音や光で仕事中にぐったり…感覚過敏で疲れやすいときの工夫
午後3時。まだ仕事は残っているのに、頭がぼんやりして、目の前の文字が入ってこない。
隣の席の電話の声、キーボードを打つ音、天井の蛍光灯のまぶしさ。どれも周りの人は気にしていないようです。でも自分だけは、朝からずっとそれらを浴び続けて、もうへとへとになっている。
- 職場の話し声や物音が気になって、作業に集中できない
- 照明やパソコンの画面がまぶしく、目や頭が疲れる
- 香水や食べ物のにおいで気分が悪くなる
- 仕事が終わるころには、何もできないほど消耗している
- 「気にしすぎ」と言われて、相談しにくくなった
ひとつでも当てはまるなら、その疲れは「体力がない」「我慢が足りない」せいではないかもしれません。この記事では、感覚の負担で疲れやすいときに、今日から試せる工夫を一緒に考えます。
「感覚過敏」とは? 疲れやすさの背景にあるもの
感覚過敏とは、音・光・におい・肌ざわりなどの刺激を、ほかの人より強く感じやすい状態のことです。
人は、周りの刺激の中から必要なものを選び、それ以外を気にしないようにしながら過ごしています。感覚の感じ方が強い人は、この「気にしないようにする」ことに多くのエネルギーを使います。そのため、同じ時間を同じ場所で過ごしても、疲れ方が大きくなりやすいのです。
発達障害(ASD〈自閉スペクトラム症〉など)のある人の中には、こうした感覚の困りごとを抱えている人がいます。ただし、診断の有無にかかわらず感じる人もいますし、寝不足や体調不良、強い緊張があるときに、いつもより刺激がつらく感じられることもあります。
よくある誤解
- 「慣れれば平気になる」……感覚の感じ方は、慣れだけで変わるとは限りません。無理に慣れようとして消耗し続けることもあります
- 「わがまま」「神経質」……本人にとっては、実際に負担の大きい刺激です。好みの問題とは違います
- 「みんな同じ環境で働いている」……同じ環境でも、感じている負担の大きさは人によって違います
感じ方そのものを変えようとするより、「何が、どのくらい負担なのか」を知り、刺激との付き合い方を工夫していくほうが、続けやすいことが多いです。
今日から試せる、感覚の負担を減らす工夫
全部やる必要はありません。できそうなものから、ひとつ試してみてください。
① 疲れた場面を「感覚メモ」に残す
疲れたと感じたら、次の4つを短くメモしておきます。
- いつ(時間帯)
- どこで(席、会議室、通勤電車など)
- 何が気になったか(音、光、におい など)
- 疲れの大きさ(1〜3の3段階)
1〜2週間続けると、「午後の電話が多い時間帯に疲れやすい」「窓際の席だとまぶしい」など、自分の傾向が見えてきます。傾向が分かると、対策を考えやすくなり、人に説明するときの材料にもなります。
② 刺激を減らす道具を試してみる
耳栓やイヤーマフ(耳全体を覆う防音具)、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホン、つばのある帽子、画面の明るさの調整など、刺激を少し減らす方法はいろいろあります。
まずは自宅や通勤中など、使いやすい場面で試して、自分に合うものを探してみましょう。職場で使いたいときは、使ってよいかを事前に上司や担当者に確認しておくと安心です。
③ 「刺激の少ない休憩」を予定に入れる
疲れ切ってから休むより、疲れる前に短く休むほうが、回復しやすいことがあります。
休憩時間に、できるだけ静かで照明の落ち着いた場所で数分過ごす。昼休みはスマホを見ずに目を閉じる。こうした「刺激を入れない時間」を、あらかじめ1日の予定に組み込んでおきます。
④ 疲れのサインを決めておく
「イライラしやすくなる」「人の話が頭に入らなくなる」「肩や首がこわばる」など、限界が近いときのサインは人それぞれです。
自分のサインを2〜3個決めておき、気づいたら休憩や刺激を減らす工夫に切り替えます。サインに早めに気づけると、仕事終わりの「何もできないほどの消耗」を減らしやすくなります。
