかイメージが湧かない」「自分に合っているか分からない」 …と悩んでいる方も安心してお問い合わせください。一人ひとりのご状況や困りごとをヒアリングしながら、ご提案をさせていてだきます。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 編集担当 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
卒業生インタビュー「就労移行支援を利用して良かったことは?」

ディーキャリア卒業生に「実際に就労移行支援を利用してみて良かったこと」をうかがいました。今の社会人生活に役立っていることなど、リアルな体験談をお伝えします。

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  • #就労移行支援事業所
  • #障害者雇用
  • #オープン就労
ディーキャリアの卒業生の方に、「就労移行支援(ディーキャリア)を利用して良かったこと・メリット」についてインタビューをおこないました。 今回インタビューに応じてくださったNさんは、4年前にディーキャリアをご卒業、現在は障害者雇用枠で事務のお仕事をされています。そんなNさんに、ディーキャリアで学んだこと・身につけたことで、実際に社会人生活で役立っているものがあるかについて聞いてみました。 インタビューの前半では、就労移行支援を利用したきっかけについてお伺いしました。 【こんなお悩み・疑問のある方にオススメ】□ 就職を目指しているものの、うまくいかない□ 発達障害の特性があり、働くことに自信がない□ 就労移行支援(ディーキャリア)で身につくスキルを知りたい□ 就労移行支援(ディーキャリア)で解決できる悩みを知りたい 就労移行支援に興味はあるものの、利用すべきか悩んでいる方に、お役立ていただける情報満載です。 ぜひ、最後までお読みください。 参考記事本記事は当事者同士の対談のため、発達障害に関する用語でお分かりになりづらい部分があるかもしれません。「大人の発達障害」について詳しく知りたい方は、以下のコラムもご参照ください。 [toc] インタビューにこたえてくれた方Nさん ■所属オフィス:ディーキャリア柏オフィス(卒業)■在籍期間:2018年6月~2019年10月■診断名:ASD(自閉症スペクトラム障害)■障害による特徴(特性):・耳から入る情報の処理が苦手 (口頭での指示などが聞き取れない、聞き洩らしがある等)・複数の指示を同時にされると混乱してしまうことがある・過集中(過剰に集中しすぎる)がある・感覚過敏があり、周りの音が気になって集中できないことがある・約束や納期を忘れてしまうことがある■現在のお仕事:障害者雇用枠で人材派遣会社での事務職として勤務。現在は求人情報のデータ入力、Wチェックを担当。 Q.就労移行支援事業所をどのように知りましたか? 精神障害の診療で通っていたクリニックの先生に「就労移行支援」を勧められたのがきっかけです。就職について相談したかったことと、自分の障害特性への理解を深めたいと考えたことから、利用を検討しはじめました。 Q.次の就職に向けて、検討していたサービスはありましたか? 就労移行支援事業所以外は、とくににありませんでした。就労移行支援事業所は、ディーキャリアを含めて2~3か所、見学や体験に行きました。 Q. 就労移行支援事業所の利用を決めた理由について教えてください。 ■就職に関する相談ができる まず、就職についての相談をしたかったことが理由です。前職はクローズ就労(障害を開示しない勤務形態)だったのですが、次は障害者雇用枠にするのか、どんな仕事が向いているのか・向いていないのかについて相談したいと考えていました。「障害者雇用」に興味はあったものの、当時は不安のほうが大きかったので、実態などを聞いてみたかったですね。 ■障害特性の理解を深められる 自分の障害特性の理解を深めたいと考えていたことも大きな理由です。前職の仕事で失敗をした経験があったので、次の仕事では同じ過ちをしないように対策をしたいと考えていました。 Q.前職での困りごとを詳しく教えてください。 前職はシステムエンジニアの仕事をしていました。口頭での指示が苦手で、聞き洩らしをしまったり、同時にいくつもの指示がくると混乱してしまって、ミスをしてしまったりすることがありました。例えば、指示をされた仕事が10個あるとしたら、8個は覚えていられるのですが、2つ抜けてしまうという…。業務の抜け漏れによる失敗を何度も繰り返してしまって、3年ほどで退職しました。お客様先での常駐勤務であったことから、相談できる相手がいなかったことも退職理由です。 Q.ディーキャリアの利用を決めた理由について教えてください。 ディーキャリアのプログラムは、3つのステップになっていて、段階的に学んでいけるのですが、それが自分に合っていると思いました。見学にいったときのスタッフや利用者の方の様子も決め手のひとつです。相談や質問がしやすい雰囲気で、安心することができました。 Q.実際に「就労移行支援」や「ディーキャリア」を利用して良かったこと(メリット)について教えてください。 ■障害特性への理解を深めることができた 自分の障害特性の理解を深めることができたことです。診断がでたときにクリニックでも説明を受けていたので、自分の特性は「なんとなく」は理解していたのですが、自分の仕事上のミスがどの特性によって起こっているかは分かっていませんでした。実際にどの特性が仕事に影響しているかを明確にすることができました。 ■自分と同じ悩みのある人と交流ができた 自分と同じ障害のある利用者の方と一緒にプログラムに参加できたのも、良い経験でした。ライフスキルコースでは、座学形式で他の利用者の方とプログラムを受け、チームに分かれて共有をする機会があるのですが、他の方の意見を聞くことができたことが良かったです。例えば「ストレスコーピング」といってストレスの解消方法を学ぶプログラムでは、自分もやってみたいと思える対策を知ることができました。 ■就職活動のサポートを受けることができた 障害者雇用枠での就職活動をサポートしてもらえたことも、ありがたかったです。履歴書や職務経歴書だけではなく、ナビゲーションブックという自分の障害を説明する資料の添削をしてくれました。面接の練習もよかったです。自分の障害についてうまく伝えることに自信がなかったので、助かりました。ディーキャリアの利用前は、障害者雇用枠と一般雇用枠どちらで働くか悩んでいたのですが、スタッフの方と話し合ったり、いろんな会社の説明会に参加したりしたうえで、障害者雇用枠で就職することに決めました。障害への配慮や相談しやすい環境を重視したかったからです。気軽にいろんなことを相談できたので、とても助かりました。 ■通所へのモチベーションを保つことができた 毎週土曜日のイベントも気に入っていました。平日は真面目な雰囲気でプログラムを受けるのですが、土曜日はヨガやカードゲームなどのイベントに参加することができます。他の利用者の方と交流ができて、リフレッシュすることができたので、来週も頑張ろうとモチベーションを保つことができました。 Q.ディーキャリアで学んだことで、今の社会人生活で役立っていることについて教えてください。 ■障害特性による困りごとへの対処法 自分の障害特性への理解を深めて、どのようにすれば苦手なことに対処できるかを学んだのですが、今の仕事でも役立っています。 【現在の勤め先での合理的配慮と自己対処】 ・耳から入る情報の処理が苦手 ⇒業務指示や説明は「書面(チャットやメール等)」でおこなってもらう ・複数の指示を同時にされると混乱してしまうことがある ⇒タスクを一つずつ説明してもらう、メモを取る時間をもらう ・過集中(過剰に集中しすぎる)がある ⇒スマホアプリを活用し、適宜休憩をとるためにアラームを設定している ・約束や納期を忘れてしまうことがある ⇒カレンダーのアプリを活用し、アラームが鳴るように設定している このような対策をすることによって、以前感じていた働きづらさや、前職と同じようなミスが起こりづらくなりました。 ■コミュニケーションスキル ディーキャリアを利用する前は、コミュニケーションに苦手意識はなかったのですが、利用をする中で課題に気づいて、対策を学ぶことができました。例えば、「人の話を遮って話し始めてしまう」という癖があることです。相手の立場になって、会話をする方法を学びました。以前から仕事の話などはできたものの、自分から話題を振ることが少なかったのですが、日々の訓練の中でコミュニケーションを通じて、雑談がしやすくなりました。 