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「あと少し」が止まらない。集中しすぎてしまう人が知っておきたいこと

この記事のポイント

  • 「気づいたら何時間も作業していた」「休憩を忘れてしまう」は、過集中のサインかもしれません。
  • 過集中は集中力が高いこと自体が問題なのではなく、休憩や切り替えができず、無理を重ねてしまうことに注意が必要です。
  • 過集中への対策は、集中しないことではありません。自分の状態に気づき、適切なタイミングで休む・切り替えることが大切です。

「気づいたら何時間も経っていた」はありませんか?

仕事や趣味などに取り組んでいるとき、こんな経験はありませんか?

  • 気づいたら何時間も経っていた
  • 昼休憩なのに作業を続けてしまう
  • 「あと少し」が何度も続く
  • 集中していると、疲れていることを忘れてしまう
  • 退勤時間になっても、今やめることができない
  • 声をかけられても、すぐには気づかない
  • 一度作業を始めると、途中でやめるのが難しい
  • 好きなことや興味のあることなら、何時間でも続けられる

もし心当たりがあるなら、あなたは「過集中」になっていることがあるかもしれません。

「集中できているのだから、何が悪いの?」

そう思う方もいるでしょう。

実際、私たちも訓練の中で過集中しやすい方を多く見てきました。

そして、過集中について理解するまでは、

「集中して仕事ができているのだから、良いことでは?」

と考えていました。

しかし、過集中には、注意が必要な面があります。


過集中とは?

過集中とは、一つのことに集中しすぎて、時間や周囲の状況、自分の疲れなどに気づきにくくなる状態のことです。

例えば、

「好きなことを始めると、食事をするのも忘れてしまう」

「仕事に集中していたら、気づいたら昼休憩が終わっていた」

「あと少しで終わると思って続けていたら、退勤時間を過ぎていた」

といった状態です。

もちろん、集中できること自体は悪いことではありません。

むしろ、仕事を短時間で進められたり、好きな分野で高い力を発揮できたりすることもあります。

では、何が問題なのでしょうか。

問題になるのは、集中することではなく、集中をやめることや切り替えることが難しくなる場合があることです。


過集中を放置すると、こんなことが起こることも

過集中しているときは、本人も調子が良いと感じていることが少なくありません。

仕事が進むため、

「まだできる]

