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【大人の発達障害の就活HACK】「求める人物像」をチェックしよう

求人に応募しようとするとき、「この会社は本当に自分に合っているのか?」「長く働き続けられる環境なのか?」と不安に感じたことはありませんか?
求人情報にはさまざまな応募条件が書かれていますが、自分に合った会社かどうかを見定めるために、ぜひチェックしておきたいのが「求める人物像」という項目です。
私たちが「自分に合う会社で働きたい」と思うのと同じで、企業側も「この会社に合う人に働いて欲しい」と思っています。「求める人物像」をチェックすることで、就職後のミスマッチを防ぎ、長く働くことができる可能性が高まります。
今回の記事では、「求める人物像」に書かれている内容の読み解き方について解説します。
特に、障害者雇用枠求人の場合、企業が重視するポイントが決まっており、事前に知っておくことで就職活動への準備にもなります。自分に合った長く働ける会社を見つけるために、ぜひこの記事をご参考ください。
求める人物像には「この会社に合う人」の条件が書いてある
企業が「求める人物像」を設定する理由は、入社後のミスマッチを防ぐためです。
皆さんは、企業の採用活動に「どれくらいのお金が掛かっているか」をご存知でしょうか。大手人材会社が行った調査 [*注] によると、新しい人材を採用するためには一人あたり平均で 100 万円前後のコストが掛かると言われています。これだけのお金を掛けるのですから、「良い人に就職してもらい、長く働いて欲しい」と企業が考えるのは当然だと言えるでしょう。
応募条件のうち「業務経験」や「資格」「学歴」といったものは、応募書類を見ればすぐに判断ができます。一方で、
- ・応募者が、仕事に対しどれくらいの意欲を持っているか
- ・応募者の興味・志向と、会社の社風・方針がどれだけマッチするか
- ・応募者の行動タイプや適性(例:慎重派か行動派か、話し好きか物静かか、等)と、募集している仕事がどれだけマッチするか
…という「長く働いてもらうために、確認しておきたいこと」は、書類だけではなかなか判断ができません。そこで、「求める人物像」を設定し、応募者に対して「私たちの会社には、こういう人が合いますよ」という条件を知らせようとしているのです。
[*注] 出典:株式会社リクルート 就職みらい研究所「就職白書2020」
求める人物像を見れば「その会社で長く働けているのはどんな人か」が分かる
「求める人物像」は、求人を出している部署や職種で「実際に活躍している人」「実際に長く働いている人」を元に作られています。よって「求める人物像」を見れば、どんな人ならその会社で活躍したり長く働いたりできるのかが分かります。
特に「その業界や職種が未経験でも OK」の求人では、資格や学歴よりも人物像を重視する傾向があります。もし、今まで経験がない仕事の求人に応募したい場合は、自分が持っている仕事への想いや、行動タイプや適性、価値観などが「求める人物像」とどれくらいマッチするのか、しっかりとチェックしておきましょう。

ただし、求める人物像に無理に自分を合わせてはいけない
ここまでを読んで「働きたい会社に合わせて、自分の人物像を変えなければいけないの?」と思った方もいらっしゃるかも知れませんが、「求める人物像」に無理に自分を合わせてはいけません。
就職活動は、よくお見合いに例えられます。
「お見合いの席だけ」なら、相手の好みに合わせて演技したり、ごまかしたりすることができるかも知れません。しかし、それで結婚ができたとしても、パートナーと長く一緒に暮らすうちに自然と内面が見えて、ごまかしもいつかはバレてしまいます。
就職活動も同じです。面接でうまく演じて就職ができたとしても、長く働くうちにいつかは無理が生じます。何よりも「本来の自分を偽る」「ずっと相手の理想を演じ続ける」というのは、自分にとっても、とても辛いのではないでしょうか。
雇用条件が良い求人や、自分がやりたいと思っている仕事の求人を見つけたときには、「ぜひ、その会社で働きたい!」という想いがとても強くなります。その会社に就職するために、「少し無理をしてでも、相手の望みに合わせた自分を演じた方が良いのではないか」と考えるのは、ごく自然なことです。
しかし、就職活動とは、「お見合い」のようにお互いの相性を確かめるためのものです。長く働くためには「この会社は自分に合うのだろうか?」という視点を忘れずに「求める人物像」を見るようにしましょう。
でも、気をつけなければならないポイントが 2 つある
「求める人物像に、無理に自分を合わせてはいけない」と言われると、「そうか、現在のありのままの自分を、そのまま出せば良いんだ!」と思ってしまいがちですが、気をつけなければならないポイントが 2 つあります。
ポイント 1. 「相手を尊重する気持ち」を忘れないこと
障害の有無にかかわらず、私たちは誰もが「社会の一員」として生きています。社会の中で生きていく以上は、相手のことを尊重する気持ちが必要不可欠です。
先ほどと同じく「お見合い」を例に考えてみましょう。