Q.就労移行支援事業所を利用するか迷っている当事者の方に、何かアドバイスがあればお願いいたします。 発達障害のある方は、自分の特性について知ることがとても大切だと考えています。自分にどのような特性があるかを知って、どのように具体的に対策をすればよいかを知ることで、働きやすくなると思います。働くことに不安がある方は、まずは相談してみるのがおすすめです。 Q.最後に、ディーキャリアの利用満足度を10点評価してください。その理由も教えてください。 10点です。プログラムがとてもためになりました。例えば、「リフレーミング」というプログラムでは、自分自身のとらえ方を変えるだけで気分が楽になることを学びました。自分らしく就職が目指せたことも、高評価の理由です。無理して就職をするのではなく、体調を優先しつつ、自分のペースで進めることができました。障害者雇用枠での就職を決めることができたのも、ディーキャリアで、自分に合っている働き方を知れたことが理由です。 担当スタッフよりコメント 就労移行支援事業所ディーキャリアに通うメリットは、「仕事スキル」だけでなく、「社会スキル」を身につけられることだと考えています。働くうえでは、もちろん実務に必要な技術や知識も必要ですが、社会生活の中では、人との関わり方やストレスケアを身につけることも非常に重要です。 今回のNさんのインタビューでもあったように、発達障害の特性によって「働きづらさ」を感じている方は、特性の理解を深めることも必要です。 ディーキャリアでは、3つのコースを用意しており、それぞれ、①自分の発達障害の特性を知り、②自分の特性に応じた対策を実践・検証し、③自分に合った就職先を探す、ことを目的にしています。 特性による「働きづらさ」を感じている方、「働くこと」に自信がない方は、お気軽にご相談ください! ディーキャリア柏オフィス オフィス詳細▶問い合わせフォーム▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアについて 就労移行支援事業所とは、障害のある方が就職するための「訓練・就職活動」の支援をおこなう障害福祉サービスのひとつです。(厚生労働省の許認可事業)ディーキャリアでは、発達障害の特性による働きづらさをフォローするプログラムと自分の価値観や適職を見極めるカリキュラムで、「やりがいを感じられる仕事探し」×「あなたらしい働き方探し」を目指す支援を提供しています。 全国のディーキャリアで、無料相談・体験会を随時開催しています。障害特性による「生きづらさ」「働きづらさ」を感じている方は、お気軽にご相談ください。 お近くのディーキャリアを探したい方は こちら▶ディーキャリアを詳しく知りたい方は こちら▶ ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 全国共通お問い合わせフリーダイヤル(0120-802-146)はこちら▶お問い合わせフォームはこちら▶
働きやすい職場の探し方|発達障害のある方の「求人検索」ポイント

「自分に合った職場を選びたい」発達障害のある方が就職・転職時に求人検索をするときのチェックポイントを、当事者の体験談を交えてご紹介します。

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  • #障害者雇用
  • #クローズ就労
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  • #自閉スペクトラム症(ASD)
  • #注意欠如・多動症(ADHD)
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「転職しようと思っているけど、自分に合った職場をどうやって見つければいいんだろう」 誰にとっても、自分に合った職場を見つけるのは難しいもの。特に発達障害のある方の場合、仕事の経験やスキルだけでなく、自分の障害の特性も考慮して選ばないと、転職先で働きづらさを感じる原因となってしまいます。 実際に、筆者も転職の際に自分とは合わない職場を選んでしまったことで二次障害になり、1年もたたない間に離職することになってしまった経験があります。 そこで今回は、発達障害のある方が就職・転職活動で求人を検索する際に、調べておいた方がいいポイントをご紹介します。皆さんが自分にあった働きやすい職場を見つけるために、この記事がお役に立てれば幸いです。 [toc] 自分に合わない職場を選んでしまうとどうなる? もしも、自分に合わない職場を選んでしまったら、どのような困りごとが起こるのでしょうか。まずは失敗例として、筆者の体験談をご紹介します。 私は、注意欠如・多動性障害(以下、ADHD)と自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)の診断を受けています。失敗経験をしたのは、35歳で2度目の転職をしたときでした。 職場の環境が合わなかった 転職前はオフィスが比較的広く、デスクが一人ひとりパーテーションで区切られていました。黙々と作業するタイプの業務をおこなっている企業でしたので、職場は比較的静かで、電話が鳴ることもあまりありませんでした。 しかし、転職後は小さな会社だったので、一つの部屋で10名弱の社員全員が働いており、個人のスペースはほとんどありませんでした。誰かが話していれば耳に入りますし、電話もしょっちゅう鳴っていました。 私はADHDの特性から、周囲の様子がとても気になってしまい、自分の作業にうまく集中することができませんでした。 仕事の進め方が合わなかった 転職前の職場は人数が多く、チームで仕事を進めることが多かったため、困ったときにも相談しやすく、自分からヘルプを出さなくてもサポートを受けやすい環境でした。 しかし、転職後の職場は人数が少なく、個人で仕事を進めることが多かったため、誰かの協力が必要な場合には周囲に対して自分から積極的にコミュニケーションを取り、巻き込んでいく必要がありました。 私はASDの特性から、コミュニケーションを取ることが苦手だったため、周囲を巻き込めずに一人で問題を抱え込んでしまい、うまく仕事を進めることができませんでした。 社内制度(福利厚生)が合わなかった 転職前の職場は社員が50名以上でしたので、産業医を設置する義務があり、いつでも相談できました。また、従業員へ定期的なアンケートをおこなったり相談窓口が置かれたりしており、従業員の健康を管理する制度が整っていました。 しかし、転職後の職場は人数が少なかったため産業医の設置義務がなく、また、設立から数年の若い会社だったため、社内制度(福利厚生)がまだ十分に整備されていませんでした。 一概には言えませんが、一般的には会社規模が大きくなるほど社内制度(福利厚生)は手厚くなると言われています。そのため、小さな会社ではメンタルヘルスケアや障害者雇用に詳しい担当者がいないこともあるのです。 ※もちろん、会社規模が小さくても社内制度(福利厚生)が整っている会社もたくさんあります。 当時の上司は親身に相談に乗ってくれたのですが、特別に専門知識があるわけではありませんでした。私も、当時はまだ自分の障害について理解が浅かったため、合理的配慮の調整がうまくできず、お互いにとって負担だけが大きい状態に陥ってしまいました。結果的に、私は仕事を辞めることになってしまったのです。 自分に合った職場を選ぶ大切さ 就職・転職活動において、自分の持っているスキルや経験に合った職場を見つけることはもちろん大切です。それに加えて、発達障害のある方の場合は「自分の特性に合っているか」という観点がとても重要です。 筆者の場合、転職前も後も営業職で、同じ職種での転職でした。しかし、転職前はどうにか仕事ができていたのに、転職後に困りごとが表面化しました。つまり、同じ職種であったとしても、職場の環境が変わるだけで大きな影響があるのです。 自己分析を行って自分の特性を理解したうえで、どのような職場であれば自分に合うのかを考え、求人を検索することが大切です。 なお、発達障害のある方向けの自己分析や、企業研究については、以下の記事もご参照ください。 就活HACK|発達障害のある方のためのお役立ちコラム 発達障害のある方向け「求人検索のポイント」 それでは、実際に求人を検索する際のポイントを4つご紹介します。 今回は、「実際に求人へ応募する前に、企業ホームページや求人サイトを見て情報を集める段階」を想定しています。 本当は、インターネットなどで情報を集めるだけでなく、面接や実習など「実際に企業の担当者と話せる場面」で聞いてみることも大切ですが、応募する前の段階では、実際に話を聞くことはなかなかできません。 