2024年08月19日

【前編】発達障害(ASD/ADHD)のある方は空気が読めない？その理由や特性を解説

今回のコラムでは、発達障害のある方は空気を読めない、読むことが苦手との話を聞くことがありますが、そもそも空気を読むとはどういうことなのか、実際に発達障害のある方は空気が読めないのか、その原因に触れていきます

このコラムは5分前後でお読みいただけます。

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そもそも空気を読むってどういうこと？
空気を読む＝推測でしかない
ASDの特性による空気の読めない状況
ADHDの特性による空気の読めない状況　
自分自身に余裕がないと空気が読めなくなる
まとめ

１．そもそも空気を読むってどういうこと？

そもそも、人はどのようにして空気を読むのでしょうか？　

それは、言葉そのものだけではなく、言語外の情報を受け取って推測を立てる事だと思います。
例えば、口で「大丈夫」と言っても、汗をかいて、過呼吸を起こしていたら、空気が読めると言われている人は大丈夫ではないと判断します。
それは、言葉だけでなく目からの汗の情報、耳からの過呼吸の情報を合わせて、大丈夫という言葉は”大丈夫ではない、恐らく無理をしている”と推測を立てられるからです。

２．空気を読む＝推測でしかない

前項でも書きましたが、空気を読むのは言語と非言語を総合した「推測」でしかないというところがポイントです。

推測であるので、もちろん、間違っている可能性があります。例えば、汗をかいて過呼吸をしていて大丈夫と言って大丈夫ではないと判断したけど、実は、その人は部活の練習中で普段から激しい動きをする人だとしたら、その人の言っている大丈夫も、”いつもこれだけの運動しているから大丈夫”ということになります。

誰でも非言語情報を拾って、言語情報と総合して考えていても、拾える情報が少ないと間違った推測で考えてしまう事もあるでしょう。厳密にいえば空気を間違いなく読める人は存在しないと言えますし、総合的に拾える情報量から、人によって解釈が違ってくる現象が発生します。

３．ASDの特性による空気が読めない状況

空気を読める人＝言語以外の情報を拾えるという点で、ASDのある方が引っかかってしまうのが、こだわりが強い事や共感ができないという特性により情報を拾えないという状況です。

こだわりから、見たいもの以外は見ようとしない（見ることができない、興味がない）共感ができないから相手の感情を拾えない。
その結果、定型発達の人が拾える情報を拾えず、結果、推測をしたくてもできないという状況が生まれます。冗談が通じない。抽象的な表現が理解できない。空気が読めないという特性はここから来ます。

４．ADHDの特性による空気が読めない状況

ADHDのある方はASDのある方と違い、非言語情報を拾う事はできます。

しかし、ワーキングメモリーの小ささ、不注意、衝動の特性により、覚えていたけど忘れてしまう。分かっていながらも自分の感情を優先させてしまい場にそぐわない言動や行動をとってしますというのがあります。ASDのある方とは違い、非言語情報を拾えてはいるが、忘れたり、自分のやりたいことを優先させるなどで読めるのだけど、読まない、読めていない動きを取ってしまう事をしてしまいます。

５．自分自身に余裕がないと空気が読めなくなる

また、定型発達の人でも自分自身に余裕がない状況に陥れば空気が読めない、読まなくなります。

例えば、やらなければならないタスクを多く抱えている状況を上げてみましょう。その時、頭の中はそのタスクをこなすこと以外に視野、力を注ぐことができなくなる。結果的に、そのタスクをこなすのに必要な情報を遮断してしまい、空気が読めない、読まない行動をしてしまうようになります。焦るときや、ゲームで負けているときなどは顕著で、視野が狭くなる、焦りが出て衝動的に自分のやりたいを強引に押し通す、という行動をとってしまいます。ストレスが強くかかっている方、精神障害のある方などはこの動きを取ってしまいがちです。