【体験談】「普通」って、疲れる…|発達障害と「擬態(カモフラージュ)」

「周りに馴染まなきゃ」「空気を読まなきゃ」「変な人だと思われたくない」。
そんなふうに毎日頑張っているのに、なぜか毎日ぐったりしてしまう——
もしかすると、それは 「擬態(カモフラージュ)」 と呼ばれる行動かもしれません。
この記事では、発達障害(ADHD、注意欠如・多動症)の診断を受けている当ブログ作成者の実体験をもとに、
「普通」を演じることで生まれる苦しさと、そこから抜け出すためのヒントをお伝えします。
【この記事のまとめ】
- 「擬態(カモフラージュ)」とは、発達障害の特性を隠して周囲に合わせる行為
- 無理を重ねることで、疲労や自己否定、バーンアウトを招くことがある
- 「頑張りすぎ」に気づくことが、回復への第一歩
擬態(カモフラージュ)とは|発達障害のある人が「普通」を演じる理由
「擬態」とは、発達障害のある人が周囲になじむために自分の特性を隠し、周囲に合わせる行為です。
英語では「ソーシャルカモフラージュ(social camouflaging)」と呼ばれます。
たとえば、次のような行動です。
- 上手くできているか自信がないが、会話中に笑顔で相槌を打ったり、周囲の話し方や表情を真似をする
- 本当はつらくて助けてほしいのに「大丈夫」と言ってしまい、自分の力で何とかしようと過剰に努力する
こうした行動は決して「嘘」ではなく、“生きるための工夫”=生存戦略でもあります。
しかし、続けるうちに心と体に負担がかかり、疲労・自己否定を招くことがあります。
当ブログ作成者の体験談|「普通だね」と言われるたびに苦しくなる
ここからは、当ブログを作成している私自身が、「擬態」をしてきたことで困ったこと・「擬態」する癖とどう向き合ってきたかをお話しします。
当ブログを作成している私(ADHDの診断あり)は、学生時代から「気が利くね」「聴き上手で話しやすい」と言われてきました。
けれども、その裏側にはこんな苦しさがありました。
「周りから「普通だね」と言われるけど、内面は人に合わせるので必死!」
「遊びの誘いを受けたけど、正直休みたい!でも、断るとノリが悪い奴だと思われそう……家に帰ってから急に気が抜けて寝落ちする日々に、うんざり」
「脳みその疲れ・心のしんどさは、外から見ても分からない。でも、何で困っているのか言葉にしないと伝わらないのが大変!」
こんなことを繰り返して自分を周りにフィットさせていった結果、
「自分って、結局どうしたいの?」がわからなくなっていきました。
なぜ発達障害の人は擬態してしまうのか|「理解されない」経験の積み重ね
思い返してみると、私が「擬態」を始めたのは中学生時代だったかなと思います。
学校で叱られている生徒を見ると、
「怒られないように、変なことをしないようにしよう」と周りに合わせて「元気なふり」を学習し、
気を抜いて黙っていれば「いつもは元気なのに、急に黙ってしまって何を考えてるのか分からない」と指摘されてショックを受ける。
そんな日々の中で、「自分の感じ方よりも、周囲の反応を優先する」 ようになっていきました。
私が周りに合わせて「自分の考え方や感情を隠す」という行動を取った理由は、具体的には↓のような背景があったからかなと思います。
社会的な背景
- 「空気を読むこと」が重視される文化(特に日本だと、極端に出来る・出来ないという「外れ値」に厳しいですよね……)
- 「みんな同じ」が安心とされる環境
- 「特別扱いされたくない」という思い
心理的な背景
- 「変わってる」と言われた経験
- 理解されなかった過去の記憶
- 「私が悪いのかもしれない」と思い込む傾向(私はこれが一番辛かったです。たまたまタイミングや相手が合わなかったという可能性を排除して、「自分が悪い」と考えがちでした)
こうした背景のもとで、擬態は「自分を守るための反応」として身につくのです。
だからこそ、擬態は絶対的な悪ではなく、生き抜くための戦略といえます。
擬態の代償|頑張りすぎがもたらす大きな疲労感
自分の考え方・感情を後回しにして過度に「擬態する」ことが習慣化すると、環境が変わっても困りごとは変わらずついてきました。
私は仕事を始めた後も、「自分は、本当はこうしたい!」を人に伝えることがなかなかできなかった時期がありました。
仕事を終えて帰宅すると、気疲れが一気に体にのしかかってベッドから動けず寝落ち。
朝起きてもいまいちスッキリしない……
笑顔の裏で、心は限界ギリギリな日が増えていきました。
みんなと合わせて上手くやれているはずなのに、どうして私はこんなに疲れるんだろう ——苦しい
擬態を続けることで生じるサインは、人によりけりですが、次のようなものがあります。
- 常に気を張っていて疲れる
- 自己否定が強くなる
- 職場や友人との連絡を絶ち、人間関係をリセットしたくなる
- 無気力感やうつ状態などの二次障害と疑われる症状が出てくる(ここまでくると、お仕事を続けることが難しくなってしまいますね……)
擬態を続けていると、表面上は「社会に適応しているように見えて」、内側では少しずつ自分を失っていくことがあります。
※現在は、当ブログ作成者は元気にお仕事しています!
