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「困っていることは?」と聞かれても、うまく答えられないあなたへ|橋本の就労移行支援でできること

病院の診察で。上司との面談で。ハローワークの窓口で。

「何か困っていることはありますか?」と聞かれた瞬間、頭が真っ白になる。少し考えて、結局「特にないです」と答えてしまう。そして帰り道や夜になってから、「あれも言えばよかった」「本当は毎日しんどいのに」と思い出す。そんな経験はありませんか。

  • 聞かれると、何から話せばいいのか分からなくなる
  • 困っているはずなのに、具体的な場面が出てこない
  • 「このくらいで困っていると言っていいのかな」と迷って黙ってしまう
  • 話しているうちに、言いたかったことと違う方向にずれていく

答えられなかったからといって、困っていないわけではありません。言葉にするための材料が、その場にそろっていないだけのことも多いのです。

なぜ「困っていること」を聞かれると答えにくいのか

質問が大きすぎて、どこから話せばいいか分からない

「困っていることは?」という質問は、実はとても範囲の広い質問です。仕事のこと、体調のこと、人間関係のこと、家のこと。どれを話してもいいぶん、どれから話せばいいのか決められない。

選択肢が多すぎると、かえって一つも選べなくなる。これは珍しいことではありません。

困りごとは「その場」で起きて、「その場」で消えてしまう

困った出来事は、職場のデスクや電車の中、家の台所など、それぞれの場面で起きています。そのときは「つらいな」と感じていても、場面が過ぎるとそのまま流れていきます。

面談室や診察室は、困りごとが起きた場所とはまったく違う場所です。手がかりがない場所で思い出そうとしても、なかなか出てこない。後になってから思い出すのは、その場面に近い状況に戻ったときだったりします。

「この程度で困っていると言っていいのか」とブレーキがかかる

長いあいだ我慢しながらやってきた人ほど、つらさが「当たり前」になっています。周りの人と比べて「みんなも同じくらい大変なはず」と考えたり、「わがままだと思われたくない」と感じたりして、口に出す前に自分で打ち消してしまうことがあります。

緊張すると、言葉が出にくくなる

相手の表情が気になる。早く答えなければと焦る。限られた時間でうまく話そうとする。こうした緊張があると、頭の中で考えを組み立てる余裕が減っていきます。

不安が強いときや疲れているとき、また発達障害(ADHD・ASDなど)のある人の中にも、その場で考えをまとめて話すことに負担を感じやすい人がいます。ただ、どこで、どのくらいつまずくかは人によってさまざまです。診断がなくても、同じように感じている人はたくさんいます。

よくある誤解

うまく答えられなかったとき、こんなふうに考えていませんか。

  • 答えられないのは、本当は困っていないから
  • うまく説明できないなら、配慮をお願いする資格はない
  • 原因まで自分で分析してから話すべき
  • 一度の面談で、全部伝えなければいけない

どれも、自分をさらに話しにくくしてしまう考え方です。原因が分からなくても、「こういう場面で、こうなった」という事実だけで十分に伝わることがあります。

大切なのは「その場で答える」より「材料を持っていく」こと

面談や診察のたびに、その場でうまく話そうとがんばる。それはとても疲れることです。

困りごとは、その場で思い出すものではなく、ふだんから少しずつ集めておくもの。そう考えると、面談のときにやることは「思い出す」から「見せる」に変わります。

話すのが苦手でも、メモがあれば伝わります。うまく話せる自分を目指すより、話す材料を外に置いておく。そのほうがずっと楽です。

今日から使える、困りごとを言葉にする工夫

全部やる必要はありません。できそうなものを一つ選んでみてください。

① 困った場面を「場面メモ」に残す
困ったと感じたら、その日のうちに「いつ・どこで・何があって・どうなったか」を一行で書きます。たとえば「月曜の朝礼、急に指名されて、何も言えなくて午前中ずっと落ち込んだ」。スマホのメモ帳で十分です。きれいな文章にしなくてかまいません。

② 気持ちより先に「起きたこと」を書く
「つらかった」「自分はダメだ」という気持ちから書き始めると、あとで読み返したときに何があったのかが分からなくなりがちです。まず起きた出来事、そのあとに気持ちを一言。この順番にするだけで、相手にも状況が伝わりやすくなります。

③ 「困っていないこと」も書いておく
「午前中の入力作業は集中できた」「一人で黙々とやる作業は苦にならない」。うまくいったことも並べておくと、困る場面との違いが見えてきます。何が合っていて、何が合わないのか。それ自体が、伝えたい内容になります。

④ 面談の前に「今日伝えたいこと」を一つだけ決める
メモが増えてきたら、その中から一つだけ選んで面談に持っていきます。全部話そうとしなくて大丈夫です。メモを見ながら話す、相手にそのまま見せる、という方法もあります。

