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発達障害がある人は生活リズムが乱れやすい?|新生活で生活リズムを整えるために

はじめに ― 「新しい環境」に飛び込むことが不安な方へ

3月。進学、就職、異動、引っ越し――新しい環境での生活が始まる季節ですね。
フレッシュで楽しみな気持ちがある一方、こんな気持ちを抱えていませんか?

  • 朝起きられるか不安
  • 気がゆるんだら生活リズムが崩れるのではないか
  • 過去に環境が変わることで体調を崩してしまった経験がよみがえってしまう

特に、発達障害(ASD・自閉スペクトラム症、ADHD・注意欠如・多動症など)のある方は、環境の変化によって生活リズムが乱れやすい傾向があります。

発達障害の診断を受けている・グレーゾーンの方、または「自分は発達障害かも?」と何かしら自覚がある方…。

というのも、
「何か知らんけど調子悪い」と原因が漠然としているより、
「発達障害がある・その傾向がある人は、こんなところでつまずきやすいんだ!」という知見が、現代だとある程度溜まってきています。
つまり自分に合った生活リズムを整える方針・コツが見つかりやすいのです。

当ブログを制作している私は、発達障害(ADHD)の診断を受けています
ついつい食事・睡眠より、目の前の楽しいことを優先してしまって、
翌日の朝「超だるい!やっぱ夜更かししなきゃよかった~」と後悔するプロです……。

「体調を崩しているこんな状態じゃ、仕事を始めても何か月か後には心も体もボロボロになってしまう……」と思っていた私ですが、いろいろな方々の力を借りつつ生活リズムを見直した結果、
福祉事業所のスタッフから始まり、今では当ブログ作成を始めとした広報業務を行い、2年10か月(2026年3月現在)お仕事を続けられています

当ブログを読んでいるあなたも、フレッシュで元気な状態で日々を過ごすためのコツを一緒に見ていきましょう。


  • 発達障害があると、障害特性/脳機能の特性により「体内時計」が乱れやすい。時には睡眠障害が併存することも
  • 環境変化+ストレスで自律神経が乱れ、昼夜逆転や起きられない状態になりやすい
  • 一般的な対策を深く掘り下げる「発達障害ならではのコツ」が重要
  • 一人で抱えず、医療機関や支援機関の活用も選択肢に入れてみて

ADHDの診断あり「働くこと」に漠然とした不安を抱えた結果、就職先が決まらないまま大学を卒業。通院していたクリニックに置いてあったパンフレットから「就労移行支援事業所」という福祉サービスを知り、就労移行支援事業所「ディーキャリア」に約8か月通所

・その後、発達障害当事者の目線を持つスタッフとして、就労移行支援事業所の職業指導員として2年6か月勤務
現在はその経験を基にブログ作成や当事者座談会の主催、福祉サービスの認知度や正しい理解を広める業務に従事。「精神・発達障害当事者はもちろん、福祉スタッフを支えるスタッフとしてお仕事継続中。

・趣味はイラスト/デザイン制作。Webブログ運営、楽しい。


目次


なぜ発達障害のある人は生活リズムが乱れやすいのか

まず大前提として、新しい環境では、誰でも生活リズムは乱れやすいものです。
「発達障害だからもう無理!」という考え方は、ちょっと待ってください。
新しい人と会って、初めての場所に行って、慣れない情報に触れて……こんな状態で疲れない人はなかなかいません。
ですし、「疲れる」ということは「たくさんの情報を脳で処理している」、つまり頑張っている証でもあります。

その上で、発達障害のある方はなぜ生活リズムを崩しやすい人が多いのか。
心当たりがあるものについて「明日からどんなことができるかな?」と考えてみましょう。

① 体内時計(概日リズム)の調整が苦手な傾向がある

私たちの身体には「体内時計」があり、メラトニンやセロトニンといったホルモンが睡眠と覚醒を調整しています。
発達障害のある方の中には、

  • 睡眠ホルモンの分泌タイミングがずれやすい
  • 夜型になりやすい
  • 睡眠相後退症候群(遅寝・遅起きになり、社会活動のリズムからずれていく)になりやすい

といった傾向が見られることがあります。その結果、

  • 夜に眠れない
  • 朝に強い眠気が残る
  • 起きられない

といった状態が起こりやすくなります。


② リベンジ夜更かし・過集中・先延ばし

「夜更かしは体に悪い」と分かっちゃいるけど……やめられない!
そんな方、いらっしゃりませんか?
主にADHD・その傾向がある方の特性として、

  • 即時報酬(すぐに・楽しくなれること)に引き寄せられやすい
    SNSに動画サイト、ついつい楽しいコンテンツに吸い寄せられていく
  • 先延ばしぐせがある:早寝早起きするんだ、明日から。
  • 過集中すると時間感覚が抜ける:30分だけ!が、気づけば2時間経っていた

