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発達障害とプログラミングは相性がいい?|ASD・ADHDの特性を活かす働き方のヒント

はじめに ― 「自分に向いている働き方って何だろう?」と悩むあなたへ

プログラミングに興味がある・お仕事にしてみたいけれど、
「自分に続けられるのかな…」 「発達障害の特性が足を引っぱらないかな」

そんな不安を抱えている人は、とても多いです。

当ブログ作成者である私自身も、はじめてWebデザインやHTML/CSSに触れた時、
初めて触れる世界と情報量の多さに戸惑うこともありました。

しかし、 「すごく落ち着く世界だな」とも感じていました。

  • 自分が納得いくまで作り込める
  • わからないことがあると調べずにいられない
  • 気づけば4〜5時間、寝食を忘れて集中していたことも!

こうした特性が、プログラミング学習と相性が良かったのだと思います。

この記事では、
ASD(自閉スペクトラム症)・ADHDなどの発達障害とプログラミングの相性の良さ
働き方としての可能性
何から始めればいいかのヒント
を、当ブログ作成者自身の経験を交えながらお伝えします。


  • プログラミングは「構造が明確」「没頭できる」という特性から、発達障害のある人と相性が良いことが多い
  • ASDのこだわり・ADHDの過集中が、学習や制作の場面で強みになりやすい
  • 一方で、刺激過多・文章量の多さなど、苦手さが出やすい場面もある
  • 自己理解と環境調整ができると、プログラミングは向いている働き方”の選択肢になりやすい
  • 迷った時は、支援機関を探して相談するという手段もある

ADHDの診断あり。「働くこと」に漠然とした不安を抱えた結果、就職先が決まらないまま大学を卒業。通院していたクリニックに置いてあったパンフレットから就労移行支援事業所という存在を知り、約8か月通所。

・その後、発達障害当事者の目線を持つスタッフとして、就労移行支援事業所の職業指導員として2年5か月勤務。現在はその経験を基にブログ作成や当事者座談会の主催、福祉サービスの認知度や正しい理解を広める業務に従事。「精神・発達障害当事者はもちろん、福祉スタッフを支えるスタッフ」としてお仕事継続中。

・趣味はイラスト/デザイン制作。Webブログ運営、楽しい。

※当ブログ作成者は主治医からASD(自閉スペクトラム症)の診断をいただいてはいません。
ただし、下記のようなASDの特性由来の困りごとを自覚しています。

  • 作業に取り組む意味がつかめない・イメージが沸かないと不安を感じやすい
  • こだわりが強く「そこまで根を詰めなくてもいいよ」と言われることが多い
  • 新しい環境に不安を感じやすいが、それを我慢したり気合いで乗り切ったりする傾向がある など

またADHDとASDの特性を併せ持つことで悩んでいる方のお声も少なからず伺うため、ご参考として「ASDの特性」に関連するお話も交えてお伝えします。予めご了承くださいませ。


目次


発達障害の特性とプログラミング学習が合いやすい理由

ASD(自閉スペクトラム症)の「こだわり」や没頭が活きる場面

プログラミング学習を始めとして、PC上でデータ作成する作業(ブログ作成、SNS運用、動画制作など。詳細は後ほど述べます)には、下記の特徴があります。

  • 不具合や予期せぬ挙動をする可能性がある箇所を見つけ、正しく動く構造を作る
  • 手順を一つずつ積み上げて作り上げていく
  • 作品の完成形が視覚化しやすい(PCの画面上で出来上がったものが動いたときの喜びと満足感、ひとしおです。)

という特徴があります。
これらは、ASD特性の「手順がパターン化された作業に安心する」「作業のクオリティを上げることにこだわりがある」といった性質とマッチしやすいところです。


ADHDの「過集中」やアイデア力が強みになる瞬間

ADHDと診断された人の中には、興味のあることに対して、こうした特徴を持つ人がいます。

  • 長時間の過集中
  • 改良アイデアがどんどん湧いて、「まず試してみたい」となる行動力
  • たとえ他の人から↑のことを「やるな!考えるな!」と言われたとしても、ついついやってしまう衝動性

たとえば 「ここをもう少し時間短縮したり仕組み化できるかも?」と気づくと、
GAS(Google Apps Script の略。上手くいじるとGmailを自動で転送できたり業務効率化に役立つ)について調べたり、
WordPress(HP制作が出来る、世界中で広く使われているソフトウェア)をいじってみたり……
このように、「新しいアイデアが浮かぶと、 試行錯誤とネット検索が止まらない!」という方もいらっしゃるかもしれません。

“思い浮かんだアイデアを試しながら作る” という性質はプログラミングと相性が良いです。


気をつけたい苦手ポイント

相性が良い部分がある一方で、人によっては苦手に感じる可能性がある部分もあります。

  • ①PC作業時、画面が眩しく感じる。
    …感覚過敏(視覚・聴覚などの情報に過敏に反応する状態)由来です
  • ②集中しすぎてミーティングや通話の予定をすっぽかす
  • ③他の人がPCをカタカタしている作業音や、作業中に話しかけられたりメールやチャットなどの通知といった刺激が入ると集中が切れる。
    …これも感覚過敏由来の可能性があります
  • ↑の結果、疲れが溜まりやすくなってしまう

