【アンガーマネジメント】働きやすい職場とは?
こんにちは、職業指導員の五十嵐です。
皆さんは自身の「怒り」をコントロールできていますか?
怒りは強いパワーを秘めており、うまく活用できれば成長のための力となるでしょうし、
うまくコントロールできなければ、さまざまなものを破壊する力となりますよね?
怒りは感情の中で最も強い攻撃性を持っており、それは他者だけでなく自分にも向くものです。
職場に常にイライラしている人や急に怒り出す人がいると、いつ自分に向けられるか恐怖したり、怒りに影響されて自分も苛立ったり、悪い影響が発生するのは感覚的にわかる、という方も多くいらっしゃると思います。
このことはグーグルでおこなわれた「プロジェクトアリストテレス」というプロジェクトが実証しており、検証結果から「生産性の高いチームは心理的安全性が高い」という結論が導きだされています。
さて本日のテーマは「アンガーマネジメントが適切にできている職場だとどうなるか?」
「心理的安全性」という視点から、アンガーマネジメントについて見ていきましょう。
1心理的安全性とは?
まず「心理的安全性」とはなんでしょうか?
心理的安全性とは「チームの誰もが非難される不安を感じることなく、自分の考えや気持ちを率直に発言できる状態」のことを指すそうです。
つまり、自然体の自分を安心してさらけ出せる環境ということです。
それをメンバーに受け入れてもらえる環境だと、チームはどうなるでしょうか?
まずメンバー全員がお互いを尊重し合えるようになるでしょう。指摘や意見を受け止めてもらえる環境であれば、普段は遠慮して言いづらい「ネガティブな指摘」も、共通の目的のために伝え合うことができるでしょうし、助け合いができるチームになれると考えられます。
これが「心理的安全性の高いチーム」です。
効果としては
- ①離職率が低下する
- ②アイデアの活用率が高まる
- ③マネージャー(評価者)からの評価機会の倍増
- ④全体の収益性の向上
が挙げられます。
お互いを尊重し合うことができ、高め合える環境は居心地がよいでしょうし、率直な発言ができればアイデアの提案回数も増えるでしょう。
結果、評価者との関係性の改善や評価される回数も増えるでしょうし、収益性が高まるのは当然と考えられます
2心理的安全性が低いとどうなるか?
それでは、逆に心理的安全性が低いチームを見ていきましょう。
常にイライラした人がいたり、意見を否定してくる人がいる。
ネガティブな発言をすればそれを責められたり、せっかく努力しても「余計なことをするな」となじられたり――
「うちの職場だ!」と思ってしまった人もいるのでは?
心理的安全性が低いと
- ①無知と思われる不安
- ②邪魔をしていると思われる不安
- ③無能と思われる不安
- ④ネガティブに思われる不安
が発生します。
結果、わからないことがあっても「無知」「無能」と思われたくないから、報告・相談をしない。
せっかくのアイデアがあっても、「邪魔」に思われたくないから、発信をしない。
改善点があっても、ネガティブなことを伝えて嫌われたくない、マイナスに思われたくない、と考えて発言しない。
このように「ミスに気づきながらも怒られたくない、責任を押し付けられたくない」から黙認したり、「不明点・疑問点があっても、できない人と思われたくないから」自己流で進めて失敗する。
「アイデアがあっても否定されたくないから」発信しない、「挑戦して失敗したらなじられるから」挑戦しない。
失敗するリスクを過度に恐れるようになり、全体の生産性を大きく減衰させてしまうことになるのです。
3成功するチームとは
これらを踏まえて「成功するチーム」とはどんなものか見ていきましょう。
「1心理的安全性とは」で見てきたように、本来の自分をさらけ出すことができ、それをチームメンバーが受け入れてくれる環境では生産性の間接的な向上が見込めます。
もちろん生産性、収益性を上げるためには他にも様々な要因が関わってきますが、そのうちの一つとして「心理的安全性の高さ」が影響しているのは否めないでしょう。
逆に「2心理的安全性が低いとどうなるか」で見てきたように、リラックスできない、自然体でいられないような環境では、人の生産性は大幅に低下します。
チームの信頼性が低い環境では、自由な発言や改善のための挑戦は行われにくいですし、メリットではなくリスクを重視して物事を考える傾向が強くなります。
つまり「成功するチーム」とは「メンバーが自然体の自分を出すことができ、それを他者に受け入れてもらえる環境を作り出すことができるチーム」ということになります。
……言葉で言うのは簡単だけど、現実はねぇ?という声が聞こえてきますね。
それでは、心理的安全性を高めるために自分ができることを最後に見ていきましょう。
4心理的安全性を高めるためには
心理的安全性を高めるためには、メンバー同士が互いを知り、認め、受け入れることが必要です。
それではそのために私たちはどうすればよいのでしょう?