といった傾向があります。
日中にストレスを抱えると、「今くらいは好きなことをしたい!」と、夜にスマホやゲームに没頭してしまう。
これがリベンジ夜更かしです。
気づけば深夜。ブルーライトの影響でさらに入眠困難……悪循環が始まります。


③ ストレスと自律神経の乱れ

ASDの感覚過敏(嗅覚や触覚などの五感が人より敏感な状態)や環境変化への弱さ、ADHDの注意の切り替えの難しさ。これらの特性により、

  • 疲れやすい(易疲労性。「いひろうせい」と読みます)
  • 倦怠感が強い
  • ストレスが蓄積しやすい

状態になります。
ストレスは自律神経を乱し、睡眠の質を低下させます。結果として、

  • 睡眠が浅くなることで中途覚醒が起きやすくなる
  • 朝起きても強いだるさが残っている
  • 昼寝が長引き、昼夜逆転した生活を送ってしまう

状態へとつながることがあります。

そして、上記①~③などの理由で生活リズムが崩れると、

  • 遅刻や欠勤が増える
  • 集中力が低下する
  • 仕事のパフォーマンスが下がる
  • うつ病や適応障害などの二次障害につながる

といったリスクがあります。
発達障害の二次障害の中でも、睡眠障害は非常に多いとされています。
※詳細・エビデンスを知りたい方は、ブログ下部「🔗外部リンク」内の論文参照。

「ただの夜型」と思っていたら、実は医療的支援が必要な状態ということもあります。


ここまでのまとめ|なぜ発達障害のある人は生活リズムが乱れやすいのか

当ブログ作成者含め、発達障害がある我々の生活リズムが乱れやすい原因のパターンとして、下の①~③があげられます。

① 体内時計(概日リズム)の調整が苦手な傾向がある
② リベンジ夜更かし・過集中・先延ばし
③ ストレスと自律神経の乱れ

「これ、自分に当てはまる!」は見つかりましたでしょうか?
そして、これらの生活リズムを乱しやすい習慣を続けてしまうと、

  • 言わずもがな、体調を崩しやすくなる
  • モチベーションや自己肯定感が下がる。「またやっちゃった…」
  • 結果、学業や仕事が続けられなくなって悲しい思いをする

せっかく新しい生活が始まったのに、こういった悲しい結末は避けたいですよね。
そのために、できる対策を事前に洗い出すことは重要です。

「今は元気だよ!」という方も、いざ調子が悪くなってしまったときの予行演習に。
「新しい生活、不安だな…」という方は、ちょっとでも安心するために。

一緒に内容、見ていきましょう。


新生活で大切なのは「休み方」

新しい環境では、がんばりすぎてしまいがちです。
新しい人と会って、初めての場所に行って、慣れない情報に触れて。
あなたの心と体はフル稼働状態です。
そこで大切なのは、

学校や仕事のない休日や、もしお仕事をしばらくお休みすることになった休職期間中でも、
基本的な生活習慣の維持が重要です。


「どう休むか?」 | 今日からできる対策

ここでは、「どう休むか」について、2つの方向性で対策を検討していきましょう。

  1. 「一般的な対策」を自分用に深く掘り下げる
  2. 「発達障害ならではのコツ」を押さえた対策を持つ

ポイントは、有効な休み方をするには「かけ合わせ」が重要ということ。
一つの行動を取って「ダメだった!」とあきらめるのはまだ早いかも。
これ+これ+これ+……と、有効打となる対策を複数個重ねることで体調回復が早くなることも多いです。

1.「一般的な対策」を自分用に深く掘り下げる

まず、一般的な「良い休みの日の過ごし方」を挙げていってみましょう。

  • 毎朝同じ時間に起きる
  • 朝食をとる
  • 軽い運動をする
  • 夜のブルーライトを減らす

……上のリストだけ見ると、フツーの対策ですよね。
当ブログをご覧いただいている方はおそらくインターネット上でさまざまな情報収集を行った上でこのページにたどり着いているかと思うので、
「こんなんで健康維持できるなら、もうやっとるわ!」と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、一つ一つの対策について、こう質問されたらどうでしょうか?

