ASD(自閉スペクトラム症)のコミュニケーション対策|職場の人間関係をラクにする方法
「 言葉をそのまま受け取ってしまう 」
「 冗談や、遠回しな表現が分からない 」
「 職場の暗黙の了解が分からず、周囲から浮いてしまう 」
このような悩みを抱えたことはありませんか?
ASD(自閉スペクトラム症)の特性を抱えている方の中には、相手の意図を読み取ったり、
場面に応じたコミュニケーションを取ったりすることに難しさを感じる方がいます。
しかし、コミュニケーションは生まれ持った能力だけで決まるものではありません。
相手の意図を確認する方法や、職場でのやり取りのルールを学び、練習することで、
困難を軽減できる場合があります。
この記事では、ASDの特性とコミュニケーションの関係性や、具体的な対処法、
職場で必要な配慮について解説します。
1.ASDのある方がコミュニケーションで困る理由
ASDは、対人関係やコミュニケーション、行動や興味の持ち方などに特性が見られる発達障がいです。
特性の現れ方や困りごとは、一人ひとり異なります。
職場では、次のような場面で困難が生じることがあります。
- 言葉を文字どおりに受け取りやすい: 冗談や遠回しな表現の意図が分かりにくい。
- 暗黙の了解が分かりにくい: 明確に説明されていないルールや期待に気づきにくい。
- 相手の意図を推測しにくい: 表情や声の調子だけでは、相手が何を求めているのか判断しにくい。
- 自分の考えを伝えるのが難しい: 説明が長くなったり、必要な情報をまとめにくかったりする。
- 急な変更に対応しにくい: 予定外の依頼や手順の変更に戸惑う。
こうした困難には、言葉の受け取り方や情報処理、状況の理解の仕方などが
関係している場合があります。
ただし、すべてのASDのある方に当てはまるわけではありません。
大切なのは、単に「コミュニケーションが苦手」と捉えるのではなく、
どのような場面で、何に困っているのかを具体的に理解することです。
2.「言葉をそのまま受け取る」を改善する方法
例えば、上司から「この資料、なるべく早くお願い」と言われたとします。
言われた側は「なるべく早く」がいつまでなのか分からず、
すぐに取りかかるべきか、ほかの仕事を優先すべきか、を迷うことがあります。
このような場面では、
相手の意図を推測し続けるよりも、具体的に確認する方法が役立ちます。
方法① 曖昧な表現を具体的に確認する
「なるべく早く」「適当に」「いい感じに」などの表現は、
人によって解釈が異なります。
そんなときは、次のように確認してみましょう。
- 「本日中に提出すればよろしいでしょうか?」
- 「どの程度まで詳しく作成すればよいですか?」
- 「こちらの作業と、先ほどの作業では、どちらを優先しますか?」
確認することは、理解力がないということではありません。
相手との認識のずれを防ぎ、仕事の正確性を高めるための工夫です。
あいまいさを感じたときは相手にきちんと確認するのが賢明です。
方法② 相手の意図を一つだけに決めつけない
相手の言葉や表情だけで「こう思っているだろう」「そう感じているに違いない」
のように相手の気持ちや意図を判断すると、誤解が生じやすくなります。
例えば、上司に
「 この案だけど、考え直してみて。」と言われた場合、「自分の案が否定された」と感じるかもしれません。
しかし、改善案を期待している可能性もあります。
そのようなときは、次の3つを考えてみましょう。
- 事実: 相手は「考え直してみて。」と言った。
- 自分の解釈: 自分の案は、認められなかったのかもしれない。
- 確認: どの部分を見直すとよいか、具体的に聞いてみる。
「自分の解釈」と、「事実」を分けることで、
思い込みによる不安やすれ違いを減らしやすくなります。
方法③ 職場のルールを言葉にして整理する
職場には、明文化されていない暗黙のルールが存在することがあります。
例えば、
「分からないことは、作業を進める前に確認する」
「遅れそうな場合は、期限前に報告する」といったルールです。
そんなときは、周囲の行動を見て推測するだけでなく、
分からないことは質問し、自分が理解した内容をメモに残しましょう。
暗黙の了解をすべて察することを目指すのではなく、
必要なルールを確認し、再現できる形にすることが大切です。
そもそも暗黙の了解すべてを察するのは不可能です。
3.事前にコミュニケーションの練習を行なう
コミュニケーションの対策は、
知識として理解するだけでなく、実際に使えるように練習することが重要です。
トレーニング① 確認する言葉を準備する
次の言葉を、日常や職場で使う練習をしてみましょう。
| 困った場面 | 確認する言葉の例 |
|---|---|
| 期限が分からない | 「いつまでに対応すればよいですか?」 |
| 指示が曖昧 | 「具体的には、どのように進めればよいですか?」 |
| 複数の仕事がある | 「優先順位を確認してもよろしいですか?」 |
| 相手の意図が分からない | 「どの部分を修正するとよいか、教えていただけますか?」 |
上記のような状況に対して、
あらかじめどう伝えるのかを準備しておくと、その場で考える負担を減らせます。
トレーニング② 会話を振り返る