ただし、これらは環境を調整することで大きく改善できます。

  • ①Webブラウザをダークモード(背景が暗くなる)に設定する、画面の明るさを調整する
  • ②「何時から何時までは、この作業に集中!」と、作業時間を区切る
  • ③ノイズキャンセリングイヤホンを使用して環境音をシャットダウンする、予定外に話しかけられにくい環境で作業する、メールやチャットの通知を一時的に切る

実際、①についてはプログラミング作業をおこなうツールの背景が真っ暗で、長時間作業しても目が疲れにくいものもあります。

コーディング画面のスクリーンショット

↑当ブログ作成者が実際にHPをコーディングしている様子のスクリーンショット。黒地に緑の文字が躍る、かっこいい画面。

②・③については、一緒に働く方々からの理解を得る必要があり、職場から理解・了承を得るために「自分は何で困っていて/どうすれば解消するのか」が説明できると理想的です。

“苦手があるから向いていない”ではなく、「調整しながら力を発揮しやすい環境をつくる」です。


当ブログ作成者が伝えたい「プログラミング学習者の働き方」

現在、私はフルタイム勤務にて、主に下記の業務を担当しています。

  • HPの制作や保守(ページの文字や画像を差替えたり、閲覧時に不具合があったら原因を特定する)
  • SNS運用
  • 複数の媒体にてブログ運営

Web制作・ブログ運営との相性

例えば、 プログラミング初学時に知ることとなる「HTML/CSS ※」の知識があると、こんなことができます。

  • 人にとってはもちろん、「PCや検索エンジンから見ても」読みやすい構造に整える(「SEO」と言います。詳しく知りたい方は検索してみてください!割愛。)
  • 文字や画像など、ブログを構成する要素を後から見返しても分かりやすく整形する(プログラミング的思考に必要です。明日の自分は他人、です。)
  • ↑の内容を、プログラミングの知識がない人に説明して協力してもらう

これは前述した通りに「発達障害の特性と相性が良い」部分で、
「『一般的にこれが良い』とルールで決まっている形に整理する作業に安心感を覚える」「気になることがあって調べ物をガンガン進めた結果、いつの間にか豊富な知識を手にしている」人にはとても向いていると思います。

※HTML/CSS:HTML=Webページの「骨組み(構造)」を作る / CSS=「見た目(デザイン)」を整える 言語。厳密には「プログラミング」言語ではないですが…ぶっちゃけブログ運営で一番知識が求められる言語です。


実務で救われたシーン

プログラミング学習を続けて得られた恩恵として、「ネット上で調べて・やってみる」のハードルが少しずつ下がっていったことがあります。
ちょっとPC詳しい人に、PCについて分からないことを質問すると「ググれば分かるよ」と言われる、あれ。できるようになっていきます。

たとえば…

  • 「WordPressでホームページ作れない?」と仕事が降ってきた
     → 自力で調べて実装してみたら意外とできた
  • 「この作業、自動化できないかな?」と閃いた
     → 5分くらい調べ物をしたら、何とか仕組みを作れた

もしプログラミング学習をねちっこくやっていなければ、
「ホームページ制作なんて無理だ…」とお仕事の機を逸してしまったかもしれないし、
メールに至っては1件ずつ転送するような手作業が続いていたかもしれません。

“調べればわかる・やったら意外と何とかなる”という経験は、実務に直結しますし、「自分ってやればできるんだ!」と、自分の新しい側面に出会う機会となります。


IT・Web専門職としての働き方の広がり

プログラミングを学習していると、「IT職って、なんだ?」という問いにぶつかることとなります。

例えば、下記の分野は企業によっては人材が不足しており、かつIT業界未経験でも、
自分自身の特性を生かした強みや、学習したデータを成果物としてまとめて実際に企業に見せることで学習意欲を伝えると、“得意なことがそのまま仕事になる”ケースが多い領域と言えます。

  • Webページ制作:「プログラミング学習」といえばこれ、という方も多いと思います。
    新しいサービス・キャンペーンを立ち上げる時に重宝されます。「思い浮かんだアイデアを表現」する、一つの手段にもなり得ます。
  • デジタル広報:SNS運用、動画制作 など
    誰でも手軽に始められる反面、「より多くの人に見てもらえるようにする」を突き詰めると膨大な知識量が必要になってきます。また、複雑な機能実装やアクセスデータの解析にはプログラミングの知識が求められることもあります
  • データ入力・整理業務:「事務職」として求人募集が出ている場合があります。
    ExcelやGoogleスプレッドシート専用のプログラミング言語(VBA、GAS)を使用して業務効率化を図る=「構造化する力が試される」場面もあります など……

「IT業界」と一口に言っても、その職種・作業内容は多様で、調べれば調べるほど「こんな分野もあるんだ!」の、発見の連続です。
複数分野を跨いで知識があると、「PC詳しくてトラブル対応もやってくれるんだ!HPも制作できるの!ブログとかSNSも運営できるんだ!」といったパンチのある印象を与えることも可能です。

⚠️コーディングが業務の中心になっているお仕事(○○エンジニア と名が付く職種が多いです)を目指す場合は、
例えば「大学でプログラミングを4年間程度学んでたくさんアプリ開発してきました!」という人と就職活動で戦う・入社後に切磋琢磨することになる点は注意が必要です。

「就職活動でも戦える位勉強します!入社後も時学習頑張れます!」と自信がある方は、とことん学習してエンジニアの道に突き進んでいただくのも一つの道です。


どうすれば「相性の良さ」を活かせるのか?

