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大人のADHDと日中の眠気——仕事中に眠くなる原因と、自分に合う対策の見つけ方

※本記事は疾患の解説をするものであり、診断に代わるものではありません。医学的な判断は主治医にご相談ください。

「会議中にどうしても眠くなる」「単純作業をしていると気づいたら落ちていた」「毎朝起きられず、遅刻が続いてしまう」——こうした眠気の悩みは、ADHD(注意欠如・多動症)のある方に非常に多く見られます。「気合が足りない」「根性がない」と自分を責めてきた方もいるかもしれませんが、ADHDの眠気には脳の特性が深く関わっており、根性論では解決しにくいという現実があります。

本記事では、ADHDの眠気が起きる仕組みと、特性に合わせた具体的な対策を解説します。

(出典:Photo AC)

ADHDと眠気——なぜ眠くなりやすいのか

①脳の低覚醒

ADHDの脳は、覚醒レベル(脳の活性度)が低くなりやすい特性があります。覚醒レベルを高めるには「新しい刺激」「興味関心」「締め切りのプレッシャー」などのドーパミン分泌が必要ですが、単調な作業・長い会議・繰り返しのルーティンといった刺激の少ない状況では、脳が覚醒を維持しにくくなります。

ADHDの診断基準を示すDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)でも、ADHDは「注意の維持の困難」を中核症状のひとつとして定義しており、この「注意の維持の困難」が眠気として現れることがあります。

②睡眠リズムの乱れ

厚生労働省の調査でも、発達障害のある方は睡眠障害を抱えやすいことが示されています。ADHDのある方は「なかなか寝つけない(入眠困難)」「夜に目が冴えてしまう(概日リズムのずれ)」といった睡眠の問題を抱えやすく、睡眠の質・量が不足した状態で翌日を迎えることが慢性化しやすいです。夜に過集中して気づいたら深夜になっていた、というケースも少なくありません。

③ADHDの治療薬の影響

ADHDの治療薬(メチルフェニデートやアトモキセチンなど)は、覚醒を促す効果がある一方で、薬の効果が切れた時間帯に強い眠気が出るケースがあります。また、睡眠の質に影響を与える場合もあるため、眠気の変化を感じた場合は主治医に相談することが重要です。

職場でよくある「眠気あるある」

刺激が少ない状況で眠気が出やすいという特性から、以下のような場面でのお悩みがよく聞かれます。

  • 長い会議・オンライン研修の後半に意識が飛びそうになる
  • データ入力・書類整理など単調な作業中に眠くなる
  • 午後の時間帯(特に13〜15時ごろ)に集中が維持できない
  • 眠気のせいでミスが増え、自己嫌悪に陥るサイクルがある

「やる気がない」「サボっている」と受け取られがちですが、これは脳の覚醒の問題であり、本人の意志とは切り離して考える必要があります。

自分でできる眠気対策

身体へのアプローチ こまめにタスクを切り替えることで、脳への刺激を維持しやすくなります。「1時間ごとに別の作業に変える」「1時間に1回ストレッチや軽い運動を挟む」「ガムを噛む・冷たい水を飲む」といった方法も、覚醒レベルを一時的に高める効果があります。

睡眠環境を整える 朝に日光を浴びることで体内時計をリセットしやすくなります。就寝1〜2時間前のスマートフォン・テレビの使用を控え、就寝・起床時間を一定にする習慣が、睡眠の質の改善につながります。

周囲へのサポートを求める 昼休憩中に10〜20分の仮眠を取ることが、午後の覚醒維持に有効という研究もあります。「昼休みに仮眠できる環境を整えてほしい」という合理的配慮の申請も選択肢のひとつです。

ディーキャリア所沢オフィスでの取り組み

ディーキャリア所沢オフィスでは、セルフチェックシートを用いた睡眠・生活リズムの記録をプログラムの中で実施しています。毎日の睡眠時間・起床時間・日中の眠気の度合いを記録することで、「自分がどの状況で眠くなりやすいか」のパターンを把握し、特性に合った対策を個別に考えていきます。

また、特性検証として「1時間に1回、2分間のストレッチを行う」という習慣を試みたKさん(ADHD)は、「午後の眠気が明らかに減った。体を動かすだけで脳がリセットされる感覚がある」と話してくれました。「自分に合う対策は試してみないとわからない」という気づきが、就職後の自己管理にも活きています。

眠気はADHDの特性のひとつであり、気合や根性では解決しにくいものです。特性を理解したうえで、自分に合う対策を見つけることが、長く安定して働き続けるための鍵になります。「眠気で仕事に支障が出ている」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

個別相談会・体験会へのご参加をお待ちしています。


参考情報

  • 厚生労働省「発達障害の理解のために」https://www.mhlw.go.jp/
  • American Psychiatric Association:DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)

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■この記事を書いた人は?■

ディーキャリア立川オフィス・所沢オフィス編集部

普段は、ディーキャリア立川オフィス、ディーキャリア所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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