1日の終わりに、気になった会話を一つ振り返ることで対策する。
- 何を言われたか。
- 自分はどう受け取ったか。
- 相手の意図について、ほかにどのような可能性があるか。
- 次回はどのように確認できるか。
相手の意図を必ず正しく推測する必要はありません。
都度振り返りながら、少しずつ分からないときに確認する方法を増やしていきましょう。
トレーニング③ 実際の場面を想定して練習する
家族や支援者と、職場で起こりそうな会話を練習する方法もあります。
例えば、
上司役の人から「この仕事、できるだけ早くお願い」と言ってもらい、
期限や優先順位を確認する練習をします。
そして練習後は、次の点を振り返ります。
- 必要な情報を確認できたか。
- 相手に伝わりやすい言葉を使えたか。
- 緊張しても使いやすい方法だったか。
繰り返し練習して、
自分が使いやすい表現を見つけていきましょう。
4.自己理解を深め、必要な配慮につなげる
対策を試しても困難が残る場合は、
自分の特性と必要なサポートを整理することが大切です。
自己理解は、苦手なことを書き出すだけではありません。
困難が生じる場面を把握し、対策を実践し、そのうえで必要な配慮を検討することです。
例えば、口頭で複数の指示を受けると混乱しやすい場合は、次のように整理できます。
- 困りごと: 口頭で複数の指示を受けると、内容を整理できず対応漏れが起こる。
- 自分でできる対策: 指示をメモし、復唱して確認する。
- 対策の検証: メモを活用することで、対応漏れが減ったかを確認する。
- 必要な配慮の仮説: 複数の指示がある場合、優先順位や期限を明確にしてもらう。
- 期待する効果: 作業の順番に迷う時間や、対応漏れを減らす。
配慮は、希望する内容を伝えるだけでなく、
なぜ必要なのかという理由や、業務がどのように改善するのかという効果を具体的に整理すると、
職場と相談しやすくなります。
自分の工夫だけで解決しようとせず、
仕事内容や職場の状況に応じて、実施可能な方法を相談することも重要です。
5.コミュニケーションを学べる
自己理解できる「ディーキャリア新松戸オフィス」
「自分の特性を理解したい」
「職場でのコミュニケーションを練習したい」
「自分に合った対処法や、必要な配慮を整理したい」
このような方は、
就労移行支援の利用を検討してみてもよいと思います。
就労移行支援は、
「一般企業への就職を目指す障がいのある方などを対象」に、
就職に必要な知識やスキルの習得、就職活動、職場定着に向けた支援などを行う福祉サービスです。
ディーキャリア新松戸オフィスは、精神疾患や、発達障害を抱えている方で、
就職に向けて自分の特性を理解したい人や、自分に合った働き方を見つけたい方が、
相談先の候補とされる事業所になります。
その他、就労移行支援の利用を検討する際は、
コミュニケーションに関するプログラムの内容や、実践練習の有無、
個別相談の方法など、自分に合ったプログラムを提供しているのかを確認するとよいでしょう。
例えば、
次のような支援が自分に必要かを整理しておくと、相談がスムーズになります。
- ASDの特性や、自分のコミュニケーションの傾向を理解する。
- 職場で起こりやすいすれ違いと、その対処法を学ぶ。
- 報告・連絡・相談や、質問・確認の方法を練習する。
- 自分でできる対策と、職場に相談したい配慮を整理する。
- 就職後も対策を継続できるよう、振り返りを行う。
就労移行支援を検討する際は、実際に提供されているプログラムや支援内容などを、
事業所に直接確認することが大切です。
見学や相談の際に、自分が困っている具体的な場面を伝え、
実際にどのような支援を受けられるかを聞いてみるとよいでしょう。
まとめ|コミュニケーションは、学びと工夫で変えられる
ASDのある方が職場で感じるコミュニケーションの困難には、
「言葉の受け取り方」や、「状況の理解の仕方」などが関係している場合があります。
まとめになりますが、困難を軽減するためには、次の3つが大切になります。
- 困る場面を具体的に把握する。
- 確認する言葉や会話の練習を通じて、対処法を身につける。
- 自分でできる対策を試し、必要に応じて職場の配慮や支援を相談する。
コミュニケーションが苦手だからといって、働くことを諦める必要はありません。
自分に合った方法を知り、練習を重ねることで、仕事上のすれ違いを減らせる可能性があります。
一人で解決することが難しいと感じたら、
就労移行支援【ディーキャリア新松戸オフィス】にご相談ください。
困りごとについて対策を考えたり、今後についてどうすればいいのかを
一緒に検討いたします。
就職に対して悩みがある人、ネガティブに考えてしまう人、自分の課題を克服したい人、
障害について知りたいと思っている人、不安をかかえている人 etc…
解決する方法を一緒に考えるサポートをいたします
【 就職に関するご相談 】や【 事業所の見学 】【 プログラム体験会 】
など、随時おこなっております。
「 TEL 」 または、「 メール 」にて、お気軽にご連絡ください。
■ 発達障がい / 精神疾患 専門の就労移行支援
ディーキャリア新松戸オフィス
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