ですが、インターネット上の情報でも、ポイントを押さえればある程度の見通しを立てることは可能です。 特に、“障害者雇用枠”ではなく“一般雇用枠”で働くことを希望する場合には、障害者雇用に関する情報が書かれていない可能性もありますので、いくつかの情報から総合的に考え、自分に合いそうな職場かどうかを判断するとよいでしょう。 1. 障害者雇用の実績がどれだけあるか まずは直接的に、障害者雇用の実績が公開されていないかを確認しましょう。大企業の場合は、CSRやSDGsの取り組みをPRするために、障害者雇用の実績やどのような取り組みをしているかを公開していることが多いです。 障害者の“採用人数”が多ければ、受け入れ体制が整っていると考えられます。“平均勤続年数”が長ければ、障害のある方にとっても働きやすい環境であると言えるでしょう。 また、従業員に対して“ダイバーシティ教育”を実施していれば、障害に対する周囲からの理解も得やすいだろうと予想できます。 なお、一般雇用枠ではなく障害者雇用枠での採用に応募する場合は、求人に以下の情報が書いてあるかどうかをチェックすると良いでしょう。 障害者雇用の過去の実績(採用人数、定着率、雇用者の障害種別など) 実際に提供している合理的配慮の事例 障害者の支援体制(専門部署や相談窓口の設置状況など) 発達障害(ADHD、ASD、SLD)の採用実績 2. 福利厚生が充実しているか 福利厚生が充実していれば、それだけ企業が社員を大切にしていると考えられます。以下のような制度があるかどうかを確認すると良いでしょう。 健康保険・厚生年金の加入(特に、有期雇用契約や短時間勤務の場合) 退職金制度の有無 健康診断のオプション(人間ドックなど)の実施、カウンセラーの設置 産休・育児休暇制度 フレックスタイム制度や時短勤務制度の有無 テレワーク・在宅勤務の実施 各種手当(通勤手当、住宅手当、家族手当など)の有無 慶弔見舞金制度の有無 特別休暇制度(生理休暇、リフレッシュ休暇など)の有無 食事に対する補助(社員食堂、食事手当など)の有無 スポーツクラブや習い事、自主学習への補助(資格取得支援制度など) 3. ハラスメント防止の取り組みがおこなわれているか ハラスメント防止の取り組みがある企業は、社員が働きやすい環境を整備しているという点で、発達障害のある方にとっても働きやすい職場だろうと予想できます。 ハラスメントを防ぐためには、社員に対して適切な教育や研修を行い、労働環境を整備することが必要です。また、被害者が安心して相談できるよう、相談窓口やホットラインなども設置しなければなりません。 これらの取り組みがある企業なら、実際に働いてから何か困りごとがあった場合にも相談しやすい環境であると言えるでしょう。 なお、法律では、障害者差別解消法や障害者雇用促進法などで、企業が障害のある方に対し「合理的配慮を提供すること」や「障害を理由に、仕事内容や昇格・昇給などの待遇面で不当な扱いをしないこと」を定めています。 ただ、すべての企業が、上記の法律にそった社内制度や相談体制を整備できているわけではなく、追いついていない企業も少なくありません。そういった面からも、「なにか困りごとがあったときに、対応してもらいやすいかどうか」は、チェックしておきたいポイントです。 4. 働き方改革に取り組んでいるか 近年、企業の「働き方改革」は大きな注目を集めています。働き方改革に熱心な企業であれば、従業員の“ワークライフバランス”を重視していると言えますので、発達障害のある方にとっても働きやすい職場である可能性が高いと考えられます。 例えば、“フレックスタイム”や“テレワーク”の制度があれば、時間や場所を柔軟に調整できることで、障害の特性にも対応しやすくなります。 “テレワーク”は、コロナ禍によって実施している会社は増えていますが、以下のような取り組みがあるかを確認することで、その企業が「どれだけ本気でテレワークを推進しているか」を予想することができます。 ノートPCやルーターなど、テレワークに必要な備品の貸与がある Google WorkspaceやSlack、Microsoft Teamsなど、場所を問わず業務がスムーズにおこなえるようクラウドサービスを活用している 在宅勤務時に、自宅の電気代やインターネット通信料への補助がある テレワーク時に、カフェやコワーキングスペースなどの利用への補助がある 会社がコワーキングスペースなどをレンタルして、「サテライト・オフィス」を用意している 自己分析を行って、自分に合った職場を選ぶことが大 発達障害のある方にとって働きやすい、自分に合った職場を選ぶためには、まず自分をよく知ることが大切です。 どのような業務が得意/不得意か どのような環境が働きやすい/働きづらいと感じるか 自分で対処(セルフケア)できる/周囲にサポートしてもらいたいことは、どのようなことか これらを理解できていれば、どんな職場を選べばよいかも少しずつ見えてきます。 しかし、障害の有無にかかわらず、客観的に自分を分析するのはとても難しいことです。 「考えれば考えるほど、頭がグルグルしてしまって答えにたどり着けない」 「一人だと途中で投げ出してしまう」 「結局、自分に合う働き方がよく分からない」 ……と悩んでしまう方も、少なくありません。そんな方々のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所とは、障害のある方が就職するための「訓練・就職活動」の支援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚生労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 もちろん、今の時点でサービスを利用する目的をが決めていなくても大丈夫です。 「まだやりたいことが決まっていない、将来のビジョンが見えていない」「何を目的にサービス利用をすべきかイメージが湧かない」「自分に合っているか分からない」 …と悩んでいる方も安心してお問い合わせください。一人ひとりのご状況や困りごとをヒアリングしながら、ご提案をさせていてだきます。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
発達障害のある方の合理的配慮事例|職場コミュニケーション編

発達障害の特性により「職場でのコミュニケーションが苦手」という方に向け、実際に提供されている合理的配慮事項と自己対処法をセットで紹介します。

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  • #合理的配慮
  • #障害者雇用
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合理的配慮とは、「障害による困りごとへの配慮を、企業や自治体、教育機関等の事業主(※)に求めることができる」という制度です(※以下、本文では「職場」と表記します)。合理的配慮について職場と調整をすることは、発達障害のある方が安定して長く働いていくために大切なポイントとなります。 では、具体的にどんな内容であれば、職場に合理的配慮を求めることができるでしょうか。 今回は、発達障害の特性がある方が抱えやすい「コミュニケーション」の苦手に対する配慮事例を紹介をします。 [toc] 相談前に押さえておこう〜合理的配慮の前提となる自己対処〜 「合理的」と付いているのには理由がある。 「障害者差別解消法」や「障害者雇用促進法」などの法律では、障害のある方に対し職場は合理的配慮の提供をおこなうことを義務づけています。 ただし、「障害者が求めたことは、どんな内容でも配慮してもらえる」というわけではありません。 法律では、職場が合理的配慮を提供する場合に「負担が重すぎない範囲で」と定められています。職場の側に配慮を求めるだけでなく、障害者の側も「自分でおこなえる対処」を提示して、互いに無理のない範囲をすり合わせることが必要です。 これが、単に「配慮」ではなく「合理的配慮」と書かれている理由です。 「合理的であるかどうか」を判断するポイントは、「障害が原因となる困難さのうち自己対処では対応しきれないことであり、かつ職場側にとっても重い負担がなく提供可能な範囲かどうか」ですので、しっかりと押さえておきましょう。 なお、合理的配慮については以下の記事で詳しく解説しています。実際に職場と合理的配慮の相談をする前に、ぜひご一読ください。 参考 合理的配慮とは?