苦手なことがわからない人へ|自己理解を深める方法と就職活動への活かし方
「自己理解が大切です」
就職活動や就労移行支援について調べていると、よく目にする言葉ではないでしょうか。
しかし、
「自己理解って何をすればいいの?」
「苦手なことを整理しましょうと言われても、何が苦手なのかわからない」
「困りごとはたくさんあるけれど、うまく言葉にできない」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
ディーキャリアびわこ第一オフィスでも、利用を検討されている方や見学に来られた方から、
「自分のことがよくわからないんです」
という相談を受けることがあります。
実は、自己理解とは最初から自分の特性や苦手なことを正確に説明できる状態を目指すものではありません。
むしろ、
「なぜかいつも同じことで困る」
「なぜか人より疲れる」
「理由はわからないけれど苦手だと感じる」
そんな小さな気づきを集めていくことから始まります。
今回は、「何が苦手かわからない」と感じている方に向けて、自己理解の進め方についてご紹介します。
自己理解とは何をすること?
まず知っておきたいのは、自己理解とは単なる性格分析ではないということです。
「自己理解」と聞くと、自分の長所や短所を分析することだと思われる方が多いかもしれません。
もちろんそれも大切です。
しかし、自己理解は単に性格診断をしたり、自分の特徴を言葉にしたりすることではありません。
自己理解とは、
「自分がどのような環境で力を発揮し、どのような状況で困りやすいのかを知ること」
です。
例えば、
- 人と話すことは好きだけれど大人数は苦手
- 集中力は高いけれど切り替えが苦手
- 指示が曖昧だと混乱しやすい
- 静かな環境だと作業しやすい
といった特徴を把握することも自己理解の一つです。
さらに、自己理解は就職活動の場面でも大きな力になります。
なぜなら、自分に合わない職場を選んでしまうと、せっかく就職しても長続きしない可能性があるからです。
一方で、自分の得意なことや苦手なことを理解していると、自分に合った働き方を選びやすくなります。
そのため、就労移行支援でも自己理解は重要なテーマとして扱われています。
「苦手なことがわからない」のは珍しいことではない
一方で、「苦手なことがわからない」という悩みは決して珍しいものではありません。
実際に多くの方が同じような悩みを抱えています。
なぜなら、苦手なことは長年の習慣の中で当たり前になっていることが多いからです。
例えば、
- 人との会話が終わるとどっと疲れる
- 予定変更があると混乱する
- 複数の作業を同時に進めるのが難しい
といったことがあっても、
「みんなも同じだろう」
と思っている場合があります。
また、これまで何度も失敗や注意を受けてきた経験から、
「自分が悪いだけだ」
と考えてしまう方もいます。
しかし実際には、そこに苦手なことのヒントが隠れている場合があります。
そのため、まずは「苦手なことを見つけよう」と考えるよりも、「困った経験を振り返ろう」という視点を持つことが大切です。
苦手なことではなく「困った場面」を振り返ってみる
そこでおすすめしたいのが、
「苦手なこと」ではなく「困った場面」を振り返ること
です。
例えば、
- 仕事でミスをした
- 人間関係で悩んだ
- 学校生活でつまずいた
- アルバイトが続かなかった
などの経験を思い出してみましょう。
その際には、
- 何が起きたのか
- どんな気持ちだったのか
- 何が難しかったのか
を整理していきます。
例えば、
「仕事が続かなかった」
という経験があった場合でも、原因は人によって異なります。
- 人間関係が苦手だった
- 体力的にきつかった
- 指示が理解しづらかった
- 予定変更が多かった
など、背景にはさまざまな要因があります。
つまり、困った出来事を振り返ることで、自分の苦手な傾向が見えてくるのです。
自己理解で見つけたいのは「苦手」だけではない
しかし、自己理解というと苦手なことばかり探そうとしてしまう方がいます。
それだけでは十分ではありません。
なぜなら、働き続けるためには得意なことや強みを知ることも大切だからです。
例えば、
- コツコツ作業ができる
- 人の話を丁寧に聞ける
- 一つのことに集中できる
- 真面目に取り組める
といった特徴も大切な強みです。
一方で、自分にとって当たり前にできることは、強みとして認識しにくい傾向があります。
そのため、自分では気づいていなくても、周囲から見ると長所である場合も少なくありません。
自己理解では、
- 苦手なこと
- 得意なこと
- 好きなこと
- 嫌いなこと
をバランスよく整理していくことが重要です。
自己理解が進まない人によくある3つの特徴
まず知っておきたいのは、自己理解が苦手なのは珍しいことではないということです。
その中でも、自己理解が進みにくい方にはいくつか共通した特徴があります。
① 周囲に合わせ続けてきた
例えば、
- 空気を読んで行動する
- 怒られないように頑張る
- 人に迷惑をかけないようにする
ことを優先してきた方です。
しかし、一方で自分の気持ちや感覚を後回しにし続けると、
「本当は何が好きなのか」
「何が苦手なのか」
が分からなくなってしまうことがあります。
② 失敗経験が多く自信を失っている
さらに、失敗経験が積み重なることで、
「自分は何をやってもダメだ」
