障害者雇用で働いてみた感想~休職を経た私が伝えられること~ 【卒業生(元利用者)ブログ】
おはようございます。ディーキャリア所沢オフィスです。
今回は卒業生のブログをご紹介します。
「準備編」「活動編」今回の「休職を経た私が伝えられること」の3部構成になっておりますので、まだ準備編と活動編をお読みいただいていない方には、併せてお読みいただくことをお勧めします。

皆さま、お疲れさまです。
2023年1月にディーキャリア所沢オフィスを卒業後、現在に至るまで障害者雇用で勤務しているTと申します。
本日は、ディーキャリア所沢オフィスを卒業した私から就職活動を控える皆さまへ、実際に障害者雇用で働いた経験や、休職を経て学んだことをお話させていただきます。
本題に入る前に、まずは私の簡単なプロフィールをご紹介させていただきます。
●年齢:27歳
●勤務先:特例子会社
●勤務年数:2年(2025年2月時点)
●業界:広告・人材業界
●職種:事務職
なお、現在は休職中なのですが、休職を経た経験についても本記事内でお話させていただきますので、あわせてご覧ください。
さて、本日は下記の内容でお話を進めさせていただきます。
- 長期安定就労に必要なこと
- 障害者雇用で求められること
- 休職を経た私からのメッセージ
長くなりますが、就労を控える皆さまにとって少しでも有意義な内容となるよう、自身の経験をもとに執筆しておりますので、最後まで読んでいただけますと幸いです。
長期安定就労に必要なこと
皆さまは「長期安定就労」という言葉に聞きなじみはありますでしょうか?
読んでの通り「長く安定して働くこと」を指す言葉ですが、私がディーキャリア所沢オフィスに通所しているなかで、最も多く耳にした言葉かと思います。
障害者雇用も一般就労と同じく、会社の戦力になってくれる人を探しているため、勤怠が安定しており、長く働いてくれる人を求めているのです。
障害特性にもよりますが、障害を持っているがゆえに体調がなかなか安定しなかったり、会社を休みがちになってしまったりといった経験、皆さんもあるのではないでしょうか?
そこで今回は、長く安定して働くために必要なことをご紹介させていただきます。
⑴生活リズムの安定
まずは、なんと言っても「生活リズムの安定」が第一です。「体が資本」という言葉があるように、体調が安定してこその仕事のため、心身ともに健康であることが求められます。
体調を安定させるには、良い質の睡眠を十分に取る必要があります。
私の場合は、起床時間や就寝時間はあらかじめ決めておき、就寝時間から逆算して夕飯や入浴の時間を決めると、生活リズムを安定させやすいと感じました。また、睡眠時間は7時間以上確保することで、自身の特性の脳疲労の感じやすさを軽減することができています。
自分に合った睡眠時間があるかと思いますので、皆さんも自分に必要な睡眠時間を確保することを中心に、起床時間や就寝時間を決めていきましょう。その結果、生活リズムの安定、ひいては体調の安定にも繋がっていくかと思います。
⑵自己理解
次に重要なこと、それは「自己理解」です。ここでの自己理解とは、もちろん障害について理解していることも含まれます。
具体的な内容としては、自分の体調変化や得意・苦手、障害特性、特性への対処方法などです。
自分について理解することで体調を整える方法を実行できたり、必要な配慮を周りに求めることができたりと、長く安定して働くために必要な行動を取ることができるのです。
私の場合は、ディーキャリア所沢オフィスの訓練を通して、自分の過去の振り返りや強み・弱み、障害特性についてなど、約10か月間かけて自己理解を進めました。その後、模擬業務や就職活動を進めるなかで気づいたことを落とし込み、より一層自己理解を深めていきました。
ここで重要なことは「自己理解には終わりがない」ということです。
置かれている環境や状況によって人は変わります。実際に会社で仕事をすることで新たな気づきが必ずあると思いますし、自分を知ることに終わりはないのです。私含め、これを読んでいる皆さまも一生涯を通して自己理解を深めていただければと思います。
⑶複数の相談先をつくること
ここまでに「生活リズムの安定」と「自己理解」について、お話をしましたが、この2つが問題なく行えていたとしても、仕事をしていると時には壁にぶつかることがあります。そのときに大事なのが「誰かに相談をする」ということです。
自分で考えることはもちろん大事ですが、自分事を客観的に見ることは難しいですし、人には考え方のクセがあるため、狭い視野での考えになってしまいます。そんなとき、自分以外の誰かに相談をすることで新しい視野での意見や考えを取り入れることができ、自分では思いつかないような答えを導き出すことができるのです。
また、相談先はいくつあっても問題ありません。主治医や支援先、家族、友人、恋人など、人の数だけ考え方もあるため、相談先は1つではなく複数持つようにしましょう。そうすることで、仕事に壁にぶつかったときに多種多様な意見を得られ、壁を壊す解決策を編み出すことができるでしょう。
障害者雇用で求められること