  • 毎朝同じ時間に起きる
    何時から何時まで寝るのが理想?何時間睡眠が何日続いたら体調を崩す
  • 朝食をとる
    →朝食にどんなものを食べると調子が良い?逆に調子が悪くなる?(午前中に眠くなる、身体が重たいと感じる など)
  • 軽い運動をする
    週に何分・何時間、どんな運動をする?
  • 夜のブルーライトを減らす
    寝る何時間前からスマホ・PCを見ないようにすると調子が良い?
     スマホ・PCを見なくて退屈だ!と感じる時は、どんな行動で代替する

このように、「一般的な対策」を自分専用に落とし込むまで深く掘り下げて考えることで、
調子のよい状態を保てたり、逆に調子が悪くなっている時の原因が特定できる可能性が上がります。

2.「発達障害ならではのコツ」を押さえた対策を持つ

自分用に落とし込んだ「一般的な対策」に加えて、発達特性を加味した対策の一例も挙げていきます。
当ブログ作成者が発達障害がある方をサポートする中で知った対策、そしていち当事者として取ってきた対策を交えて記載します。

■「睡眠の質を上げる」ことに取り組む

  • 寝る前の行動をルーティン化する(入眠儀式)
    →「習慣にこだわる」特性を活かした対策。個人的に、部屋の照明を暗くする・オレンジ灯で刺激が少なくする、がオススメです。
  • スマホをベッドに置かないというルールを作って実行する
    →寝室とは別の場所にスマホを置いて、朝にアラームが鳴ったらダッシュでスマホを取りに行く!というルーティンを作っている方もいらっしゃりました。気合いが凄い。

■意識して「自分が休みやすい仕組み」を作る

  • スケジュールを視覚化して、「一週間に〇日は自分だけの時間を確保する」など「何もしない日」を作る
    →たくさん人に会う予定を詰め込みすぎて失敗する人、やってみてほしいです。お家時間を楽しむ日を作ってみて。
  • 3分間目をつぶって、自分に「どこが・どれくらい疲れてる?」を問いかける
    →この記事でここまでたどり着いた方、一度3分間休憩してみましょう。

    どこか疲れていませんか?あなたの疲れ、心から?身体から?脳から?
    ついつい疲れ=体が疲れている と思いがちですが、
    心にストレスがかかっていたり多くの情報量を浴びて脳が疲れていたり(脳疲労)することで、「体が重い」などの症状に繋がっているというパターンもあります。
  • 「自分の体・心が回復することリスト」をつくる
    →お風呂に入る、普段より1時間早めに寝る、ゲームする……なんでもOKです。
     それを一度まとめてみましょう。紙にまとめている方もいらっしゃりましたし、私はスマホにまとめて見返しやすくしています。

生活リズムを崩さない工夫、まだまだ挙げることができますがこの辺りで止めておきます。
このリストの中に「やってみたいな」があって、皆さんの行動を変えるきっかけになれば嬉しいです!

で締めるのが普通のブログだと思いますが……
このブログを読んで行動を変えてくれる方は、ごく少数だと思います。ええんやで。

自分自身に発達障害があって、そして発達障害のある方を支援して実感したこととしては、「いつもと違うことをやるって、大変」。
だからこそ、行動を応援してくれる人や場所があると、習慣が変わり、人は変わっていけるのかな、と思います。

一人で続けることが難しければ、 継続を誰かに手伝ってもらうという選択肢もアリです。

もし生活リズムが崩れてきたときに、一緒に立て直す方法を考え、アドバイスしてくれる人がいるならば、その存在はとても心強いものですよね。


ひとりで抱え込まないで、相談する:支援を受けられるサービスを利用するという選択肢

どう働くか以上に、どう休むか。
そして発達障害がある・傾向がある方にとって「休む」は一つの大きな課題になる。
ここまでで確認してきたことですね。

そして、「休む」ために習慣を変えることは、大変
「生活リズムが崩れてきた。何とかしたい!でも自分だけだと続かなさそう……」
そんな方は、専門知識を持ったスタッフがいる福祉サービスを利用することも一つの選択肢です。
「こんなサービスがあるんだな」と知っていること自体が安心につながります。

生活リズムを整える支援として、例えば下記のような福祉サービスがあります。

1.生活訓練(自立訓練)

障害のある方が地域で安定した生活を送れるように支援する福祉サービスです。
生活リズムの安定や日常生活のスキルなど、「働く前の土台づくり」をサポートすることが主な目的です。

例えば、次のような内容に取り組むことがあります。

  • 規則正しい生活リズムを作る
  • 体調管理やセルフケア(自身の体調を良好に保つ手段を考え、身に付ける)の方法を学ぶ
  • 人とのコミュニケーションを練習する
  • スケジュール管理や生活スキルを身につける