「今のうちに終わらせてしまおう」

と思い、頑張り続けます。

しかし、その状態を繰り返していると、少しずつ負担が積み重なることがあります。

休憩や食事を忘れてしまう

「あと少しで終わるから」

「今止めるともったいないから」

そう考えているうちに、

  • 昼休憩を取らない
  • 水分を取るのを忘れる
  • 食事を後回しにする
  • トイレを我慢する

といったことがあります。

集中しているときには問題なく感じていても、身体は少しずつ疲れています。

「疲れていない」のではなく、「疲れていることに気づいていない」可能性もあります。


退勤時間になっても仕事を終えられない

「ここまで終わらせたい」

「今止めたら、次にまた集中できるか分からない」

「せっかく集中できているから、できるところまでやりたい」

このような理由から、仕事を終えることが難しくなることがあります。

仕事では、

  • 始める
  • 集中する
  • 終わらせる
  • 切り替える

というすべての力が必要です。

過集中しやすい方は、「集中すること」は得意でも、「終わらせること」や「切り替えること」に苦労する場合があります。


頑張りすぎた反動が来る

過集中している日は、

「今日はかなり仕事ができた」

と感じるかもしれません。

しかし、その後、

  • 何もやる気が出ない
  • 頭が働かない
  • 仕事に取りかかれない
  • 疲れが抜けない

と感じることもあります。

ここで注意したいのは、

「頑張れた日」だけを見ると、問題がないように見えること

です。

1日で100の力を出せることよりも、毎日50~60の力で続けられる方が、長く働くためには大切な場合があります。


「過集中で何とかする」が当たり前になる

過集中のもう一つの問題は、過集中によって何度も問題を乗り越えられてしまうことです。

例えば、

「締め切り直前になれば集中できる」

「追い込まれれば何とかできる」

という場合、

ギリギリまで仕事に取りかかれない

締め切りが近づく

一気に集中する

何とか終わる

という流れを繰り返してしまうことがあります。

そして

「今回も何とかなった」

と考えます。

しかし、毎回「限界まで追い込まれてから頑張る」働き方は、長く続けられるとは限りません。

締め切り直前の過集中によって乗り切ることはできても、そこには大きな疲労が残ることがあります。


「昨日はできたのに、今日はできない」と自分を責めてしまう

過集中できる日には、驚くほど多くのことができる場合があります。

しかし、

「今日は10できた」からといって、毎日10できるわけではありません。

調子が良い日にできた量を、自分の「普通」にしてしまうと、調子が悪い日に、

「昨日はできたのに」

「なんで今日はできないんだろう」

「自分は怠けている」

と自分を責めてしまうことがあります。

過集中によって頑張れる日と、そうではない日の差が大きい場合は、一番頑張れた日ではなく、安定して続けられる量を考えることが大切です。


過剰適応が重なると、さらに限界に気づきにくくなることも

さらに、

「周囲に迷惑をかけたくない」

「自分だけ休めない」

「期待に応えなければならない」

といった思いが強い場合、過集中と重なって無理を続けてしまうことがあります。

周囲から見ると、

「よく働いている」

「真面目な人」

に見えるかもしれません。

本人も、

「まだ大丈夫」

と思っている。

しかし、実際には疲労やストレスが少しずつ積み重なっている場合があります。

そして、

「昨日まで普通に働けていたのに、突然動けなくなった」

ということが起こることもあります。

燃え尽きにつながる原因は一つではありません。

しかし、過集中や過剰適応によって、自分の限界に気づかないまま頑張り続けることは注意が必要です。


過集中しないことが大切なのではありません

ここまで読むと、

「じゃあ、集中しない方がいいの?」

と思うかもしれません。

そうではありません。

過集中によって集中力を発揮できることは、仕事上の強みになる場合もあります。

大切なのは、

「集中できているから、限界まで続ける」

のではなく、

「集中できていても、必要なときには休む・終わらせる・切り替える」

ことです。

つまり、過集中をなくすことではなく、過集中とうまく付き合うことが大切です。


過集中への対策① 自分の「過集中サイン」を知る

まずは、

「自分はどんなときに過集中になっているのか」

を知ることが大切です。

例えば、

  • 食事を忘れる
  • 休憩を後回しにする
  • 周囲から声をかけられても気づかない
  • 時間が経っている感覚がなくなる
  • 疲れていることに気づかない
  • 一度始めると途中でやめられない

といった状態は、過集中のサインかもしれません。

「集中している」

だけではなく、

「集中しすぎて、他のことが見えなくなっていないか」

という視点を持つことがポイントです。


過集中への対策② 「やめる仕組み」をつくる

過集中している最中は、自分で「そろそろ休もう」と判断することが難しい場合があります。

そのため、自分の感覚だけに頼らないことも必要です。

例えば、

  • 休憩時間にアラームを設定する
  • 退勤10分前になったら新しい作業を始めない
  • 「ここまで終わったら終わり」と事前に決めておく
  • 周囲の人に声をかけてもらう

などです。

「やめたくなったらやめる」ではなく、「やめるタイミングを先に決めておく」

ことが、過集中しやすい方には役立つ場合があります。


過集中への対策③ 一番頑張れる日を基準にしない

仕事ができる日には、

「今日はこれだけできた」

という経験ができます。

しかし、その量を毎日の基準にする必要はありません。

大切なのは、

「今日はどこまでできるか」

だけではなく、

「この働き方を続けても、明日また働けるか」

を考えることです。

長く働くためには、

最大限頑張ることよりも、安定して働き続けられること

が重要です。


自分では気づきにくいからこそ、他者からのフィードバックも大切

過集中している本人は、

「自分が無理をしている」

ことに気づきにくい場合があります。

そのため、

  • 休憩を取れているか
  • 退勤時間を過ぎても作業していないか
  • 頑張った翌日に極端に疲れていないか

などを、周囲から見てもらうことも一つの方法です。

ディーキャリア新潟オフィスでも、訓練の中で、

「集中できている」

だけを見るのではなく、

「周囲の状況を確認できているか」

「休憩や切り替えができているか」

「そのやり方を続けても安定して働けるか」

といった視点で振り返ることがあります。


過集中を知ることは、「自分の強みをなくすこと」ではありません

過集中は、

「集中できているから良い」

「集中しすぎるから悪い」

と簡単に分けられるものではありません。

集中できることは、仕事において大きな力になる場合もあります。

一方で、

自分の限界を超えてまで集中し続けることが当たり前になると、心身への負担が大きくなることがあります。

だからこそ、

自分はどんなときに集中しすぎるのか

集中しすぎると、その後どうなるのか

どのタイミングで休んだ方がいいのか

を知ることが大切です。

「どこまで頑張れるか」を考えるのではなく、

「どうすれば無理なく続けられるか」を考える。

それが、過集中と上手に付き合い、長く働き続けるための一つの方法ではないでしょうか。


まとめ

「集中できているから大丈夫」

そう思っていても、気づかないうちに無理を重ねていることがあります。

過集中への対策は、集中することをやめることではありません。

自分が集中しすぎていることに気づき、適切なタイミングで止まれるようにすること。

そして、

頑張れる日にどれだけ頑張れるかではなく、無理なく働き続けられる方法を見つけること。

それが、長期的に働き続けるためには大切です。

ディーキャリア新潟オフィスでは、発達特性を含めた自分自身の働き方を、知識だけでなく、実際の訓練や振り返り、スタッフからのフィードバックを通して確認していきます。

「気づくと何時間も集中している」

「仕事を始めると、途中でやめられない」

「頑張れるときと、何もできないときの差が大きい」

そんな働き方に心当たりがある方は、一度自分の働き方を見直してみるのもよいかもしれません。

※強い疲労感や意欲低下、睡眠の問題などによって日常生活や仕事に支障が出ている場合は、「頑張りすぎ」や「過集中」だけと判断せず、医療機関などの専門家へ相談することも大切です。