過去に起きた辛い出来事を振り返り、ブログとして客観的にアウトプットできているのがその証拠かな、と思います。
擬態を「やめる」のではなく「緩める」

そんな山あり谷ありでお仕事を続けている私ですが、「擬態」をテーマにブログを書きながら痛感していることがあります。
それは、「擬態」を完全にやめようとするより、「緩めていく」ことで楽になったな、ということです。
先に述べた通り、「擬態」は生き抜くための戦略として私を守ってくれていました(もしかすると、このブログを見ているあなたもそうかもしれませんね)。
すぐに、全て手放すことは困難です。
しかし、やってきたことを少しずつ「緩める」ことはできるんじゃないかな?と思っています。
私がやってみたことを開示する形で、「擬態を緩める」方法をご提案してみます。
当ブログ作成者が実践した3つのステップ
- 「こういうこと・場面が苦手です!」を言葉にする
「こういう場面が苦手だな」と何となくわかってはいても、
また同じ場面に遭遇した時に、同じ失敗を繰り返して自責モードに陥ってしまいそう…と思い、「苦手」を言葉にしてまとめることにしました。
スマホのメモでもOK、紙に書き出してもOK。
「これが苦手です!」を周りの人に伝えて助けてもらう準備をしました。
例:「雑音が苦手」「優先順位を付けることが苦手」「誘いを断ることで強い罪悪感を感じやすい」など - 「そこそこ安心して話せる人」を一人以上見つける
家族、友人、支援機関など、無理に理解してもらおうとせず「話すだけ」でも変化を感じられることもあります。
「この人なら絶対安心だ!」と話せる人がいればバッチリOKですし、発達障害・精神障害に関する知識があって「この人なら話していいかなー」という支援機関を探すのも一つの手です。 - 「できない日」があっても責めない
私が「擬態」をするきっかけ=「怒られない・変だと思われたくない」でした。
毎日「怒られないようにしよう!」と気を張って過ごしていたら、それは疲れますよね……。
「今日は頑張れないからダメだ!」と思うより、「今は休む時期なのかもなぁ」と受け止める回数を少しずつ増やしていくように意識して過ごしました。
繰り返しになりますが、擬態を完全にやめる必要はありません。
少しずつ「素の自分でいられる場所・相手」を増やしていくことが、回復への一歩です。
まとめ|「普通」を演じるより、「自分でいられる」を増やそう
私は今も、お仕事や生活の中で人と関わるときに、「変じゃなかったかな……」と、一人で反省することもあります。
しかし、以前のように「人に合わせなきゃ!」と思って空回りする回数は減っていきました。
「普通のふり」を減らしていったら、人と違ってもいいと、すこしずつ思えるようになりました。
擬態は、あなたが環境に適応しようと必死に頑張ってきた証。
それ自体は間違いではありませんし、あなた自身を守るための行動と言えます。
それを受け止めた上で、少しずつ「自分でいられる時間」を増やしていくことが、
これからの生きやすさにつながっていきます。
そして、「擬態を緩める」ことが一人だと難しい!と感じた方は、
支援機関を頼って一緒に向き合う味方を増やしていくことも一つの手かも、と思います。
私が通所していた就労移行支援事業所「ディーキャリア」では、一般就労・体調を安定して「就労を継続していく」ことを目標として、
- 考え方の癖(白黒思考、べき思考などなど……)
- 疲れやすさ(易疲労性、いひろうせい と言います)への対処
といった、「擬態」で悩んでいる方に知ってほしい内容をお届けしています。
↓のMORE INFORMATIONから、お気軽にご相談・ご見学してみてくださいね。
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