HSPと発達障害は似ている?違いと対処方法の解説【HSP傾向診断あり】
投稿日2022年10月24日 更新日2023年11月13日
このコラムでは、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン/Highly Sensitive Person)と発達障害(自閉症スペクトラム障害/注意欠如多動性障害)の違い、その対処法や改善方法について解説していきます。
このコラムは5分前後でお読みいただけます。
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発達・精神障害の特性に応じたプログラムを提供する就労移行支援です。
発達障害(ADHD/注意欠如多動性障害)(ASD/自閉症スペクトラム障害)(SLD/限局性学習障害)の方、精神障害(うつ病など)の方が多く利用されています。
【発達障害フレンドリーサポート施設】にも認定され、専門スタッフがサポートをおこなっています。
目次
①そもそもHSPとは?
まずはじめに、HSPとは病気ではありません。
そういった気質を持った方のことをいいます。
どんな気質を持った方がHSPに当てはまるのかをエイレン・N・アーロンという方が提唱しています。
・HSPは人口の15%~20%の人に当てはまり、生まれつきのものである
・人が気づかない些細なことも感じる、わかることができる
・それ故、些細なことと人が思う、感じることでも圧倒されることがある
というものです。
要約すると、感受性が人より優れている人と言えます。
②HSPの傾向があるか知りたい~27のチェックリスト~
以下、27項目のチェックリストの内、14項目以上当てはまるとHSPの可能性が高いようです。
エイレン・N・アーロンが考案した27のチェックリスト※診断ではなく傾向を知るものです。
- 強い感覚からの刺激に圧倒されてしまう
- 自身が置かれている環境の微細なところに気付いている
- 他の人の気分に大きく影響されることが多い
- 痛みにとても敏感だ
- 日々のさまざまな刺激から解放されるプライベートな1人の時間を持つことが必要
- コーヒー、お茶など、カフェインに敏感に反応
- 眩しい光、強い香り、粗い生地の布、救急車のサイレンの音などに圧倒されてしまう
- 豊かだが難しい内面を持っていると感じる
- 大きな音はとても不快だ
- 芸術だったり音楽などに強く感動する
- 定期的に神経が疲れ果ててしまい、一人きりにならないといけない
- 自分は真面目だと思う
- よく驚く
- 短い時間で、やらなければいけないことがたくさんあるとオロオロする
- 他の誰かが、その環境を不快と感じているとき、何が不快なのか、どうすればいいのか、察知できることが少なくない
- 一回に多くのことなどを頼まれるとイライラしてしまう
- ミス・忘れ物がないように注意を払っている
- 暴力シーンがある映画やTVは可能な限り見ないようにしている
- 周囲でいろいろなことが起こると、不快な気持ちになることが多い
- 空腹だと強い反応を起こし、集中力や気持ちが乱れる
- 生活や環境変化などに動揺しやすい
- 繊細な香りや味、音など芸術作品に気付いたり、楽しむことがある
- 一度にたくさんのことが起こることは強いストレスである
- 混乱した状況に陥らないように、生活の調整をすることを大切にしている
- 大きな音・混沌とした場面のような、強い刺激は苦しく感じる
- 人と競う場面や、発表など周囲から見られている場面では、緊張し、震えるなど、力が発揮しづらい
- 小さい頃、両親・先生などから敏感な人、内気な人と見られていたように思う
いかがでしたでしょうか。
次はHSPと発達障害は何が違うのか、その違いに触れていきます。
③HSPと発達障害は似てる?違いは?
