障害のある方の はたらくをもっとらくにする 働きづらさを感じている発達障害のある方に向け 働くことをもっとラクに、働くことをもっとタノシクするための ちょっとしたコツや、知っておくべき知識を紹介しています。記事一覧発達障害当事者による【障害者手帳ガイド】手続き方法、メリット/デメリット、実際に取得してみた体験談障害者手帳とは?取得・更新の手続きの方法から、メリット/デメリット、よくあるご質問まで、情報をまとめました。実際に手帳を取得した当事者の体験談もご紹介します。タグ:障害者雇用オープン就労はたラクHACK詳しく見る 大人の発達障害の当事者の方、ご家族など当事者をサポートする方々の中には「これから、どうやって生計を立てて行けば良いのか」という心配を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ・障害を抱えながら働くことはできるのか。 ・生活を補助してくれるような支援は受けられないのか。 そのような疑問について調べるうちに、たどり着くのが障害者手帳に関する情報です。 手帳を取得すれば、障害への配慮を受けながら働くこと・公的な支援を受けることがしやすくなるメリットがあります。 ただ、大人になって診断を受けた方のなかには、名前は何となく聞いたことがあったとしても、「どういうものかよく分からない」という方が多いのではないかと思います。 ・どうすれば取得できるのか。 ・病院や役所での手続きに、手間がかかるのではないか。 ・取得したら、どんなメリットやデメリットがあるのか。 ・そもそも自分は対象となるのか。発達障害(ASD、ADHD、SLD)で手帳は取得できるのか。 調べれば調べるほどに、不安も募ります。そんな方に向けて、今回のコラムでは「30代半ばまで発達障害のことを知らずに生活してきた筆者が、診断を受けたあと手帳について調べたことや、実際に手帳を取得した体験談」をご紹介します。 障害者手帳とは一体どういうものか。取得・更新の手続きの方法から、メリット/デメリット、よくあるご質問まで、情報をまとめました。発達障害の診断を受けた方の不安を解消するために、本コラムがお役に立てましたら幸いです。 [toc] 1. 障害者手帳の基本情報 1-1. そもそも障害者手帳とはなにか? 障害者手帳とは「カラダやココロの機能に、一定の障害があることを認定するためのもの」であり、障害者の自立と社会参加を支援するための、国による制度です。 障害者手帳を取得することで、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供する支援サービスを受けることが出来ます。 障害者手帳には以下の三種類があり、制度のもととなる法律がそれぞれ異なるため、申請や更新の方法に違いがあります。インターネット等で障害者手帳について調べていて、情報が混乱してしまう原因はこの違いにあります。 発達障害者が取得することができるのは(3)精神障害者福祉保健手帳ですので、自分で情報を調べるときには注意しましょう。 (1)身体障害者手帳 ・身体の機能に一定以上の障害があると認められた方に交付される手帳。 ・申請:①医師の診断書・意見書(都道府県知事、指定都市市長、または、中核市市長が指定する医師に限る) ②身体に障害のある方の写真 の2つを用意し、福祉事務所、または、市役所にて行う。 ・更新:原則なし。ただし、例えば「障害の状態が軽減される」などの変化が予想される場合には、手帳の交付から一定期間を置いたあとに、再認定を実施することがある。 (2)療育手帳 ・児童相談所、または、知的障害者更生相談所において、「知的障害がある」と判定された方に交付される手帳。 ・申請:お住まいの自治体によって、手続き方法や必要書類などが異なる。 ・更新:あり。お住まいの自治体によって、手続き方法や期間などが異なる。 (3)精神障害者保健福祉手帳 ・一定程度の精神障害の状態にあると認められた方に交付される手帳。 ・申請:市町村の担当窓口を経由して、都道府県知事、または指定都市市長に行う。 ・更新:あり(2年ごと)。お住まいの自治体によって、手続き方法や必要書類などが異なる。 参考URL: ・障害者手帳について|厚生労働省 ・精神障害者福祉手帳|治療や生活へのサポート|メンタルヘルス|厚生労働省 1-2. 発達障害者が取得できる、精神障害者福祉保健手帳とは? 精神障害者保健福祉手帳は、「一定程度の精神障害の状態にあること」を認定するものです。何らかの精神障害により、長期にわたり日常生活や社会生活へ制約を受けてしまっている方が対象です。例えば以下のような、精神障害のすべてが対象です。 ・統合失調症 ・うつ病、そううつ病などの気分障害 ・てんかん ・薬物依存症 ・高次脳機能障害 ・発達障害(ASD、ADHD、SLD) 現在(2021年6月時点)の日本の法律では、発達障害は「精神障害」に分類されるため、精神障害者福祉保健手帳の対象となっています。 