⑤ 職場に相談するときは「事実・困りごと・お願い」の順で
職場に環境の調整を相談するときは、次の3つに分けて伝えると、相手にも具体的に伝わりやすくなります。
「午後の時間帯に周りの話し声が重なると、作業に集中しにくくなります(事実・困りごと)。作業中に耳栓を使わせていただくか、可能であれば静かな席で作業させていただけないでしょうか(お願い)」
障害のある人が働きやすいよう、職場と話し合って環境ややり方を調整することを「合理的配慮」といいます。何をどこまでお願いできるかは職場によって違うため、ひとりで抱え込まず、相談できる相手と一緒に整理しておくと安心です。
医療機関への相談も選択肢に
刺激のつらさが急に強くなった、頭痛や吐き気などの体の症状が続く、気分の落ち込みが重なっている、といったときは、かかりつけ医や専門の医療機関に相談することも考えてみてください。体調や心の状態によって、感覚のつらさが強まっている場合もあります。
一人で抱え込む前に。「就労移行支援」という選択肢
就労移行支援は、障害や病気、働きづらさを抱える人が、就職や働き続けることを目指して通う福祉サービスです。
感覚の負担で疲れやすいことは、「どんな環境なら長く働けるか」を考えるうえで大切な手がかりになります。就労移行支援では、次のようなことを一緒に整理・練習できます。
- 体調や疲れの記録を、スタッフと一緒に振り返る:通所の中でつけた記録をもとに、「どんな場面で疲れやすいか」「どこで休むとよいか」を一緒に確認します
- 職場に伝えたい配慮を整理する:「耳栓を使いたい」「静かな席を希望したい」など、自分に合う働き方を、就職先にどう伝えるかを準備できます
- 相談や報告の伝え方を練習する:上で紹介した「事実・困りごと・お願い」の伝え方を、具体的な場面に合わせて練習できます
- 求人票を一緒に確認する:職場の環境はすべてが求人票に書かれているわけではありません。勤務場所や業務内容を一緒に読み、見学や面接で確かめたいことを整理します
- 就職後も相談できる:働き始めてから環境に悩んだときも、相談先があります
ディーキャリア橋本オフィスでは、自分の就職準備の状況を確認する「就職スキルチェック」も随時受け付けています。
橋本・相模原エリアで探している方へ
ディーキャリア橋本オフィスは、JR橋本駅の改札からすぐの場所にある就労移行支援事業所です。発達障害や精神障害のある方、診断はないけれど働きづらさを感じている方の「働く」をサポートしています。
「音や光で疲れやすく、前の職場では続かなかった」「どんな環境なら働けるのか分からない」といったお悩みも、今の状況を一緒に整理するところから始められます。
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よくある質問
Q. 感覚過敏の診断を受けていなくても相談できますか?
はい、ご相談いただけます。就労移行支援を利用できるかどうかは、診断名だけで決まるものではなく、医師の意見書などをもとにお住まいの自治体が判断します。まずは今の困りごとをお聞かせください。
Q. 職場に配慮をお願いするのは、わがままではないでしょうか?
困りごとを具体的に伝え、職場と一緒に働き方を調整していくことは、長く働き続けるための大切な準備です。何をどう伝えるかを、一緒に整理できます。
Q. どんな仕事なら刺激が少ないのか分かりません。
同じ職種でも、職場の環境によって刺激の多さは変わります。記録から自分の傾向を知り、求人票の確認や見学を通して、自分に合う環境を一緒に考えていきます。
まずは、相談・見学から
「話を聞いてみたいだけ」「まだ利用するか決めていない」という段階でも大丈夫です。見学や相談は無料で行っています。ご自身のペースで、必要なときにご利用ください。
アクセス:JR橋本駅改札より徒歩0分 電話:042-703-3915 問い合わせページ:https://dd-career.com/office_data/hashimoto/