早速、それぞれの特徴を見ていきましょう。
HSPの特徴
①深く情報を読み取りすぎる・多彩な視点で考えられる
②必要以上に刺激を大きく受け取ってしまう
③共感力が高い
④心の境界線が薄い・もろい
⑤影響を受けすぎるため疲れやすい
⑥刺激を大きく受けるため、ネガティブな事象を事実より大きく捉えてしまい自己否定が強い
発達障害の特徴(ASD/ADHD)
①完璧な正解を出そうとして、情報を深く分析しすぎてしまう 一点で深く掘り下げて考える
②考え過ぎて拡大解釈をし、思い悩んでしまう
③共感が苦手
④他人に興味がない、興味が持てない
⑤ワーキングメモリーが少なく、一度に多くの情報処理ができず疲れる、パニックになる
⑥自己否定が強いため、事象を大げさに考えてしまう
となります。
分かりやすく比較しましたが、違いが分かりますでしょうか。かなり似てますが明確な違いが見て取れると思います。
①~⑥は一例ですので診断をもらっていても当てはまらない箇所がある人もいると思います。
まとめると、
HSPは感覚が鋭敏すぎるため、普通の人より大きく刺激を受け取ってしまい事象にうまく対応できない
発達障害の場合は脳機能が一部が強い、あるいは弱いことによって事象にうまく対応できない
と言い換えられます。
HSP傾向のある方、発達障害のある方、それぞれ原因は違いますが、そこから発生する困りごとにより、うつ病やパニック障害、適応障害などを発症する場合があります。
ディーキャリア海老名オフィスの利用されている方にも、
「自分の感覚過敏が発達障害によるものかHSPによるものかわからない」
いう方がおり、現在、通院して医者から詳しく話を聞いている人もいます。
これらが二次障害なのか、HSPによるものか、発達障害によるものか、話を聞きたい場合は最寄りの精神科、心療内科にお問い合わせください。
④HSPの対処の仕方について
HSPは生まれ持った気質であって障害ではありません。一つの個性なので治療ではなく、困りごとに対してどんな対策をするのかということです。
1、自己受容をしてからの対応策
HSPであることを知った上で、人と比較しないこと、が大切になります。
自身が些細なことで驚いてしまうことを知っていれば、心構えができます。
例えば、自分に対する刺激を少なくする、刺激の少ない衣類、刺激をカットするサングラス、刺激の少ない環境に住む、働くなど、自分を知るからこそおこなえる対策があります。
2、認知行動療法
実はHSPの困りごとの改善は認知行動療法が有効とされています。ポイントは受けた刺激情報をどう扱うか?です。
受けた情報をネガティブに解釈すると一気に生き辛さに直結します。その受けた刺激の解釈を多面的に解釈し刺激のエネルギーをポジティブに持っていくことです。
3、相談できる理解者を探す
人にHSPを説明しても理解してもらえる事は少ないかもしれません。なぜなら、周囲の変化に気付きやすい、わずかな変化を感じ取れるといった感覚は、HSPでない人は理解することは難しいからです。
その中でも、相談した際に話しを聞いてくれたり、HSPを理解しようとしてくれる人がいるだけで、ストレスケアになったり、困り事の共有と解決策の導き出しがおこなえるようになります。
⑤発達障害の対処の仕方について
実は発達障害の対処は、上記のHSPの対処の仕方についてと重なります。
1:自己受容し対応していく
2:認知行動療法
3:相談できる理解者を探す
こちらは発達障害に対する対処法としても有効になります。HSPの対処の仕方と全く同じと言えます。
なので、HSPと発達障害の区別がつきにくかったりもしますね。
⑥まとめ
このコラムでは、HSPと発達障害の違い、その対処法や改善方法について解説してきました。
・周囲の変化に気付きすぎて辛い
・じっくり考えるため、遅いと言われる
・相手に共感しすぎて、自分は後回し
・受け取る刺激が多く、疲れやすい
など、生活や仕事に影響が出ている方は、ディーキャリア海老名オフィスまでお気軽にご相談ください。
また、精神保健福祉士や発達障害学習支援サポーターの資格を持ったプロスタッフによる無料相談も随時おこなっています。就職や復職に向けた悩み、生きづらさなど1人で抱えずに気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【執筆者】小野貴弘
ディーキャリア海老名オフィス 生活支援員
保有資格:発達障害学習支援エキスパートサポーター
「成長」と「気付き」を促す支援をモットーに日々サポートしております。
【監修者】井上高宏
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