現在の会社で勤務し始めて約2年が経ちますが、障害者雇用で働くうえで会社から求められていると感じたこと、それは・・・
⑴障害についての理解と対処
⑵セルフケアの実行
⑶発信力
以上3点です。
順を追って説明させていただきます。
⑴障害についての理解と対処
前述した「自己理解」には、障害特性や必要な自己対処についての理解も含まれています。私の職場では実際に働き始めてから、必要な配慮について上長とすり合わせを行い、一緒に働く課のメンバー全体へ共有する時間が設けられていました。
他者に自分のことを伝えるには、自分自身が自分の障害特性を理解していなければなりません。また、配慮していただく内容も限られるため「自分にできる対処を行ったうえで必要な配慮を求める」という姿勢が求められます。
「自分にはどのような特性があり、どのようなことが難しいのか」「自分ができる対処はなにか」といった内容は、必ず障害者雇用の面接で聞かれますので、就労を控えている今のうちから自身の障害について考えを整理しておくようにしましょう。
⑵セルフケアの実行
「障害についての理解と対処」に加え、大事なのが「セルフケアの実行」です。「セルフケア」とは簡単に言うと「自分の健康を維持するために、自分自身が行う対処」のことを指します。こちらも障害特性と同様に、障害者雇用の面接でよく聞かれる質問の1つです。
ここで大事なのがオンタイム(仕事中)とオフタイム(余暇の時間)、両方の時間にできる対処法を持つことです。例えば、オフタイムの対処法として「湯船につかる」というケアができていたとしても、仕事中に体調が悪化した際に実行できる対処がないと、早退や突発休につながってしまいます。
障害を持っていると、どうしても体調やメンタル状態が崩れやすいため、自分の状態把握をし、その場でケアすることが求められます。実際に私の職場でも、自分にできるセルフケア方法を複数持っているメンバーは多いですし、皆さん自分の心身状態に合わせて実行しています。セルフケアは実際に行ってみないと効果が分からないため、さまざまな対処法を試して自分に合ったセルフケアを見つけていきましょう。
⑶発信力
「障害者雇用で求められること」のうち、最後の1つは「発信力」です。
ここでまずお伝えしておきたいことが「言わなくても分かってもらえるはNG」ということです。
障害特性や配慮事項、不調時の発信、相談事など、上長や一緒に働くメンバーに協力をお願いする際は「自ら伝えること」が求められます。実際、私の職場でも「まずは発信してほしい」と言う上長の姿を何度も目にしてきました。問題が解決できるかどうかは、自分では判断できないことも多いため、上長の指示を仰ぐためにも、まずは発信することが求められるのです。
また、もう1つ大事なのが「言いづらいことこそ早めに発信する」ということです。例えば、業務でミスをしてしまったときも、早めに発信することで早めに対処することができ、問題が大きくなるのを防ぐことができます。
「複数の相談先をつくること」で前述したように、自分1人では狭い視野の考えに陥りがちです。上長や他のメンバーの意見を聞くことで、何かしらの解決策を導き出すこともできますので「まずは発信する」ことを念頭に業務に当たれるよう、今のうちから発信する練習をしていただければと思います。
休職を経た私からのメッセージ
最後に、障害者雇用で働き始めてから休職を経験した私から、皆さんへメッセージをお伝えさせていただきます。
私が1番お伝えしたいことは「無理は禁物」ということです。
私の場合は、自分自身のキャパシティを考慮せずに仕事を引き受けてしまったことで体調が悪化し、休職に至りました。その背景には「自分が引き受けないと他の人が苦しむ」「できない人だと思われたくない」「所属している課へ貢献したい」など、たくさんの思いがあったわけですが、今回休職したことで考えを改めることができました。
主治医に言われた言葉が「仕事はマラソンだ」ということです。長く安定して継続する必要があるため、時には休憩することも必要ですし、全力を出し続けることは不可能です。また、どれだけ頑張っていても途中で離脱したり、完全に止まったりすることで、せっかくの頑張りが評価されないのです。
今回、私がお話させていただいた内容も、人によっては合う合わないがあると思いますし、ペースが速い遅いと感じる人もいるかと思います。「自分に合ったペースで無理なく行う」ということを大前提に、皆さまの参考になれば幸いです。 以上、長くなりましたが、今回は障害者雇用で働いた経験談をお話させていただきました。ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川オフイス・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、ディーキャリア所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。 凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹Tweet
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