⑤ その場で答えられないときは「持ち帰る」
「少し考えてから、次回お伝えしてもいいですか」。この一言を用意しておくだけでも、焦りが少しやわらぎます。その場で答えられなかったことは、失敗ではありません。

一人で抱え込む前に。「就労移行支援」という選択肢

就労移行支援は、障害や体調の不安などがあり、一般企業で働くことを目指す人が、就職や働き続けるための準備をする福祉サービスです。生活リズムを整える練習、自分の得意・苦手を知る取り組み、就職活動のサポート、就職後の相談などを受けることができます。

「困っていることをうまく伝えられない」という悩みは、働くうえでくり返し出てきます。

  • 面接で「苦手なことはありますか」と聞かれたとき
  • 就職後、職場に配慮をお願いしたいとき
  • 体調が崩れかけていることを、上司に伝えたいとき

どれも、困りごとを言葉にする力が支えになる場面です。

就労移行支援では、毎日の訓練の中で起きたことを、スタッフと一緒にその日のうちに振り返ることができます。「さっき手が止まっていたのは、何があったからだろう」と、場面がまだ新しいうちに言葉にしていく。それをくり返すうちに、自分の困りやすいパターンや、助けになる工夫が少しずつ見えてきます。

見えてきたことは、自分の取扱説明書のような形でまとめていきます。それを就職活動や職場との相談に使えるのも、就労移行支援の特徴です。

職場に特性を伝えるかどうかの考え方については、こちらの記事でも取り上げています。

関連記事:オープン就労とクローズ就労、どちらを選ぶべきか|橋本の就労移行支援でできること

橋本・相模原エリアで探している方へ

ディーキャリア橋本オフィスは、JR橋本駅改札から徒歩0分の場所にあります。

「何に困っているのか、自分でもよく分からない」。そんな状態からの相談も歓迎しています。最初からうまく話せなくても大丈夫です。スタッフが質問しながら、一緒に整理していきます。

職場での合理的配慮については、厚生労働省のページでも確認できます。
厚生労働省「雇用の分野における障害者への差別禁止・合理的配慮の提供義務」

よくある質問

Q. 困っていることがはっきりしなくても、相談していいですか?

はい、大丈夫です。「なんとなくしんどい」「働き続けられるか不安」という段階でも相談できます。話しながら整理していくことも、相談の大切な役割です。

Q. 診察で主治医にうまく話せません。メモを渡してもいいですか?

メモを見せながら話すことは、失礼にはあたりません。限られた診察時間でも伝わりやすくなります。症状や困りごとが続いている場合は、メモを持って一度相談してみてください。

Q. 職場に配慮をお願いしたいけれど、何を頼めばいいか分かりません。

最初から「これをしてください」と具体的に決めなくてもかまいません。「こういう場面で、こうなって困っている」と事実を伝え、どうすればよいかを職場と一緒に考えていく方法もあります。

Q. 自分の困りごとが、障害によるものなのか分かりません。

この記事だけで判断することはできません。原因が分からなくても、困っている事実は相談の材料になります。気になる場合は、医療機関や相談機関に話してみるのも一つの方法です。

この記事を読むうえでの注意

  • 話しにくさや困りごとの感じ方には個人差があります。
  • この記事は、診断や治療を目的としたものではありません。
  • 気分の落ち込みや強い不安、眠れない状態が続くなど、心身への影響が大きい場合は、医療機関への相談も検討してください。

就労移行支援についての補足

  • 就労移行支援の利用には一定の条件があります。原則として65歳未満で、一般企業への就職を目指す方が対象です。
  • 利用期間は原則2年間です。
  • 利用できるかどうかは、お住まいの自治体の判断によります。診断名だけで決まるものではありません。
  • 現在働いている方や休職中の方は、状況によって利用できるかどうかが異なります。

用語の注釈

  • 合理的配慮:障害のある人が働きやすくなるように、職場が無理のない範囲で行う調整のことです。指示を書面で伝える、休憩の取り方を調整する、などがその一例です。
  • ADHD:注意欠如・多動症。不注意や忘れ物、気が散りやすいなどの困りごとが出やすい特性です。現れ方は人によって大きく異なります。
  • ASD:自閉スペクトラム症。人とのやりとりの仕方や、予定の変化への対応などに、その人なりの特徴が出やすい特性です。こちらも現れ方は人それぞれです。

まずは、無料相談・見学から

「うまく話せる自信がない」。そう感じていても大丈夫です。話がまとまっていなくても、メモを持ってきていただいても、もちろんかまいません。まずは、今感じていることを聞かせてください。