基礎知識をまとめました。 「合理的配慮」申請マニュアル 流れとポイントを紹介 合理的配慮のよくある質問集 困りごと・原因・自己対処の例・合理的配慮の例 合理的配慮の例を、職場で起こりやすいコミュニケーションの困りごと別に整理しました。実際に提供されている配慮事例とセットで、「原因はなにか」「自己対処として何ができるか」の例もまとめています。困りごとの原因は一人ひとりの特性によって異なるため、自己対処と合理的配慮の内容は「自分に合ったもの」にする必要があります。また、職場や職務内容によっては、以下の配慮の提供が難しいケースもあります。今回ご紹介するものは、あくまでも参考としてお読みください。 上司へ声掛けをするタイミングが分からず、報連相(報告・連絡・相談)ができない 原因の例 シングルレイヤー思考により、文脈や言外の意味理解が難しく、上司に話しかけてよいタイミングや場の空気が読めない 自己対処の例 「毎朝」「毎週月曜日」など頻度を定め、上司にメールで現在の状況を送る 日報を書いて上司に提出する 合理的配慮の例 「毎朝10分」「毎週1時間」など、頻度と時間を定めて、定時報告する時間を上司に予定してもらう 上司の方から定期的に状況を確認してもらう 曖昧な表現(なるべく早く、いい感じに、など)が理解できない 原因の例 ハイコントラスト知覚により、抽象的に表現された内容の要点を捉えることが難しく、具体的な数字や判断基準のない表現が受け入れにくくなる。など 自己対処の例 あいまいな指示を受けた際、そのまま引き受けてしまわずに「具体的な日時を決めてよいでしょうか?」「もう少し具体的に、どの程度の品質が必要でしょうか?」と確認をおこなう 合理的配慮の例 指示に具体的な期限や判断基準を入れてもらうようお願いする 締切の指示:×「なるべく早く」→ ○「△日の□時までに」 品質の指示:×「いい感じに」→ ○「社内検討用なので手書きのラフでOK」 話を聞きながらメモをとることが苦手 原因の例 シングルレイヤー特性により、聞いた内容を処理しながら、同時にメモを取ることが難しくなる。話の内容全体を把握しながら、要点を捉えることが苦手。など 自己対処の例 「ゆっくり話してもらう」「一つメモを取り終わったら、次の話をしてもらう」など、その場で相手にお願いする。 紙にペンでメモするだけでなく、「ボイスレコーダーを使う」などの方法も検討する 話の全部をメモしようとするのではなく、要点だけ(日付、人物、方法など)をキーワードでメモするようにする。電話であれば、電話メモのテンプレートを用意しておく 合理的配慮の例 メモが必要な口頭ではなく、なるべくメールやチャット等の文章で指示を出してもらうようにする 説明をするのが苦手 原因の例 衝動性(行動のブレーキの利かなさ)により、話そうとすることを整理する前に思いついたまま話し始めてしまう。頭の中だけで考えを整理することが苦手。など 自己対処の例 説明することをあらかじめ紙などに書き出し、5W1Hで整理してから話す。 その場で説明を始めず、少し待ってもらい、状況や考えを整理してから改めて説明する 口頭で説明せず、メールやチャット等、文章で回答する 合理的配慮の例 何か説明を求めるときには、口頭ではなくメールやチャット等で事前に依頼してもらうようにする 会議で説明を求めるときには、事前に通知して、考えを整理し準備する時間をもらうようにする 話を聞き続けるのが苦手 原因の例 衝動性(抑制の効かなさ)により、他のものに注意が向いてしまうと、そちらに意識を持っていかれてしまう。ワーキングメモリーの弱みにより、記憶にとどめておける情報量が少ないので、聞き続けると情報が処理しきれなくなる。など 自己対処の例 睡眠不足などにより集中力そのものが下がっていることがあるので、生活リズムを整える 話を聞くときにはPCの画面を消す・手元の資料を閉じるなど、他のものに注意が行かないよう工夫する 合理的配慮の例 一度に多すぎる情報を与えないよう、小出しにしてもらう。その上で、少し待ってメモや整理する時間をもらう 思ったことをそのまま口に出してしまう 原因の例 衝動性(行動のブレーキの効かなさ)により、思った瞬間には、すでに口に出てしまっている。(「口に出してはいけないな」と判断が終わる前に、すでに行動してしまっている)など 自己対処の例 思わず口に出してしまったことを、無理に取り繕おうとせず謝る。そのうえで、本来言おうとしていたことを言い直すように習慣づけする。 合理的配慮の例 話している際にパニックになっている様子が見受けられたら、「落ち着くための時間を設けてよい(5分休憩など)」旨を伝えてもらう 失言があったときには、その場で注意してもらうようにする(失言を謝る、言い直す習慣づけのため) 合理的配慮の相談をするための3ステップ ここまでご紹介してきたように、職場と合理的配慮を相談する際には、前提として「自己対処(セルフケア)として何ができるか」を考える必要があり、そのためには「原因は何か」を知っておく必要があります。 つまり、以下の3ステップで考えることが大切です。 ステップ1:自分の特性について知る ステップ2:自己対処として何ができるかを考える ステップ3:自分の特性と合った合理的配慮を探す(相談する) 発達障害の特性や、それによる困りごとは人それぞれです。「どのような特性があり、それに対してどのような対策が取れるのか」を知っておくことが、自分に合う対策方法や合理的配慮を見つけることへとつながるのです。 ただ、目の前の仕事や生活で困りごとを抱えている状態で、正しい知識を独学で身に付けることはたいへんです。 「自分の特性にあった自己対処は何をすればいいの?」「どのような形・タイミングで職場と相談すればいいの?」など、悩んでしまうことがあるかも知れません。 そんなときには、自分一人で抱え込まずに、専門家の手を借りることも検討してみましょう。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
発達障害当事者がオープン就労/クローズ就労の両方で働いてみて分かったこと

発達障害当事者がオープン就労とクローズ就労のそれぞれで実際に働いてみて、どのようなことを感じたのか、実体験から得た学びをご紹介します。「障害をオープンにするかクローズにするか」で迷っている方のお悩みが解決するためのヒントとしてご覧ください。

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「仕事や人間関係がうまくいかず、悩んでいろいろと調べてみたら、どうやら原因は発達障害にあるらしい。病院を受診して発達障害の診断も受けた。では、その診断結果を会社に伝えるべきか——」 発達障害の診断を受けたことを会社に伝えるかどうかは、とても大きな問題です。 発達障害の特性が原因で、仕事や人間関係などに困りごとが現れている以上、何らかの形で支援してもらいたい・助けてもらいたいという気持ちは当然あります。 その一方で、「上司や同僚に理解されなかったらどうしよう」「待遇が下がったり辞めさせられたりすることはないだろうか」など、さまざまな不安も湧いてきます。筆者もまさに、発達障害の当事者としてこのような悩みを抱えていました。 30 代で自閉症スペクトラム障害(ASD)と注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断を受けてから 5 年。その間に私はオープン(障害開示)就労とクローズ(障害非開示)就労の両方を経験しました。 今回の記事では、筆者がオープン就労とクローズ就労のそれぞれで実際に働いてみて、どのようなことを感じたのか、実体験から得た学びをご紹介します。「障害をオープンにするかクローズにするか」で迷っている方のお悩みが解決できるよう、何かのヒントとなれれば幸いです。 [toc] 1. オープン就労/クローズ就労の 3 つのパターン まず、オープン就労とクローズ就労のパターンを整理しておきましょう。「オープン就労=障害者雇用」「クローズ就労=一般雇用」と考えてしまいがちですが、実際には以下の 3 つのパターンがあります。 1-1. 障害者雇用枠で働く(オープン就労) 一般的にオープン就労としてイメージされることが多いのがこちらです。障害者雇用枠で働くためには当然ながら障害のことを会社に伝える必要があります。 ただし、会社側と相談のうえで「人事部門と直属の上司だけに伝える」というように、会社のなかで障害を開示する範囲を「業務の遂行や支援のために必要な範囲に限る」ことは可能です。 1-2. 