という考え方になってしまうことがあります。
すると、本来であれば整理できるはずの得意不得意も、
「全部苦手」
に見えてしまうのです。
そのため、自己理解では苦手なことだけでなく、自分ができていることにも目を向けることが大切です。
③ 自分の感情に気づきにくい
また、発達障害のある方の中には、
- 疲れていても気づかない
- ストレスがたまっていても分からない
- 不安を我慢し続けてしまう
という方もいます。
つまり、自分の感情や身体のサインに気づきにくいことも、自己理解を難しくする要因の一つなのです。
発達障害のある方が自己理解でつまずきやすい理由
発達障害のある方の中には、
「自分の気持ちを言葉にするのが難しい」
「何に困っているのか説明できない」
というケースがあります。
また、
「苦手なことが多すぎて整理できない」
という方もいます。
しかし、それは決して能力不足ではありません。
長年、周囲に合わせようと頑張ってきた結果、自分の本音や感覚が分からなくなっている場合もあるのです。
そのため、自己理解は一人で頑張るものではありません。
支援者や家族など、第三者と一緒に整理することで見えてくることもあります。
自己理解を進めるための具体的な方法
では、実際に自己理解を進めるためにはどうすれば良いのでしょうか。
ここでは今日から始められる方法をご紹介します。
生活記録をつける
まずおすすめなのは、簡単な生活記録をつけることです。
例えば、
- 何をしたか
- どんな気持ちだったか
- 疲れたかどうか
を書くだけでも十分です。
続けていくと、自分の傾向が見えてきます。
困りごとをメモする
さらに、困りごとが起きたときに記録しておくことも効果的です。
何が起きたのか、なぜ起きたのかを振り返ることで、自分の苦手な条件が見えてきます。
周囲の人に聞いてみる
また、自分では気づいていない強みを知る方法として、家族や友人、支援者などに聞いてみることもおすすめです。
第三者の視点は自己理解を深める大きなヒントになります。
自己理解ができると「配慮事項」も伝えやすくなる
さらに、自己理解が進むと職場で必要な配慮事項も整理しやすくなります。
例えば、
- 指示は口頭よりメモが理解しやすい
- 静かな環境の方が集中できる
- マルチタスクが苦手
- 急な予定変更に不安を感じやすい
といった特性です。
自己理解が進むことで、
「どのような環境なら力を発揮しやすいのか」
「どのような配慮があると働きやすいのか」
を具体的に説明できるようになります。
そのため、就職活動や就職後の職場定着にも大きく役立ちます。
📣お役立ち情報📣
📝就労パスポート | 厚生労働省📝
📝発達障害者の就労支援 | 厚生労働省📝
📝発達障害って、なんだろう? | 政府広報オンライン📝
自己理解が進むとストレス対処もしやすくなる
さらに、自己理解にはストレス対処という大切な役割もあります。
例えば、
- 人混みが苦手
- 長時間の会議が疲れる
- 予定変更が続くと不安になる
という特徴が分かっている場合、
- 早めに休憩を取る
- スケジュールを見える化する
- 一人になれる時間を確保する
といった対策ができます。
そのため、自己理解は就職活動だけでなく、日常生活を安定させるためにも役立つのです。
自己理解は一度やったら終わりではない
自己理解は一度やれば完成するものではありません。
経験を積む中で、
- 新しい得意なこと
- 新しい苦手なこと
- 働きやすい環境
が見つかることもあります。
つまり、自己理解は経験を通して少しずつ深まっていくものなのです。
ディーキャリアびわこ第一オフィスでおこなっている自己理解支援
ディーキャリアびわこ第一オフィスでは、就職に向けた訓練の中で自己理解を大切にしています。
私たちは、
- これまでの経験
- 困った出来事
- 成功体験
- 日々の気づき
を一緒に整理しながら、自分らしい働き方を考えていきます。
また、グループワークや面談を通して、自分では気づかなかった特徴に出会うこともあります。
まとめ|自己理解は「答え探し」ではなく「気づきの積み重ね」
最後にお伝えしたいのは、自己理解には正解がないということです。
「何が苦手かわからない」
そう感じている方は決して少なくありません。
しかし、それは自己理解ができていないのではなく、自己理解の途中にいるということです。
まずは、
- 困った出来事を振り返る
- 自分の気持ちを整理する
- 得意なことにも目を向ける
- 日々の気づきを記録する
ところから始めてみましょう。
自己理解は、自分を責めるために行うものではありません。
自分に合った働き方や生き方を見つけるために行うものです。
そして、自己理解は一度完成したら終わりではなく、経験を重ねるたびに少しずつ深まっていきます。
焦る必要はありません。
小さな気づきを積み重ねることが、自分らしい働き方や生き方につながっていきます。
ディーキャリアびわこ第一オフィスでは、一人ひとりのペースに合わせながら自己理解をサポートしています。
「自分のことがよくわからない」
「就職活動に不安がある」
「発達障害の特性とうまく付き合いながら働きたい」
そんな方は、ぜひ一度見学や相談にお越しください。
あなたらしく働くための第一歩を、一緒に考えていきましょう。

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