ケース3. ハロートレーニングや、就労移行支援事業所の利用経験がある場合
社員やアルバイト等の経験だけでなく、ハロートレーニングや就労移行支援事業所の利用(通所)経験も職歴として記載することができます。
これらを利用してトレーニングを受けたということ自体が「就職に向けて具体的な準備や活動を自分から進んでおこなった」というアピールになります。また、障害者雇用での就職を目指す場合に、就労移行支援事業所の通所経験があると、
- ・自分の障害の特性が理解できている
- ・障害に対するセルフケアがおこなえる
- ・自分に必要な合理的配慮を理解し、企業側とすり合わせることができる
といった点が、企業から評価されます。障害者雇用求人では、就労移行支援事業所への通所経験を条件にしている場合もあります。
なお、“職歴の書き方”という今回のテーマとは少しズレますが、もし「まだ(アルバイト等を含め)働いた経験がなく、自分がこれまでにおこなってきた活動やスキル、趣味から考えても、アピールできることがうまく書けない」と感じる方で、ハロートレーニングや就労移行支援事業所を利用されたことがない場合は、求人に応募する前に、これらの利用をご検討されてみても良いかもしれません。
それぞれの概要を以下にご紹介します。
①ハロートレーニング
ハロートレーニングとは、就職に必要なスキルや知識を身に付けるための訓練を無料※で受けることができる国の制度です。「職業訓練」や「職業訓練校」などと呼ばれているものがこれにあたります。(※有償のハロートレーニングもあり。また、テキスト代等一部の費用は自己負担。)
参考: ハロートレーニング|厚生労働省
ハロートレーニングにはいくつかの種類があります。雇用保険の受給者(つまり、働いていたことがある方)でないと利用できないものもありますが、以下の 3 つは働いたことがない方でも受けることが可能です。
- ・求職者支援訓練
- ・学卒者訓練
- ・障害者訓練
ハロートレーニングのキャッチフレーズは「急がば学べ」です。確かに、トレーニングを受講している期間の分、就職するのは先に伸びてしまいますが、急がば回れ(学べ)で、先に就職に必要なスキルや知識を身に付けることが、結果的に就職への近道になるかも知れません。
画像引用元: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/hellotraining_top.html(厚生労働省)
②就労移行支援事業所
就労移行支援事業所とは、障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)で定められた障害福祉サービスの一つで、障害のある方の「働く」を支援する福祉施設です。
サービスの具体的な内容としては、一般企業への就職を目指す65歳未満の障害のある方を対象として、下記のような支援を提供しており、先ほどご紹介したハロートレーニングと、転職支援サービスを合わせたような機能を持っています。
- ・働くうえで必要な知識・技能を身につけるための職業訓練
- ・就職活動のサポート
- ・個人の適性や経験などに応じ、企業の求人を開拓
- ・就職した後に、長期間・安定的に働くための支援(定着支援)
なお、就労移行支援事業所に通所した場合でも、最終的に「障害者雇用を選ぶか一般雇用を選ぶか」は自分の判断で決めることができます。詳しくは、以下の記事もご参照ください。
・就労移行支援事業所とは?対象者・料金・サービス内容をまとめました。
・就労移行支援事業所のよくある質問集
お一人で悩んでしまったら、まずは相談を
大人の発達障害がある方の場合、障害による特性が原因でうまく就職活動がおこなえなかったり、離職・転職されているケースもあるため、
- ・「過去の職歴に自信が持てない」
- ・「書面上でどう表現すればうまく伝わるのか分からない」
- ・「自己 PR がうまく書けない」
……と悩んでしまう方も少なくありません。そんな方々のサポートを行っているのが、就労移行支援事業所ディーキャリアです。
先ほどもご紹介したとおり、就労移行支援事業所は、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業)
就職活動はものごとを段取りよく・計画的に進めて行く必要がありますが、発達障害の特性による「苦手」で上手く進まないという方もいらっしゃいます。
ディーキャリアでは、就職支援スタッフが一人ひとりの「働く」に寄り添った支援をおこない、就職活動の軸探しだけではなく、スケジュールを立てること、自己 PR(自分の強み・長所の発見)をすること、予定通りに行動をすることをサポートしています。
就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。
「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。
ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。
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また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。
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就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
執筆者
藤森ユウワ(ライター・編集)
ベンチャー企業の社員として働きながら、兼業で個人事業主としてもライター・Webディレクターとして活動。
これまで5社を転職し、営業、営業企画、カスタマーサポート、マーケティングなどさまざまな職種を経験。
子どものころから「コミュニケーションが苦手」「段取が悪い」「集中力が続かない」などの困りごとがあり、社会人になってからも生きづらさを感じつつ何とか働いていたが、あるとき仕事内容が大きく変わったことがきっかけで困難が表面化し、休職や離職を経験。
36 歳で ADHD・ASD と診断される。
診断後、「就労移行支援事業所 ディーキャリア」を運営するデコボコベース株式会社でアルバイトしたことをきっかけに自分に合う仕事や働き方を模索し、現在の形に辿り着く。
誰かの「なるほど!」を作るライティングがモットー。
さまざまな職種を転々とする中、苦手を補うため自分用の業務マニュアルを自作してきた経験を活かして、記事や企画書、プレゼン資料、製品マニュアルなど、幅広く執筆の仕事を行っている。
自分の凸凹を補うためにITツールを使って工夫するのが好き。
記事監修
清野 玲子(キャリアコンサルタント/社会福祉士)
人材会社でのキャリアアドバイザー等経験したのち、就労移行支援事業所ディーキャリアの立ち上げに参画。発達障害の特性による苦手や困りごとを抱える方の就労支援に携わる。
現在は、発達障害のある方の特性に応じた就労プログラム開発、支援スタッフ向け研修講師・スーパーバイザーなど幅広い業務を担当。