一般雇用枠で障害を非開示にして働く(クローズ就労) 一般的にクローズ就労としてイメージされることが多いのがこちらです。発達障害があったとしても、「障害特性をセルフケア(自己対処)でカバーできている場合」や「障害特性による苦手や困難が、仕事をするうえで影響を及ぼさない、もしくは許容できる場合」には、障害を開示せず一般雇用で働いている方も数多くいらっしゃいます。 1-3. 一般雇用枠で障害を開示して働く(オープン就労) 一般雇用枠で障害を開示して働くことも可能です。障害者手帳の有無や雇用の形態を問わず、障害によって社会のなかで困難さを抱えている人であれば誰でも、会社に合理的配慮の提供を相談することができます。 「もともと一般雇用枠で働いていた人が、在職中に発達障害の診断を受け、障害者雇用枠に切り替えず一般雇用枠のまま合理的配慮を受けて働く」といったケースも多くあります。 *** 筆者は 3 つのパターンをすべて経験しましたので、この後の章ではそれぞれについて詳しく体験談をご紹介します。 なお、「障害者雇用/一般雇用」や「合理的配慮」については、過去のコラム記事で解説しています。この記事の最後にリンク集をまとめておりますので、詳しく知りたい方はそちらもぜひご参照ください。 2. オープン就労(一般雇用枠)で働いてみた 私が発達障害を疑って病院を受診し、診断を受けたのは、転職して 4 か月目のことでした。転職前の会社はマニュアルが整備されており、スケジュールや手順がキッチリと決まっている仕事が多かったため、苦手を感じつつもどうにか仕事になっていました。 ところが転職後の会社では、段取りをすべて自分で考えて仕事を進めなければならず、仕事がまったく回らなくなってしまったのです。仕事の優先順位やスケジュール、タスクの管理ができていないと上司からたびたび注意され、私は深く落ち込んでいました。 そんなとき、たまたまインターネットで見かけた記事に、発達障害のことが書かれていました。特性による困りごとが自分の状況にピタリと重なり、「もしかしたら……」と思って病院を受診したのです。 2-1. 良かった点 ①会社が相談に乗ってくれて、仕事を続けることができた 仕事で成果が出せていなかったこともあり、診断を受けたことを会社に伝え、そのまま退職するしかないと思っていました。しかし社長や当時の上司が親身に相談に乗ってくださり、「とりあえず働き続けながら、仕事内容を調整してみよう」ということになりました。 私は家族を養う立場でしたので、これは本当に幸運でした。もしそのまま退職していたら、きっと転職もままならず、家族の生活がどうなっていたか分かりません。 ②同じ会社のなかで新しい職種にチャレンジできた もし転職によって職種を変えようとしたら、30 代半ばという年齢的にも、未経験では到底再就職はできなかったでしょう。同じ会社で働き続けながら新しい職種にチャレンジできたのは、とてもありがたいことでした。 2-2. 反省点 ①職種を変えただけでは、うまくいくとは限らない 営業から Web 担当に職種を変えてもらったものの、未経験だったこともあり失敗続きで、なかなか成果を出すことができませんでした。 「こんなに配慮を受けているのに、それを裏切るようなことをしている」という後ろめたさがつのり、徐々に上司にも相談しづらくなって、結局 4 か月後に自分から退職を願い出ることになってしまいました。 「発達障害者は IT や Web 系の仕事が向いている」という話を見聞きしていたため、職種さえ変えれば何とかなるだろうと、私は心のどこかで淡い期待を抱いていました。 しかしどんな仕事でも、未経験であれば最初からうまく行くはずはありません。後から考えれば「そこで焦らずに会社ともじっくり相談して、長期的に取り組むべきだった」と思いました。 ②すべての会社が障害のある方のサポートに慣れているとは限らない よほどの大企業でもない限り、社内に障害者雇用の担当者や専門部署のある企業はほとんどありません。 今にして思えば、専門の部署や担当者がいない会社で配慮が受けられただけでもとても幸運だったのですが、当時の私はそれを理解できていませんでしたし、会社や上司と根気よくすり合わせを行うだけの知識も気力もありませんでした。 3. オープン就労(障害者雇用枠)で働いてみた 前職を退職して 1 か月後、「発達障害の診断を受けていることをオープンにする」ことを決めて転職活動に臨みました。その理由は、前職で仕事がうまく行かなかった経験からすっかり自信を失っており、「これまでと同じように(クローズ就労で)働くなどとてもできない」と思っていたからです。 ご縁があり、社会福祉事業を行っている企業に事務職のアルバイトとして採用いただき、障害者手帳が取得できた時点で障害者雇用枠へと切り替えました。 3-1. 良かった点 仕事でのストレスが大幅に軽減された 働く自信を無くしていた私にとって「障害があるのに雇っていただけた」ということ自体がとても大きな心の支えになりました。 会社自体が福祉事業をやっているため障害者に対する周囲の理解もあり、本当の自分を包み隠さなくても良いという安心感を得ることができて、仕事のストレスが大きく軽減されました。 3-2. 反省点 ①障害者雇用枠であっても、無条件に配慮を受けられるわけではない 企業が障害のある方に提供する「合理的配慮」とは、障害が原因となる困難さのうち、セルフケアをしても対応しきれないことであり、かつ、企業等の側にとっても重い負担がなく提供可能な範囲のものとされています。 また法律では「障害者から何らかの助けを求める意思が伝えられた場合に、合理的配慮を提供する」と定められており、障害者の方から会社に対して申請が必要です。いくら障害者雇用されていると言っても、自動的にあれこれ配慮をしてもらえるわけではありません。 当時の私はこのこと理解できておらず、転職した当初は「障害者なんだから、配慮してもらって当然だろう」というような不遜な態度を取ってしまい、上司から注意を受けてしまったこともありました。(注意されたことがきっかけで気が付くことができたので、注意してくださった上司の方には今でもとても感謝しています。) ②障害を「自分の個性」と捉えることは、障害受容とは違った ある日、上司と面談をしていたときに、私はなんの悪気もなく「障害者ですが、一生懸命がんばります!」という言い方をしました。しかしそれを聞いた上司は私が思いもよらない言葉を返してきたのです。『厳しいことを言うが、キミは障害があることを「仕事ができない言い訳」にしているんじゃないか』と。 そんなつもりじゃないのに——最初はそう思いました。しかし後からじっくり振り返ってみると、確かに言い訳をしていたことに気が付きました。 私は発達障害だから、人より仕事ができなくても仕方がないんです。 発達障害だから、人より給料が稼げなくても仕方がないんです。 発達障害だから。発達障害だから…… 私はいつの間にか、何をするにも「発達障害だから」という言葉をくっつけ、そうではない人と比べてものごとを考えるようになっていたのです。 インターネットではよく「発達障害があるということも含めて、自分の個性だ」というように語られていることがあります。それはとても前向きな考え方ですし、私もそう考えることで新たな一歩を踏み出すことができました。「発達障害も自分の一部であり個性だ」と思うことが、障害受容なんだと思っていました。 しかしそれは、一歩間違えば「私は発達障害である」という枠に、自分を押し込めてしまうことになりかねません。 発達障害だから、仕事ができない人間でいなければならないのでしょうか? 発達障害だから、人並みの給料を稼いではいけないのでしょうか? 決して、そんなことはないはずです。 発達障害が「現代の日本社会」という環境において、多くの場合ハンディキャップとなることは残念ながら事実です。映画やドラマのように、発達障害と引き換えに何か特別な才能を得られるわけでもありません。 それでも生きていくしかないのであれば、自分で自分を不幸の枠に押し込めず、少しでも楽しく、充実した人生を歩む方法を探す方が、よっぽど大切ではないか ——「君は障害を言い訳にしているのではないか」という上司の言葉によって、私はそう思うようになったのです。 4. クローズ就労(一般雇用枠)で働いてみた 「君は障害を言い訳にしているのではないか」という上司の言葉がきっかけとなって、私は障害の有無にかかわらず、自分が価値を提供できる=お金を稼げる仕事とはなにかということを模索するようになりました。 このころから『私は性格上、発達障害のことをオープンにし過ぎると、また何でも「私は発達障害だから」という言い訳に使ってしまうかもしれない』と思うようになり、会社以外では発達障害のことを自分からオープンにしなくなっていました。 