お見合いの席なのに、例えば相手が「遅刻してくる」「服が汚れている」「態度が失礼」というようなことがあったら、どう思うでしょう。「せっかくのお見合いで、コチラはそれなりに準備をしてきたのに、相手は自分のことを何も考えてくれていないんだ」と、ガッカリするのではないでしょうか。
「約束の時間を守る」「身だしなみを整える」「礼儀をわきまえた態度を取る」というようなことは、社会人としての基本的なマナーです。そして、マナーを守ることは「相手を尊重する気持ち」を表すための、もっとも簡単な方法です。 「相手に自分を尊重してもらいたいなら、自分も相手を尊重する」という気持ちを、いつでも忘れないようにしましょう。
ポイント 2. 「自分を高めようとする努力」を怠らないこと
人間は誰しも得意なこと・苦手なことがありますが、自分を高めようとする努力を忘れてはいけません。とくに、職務経験を問わない「未経験者 OK」の求人では、多くの場合、「前向きに業務に取り組む姿勢」「積極的に学ぶ姿勢」が重視されます。
例えば、あなたが少年サッカー教室の先生だとしましょう。
試合に出るメンバーを選んでいて、最後の一人を決めようとしています。候補は A 君と B 君。二人とも実力は同じくらいです。
A 君は普段、練習にあまり熱心ではありません。「親から言われて、仕方がなくサッカー教室に通っている」ようです。一方、B 君は普段からがんばって練習に取り組み、みんなが帰った後も残って特訓している姿を、あなたはいつも見ています。
さて、A 君と B 君、どちらを試合に出したいと思うでしょう。二人の実力が同じくらいなら「応援の意味も込めて、がんばっている B 君を出場させたい」と思うのではないでしょうか。
「どうせなら、がんばっている人を応援したい」と思うのが、人の自然な感情です。これは、採用する企業も同じです。たとえ「苦手なこと」があったとしても、「何とかしようと努力している人を採用したい」と企業は思うはずです。
発達障害の特性による苦手を「なくす」ことは難しいかも知れません。しかし、がんばって対策を行うことはできます。次のページでは、障害者雇用枠における「求める人物像」から、どんな対策を行っておけば良いのかを解説します。

準備しよう!障害者雇用枠の「求める人物像」5 つのポイント
障害者雇用枠では、「業務経験」や「資格」「学歴」といった一般的な応募条件の他に、「障害がある方ならでは」の企業の判断ポイントがあります。
厚生労働省が所管する「高齢・障害・求職者雇用支援機構」という組織では、障害者を雇用しようとする企業に向けて、障害者の採用を判断する際のポイントを公開しています。
参考: Q 障害者の採用にあたり、何をポイントに採否を決めたらよいでしょうか?|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構
公開されている情報をもとに、障害者雇用で重視される 5 つのポイントと、それぞれの準備方法をまとめました。
ポイント 1. 勤怠の安定
「短い期間で仕事を辞めてしまう」人の傾向として、仕事にたびたび遅刻したり、突然休んでしまったりする人が多いことが分かっています。
どんなに仕事の能力が高くても、「通院・服薬の管理ができず、健康管理ができていない」「普段の生活リズムが乱れている」という人だと、少しずつ勤怠が乱れ、最後は離職につながってしまうのです。これを防ぐためには、
- ・毎日、同じ時間に寝起きし、生活リズムを整える
- ・食事は三食をしっかり取る
- ・カレンダーで通院日を管理する
- ・リマインダーアプリで服薬を忘れないよう管理する
…など、まずは自分の健康や生活リズムを、しっかりと管理できるようにしましょう。
ポイント 2. 障害の自己受容
「自己受容」とは、「自分には障害があることを、ちゃんと自分自身で受け入れることができているかどうか」という意味です。もう少し具体的に見てみましょう。
病院で発達障害の診断を受けたり、障害者手帳を取得したりするだけでは「自己受容できている」とは言えません。自己受容できている状態になるためには、以下の準備が必要です。
- ・「自分の障害にはどんな特性があるのか」を他人に説明できる
- ・「障害の特性により、どんなことが苦手か」を他人に説明できる
- ・「苦手なことをどのように管理し、対策を行えば良いか」を、自分で考え・実践している
- ・「ストレスをどのように管理し、対策を行えば良いか」を、自分で考え・実践している
- ・「障害の特性による困難さ」について、周囲とコミュニケーションを取り、助けを求められる(合理的配慮の申出ができる)
他人に説明したり、自分で対策したりするためには、上記の要素を自分で整理・まとめてナビゲーションブック(自分の取扱説明書)を作っておくことがおすすめです。
なお「合理的配慮」の考え方については、以下のコラム記事もご参照ください。
参考① 「合理的配慮」申請マニュアル 4つのステップと知っておくべきポイントをまとめました。
参考② 自分にとって必要な配慮は?を学ぶための、合理的配慮の事例集
ポイント 3. 就労意欲・仕事への熱意
「勤怠の安定」や「障害の自己受容」はとても重要なポイントですが、就職活動前に完璧に準備するのは難しいもの。そこで、足りない部分をカバーするために必要なのが「就労意欲・仕事への熱意」です。