自己理解が出発点になる理由

自身の特性とプログラミングとの相性の良さを活かすには、次のようなことを把握する必要があります。

  • どんな作業なら没頭しやすいか?(手順が決まっている方がいい?それとも、ある程度自由にやれる方がいい?)
  • 何がストレスになりやすいか(作業環境?職場の人との接し方?)
  • どこまでなら一人でできる?どんなことについて、支援を受けたり相談できた方がいい?

上に述べた、「自分って、どんなことが好き・得意/苦手・不得意か?どうすれば、苦手/不得意を乗り越えられるのか?」などを知り、「自己理解」を深める過程は重要です


環境を整えると成果が出やすい

「発達障害の特性とプログラミングが合いやすい理由」の項目でもお話しましたが、

作業が“できる・できない”ではなく、“できる状態に整える”が大事です。

  • 画面の明るさを落とす、個室で作業するなど、作業継続しやすい環境を探る
  • 集中が途切れにくいアイテム(ノイズキャンセリングイヤホンなど)や時間帯を探る
  • 可能であれば、自分の苦手な作業やどうすれば集中して作業できるかについて、周りの人からの理解を得る

あたりは、お仕事を本格的に始める前に自分に合った環境を知り・慣れておくと、作業のパフォーマンスが上がってお仕事が続けやすくなります


自己理解に迷っているなら ― 支援機関を頼るという選択肢

「いきなり仕事」「いきなり転職」と考えると、ハードルが高く感じると思います。
そういった場面では、発達障害の特性について理解のある支援機関を頼ることも一つの手です。

「自分に合った作業環境って、どんな条件なんだろう……」と一人で考えると大変です。
自分のことを理解していなければ、人に「作業に集中するために、こうしてほしい!」とお願いすることは、もっと大変だと思います。

当ブログ作成者も「お仕事が続くか漠然とした不安がある」段階でつまずき、「就労移行支援」という福祉サービスを利用して、
障害に理解のある専門職の方と一緒に「どうすればお仕事を続けることが出来るか?」「一緒に働く人に、どう説明するか・どう理解を得るか」を考えるお手伝いをしてもらいました。

「就労移行支援事業所」は、一般就労を目指す障害のある方が利用することを想定した施設です。

  • 向いている働き方の整理(苦手な作業・場面は?逆に、得意な作業・場面は?)
  • 不安や働きづらさを言葉にすることのお手伝い
  • 実際のIT・Web専門職の働き方を知る機会の提供

といった、IT・Web専門職に就くかどうかという”進路のヒント”や、
“そのお仕事を続けることが出来るかを見極めたり、お仕事を続けていくためのヒント”を、
専門的な知識がある人と一緒に考え、自己理解を深めることができます。

“相談したらすぐ就職”ではないので、 進路や自己理解について迷っている段階でも気軽に相談できます。


まとめ ― プログラミングは「特性を活かせる道」のひとつ

発達障害のある人が作業を終えて、肩の力を抜き静かな達成感を感じている様子

最後にポイントを整理します。

  • 発達障害とプログラミングは、「構造化して捉える癖がある」「一つのことに没頭できる」などの面で相性がいいと言える。
    ASDのこだわり・ADHDの過集中が強みになる。
  • 苦手ポイントは環境調整でカバーしやすい
  • プログラミング学習をすると、知識と考え方が身につきキャリアの幅が広がる
  • 一人だと不安!な場合は、支援機関を活用するという道もある

このブログを読んでいただいているあなたの特性は、自分自身からみると「弱み」に感じることもあるかもしれません。
しかし、その特性は “活かし方がわかると一気に花開く可能性のある資質” であることを忘れないでください。

ご自身に合ったお仕事探しに迷っている方にとって、少しでも役に立つ内容となっていれば嬉しいです。


参考:外部リンク集

「job tag」内・「IT・通信の仕事」
厚生労働省が提供する職業情報提供サイト内に、IT業界に関する体系的な説明が記載されています。

②JEED(障害者、求職者などの雇用安定と職業能力開発、福祉増進を目指して雇用支援する機関)が発行する月刊誌の、障がいのある方が現場で実際に活躍している様子をインタビューしたコーナー
中でも、発達障害のある方が在籍し、プログラミング・ITスキルを活用して活躍している事例をピックアップしました。

各URLページ内・「内容はこちら(別ウィンドウで開きます)」をクリックすると、インタビューページが閲覧できます。※企業名敬称略


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