その後、ご縁があって再び転職することになりました。オープン就労かクローズ就労かで迷いましたが、前職で社会福祉事業に携わりながら障害特性の理解や対策について学んでいたこともあり、「自分でセルフケアしながら、一度クローズ就労にチャレンジしてみよう」と思い立ったのです。 4-1. 良かった点 価値が提供できれば、発達障害の有無は関係なく仕事をすることができる 私は前職で事務職のアルバイトとして働きながら、会社から副業の許可を得て、個人でライターとしても活動していました。そのご縁もあり、転職後はライター職で働いています。 職業柄、仕事の成果は「記事」という成果物で測られることになります。お客様にご満足いただける記事を書けていれば、書いているのが障害者かどうかはまったく関係がありません。人よりも人付き合いが苦手だったり忘れ物が多かったりしても、それで成果に悪影響がなければ問題にならないのです。 また、「記事」という成果物は比較的短い期間で作られますし形もハッキリとしているので、長期の見通しを立てて段取りよく取り組むことが苦手な私にとって、過去に経験した営業職や Web 担当職と比べると目標が立てやすく、自分の特性に合っていると感じました。 自分が価値を提供でき、自分の特性に合った環境の仕事を見つけることができれば、クローズ就労でもやっていけるのではないかと感じました。 4-2. 反省点 クローズ就労がうまくいくかどうかは、業界や職種、働き方など周囲の環境に大きな影響を受ける 発達障害の特性やそれによる困りごとは、人によってまったく違います。私のように「在宅勤務の方が向いている」という方もいれば、「毎日規則正しく通勤して、誰かと一緒に仕事をする方が向いている」という方もいらっしゃるでしょう。クローズ就労をする前に、どういう環境であれば自分の力が発揮できるのか特性をしっかり理解しておく必要があります。 また、自分の特性を理解できていたとしても、それに適した働き方が実現可能かどうかは、業界や職種に大きく影響されます。 「在宅勤務をしたい」と思っても、接客業で直接お客様の応対をする職種では、在宅勤務はどうしても難しくなります。また、在宅勤務が可能な業界・職種だったとしても、すべての会社が在宅勤務を許可しているわけではありません。 自分の特性と、自分が提供できる価値をふまえた上で、自分に合った働き方ができる環境を見つけ出さなければならないところに、クローズ就労の難しさを感じました。   5. 自分に合う仕事環境を、どのように見つければ良いのか? オープン就労で会社に合理的配慮を求めるにも、クローズ就労で自分に合った働き方や仕事環境を見つけるにも、自分の障害特性をよく理解し対処法を学んでおく必要があります。 そのうえで、自分が提供できる価値は何なのか、仕事を通じて自分は将来どうなりたいのかを考え、就職先を探さねばなりません。これを自分一人だけで行うのはとてもたいへんです。 そんな方々のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 就労移行支援事業所は、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) 就職活動はものごとを段取りよく・計画的に進めて行く必要がありますが、発達障害の特性による「苦手」で上手く進まないという方もいらっしゃいます。 ディーキャリアでは、就職支援スタッフが一人ひとりの「働く」に寄り添った支援をおこない、就職活動の軸探しだけではなく、スケジュールを立てること、自己 PR(自分の強み・長所の発見)をすること、予定通りに行動をすることをサポートしています。 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください。ご本人からだけではなく、「発達障害の疑いがある方が身近にいて、どのような対応をすればよいか分からない」と悩まれている方からのご相談も受け付けております。ご家族の方はもちろん、「職場に発達障害の疑いがある従業員がいる」という方も、ぜひ一度ご相談ください。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 6. 関連記事 本記事の「1. オープン就労/クローズ就労の 3 つのパターン」の章で触れた「障害者雇用/一般雇用」や「合理的配慮」については、過去のコラム記事で解説しています。詳しく知りたい方はぜひご参照ください。 6-1. 障害者雇用/一般雇用に関するコラム記事 障害者雇用と一般雇用とは?基本情報をまとめました。 支援の現場から見る 障害者雇用・一般雇用のメリットとデメリット 障害者雇用と一般雇用のよくある質問集 【企業人事に聞いた】変わりつつある「障害者雇用」への考え方 障害者雇用とは?オープン就労を目指す方に向け、基礎情報をまとめました。|発達障害のある方のためのお役立ちコラム 6-2. 合理的配慮に関するコラム記事 合理的配慮とは?基礎知識をまとめました。 「合理的配慮」申請マニュアル 流れとポイントを紹介 発達障害のある方の「合理的配慮」事例集 合理的配慮のよくある質問集 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
【大人の発達障害の就活HACK】面接の準備をしよう|対策と流れ

大人の発達障害がある方で「面接が苦手だ…」という方は少なくありません。この記事では、“はじめて就職・転職活動をおこなう方” や、“転職活動が久しぶりの方” に向けて、発達障害の特性に応じた工夫とあわせて、必要な準備・面接の手順・練習方法などの基本についてご紹介します。

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書類選考を通過すると、いよいよ次は面接です。初めて会う人と話すのは誰でも緊張するもの。ましてや、それで就職できるかどうか決まると思うと、いっそう緊張感は高まります。 大人の発達障害がある方で「面接が苦手だ…」という方は少なくありません。 スケジュールを立てることや見通しを立てることが苦手で、面接準備が間に合わない 遅刻をしてしまうことが多く、面接時間に間に合わない 考えを頭の中でまとめるのが苦手で、質問にうまく答えられない 面接官からの質問を忘れてしまったり理解ができなかったりすることで、かみ合わないことがある そもそもコミュニケーションが不得意で、話すことが苦手 など、特性による苦手によって “つまずき” を感じることがあります。 この記事では、“はじめて就職・転職活動をおこなう方” や、“転職活動が久しぶりの方” に向けて、発達障害の特性に応じた工夫とあわせて、必要な準備・面接の手順・練習方法などの基本についてご紹介します。 面接は職場の実際の様子を見たり、担当者と直接話をしたりできる貴重な機会でもあります。しっかりと準備をしていきましょう。 [toc] 1. 事前の準備が何よりも大切 発達障害のある方に特に多いのが、人前で話すのが苦手という悩みです。「人前で話すことが得意な人でないと、面接はうまく行かないんじゃないか…?」と心配に思う方もいらっしゃるかも知れませんが、決してそんなことはありません。たとえ人前で話すことが苦手でも、事前の準備をしっかりすることで面接を乗り越えることができます。 マイクロソフト社で 10 年以上にわたりトップ・プレゼンターとして表彰され続けた澤 円(さわ・まどか)さん。人前で話すプロフェッショナルであり「プレゼンの神様」とまで呼ばれた澤さんは “プレゼンが成功するかどうかは、8 割が準備で決まる” と語っています。(澤さんご自身、発達障害の当事者でもいらっしゃいます。) 「私は人前で話すことが苦手だから、面接は自信がない…」という方ほど、準備にしっかりと時間をかけましょう。 1-1. しゃべる内容の台本を作る どんなに話し方がキレイなアナウンサーでも、名演技をする俳優でも、しゃべっていることには必ず台本があります。まずは、面接でしゃべる内容を紙に書き出して、台本を作りましょう。 「面接では何を聞かれるか分からないのに、台本が作れるの?」と思われるかも知れませんが、ほとんどの面接では、聞かれることは共通しています。たとえば以下のようなものです。 この会社へ応募しようと思ったのはなぜですか?(志望動機) あなたがこの会社へ入ったら、どのようなことで活躍できますか?(自己 PR) あなたの長所や短所を教えてください。