「がんばって働きたい!」「この仕事をしたい!」という意欲や熱意があれば、完璧にできていない部分があっても後から身に付けていくことができますし、周囲からも「がんばっているから、サポートしてあげよう!」と思ってもらいやすくなります。
意欲や熱意を持つために、まずは自分が「何のために働くのか」「どんな仕事をしたいのか」という就職の軸を立てましょう。以下のコラム記事で、就職の軸の立て方を解説していますので、ご参照ください。
参考:大人の発達障害がある方の就職活動は「ウォーミングアップ」で成否が決まる!|発達障害のある方のためのお役立ちコラム
ポイント 4. コミュニケーション力
障害の有無に関わらず、生きていくなかで起こるすべての課題を自分一人で解決することは困難です。「障害の自己受容」の項目でも書いたとおり、周囲に助けを求められる(合理的配慮の申出ができる)ことは大切なポイント。そのためには、コミュニケーション力を高めましょう。
コミュニケーション力とは、「話がうまい」とか「社交的である」ということではありません。
まずは「あいさつや、返事をちゃんとする」「仕事の報告・連絡・相談ができる」というところから始めましょう。「身だしなみを整える」「ルールやマナーを守る」ことも、周囲の人たちに良い印象を与えるという意味で大事なコミュニケーションの一つです。
会社に限ったことではありませんが、生きていれば必ず「あれ、ちょっとこの人は苦手だな」という人とも出会います。そのようなときにも、自分の感情をコントロールできるようにしましょう。苦手な人でもちゃんと挨拶する、注意されたときは素直に謝る、という気持ちも大切です。
自分にできることから、少しずつ始めていきましょう。
ポイント 5. 主体性・積極性・自発性
「主体性を持って、自分からも積極的・自発的に仕事に取り組んで欲しい」というのは、障害者雇用に限らず、よく言われることです。ただ、これはある程度仕事に慣れ、会社や業務の仕組みが分かってこないと難しいものですので、最初から「主体性や積極性、自発性を身に付けなければ…」と気負う必要はありません。
まず大切なのは、仕事への意欲や熱意を持つことです。そして、規則正しい生活をし、周囲の人のことも考えたコミュニケーションを心がけます。コミュニケーションを取る中では、自分が得意なこと・苦手なことを伝えることも大切ですので、自分の障害をちゃんと自己受容できるよう、自分を見つめ直しましょう。
そうして、仕事を続けていくうちに段々と業務にも慣れていき、
- ・次の作業の準備を、言われる前に先にしておこう!
- ・少し余裕があるから、何か手伝えることがないか聞いてみよう!
- ・もっとこうすれば効率が良くなるかも。提案してみよう!
…というように、主体的に仕事に取り組めるようになります。つまり、これまでに書いてきたポイント 1〜4 をしっかりと準備することが大切なのです。

もし、一人ではうまく考えられず悩んでしまったら
今回ご紹介した「求める人物像」は、さまざまな企業・さまざまな「求める人物像」がある中での一例です。もしも「今の自分には当てはまらないな…」と感じても、落ち込む必要はまったくありません。
一方で、「障害の自己受容」や「コミュニケーション力を高める」ことは、障害と向き合いながら働いていく上では必要不可欠ですが、これらは発達障害の特性による苦手と重なる部分でもあり、できるようになるには、ある程度の訓練が必要です。
そんなときのサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。今回「障害の自己受容」の見出しでご紹介した “ナビゲーションブック” も、ディーキャリアで行っている支援プログラムのなかで、実際に作成を行っています。
就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業)
就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。
「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。
ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。
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また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。
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- 一般社団法人ファボラボ 代表理事
- 特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会 評議員
- 公認心理師
- NESTA認定キッズコーディネーショントレーナー
- 発達障害ラーニングサポーター エキスパート
- 中学校教諭 専修免許状(社会科)
- 高等学校教諭 専修免許状(地理歴史科)
通信制高校教諭、障害児の学習支援教室での教材作成・個別指導講師を経て現職。