発達障害や精神障害のある方の中には、
「働きたい気持ちはあるけれど、まずは生活を整えたいな」という方も少なくありません。
自立訓練では、焦らず自分のペースで生活の土台を整えることを目指します。

2.リワーク

うつ病や適応障害などで休職している方が、職場復帰を目指して行うリハビリプログラムのことです。
医療機関や支援機関などで実施されており、休職中の方が生活リズムを整えながら、無理のない形で仕事に戻る準備をすることを目的としています。

例えば、リワークでは次のような取り組みが行われます。

  • 朝決まった時間に通所して生活リズムを整える
  • 集中力や作業体力を少しずつ回復させる
  • ストレス対処やセルフケアの方法を学ぶ
  • 復職後の働き方や再発予防について考える

休職から復職までの期間は人によって異なりますが、
「いきなり仕事に戻るのが不安…」という方にとって、段階的に準備ができる環境として活用されています。

2.就労移行支援事業所

一人で就職活動を始めることや再就職することが難しい方向けに、主に就職活動に関するサポートを提供する福祉サービスです。
事業所ごとに特徴は異なりますが、就活に関する相談に加えて、就活・就職後の生活維持に必要な生活面の悩みも専門的に受け付けている事業所もあります

施設によって取り組み内容が異なり、履歴書・面接でチェックされる技能面や資格取得に重きを置いてトレーニングする施設もあります。
就活をどう切り抜けて「仕事に就くか」はもちろん大事ですが、
そこに加えて、就労移行支援事業所「ディーキャリア」では仕事に就いた後「その仕事を続けられる状態になること」を重視しています。

就労移行支援「ディーキャリアITエキスパート札幌駅北口オフィス」で集団訓練をおこなっている風景

当ブログを制作している私は「ディーキャリア」の卒業生です。
私も利用当時を振り返ると、事業所で過ごす中で心身の小さな変化があった時にスタッフさんから声をかけてくれて、
「どうすれば、上手く休めるか?」を考えるきっかけをたくさんもらったな、と実感しています。

私自身、「働くには自分をすり減らさないと!」と自分を犠牲にして成果を出そうとする思考の癖がありました(いまだに心が疲れてくるとこの癖が出てきます……笑)。
そこを察したスタッフさんから、
「本当にそのままでいいの?それをこれから先の人生で繰り返していったら、どうなる?」と問い直されました。
「たしかに……自分自身が困りますし、なにより周りの人が悲しみますね……」

人生。大きな時間軸で考えると、自分を大事にして元気に活動することで、家族や友人、職場の同僚が喜んでくれることに気づきました。
あと、「自分を犠牲にしてでも成果を出せ!」という人と一緒に仕事をしても、客観的に見て「何か嫌だな……」って思いますよね。
他の人から専門的かつ客観的ななアドバイス・問いかけをもらうことの重要性に気づかされました。

「休み方」しかり、どんな生活を送りたいか?を問い直すことは、どんな状態で・どんな人と仕事をしたいか、そしてどんな人生を送りたいかを考えるきっかけになります。

その結果、当ブログ作成者は就労移行支援事業所の利用を経て仕事に就き、2年10か月仕事を続けられています。

せっかく新しい生活が始まるのに、使い古した雑巾みたいなボロボロの体とメンタルで過ごしたいでしょうか?
嫌ですよね。

どこかでつまずいても、立ち止まっても大丈夫です。一人ではありません。
困った時に相談できる所として、「ディーキャリア」という存在があることを覚えておいていただければ嬉しいです。

これから大きな一歩を踏み出していく方、新年度で心機一転頑張るぞ!な方。
応援しています。


発達障害で朝起きられない方が就職するまで。
実際にディーキャリアに通所した利用者さんで、「睡眠」に関する問題を乗り越えて就職するまでの過程をご紹介しています。


精神神経学雑誌オンラインジャーナル「神経発達症における睡眠障害の特徴と治療」
神経発達症(発達障害(ASD・ADHD)を含む、脳機能の障害を指す医学用語)と睡眠障害の関係性を示す論文記事です。
内容を要約すると…
神経発達症(ASD・ADHDなど)のある人は、入眠困難や睡眠リズムの乱れなどの睡眠問題が起こりやすい傾向があることが研究で報告された
・これらの背景には、生物学的要因だけでなく環境や行動の影響も関係しており、医療だけでなく家庭や社会環境も含めた支援が重要とされている
という感じです。


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