まず初めに覚えておいて欲しいのが「誰しもチームメンバーの一員である」ということ。
この記事を読んでいて「職場のあの人のことだ」とか「あの上司がちゃんとしないから」とか、他者のことを考えませんでしたか?
しかし一度考えをクリアにして考え直してみてください。職場での自分はどうでしょうか?
常に苛立っていませんか?他者の考え方を真っ向から否定していませんか?
指導する際は相手を尊重した伝え方ができていますか?自分では変えられないことを変化させようとして、尽力していませんか?
まず変えるべきは「あの人」ではなく「自分自身」です。
そんな人はほおっておいて、自分をよりよく、他者に好かれ、助けてもらえる人になれるよう高めていきませんか?
そのために必要なこととして、いくつか提案させていただきますね。
「アンガーマネジメント」……自身の怒りをコントロールして、怒りで壊さない、活用してモチベーションを高められるようになる。
「アサーティブコミュニケーション」……自分も他者も尊重したコミュニケーションで、お互いにとってよい関係性を作る。
「傾聴」……話を聴くことでお互いを理解し合い、よりよい関係性を構築していく。
「コントロールフォーカス」……変えられるもの、変えられないものに注目し、無駄な怒りや悲しみ、緊張や不安を解消できるようになる。
全てディーキャリアで訓練をおこなっている内容です。それぞれについて簡単にでも知りたい方は、下記記事をご覧ください。関心をお持ちいただけた方は、ぜひ一度見学・体験してみてください。
【アンガーマネジメント】怒ることはいけないことなのか?|就労移行支援事業所ディーキャリア (dd-career.com)
さて最後にアンガーマネジメントのお話です。
怒りは伝染しやすい感情で、上から下へ伝染していく傾向があります。
上司から怒られた→怒りにつながる→後輩に八つ当たりする→後輩の怒りにつながる→……
といったように、怒りは立場の高い場所から低い方へ向かいやすいということです。
では職場に一人、他者に怒りをぶつける人がいる場合どうなるでしょうか?
怒りは伝染して次々と拡散し、職場全体の心理的安全性が低下することは想像に難くないと思います。
チームの一員である以上、誰しも自分の怒りは自分でコントロールする「アンガーマネジメント」が必要な理由がわかっていただけたのではないでしょうか?
特に発達障害をお持ちの方は、外からの刺激に影響されやすい、感情の適切なコントロール(情動調整)が苦手になりがち、といった特性があることも多いです。
自分の怒りをうまくコントロールするために、アンガーマネジメントを学び、実践してみませんか?
新潟オフィスでは基本毎週金曜日午前に「アンガーマネジメント」の訓練を実施していますので、関心のある方はぜひ一度見学に来てみてください。
それでは。
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ディーキャリア 新潟オフィスは大人の発達障害に特化したプログラムの就労移行支援事業所です。
精神障害・発達障害を対象に就労支援を受けることができ、 「働き続けるためのプログラム」で高い職場定着率を実現しています。
随時見学を受け付けております。就労移行ってどんなとこ? どんなプログラムをしているのかな・・・
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