発達障害の私が思う「断れない・背負いこみすぎる」働き方の対策【就労移行支援・立川】
〜「人の役に立ちたい」が自分を追い詰める前に、境界線を引くライフハック〜
頼まれると断れない。「自分がやります」とつい引き受けてしまう。気づいたら人の仕事まで抱えて、自分がパンクしている——そんな経験、ありませんか?
こんにちは!ディーキャリア立川オフィスのピアスタッフ、かまちです。
私は「断れない」タイプです。人に頼まれると、たとえ自分がいっぱいいっぱいでも「大丈夫です、やります」と言ってしまう。人の役に立ちたい、必要とされたい——その気持ちが強すぎて、気づいたら自分の限界を超えて背負いこんでいる、ということを何度も繰り返してきました。
この「断れない・背負いこみすぎる」という傾向は、実は自己肯定感や劣等感と深くつながっていることがあります(この心理については
当オフィスの別記事「メサイアコンプレックスを乗り越える3つの問い」でも詳しく触れています)。
この記事では、なぜ職場で断れなくなってしまうのかを整理したうえで、自分を追い詰めずに働くための、具体的な対策をお伝えします。

1. なぜ、職場で「断れない・背負いこみすぎる」のか?
断れないのは、意志が弱いからでも、お人好しだからでもありません。いくつかのごく自然な理由が重なっています。
- 「役に立つ自分」でいることが、自分の価値を支えている。
「うまくできない自分」への劣等感が根っこにあると、「誰かの役に立っている自分」でいることで、なんとか自分の価値を保とうとします。だから頼まれごとを断ると、「価値のない自分」に戻ってしまう気がして、つい引き受けてしまうのです。断れないのは、優しさであると同時に、自分を守るための行動でもあります。
- 「断ったら嫌われる」という不安が強く働く。
発達障害のある方は、過去の人間関係のつまずきから「断ったら嫌われる」「見捨てられる」という不安を強く持っていることがあります。この不安が、「無理してでも引き受けたほうが安全だ」という判断につながり、自分のキャパシティを無視して引き受けてしまいます。
- 自分の限界のサインに気づくのが遅れやすい。
発達障害のある方は、疲労や負荷のサインに気づくのが遅れやすい傾向があります。「まだいける」と思って引き受け続けて、気づいたときにはすでに限界を超えている——だから「断る」という判断が、そもそも間に合わないことが多いのです。
2. まず知っておく!「断ること」は、相手を見捨てることじゃない
「断る=冷たい・薄情」という思い込みを、まず手放しましょう。ここを整理しておくことが、一番大切な下ごしらえです。
断ることは、相手を見捨てることではありません。
「今の自分にできること」と「できないこと」を正直に伝えることは、相手への誠実さでもあります。 無理に引き受けて中途半端になったり、自分が倒れてしまったりするほうが、結果的に相手にも職場にも迷惑がかかります。
そしてもうひとつ大切なこと。あなたの価値は、「どれだけ人の役に立ったか」で決まるものではありません。 何も引き受けていないときのあなたにも、ちゃんと価値があります。この前提に立てると、「断ること」へのハードルがぐっと下がります。
「人の役に立ちたい」という気持ちそのものは、素晴らしいものです。問題はその気持ちが、自分を犠牲にする方向に働いてしまうこと。だからこそ、境界線を引く技術が必要になります。
3. その場で試せる!具体的な対策
「断れない・背負いこみすぎる」を防ぐための対策を紹介します。
【対策①】即答せず「一度持ち帰る」を習慣にする
頼まれた瞬間に「やります」と即答してしまうクセがある方は、まず「一度持ち帰る」を習慣にしましょう。
「少し今の状況を確認して、〇分後に返事してもいいですか」
この一言をはさむだけで、「今の自分に引き受ける余裕があるか」を冷静に判断する時間が生まれます。即答さえ防げれば、背負いこみの半分は防げます。
【対策②】「できること」と「できないこと」を分けて伝える
全部引き受けるか、全部断るか——の2択で考えると、断ることへの罪悪感が大きくなります。「一部だけ引き受ける」という第3の選択肢を持ちましょう。
「全部は難しいですが、〇〇の部分ならお手伝いできます」
「今日は難しいですが、明日の午前中なら対応できます」
「できないこと」だけでなく「できること」もセットで伝えると、相手も受け入れやすく、自分の罪悪感も減ります。これがアサーティブな伝え方です。
【対策③】自分の「今の容量」を数字で把握しておく
限界のサインに気づきにくい方は、感覚ではなく数字で自分の容量を管理しましょう。「今日のタスクは10点満点でどれくらい埋まっているか」を朝に確認しておく。7点以上なら「新しい頼みごとは受けない」と、あらかじめ自分のルールを決めておきます。感覚で判断すると「まだいける」と思ってしまうので、数字で線引きするのがポイントです。
【対策④】「断った自分」を責めないと決めておく
断ったあと、「冷たかったかな」「嫌われたかな」と自分を責めてしまうと、次からまた断れなくなります。断れたときは、「今日は自分の限界を守れた」と、むしろ自分を認めてあげましょう。断ることは、自分を大切にする行動です。責める対象ではなく、褒める対象です。
■ まとめ:「断ること」は、自分と相手の両方を守る技術
「断ったら嫌われる」と一人で抱え込んで背負いこみ続けるのをやめて、「即答せず持ち帰る」「できることとできないことを分けて伝える」「今の容量を数字で把握する」という道具を使いながら、自分とちょうどいい距離でスマートに働いていこう。
「人の役に立ちたい」という気持ちは、あなたの大切な優しさです。でもその優しさで自分を追い詰めてしまっては、長く働き続けられません。境界線を引くことは、冷たさではなく、自分と相手の両方を守る技術です。まず自分を大切にすることから、始めていきましょう。
最後に:ディーキャリア立川オフィスで「自分を守る働き方」を一緒に練習しよう
ディーキャリア立川オフィスでは、アサーティブコミュニケーションや自己理解を通じて、「断れない・背負いこみすぎる」傾向とのつきあい方を、一人ひとりに合わせて一緒に練習していくプログラムに取り組んでいます。「頼まれると断れなくて毎回パンクする」「人の役に立たないと自分に価値がない気がする」「自分を大切にする働き方を身につけたい」という方も、ぜひ一度、見学や無料相談にいらしてください。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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