就労移行支援事業所とは?対象者・料金・サービス内容をまとめました。

「障害者雇用での就職・転職を目指しているけれど、うまく働けるだろうか」「過去の失敗を繰り返さないように、自分だけで対処できるだろうか」

自分の障害と向き合いながら「働く」ことを考えたとき、このような不安な気持ちを抱いてしまうことありませんか。今回のコラムでは、障害者が「働く」うえでの上記のようなお悩みに対し支援を提供している「就労移行支援事業所」について紹介します。

最新コラムは「就労移行支援とは|リアルに役立つまるわかりガイド」をご覧ください。

就労移行支援とは

就労移行支援とは、障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)で定められた障害福祉サービスの一つで、障害のある方の「働く」を支援するサービスです。

サービスの具体的な内容としては、一般企業への就職を目指す65歳未満の障害のある方を対象として、下記のような支援を提供します。

  • 働くうえで必要な知識・技能を身につけるための職業訓練
  • 就職活動のサポート
  • 個人の適性や経験などに応じ、企業の求人を開拓
  • 就職した後に、長期間・安定的に働くための支援(定着支援)

上記のサービスを原則として24カ月(2年)の間、利用することができます。

就労移行支援事業所とは

就労移行支援事業所とは、就労移行支援のサービスを提供する事業所のことです。障害福祉課などの自治体の支援窓口や、病院・クリニックなどで近隣の就労移行支援事業所の紹介を受けたり、パンフレットを見かけたりしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

国の調査によれば、就労移行支援事業所は2019年10月1日時点で全国に3,506か所あります。ボランティアのようなものではなく、国・自治体からの税金と利用する障害者からの利用料とで運営されており、自治体から指定を受けた民間企業や社会福祉法人、NPOが運営を行っています。

専門学校や塾などと同じように、事業所によって特徴はさまざまです。雰囲気や利用者層が異なるだけではなく、サービスとして提供される訓練や就職活動サポートの内容、そして、どの分野に強みがあるか(例:IT系企業への就職に強い)など、その特徴は多岐にわたります。

なお、私たちが運営している就労移行支援事業所ディーキャリアついては、下記のページをご参照ください。

対象となる方

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスであるため、利用には所定の要件があります。また、実際に利用する場合には、お住まいの自治体に利用を申請し、希望するサービスの利用を認定された障害福祉サービス受給者証(以下、受給者証)の発行を受ける必要があります。

就労移行支援の対象になる方は、以下のとおりです。

  • 原則として18歳以上満65歳未満(※)の方
    ※例外として「65歳に達する前の5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていた方で、65歳に達する前日において就労移行支援の支給決定を受けていた方は、当該サービスについて引き続き利用することが可能」と定められています。
  • 身体障害、知的障害、精神障害(統合失調症やうつ病、双極性障害、適応障害、てんかんなど)、発達障害や、難病の方のある方
  • 一般企業(※)への就職を目指しており、就労が可能と見込まれている方
    ※「就労継続支援事業所(A型・B型)」のように、通常の事業所に雇用されることが困難な方に向けた、福祉支援のある事業所は対象となりません。
  • 現在、就労していない方(※)
    ※申請を受け付ける自治体の判断により、休職中やアルバイトをされている方などの利用が例外的に認められる場合もあります。休職者については、所定の要件を満たす場合に利用が可能となります。

就労移行支援は、障害者手帳をお持ちでない方でも、医師の診断書や意見書など、障害や疾患により支援が必要であることが確認できる書類があれば、利用を申請することができます。

また、一般企業で働いていたが休職中の方や、在学中の大学生(4年制大学・大学院・短大・高専含む)の方についても、一定の条件を満たす場合には、ご利用いただけることがあります。

ディーキャリアでは、「復職する予定が決まっている休職中の方」や「大学4年生の方」が利用されている事例がありますが、その可否を判断するのはあくまで申請を受け付ける自治体です。

利用料金

本人と配偶者の所得(=世帯所得)により利用料金は変わります。利用料の9割は国と自治体が負担し、残りの1割を利用する本人が自己負担します。

自己負担の部分が世帯所得に応じて4つに区分され、毎月の上限の金額(=負担上限月額)が決まっています。

区分世帯所得の状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯(※1)0円
一般1市町村民税課税世帯:所得割16万円未満(※2)
但し「20歳以上の入所施設利用者」と「グループホーム利用者」を除く(※3)
9,300円
一般2上記以外37,200円

※1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります
※2:収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
※3:「20歳以上の入所施設利用者」と「グループホーム利用者」は、市町村民税課税世帯の場合は区分が「一般2」となります。

