2024年10月03日

精神障害のある方、発達障害のある方、物忘れ、ケアレスミスが多い理由

今回のコラムでは、物忘れ、ケアレスミスが発達障害、精神障害のある方で起こるその原因についてお話ししていきたいと思います。

このコラムは5分前後でお読みいただけます。

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発達・精神障害の特性に応じたプログラムを提供する就労移行支援です。
発達障害(ADHD/注意欠如多動性障害)(ASD/自閉症スペクトラム障害)(SLD/限局性学習障害)のある方、精神障害(うつ病など)のある方が多く利用されています。
【発達障害フレンドリーサポート施設】にも認定され、専門スタッフがサポートをおこなっています。

１．物忘れ、ケアレスミスの原因はワーキングメモリーが関わる

ディーキャリア海老名オフィスの利用者の方でWAISなどの検査を受けた結果、ワーキングメモリーが低いと診断された方は物忘れ、ケアレスミスが多い傾向がありました。特にADHDやSLD傾向のある方に表れています。内容を具体的にお話ししていきます。

２．ADHDのある方の物忘れ、ケアレスミスの原因

物忘れとケアレスミスは発達障害の中でもADHDの診断をもらっている方が多いのではないでしょうか。
特に不注意傾向がある方は、聞いても情報の抜け漏れ、やろうと思っていたけどやらずに忘れるなどを無意識にやってしまいます。それはやはり、ワーキングメモリーの小ささに起因します。
定型発達の方はワーキングメモリーは５～９の情報を受け取れますが（マジカルナンバー７±２と呼ばれています）、ADHDの方はワーキングメモリーが少ない人５より小さい人で２以下だと説明されても断片的にしか情報が入っていない状況が多発します。
また、衝動性、多動性が強い方だとタスクを覚えてはいるが、やりたいことが起こるとそちらを優先させて没頭し、最終的にタスクをやらずに終わる。忘れていたという現象が出てきます。

３．SＬＤのある方の物忘れ、ケアレスミスの原因

ワーキングメモリーにもいろいろな種類があります。見て理解する領域のワーキングメモリーや、聞いて理解する領域のワーキングメモリーが弱く、見て覚えた情報を忘れてしまう、耳で聞いた情報を忘れてしまう事もあります。見る領域、聞く領域のワーキングメモリーが低すぎると機能しなくなり、いわゆるSＬＤの診断が下りる状況になります。しかし、SＬＤとまでいかなくても、聞く力が見る力より弱いと、聞き間違いや、聞き忘れが発生したり、見る力が聞く力より弱いと、見える領域が少なく取りこぼす、見えてはいるけど何を意味しているのかが分からず理解を間違えることがあります。

４．その他、精神障害でもケアレスミスや物忘れをしやすくなる

精神障害を診断されたり、医療機関にかかっている方で以前はケアレスミスや物忘れがなかったけれどもするようになった方は多いのではないでしょうか。
定型発達の人も余裕のなさや、精神的圧迫、ストレスで脳がパニック状態になり正しく状況を拾えなくなることがあります。ストレスが大きいときは状況を正しく見る事、考えることができなくなります。診断をもらっていない人も、余裕を持たない生き方をしているのであれば、物忘れ、ケアレスミスをしてしまいます。

５．気を付けても治らない、物忘れやケアレスミスは医師に相談

実際に発達障害の診断を受けていない方で、物忘れ、ケアレスミスが多い方はWAISなどの検査を受けてみるのもいいと思います。WAISでは言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の数値が出てきます。4つの分野のうち平均より低い（平均は１００）場合はうまく情報を受け取ったり、表現できなかったりします。
中々、物忘れやケアレスミスが気を付けても治らない場合は精神、心療内科医に相談してみることをお勧めします。