2022年08月25日

大人の発達障害の方が就職活動で困ること

自閉症スペクトラム障害（ASD）編

皆さんこんにちは！

就労移行支援事業所ディーキャリ新松戸オフィス管理者の野本です。
ディーキャリア新松戸オフィスには、就職のために発達障害のある方が多く通われています。

今回は私が就職の支援をしていく中で、自閉症スペクトラム障害（ASD）の方が、
就職活動していく際に困る出来事についてお伝えします。

■自閉症スペクトラム障害（ASD）の特徴は？

■就職活動での困りごと①：コミュニケーション

■就職活動での困りごと②：強いこだわりや特定の興味

■どのように就職活動を進めるか？

■まとめ

■自閉症スペクトラム障害（ASD）の特徴は？

自閉症スペクトラム障害（ASD）の特徴としては、コミュニケーションの部分と
強いこだわりや特定の物事に関する興味などがあげられます。
あいまいな言葉や表現を状況など加味してイメージすることが苦手なため、
他所とのコミュニケーションで齟齬が生まれたり、
興味のあることには積極的になるけれど、
興味のないことに関しては全く関心を示さなく、
対人関係で勘違いをされたりします。

こういった特徴があるため、自身に障害あることに気づかず働いているときには、
対人関係でうまくいかないことがあり、
二次障害でうつ病などになったり、
求職や離職を繰り返したりすることもあります。

また、就職活動をしていく際にも、自閉スペクトラム障害（ASD）の特徴で困る出来事も出てきます。

■就職活動での困りごと①：コミュニケーション

就職活動で困る場面として面接があげられます。

相手の質問の意図を読み取ることができず、
質問の内容とは違う答えをしてしまうことや、
空気が読めず思ったことを言葉に出してしまい、
自身に不利になるように伝わったりしてしまうことがあります。

過去に面接の場であった出来事例として、

面接官の質問　「体調管理はご自身でおこなうことはできていますか？」
求職者の解答　「体がだるい時も結構あるので、あんまりできていないかもしれません。」

この方は毎日休まずディーキャリア新松戸オフィスに通所ができていて、
勤怠は安定していたのですが、
面接官の立場からするとあまり自己管理ができていないので、
勤怠の安定に不安を感じさせたと思います。

■就職活動での困りごと②：強いこだわりや特定の興味

就職活動で困りごととして出てくる場面が、応募先の選定があげられます。

自身が希望する条件やおこないたい仕事が限定的になり、
応募先の幅が狭まったり、
自身にあった職場環境ではない求人を選んだり
してしまうことがあります。

過去にあった出来事例として、
イラストレーターとフォトショップを使って、
デザインする仕事をしたいという方がいらっしゃいました。
その方は過去にそのような仕事をしたことはないので未経験の状態でした。
デザインの業務がある求人もあまりなく、
応募をしても未経験ということで見送りになることがあり、
就職活動なかなか進まない状態に陥りました。

■どのように就職活動を進めるか？

では上記の例の方たちが、支援を受けながらどのように就職活動してきたかご紹介します。

最初の面接の場面で思ったことを言ってしまい、
察することができない方には、
まず企業側が不安に思う点は書面でまとめておきました。

勤怠の安定に関しては、ディーキャリア新松戸オフィスの通所率を記載することや
仕事で困りそうな出来事、体調管理に対する対策などすべて書面に記載して、
履歴書と職務経歴書と一緒に事前にお送りしました。

面接の場で書面上の内容が質問された場合は、
「書面に書かせていただきましたが、～～～～～」という流れで話すことを決めて、
齟齬がないようにお伝えできるように面接練習を繰り返しおこないました。

2番目のデザインの仕事に就きたい方には、
まずはその可能性は否定せずに、
実際にデザインの仕事を理解してもらうことをおこないました。

知人の広告会社の社長にアポイントをとり、会社に出向き、
実際のデザイナーの仕事やザイナーになるにはどうすればいいかなど、
リアルな現実を本業の方からお話ししていただきました。

その方は今からデザイナーを仕事にして、
生活費を稼いでいくことが難しいと考え、
事務職を職種として選び直し、
その中でも少しでもイラストレーターやフォトショップなどを使う
業務がある企業の優先度を高めることになりました。

■まとめ

発達障害の特性があることで、
就職活動が思うように進まず困ることもあると思います。
対策を立てていくのに一番必要なことは、
自身でうまくいっていない原因を自覚することが大切です。

もちろん、なかなか客観的に自身を見ることは難しいと思いますので、
お困りの際は就労を支援してくださる福祉サービスや公共機関を頼ってみるのも、
就職への近道になるのではないでしょうか。

就労移行支援事業所ディーキャリア新松戸オフィスでは、
発達障害や精神障害のある方の就職の支援をおこなっています。

ご相談や見学、体験など随時受け付けておりますので、
ご興味ある方はお気軽にお問い合わせくださいませ。