(自己分析) あなたが、これまでの人生で体験した成功/失敗について教えてください。(自己分析) 特に “志望動機” や “自己 PR” は、応募書類(履歴書・職務経歴書)にも書いていますので、書類に書いたことと面接でしゃべることが食い違ってしまわないよう注意しましょう。食い違ってしまうと話がウソっぽくなり、マイナスの評価になってしまいますので、書類に書いた内容をもとに台本を作りましょう。 障害者雇用枠での採用面接の場合、以下のような “障害に関する質問” もされますので、こちらも台本を作っておきましょう。 あなたの障害特性について教えてください 必要な合理的配慮は何ですか? あなたが行っている「障害へのセルフケア」について教えてください なお、合理的配慮の考え方については以下の記事もぜひ参考にしてみてください。 「合理的配慮」申請マニュアル 流れとポイントを紹介|発達障害のある方のためのお役立ちコラム 手書きの書類を郵送で送る場合は、台本を作るために、発送前にコピーを取って手元に残しておくことをオススメします。もし、コピーを取らずすでに書類を送ってしまっている場合は、できる限り思い出して書いてください。 1-2. 実際に声に出して練習する 台本ができたら、実際にしゃべる練習をしましょう。声に出してみて、しゃべりづらい部分があれば台本を手直しします。台本を丸暗記する必要はありません。自分の言葉で、自然に話せることが大切です。 しゃべっている内容を誰かに聞いてもらっても良いでしょう。第三者の視点から、自分では気が付かないこともアドバイスしてもらえることがあります。「誰かに聞かれるのは恥ずかしい」「聞いてもらえる相手が近くにいない」という場合は、スマートフォンの “ボイスメモ” のアプリを使って自分の声を録音し、自分で聞いてみるだけでも新たな発見があります。 練習では、話すスピードや量を意識することが大切です。①早口になりすぎない ②話が長すぎない…の 2 つを意識して台本を作りましょう。例えば、自己紹介の場合は「文字数は300~500字」で台本を作り、ストップウォッチで時間を測りながら「2分以内」で話せるように練習をしてみましょう。 このあと「2. 面接当日の流れを知っておこう」で、実際の面接の流れについて解説しますが、それに沿って練習するのもオススメです。例えば、家族や友人に面接官役をやってもらい、自分は実際にスーツを着て、部屋に入るところから実際に受け答えするところまでを一通りシミュレーションしてみるのです。心の準備にもなり、当日の緊張を和らげることができます。 1-3. 当日の準備をする 面接の当日、実際に出かけるときの準備も、事前にしっかりと済ませておきましょう。準備のポイントは、以下の 2 点です。 ポイント 1. 身だしなみを整える 身だしなみはとても大切です。「人は外見よりも中身の方が大事だ」とよく言われますが、身だしなみは社会人としてのマナーの基本です。面接官からも見られるポイントになりますので、しっかりと準備をしておきましょう。 服装は基本的に、上下セットのスーツです。ワイシャツは体に合ったサイズを選び、シワがないようアイロンをかけます。革靴も磨いておきましょう。 「面接に着ていけるようなスーツをまだ持っていない」という方は、スーツ専門店で購入しましょう。店員さんに「就職活動の面接で着ていけるスーツが欲しいんですが……」と尋ねれば、最適なモノを見繕ってもらえます。自分の体型に合ったワイシャツや、ネクタイ・靴下・革靴までセットで揃えることができます。 身だしなみや面接に着ていく服に悩んでいる方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。 【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】朝の準備をテンプレ化!ワーキングメモリーの弱み&衝動性対策で遅刻を防止 ポイント 2. 遅刻をしないようにする 面接でもっともやってはいけないことは、約束の時間に遅刻することです。身だしなみと同じく、「約束や時間を守ること」は社会人としての基本的なマナーです。履歴書がどんなに立派でも、面接でどんなに上手く自己 PR できたとしても、遅刻をしたらすべてが台無しになってしまうので、じゅうぶん注意しましょう。 「途中で交通機関が遅れたり、体調が悪くなったりしたら仕方がないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、「そうなったとしても、できるかぎり遅刻をしない」ように事前に準備しておくことが大切です。 交通機関が遅れるかも知れない → 約束の時間より1時間ほど早く到着できるよう、余裕を持って出発し、早めに着いたら、目的地周辺のレストランやカフェなどで時間まで待機する。 途中で体調が悪くなるかも知れない → 前日は早く寝て体調を整える。「緊張するとお腹が痛くなりやすい」など、特定の症状が出やすいことが分かっている場合は、胃腸薬などの薬を事前に用意して持って行く。 当日「やむを得ない事情」や「急用」で遅刻やキャンセルをする際には、必ず先方に電話で連絡を入れます。(メールだと、相手が気が付くまで時間がかかるため。)先方の連絡先をあらかじめ携帯電話やスマートフォンに登録しておき、すぐに連絡ができるよう準備しておきましょう。 「やむを得ない事情」や「急用」とは、以下のようなものです。 体調を整えることにじゅうぶん注意していたが、それでも体調を崩してしまった場合(例:持病が急に悪化してしまった、新型コロナやインフルエンザなどの感染症にかかってしまった、等) 地震などの突然の災害や大規模な事故などで、交通機関が2時間以上遅れたり、運休したりしているような場合 自分の親や子ども、一緒に住んでいる家族など「近しい親族」に、命に関わるようなことが起こった場合(例:交通事故に遭って病院に運ばれた、病気で入院していたが危篤状態になった、等) 自分自身が、何かの事件や事故に巻き込まれた場合 なお、遅刻をしないためのテクニックについて、以下の記事でスマートフォンアプリを活用した方法を解説しています。こちらもぜひご参考ください。 【大人の発達障害(ADHD)の特性対策】アプリ活用で予定通りに行動!原因を理解して、遅刻対策をしよう。   2. 面接当日の流れを知っておこう 「これまで面接を受けたことがない」という方でも、面接の当日どのような流れで何をするのか知っておくことで、緊張感をやわらげることができます。面接当日の流れは、どの会社でも概ね以下のように進みます。 2-1. 受付 面接先の会社に到着したら、まずは受付です。多くの場合、面接の連絡メールに受付方法も記載されているので、事前に確認しておきましょう。 相手から受付方法が特に指示されていない場合は、会社の受付で以下の項目を伝えましょう。(会社によっては受付がなく、入口に設置された内線電話で担当者を呼び出す場合もあります。) 自分の名前 来社の目的 相手の担当者の部署と名前 面接の約束時間 実際の言葉にすると、以下のようになります。 「お世話になっております。私、ヤマダタロウと申します。本日は採用面接のために参りました。人事部のスズキハナコ様と、14:00にお約束を頂戴しておりますが、おつなぎいただけますでしょうか。」 受付が済むと案内係の方が、待合室か面接を行う部屋まで案内してくれます。 2-2. 入室 面接を行う部屋に入るパターンは、以下の 2 つがあります。 パターン 1. 自分でドアを開けて入る場合 新卒採用など、同じ日に何人も面接試験を受けるような場合に多いパターンです。イメージとしては「病院の待合室で待っていて、名前を呼ばれたら診察室に入る」というような感じです。 自分の順番が回ってきて名前を呼ばれたら、まずはドアをノックします。中から「どうぞ」と返事があったら「失礼します」と言ってからドアを静かに開け、部屋に入ります。ドアの方を向いて静かにドアを閉めてから、面接官の方に向き直り、「ヤマダタロウです。よろしくお願いいたします」と大きな声で言いましょう。 面接官から「どうぞ、おかけください」と促されたら、「失礼いたします」と言ってから、イスに座ります。 パターン 2. 面接を行う部屋まで、直接案内される場合 中小企業の新卒採用や、中途採用など、自分一人だけが面接を受けるような場合は、案内係の方が面接を行う部屋まで直接連れて行ってくれるパターンもあります。 その場合、ドアは案内係の方が開けてくれます。「どうぞ」と促されたら、「失礼します」と言ってから部屋に入ります。 面接官がすでに部屋にいる場合は、パターン1と同じようにします。 