なお、ディーキャリアの利用者の方のうち約8割程度の方が、負担上限月額0円で通所をされています。

所得を判断する際の世帯の範囲は下記のとおりです。

種別世帯の範囲
18歳以上の障害者
(施設に入所する18・19歳を除く)
障害のある方とその配偶者
障害児
(施設に入所する18・19歳を含む)
保護者の属する住民基本台帳での世帯

詳細は、厚生労働省の以下のページをご確認ください。

厚生労働省|障害者の利用者負担:https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/hutan1.html

利用可能な期間

原則は最長24カ月(2年)です。ただし例外として、申請を受け付ける自治体により必要性が認められた場合には、更に、最大1年間延長されることがあります。

なおディーキャリアをご利用頂いている方の利用期間は、早い方で3か月~半年、平均すると8~10カ月、遅い方でも1年半程度で退所=就職により就労移行支援事業所を卒業されています。

具体的なサービス内容

大まかには以下の「4つのステップ」に沿って支援が提供されます。

  1. 職業訓練:仕事をするために必要な知識・能力向上のための訓練、職場体験、企業実習など
  2. 就職活動のサポート:就職相談、応募書類作成アドバイス・面接対策、適性に合った職場探しなど
  3. 職場探し:個人の適性や能力に応じた求人案件のリサーチ・開拓、求人案件の紹介など
  4. 就職後の職場定着支援:勤務継続するために必要な相談・支援をするための面談、企業に対する職場環境調整の依頼など

「就労移行支援事業所とは」の見出しでも解説したとおり、提供される支援の内容は事業所によって多岐に渡り、また、先ほど解説したとおり利用できる期間も最長2年間と決まっているため、事業所を選ぶ際には自分にはどんなサポートが必要なのかをしっかり見極める必要があります。例えば、

  • 障害理解を深め、セルフケアを学ぶこと
  • 生活リズムを整え、体調管理をすること
  • 就職後に活かせる業務スキルを身につけること
  • 手に職をつけるための専門スキルを習得すること

……などのように、いま抱えている課題を解決するために必要なことは何か?を考えることが大切なポイントです。「一般企業への就職を目指す」という意味では、どの事業所に通ってもゴールは同じですが、その事業所がどの課題解決に注力した支援を行っているのかを事前によく確認しておきましょう。

まとめ

障害者差別解消法や、障害者雇用促進法では、企業等の事業主の側が障害者に対して「合理的配慮の提供」をおこなうことを定めています。しかし、いくら障害への配慮を提供してもらえるとは言っても、どのような配慮でも無条件で受けられるわけではありません。

合理的配慮の提供を求める際には障害者の側も「自分自身でケアができる部分」と「配慮が必要な部分」とを明確にしたうえで、企業等の側との話し合いによって配慮が提供されるかどうかが決まります。

  • 自分の得意なこと・苦手なことは何か。
  • どのようなことであれば自分は仕事で貢献ができるのか。
  • 自分に向いている働き方や職種・職場環境はどのようなところなのか。
  • 自分は「働く」ことを通じてどのような目標を実現したいのか。
  • 目標を実現するためには、一般雇用枠と障害者雇用枠のどちらで就職すべきなのか。

ひと口に「障害者雇用での就職・転職を目指す」と言っても、考えるべきことはたくさんあり、自分一人で就職活動をおこなうことには限界があるかも知れません。

今回ご紹介した就労移行支援事業所なら、支援のプロフェッショナルと一緒に、自分の目標に向けた就職・転職活動をおこなうことができるのです。

就労移行支援事業所ディーキャリアは、発達障害の特性に応じたプログラムと、「自分らしい働き方」を見つけるためのサポートをおこなっています。一人で悩まず、まずはお気軽にお問い合わせください。

ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。

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また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。

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参考URL

厚生労働省|障害福祉サービス等
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/index_00001.html

厚生労働省|障害者の利用者負担
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/hutan1.html

記事監修北川 庄治(デコボコベース株式会社 最高品質責任者)
  • 一般社団法人ファボラボ 代表理事
  • 特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会 評議員
  • 公認心理師
  • NESTA認定キッズコーディネーショントレーナー
  • 発達障害ラーニングサポーター エキスパート
  • 中学校教諭 専修免許状(社会科)
  • 高等学校教諭 専修免許状(地理歴史科)
東京大学大学院教育学研究科 博士課程単位取得満期退学。
通信制高校教諭、障害児の学習支援教室での教材作成・個別指導講師を経て現職。

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