自分の「怒り」を知ることで、対処法を学ぶ|アンガーマネジメント|
こんにちは!ディーキャリア川崎オフィス、生活支援員の伊藤です。
「また同じことで怒られた」「イライラしているのはわかっているけど、どうすればいいかわからない」「就職後に感情をうまくコントロールできるか不安……」
こうした悩みを抱えている方は、決して少なくありません。ディーキャリア川崎オフィスでは、就職後の職場定着を見すえて「アンガーマネジメント」を訓練プログラムのひとつとして取り入れています。今回は、2026年5月13日に実施した訓練の様子をレポートします。
アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは、「怒りの感情と上手につき合うためのスキル」です。怒りを「なくす」「我慢する」ことが目的ではありません。怒りのパターンや引き金を知ることで、冷静な判断や行動ができるようになることを目指します。
怒りは二次感情と言われています。怒りの下には、不安・落ち込み・悲しさ・恥ずかしさなどの「一次感情」が隠れています。
例えば「操作中に備品が壊れてしまった」→ 「どうしよう、弁償しないといけないかも」「上司に怒られるかもしれない」という不安や落ち込みが先にあり、それが怒りとして表れてくる……という流れです。
この構造を知るだけで、「なぜ自分はこんなに怒ってしまうのか」が見えやすくなります。
訓練の流れ
この日は少人数でのアットホームな雰囲気の中、これまで学んだアンガーマネジメントのテキストやノートを振り返る復習時間からスタートしました。
復習・疑問の整理
テキストやノートを確認し、「ここが気になる」「もう一度確認したい」という疑問点を整理する時間を設けました。
自分の変化を振り返る
「訓練を受けてから、自分の中で何か変化はあったか?」という問いかけをもとに、参加者がそれぞれの気づきを言葉にして共有しました。
仕事場面を想定したケーススタディ
「就職後にどんな場面で怒りが湧きそうか」を各自が考え、怒りのレベル・一次感情・対策を書き出すワークを行いました。
発表・フィードバック
書き出した内容をスタッフと共有し、対策がどのくらい現実的に実行できるかを一緒に考えました。
訓練で見られた気づきのポイント
今回の訓練では、参加者からさまざまな気づきが共有されました。特性の観点も交えながら紹介します。
① 「しなければならない」という思考パターンへの気づき
・自分の「怒りのタイプ」を把握できたことで、イライラの原因が見えてきた
・「〜すべき」「〜でなければならない」という義務感が、怒りにつながっていると気づいた
・その考え方を少しずつゆるめていくことを、自分の目標として設定
発達障害の特性として、「こうあるべき」という自分ルールへのこだわりの強さが挙げられることがあります。このルールから外れる状況(自分のミス・他者の言動など)が怒りの引き金になりやすいです。
まず自分のパターンに気づくこと、そして「まあいいか」の幅を少しずつ広げていくことが、感情マネジメントの第一歩になります。
② 一次感情・二次感情の構造を理解し、怒りを冷静に分析できるようになった
・「怒り」の下に何の感情があったのかを、落ち着いて考えられるようになった
・怒りが生じた場面を振り返り、自分のタイプに当てはめて分析する習慣がついてきた
・就職後の人間関係や仕事のストレスに対しても活用できるスキルだと実感
感情の調整が難しいと感じる方の中には、怒りが生じると気持ちがエスカレートしやすいという特性を持つ場合があります。「6秒ルール(怒りのピークは約6秒)」や、その場を離れて冷静になる「タイムアウト」といった具体的な技術と組み合わせることで、より効果的なセルフケアが可能になります。
③ 仕事場面の「具体的な想定」に難しさを感じた
・アンガーマネジメントの概念は理解できても、就労経験が少ない段階では「職場のどんな場面で怒りが湧くか」のイメージが持ちにくい
・スタッフと対話しながら具体的な事例を一緒に考えることで、イメージを補完
経験のない場面を具体的にイメージすることへの難しさは、多くの方が感じるポイントです。ディーキャリアでは、スタッフが職場での具体的な事例を提示しながらワークをサポートしています。ひとりで抱え込まず、一緒に考えていきましょう。
ケーススタディ:「職場でイライラしそうな場面」の想定例
訓練では、就職後に怒りが生じやすそうな場面を各自で考え、書き出すワークを行いました。参加者から出た想定例を整理して紹介します。「自分もこういう場面が苦手かもしれない」と感じたら、ぜひ参考にしてみてください。
📄 書類ミス(誤字脱字・書式・フォーマット違い)への繰り返しの指摘
🖨 古いバージョンのマニュアルで作業してしまい、やり直しを求められる
🖨 印刷設定のミスによる指摘・修正対応
📊 実績の公開や比較による、恥ずかしさ・屈辱感(→ 怒りの一次感情:落ち込み・不安)
🔧 操作中の備品トラブル。自分のせいではなくても、責任を感じて自分を責める怒りが生じやすい(→ 一次感情:焦り・不安)
どれも「職場でよく起こりうる場面」です。発達障害の特性によっては、こうした場面で他の人より強く反応してしまうことがあります。これは意志の弱さや努力不足ではなく、特性の表れのひとつです。
特性だから仕方ない、で終わらせない
大切なのは、「すべてを自分ひとりで克服しなければいけない」わけではないということです。
2016年から施行された「障害者差別解消法」により、職場には合理的配慮を提供することが求められています(2024年改正で民間企業にも義務化)。
例えば「繰り返し同じ指摘を受けてイライラしてしまう」場面では、チェックリストの活用・マニュアルの整備・確認タイミングの取り決めといった対応を職場に相談・依頼することができます。
「自分だけが頑張る」のではなく、環境と工夫で乗り越えていく視点が大切です。
ディーキャリアの訓練では、こうした「自分の怒りのパターンを知る」ことと並行して、「合理的配慮として何を求めればいいか」を一緒に整理していくサポートも行っています。
まとめ:怒りは「敵」ではなく「サイン」
今回の訓練を通じて参加者が実感したのは、「怒りは自分の大切なサインである」ということ。怒りそのものをなくそうとするのではなく、「なぜこの場面でイライラするのか」「その下にある感情は何か」を丁寧に見ていくことで、自分自身への理解が深まります。
就職後の職場定着のためには、スキルの習得だけでなく、感情のセルフマネジメントも重要です。ディーキャリア川崎オフィスでは、アンガーマネジメントをはじめ、あなたが安心して働き続けられるための訓練プログラムを多数ご用意しています。
見学・相談は無料です
「自分の怒りをうまくコントロールできるか不安」「就職後に職場でやっていけるか心配」そんな思いを、ぜひ一度ディーキャリア川崎オフィスにお話しください。見学・個別相談は随時受け付けています。ご家族のご相談も歓迎します。
📞 お電話でのご相談も受け付けています|受付時間:平日 9:00〜18:00