面接官がまだ部屋に来ていない場合、案内係の方が「こちらにおかけになってお待ちください」と促してくれるので、「ありがとうございます」とお礼を言ってから座りましょう。しばらくして、面接官が部屋に入ってきたら、自分も一度、席を立って挨拶をします。面接官から「どうぞ、おかけください」とうながされるまで、座らないよう注意しましょう。 2-3. 面接〜退室 面接は誰でも緊張します。言葉につかえてしまったり、スムーズに話せなかったりしても慌てることはありません。面接官の質問をよく聞き、ゆっくりと・正確に答えることを意識しましょう。 先ほど「1-2. 実際に声に出して練習する」で解説したとおり、家族や友人に協力してもらい、質問に受け答えする練習をしておくと、緊張感をやわらげる効果があります。 面接が終わって退室する際にも、2 つのパターンがあります。 パターン 1. 自分でドアを開けて退室する場合 入室の際に自分でドアを開けて入った場合は、退室の際も自分でドアを開けて退室します。 面接が終わったら、まずは座ったまま「ありがとうございました」とお礼を述べ、席を立ちます。起立した状態でもう一度、一礼しながらお礼を述べたあと、ドアの前に向かいます。 面接官の方に向き直り、「失礼します」と述べながら一礼したあと、ドアを開けて退室し、静かにドアを閉めます。部屋を出たら、案内係の方の指示に従って帰りましょう。 パターン 2. 面接官と一緒に退室する場合 受付のあと、面接を行う部屋まで直接案内された場合は、面接官と一緒に退室する場合がほとんどです。 面接が終わり、まず座ったままお礼を述べる → 起立してもう一度お礼を述べるところまではパターン 1 と同じです。その後は、面接官の方が促してくれるのに従って退室します。 ほとんどの場合、退室したあとそのまま建物の入口やエレベーターまで面接官が案内してくれるので、付き従って帰りましょう。一緒に歩いているときに面接官の方から雑談など話しかけてくる場合もありますので、心の準備をしておきましょう。(相手が話しかけてこないときは、こちらから無理に話しかける必要はありません。)   3. 大人の発達障害がある方が面接でつまずきやすいポイントと対策 発達障害の特性によって、面接でつまずきやすいポイントについて、それぞれ解説します。 3-1. 「服装自由」の場合はスーツで行く たまに、面接の案内で「自由な服装でお越しください」と書かれていることがありますが、これは「本当に自由な格好(私服)で来てください」という意味ではありません。「スーツか、ビジネスカジュアル(オフィスカジュアル)で来てください」という意味なので、注意しましょう。 自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性として、「はっきりと文章で示されていないことを理解するのが苦手」「書いてある文字どおりに指示を受け取ってしまう」というものがあります。 この特性によって、どんな服装で参加するべきか分からず悩んでしまうことや、文字どおりに「自由な服装(カジュアルな服装や、面接にふさわしくない服装)でもいい」と受け取ってしまい、「面接の当日、会場に行ってみたら一人だけ場違いな服装で浮いてしまった」という失敗をしてしまう方は少なくありません。 ビジネスカジュアル(オフィスカジュアル)は、慣れていないと何を着たら問題ないのか判断するのが難しいため、あまりオススメしません。従い、「服装自由」の場合はスーツで行くのが無難です。 3-2. 一気に何社も応募しない 「早く就職先を決めたい」と焦ってしまう気持ちもあるかと思いますが、何社も一気に応募しないようにしましょう。 注意欠如・多動性障害(ADHD)の特性として、マルチタスクや計画的に物事を進めることが苦手なため、いくつもの会社を同時並行で進めると、準備時間が足りなくなってしまうことがあります。 できれば 1 社ずつか、多くても 2 社に留めておきましょう。また、面接日の当日だけでなく、「応募書類の作成」や「面接の練習」といった予定もカレンダーに書き込んで “見える化” し、計画的に進めることをオススメします。 3-3. 困難な点は、あらかじめ履歴書で相手に伝えておく 障害者雇用枠への応募の場合は、面接でも障害の特性へ配慮をしてくれます。面接にあたり、なにか特別に困難さを感じることがある場合には、あらかじめ履歴書に書き添えて相手に伝えておきましょう。 例えば、自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性として、面接官から複数の質問を一気にされた場合に、混乱して質問への回答がいくつか抜け落ちる・質問の意図と異なる回答をしてしまう、ということがあります。 その場合には「障害の特性により、口頭で複数の指示を一気にされると理解することに困難さがあるため、質問は一つずつしていただけますと幸いです」というように、履歴書に書き添えておくと良いでしょう。 例えば、発達障害の特性による苦手で、質疑応答の際に以下のような “つまずき” をしてしまうことがあります。 口頭での指示を聞き漏らすことがある 一度にたくさんの質問をされると混乱してしまう 言葉が出るのに時間がかかる 質問の意図を汲み取ることが苦手 このような “つまずき” への対策として、「面接官に留意してもらいたいポイント」を履歴書に書き、事前に伝えておくようにしましょう。書き方の例は、以下のとおりです。 「障害特性により、聴覚情報(口頭での質問)の処理に時間がかかることがあり、質問を聞き直すことがありますが、ご了承ください。」 「障害特性により、一度に複数の質問をされることと混乱してしまうため、ひとつずつ回答をさせていただけますと幸いです。」 4. もし、なかなか面接がうまく行かなかったら 発達障害のある方は、特性により「人とのコミュニケーション」に対して困難さを感じることが多いため、企業側の担当者と直接コミュニケーションしなければならない面接は、採用試験における大きな壁です。 障害の有無に関わらず、不採用となってしまったときのショックは大きいもの。面接でうまく自分をアピールすることができず、「どんどん自信がなくなってしまう」とお悩みの方は少なくありません。 そんな方々のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。 先ほどもご紹介したとおり、就労移行支援事業所は、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) ディーキャリアでは、就職支援スタッフが一人ひとりの「働く」に寄り添った支援をおこない、 障害者雇用枠ならではの「障害特性の説明」に難しさを感じるので、もっと自分の障害について理解したい コミュニケーションスキルを身につけて、面接でスムーズに話せるようになりたい 自己 PR に書ける、自分の “強み” や “長所” を探したい これからどんな仕事をしていきたいか、ゼロから考え直したい …など、「就職活動に挑む前に準備をしたい」という発達障害のある方をサポートいたします。 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 執筆者 藤森ユウワ(ライター・編集) ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。 これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。 子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。 36 歳で ADHD・ASD と診断される。 診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。 誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。 さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。 自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。 記事監修:清野 玲子(キャリアコンサルタント/社会福祉士) 人材会社でのキャリアアドバイザー等経験したのち、就労移行支援事業所ディーキャリアの立ち上げに参画。発達障害の特性による苦手や困りごとを抱える方の就労支援に携わる。 現在は、発達障害のある方の特性に応じた就労プログラム開発、支援スタッフ向け研修講師・スーパーバイザーなど幅広い業務を担当。