1-3. 精神障害者保健福祉手帳の申請方法は? 申請を受け付ける窓口は、お住まいの自治体の役所(市区役所・町村役場)にあります。「障害福祉課(障がい福祉課)」や「障害支援課(障がい支援課)」などの名前で窓口が設置されていますので、役所のホームページで調べてみましょう。 あるいは、役所の総合受付で「障害者手帳について相談したい」とたずねれば、担当窓口を案内してもらえます。 自治体によって手続きの内容に若干の違いがありますが、相談すれば丁寧に教えてもらえるので、まずは担当窓口を訪ねてみるのが良いでしょう。 申請には以下の書類が必要です。 (1)医師の診断書 精神科医、または、発達障害の専門医によって「発達障害である」と診断された証明書です。 この診断書は初診から6か月以上がたってからのものでなければなりません。理由は、精神障害は他の障害(身体・知的)とは異なり、時間の経過によって状態が変化する(※)ことがあるためです。 障害者手帳の交付が必要な「継続的な困難さがあるか」を判断するには、ある程度の期間、状態を観察することが必要と考えられているのです。 (※発達障害は生まれもっての先天的な障害のため、他の精神障害とは異なり「時間が経過しても、症状や困りごとに変化があるわけではない」として、区別するよう求める議論もなされています。) なお、病院で診断書を発行してもらう際、おおむね5,000円前後の作成料がかかります。自治体によっては、作成料を助成してくれる場合があるので、ホームページや窓口で確認してみると良いでしょう。 (2)精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等のコピー すでに障害年金を受給している場合は、(1)の診断書の代わりに申請書類として使うことができます。 (3)本人の写真 マイナンバーカードや免許証を作るときと同じように、証明写真が必要です。多くの場合は手帳に写真が掲載されます。 自治体によっては、宗教上や医療上で特別な事情がある場合に、頭を布で覆うことを認めている場合があります。 また、障害者手帳に写真を掲載しないことを選べる自治体もありますが、「手帳に写真を掲載しない場合、本人確認の観点から、受けられるサービスが限定される」などの制限が加わる場合があります。 窓口で申請してから、手帳が交付されるまでの期間は、平均で2か月〜3か月です。窓口となる自治体により、審査の内容や手順が異なるため、もっと短い場合もあれば長い場合もあります。 1-4. 取得した精神障害者保健福祉手帳は、更新手続きが必要か? 更新手続きは2年ごとに必要で、有効期限の3か月前より更新手続きが行えます。 更新の際にも医師の診断書が必要なため、診断書を書いてもらうための通院など、余裕をもったスケジュールを立てておきましょう。 なお、自治体によっては、更新に関する案内が特に送られてこず、自分で期限を管理しなければならない場合があります。 期限が切れてしまった場合、障害者手帳を元に受ける支援やサービス(例えば、障害者雇用枠での雇用や、税金の控除、公共交通機関の運賃の割引など)が受けられなくなってしまうため、忘れないように注意が必要です。 次ページ:障害者手帳について悩んだとき、相談できるところはある?特例子会社とは?就職先としてのメリット・デメリットを紹介!障害者雇用枠の求人を探しているときに目にすることも多い「特例子会社」。特例子会社の基礎知識や一般企業との違いや、就職したときのメリット・デメリットを紹介します。タグ:特例子会社障害者雇用詳しく見る 障害者雇用での就職・転職を検討する際には「どの企業が自分に合っているのか」をよく検討することが大切ですが、その選択肢として忘れずにチェックしておきたいのが特例子会社です。 障害者雇用枠の求人を検索しているとよく目にする、この特例子会社。一般的な会社とは何が違うのでしょうか。この記事では、特例子会社の基礎知識を解説します。 [toc] 特例子会社制度とは 特例子会社とは、「障害者の雇用の促進及び安定を図るために特別な配慮をした子会社」のことで、障害者雇用促進法(正式名称:障害者の雇用の促進等に関する法律)で定められた制度です。 制度は2009年4月に創設され、2020年6月時点で全国に544社の特例子会社があります。 参考:特例子会社一覧(令和2年6月1日現在)|厚生労働省 障害者雇用促進法で定める「障害者雇用率制度※」では、企業等のすべての事業主に対して、一定の割合の障害者を雇用することを義務づけていますが、企業が障害者の雇用の促進と安定を図るために事業主が障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社で雇用されている障害者を親会社が雇用しているとみなすことができると定めています。 ※障害者雇用率制度について、詳しくは「障害者雇用とは?オープン就労を目指す方に向け、基礎情報をまとめました。」の記事をご参照ください。 配慮にもとづき職場環境の整備が求められるため、障害者側にとっては、サポート体制が充実しているというメリットがあります。 また企業側にとっても、親会社の就業規則等に縛られることなく、障害のある方に配慮した柔軟な規則や運用体制を作ることができるというメリットがあります。 特例子会社認定の要件 親会社の要件 親会社が、当該子会社の意思決定機関(株主総会等)を支配していること。 子会社の要件 ① 親会社との人的関係が緊密であること。(具体的には、親会社からの役員派遣等) ② 雇用される障害者が5人以上で、全従業員に占める割合が20%以上であること。また、雇用される障害者に占める重度身体障害者、知的障害者及び精神障害者の割合が30%以上であること。 ③ 障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること。(具体的には、障害者のための施設の改善、専任の指導員の配置等) ④ その他、障害者の雇用の促進及び安定が確実に達成されると認められること。 特例子会社で働くメリット・デメリット 今回ご紹介するメリット・デメリットは、あくまでも「傾向」であり、すべての特例子会社に当てはまるものではありません。 後項の「特例子会社の採用動向」で詳細をお伝えしますが、近年は、企業や求人内容によって、就業条件や業務内容が多岐に渡っています。 特例子会社で働くメリット メリット1:障害へ配慮のある職場環境が用意されている 特例子会社は、障害のある方に配慮した職場環境を整備しなければならないことが定められています。障害のある方にとって「働きやすい環境」を作るために特例子会社が実際に行っている配慮として、下記のような事例があります。 オフィス環境 ・設備のバリアフリー化 ・支援・指導スタッフやジョブコーチの在籍 ・休憩室の設置 働き方 ・柔軟な勤務形態(時短勤務やフレックスタイム制・時差出勤等) ・服薬・通院など医療に必要な時間確保のしやすさ 業務内容 ・障害特性に配慮した作業内 ・業務の進め方(業務マニュアルの用意や業務指示の出し方など)への工夫を行う 上記の他にも、例えば「定期的な面談・相談を実施する」など、障害のある方が働き続けられるための取り組みが積極的に行われています。 メリット2:障害のある人同士の交流をもつことができる 実際に特例子会社に就職した方からは、「同じ悩みを抱える人が職場内にいることで、同じ視点から相談に乗ってもらえる心強さがある」という声をよくお聞きします。当事者同士でないと分からない不安や悩みを共有しあえる環境があることで、安心感を得てより安定的に働ける効果が期待できます。 特例子会社で働くデメリット デメリット1:給与の相場が低いことがある 企業により異なりますが、最低賃金(参考:東京1,041円、大阪992円、福岡870円 ※2021年11月時点)からのスタートであることが多いようです。(ディーキャリア調べでは70~80%程度の特例子会社が最低賃金スタート)もちろん、入社後の評価により昇給がある企業も多くあります。 ここ最近では、PCなどの実務スキルやこれまでの業務経験を活かすことのできる特例子会社の求人も増えてきており、その場合には入社時の給与設定が最低賃金よりも高く設定されることがあります。 デメリット2:職種の選択肢が少ないことがある 障害に配慮し、精神面・体力面で大きな負荷がかかる業務や、専門的なスキルが求められる難易度の高い業務は、あまり課されない傾向があります。 特例子会社は、親会社やグループ会社から切り出された定型的な業務を請け負っていることが多く、業務内容が限定される傾向があるため、スキルアップを目指す方にとっては「もの足りなさ」を感じてしまうかもしれません。ただし、ルーティン業務が好きな方や、マルチタスクやスケジュール管理が苦手な方にとっては、働きやすい職場とも言えます。 なお、従来の特例子会社は、障害の種別(身体・知的・精神)や特性に関係なく一律に定型化された事務作業や軽作業を行っているケースがほとんどでしたが、近年では障害の特性や本人の能力に合わせて、より能力を発揮できる業務を行っている特例子会社も登場しています。障害者雇用とは?オープン就労を目指す方に向け、基礎情報をまとめました。求人情報サイトなどで目にすることがある「障害者雇用枠」。そもそも「障害者雇用」とは何?障害のある人の「働く」を守る法律はあるの?といった疑問にお答えするための基礎情報をまとめました。タグ:特例子会社障害者雇用オープン就労詳しく見る 国は「障害の有無にかかわらず、個人の希望や能力、適性に応じた職に就き、自立した生活を送ることができる社会」を目指して、障害のある方の雇用対策を推進しています。 厚生労働省の調査(令和元年度 障害者の職業紹介状況等)によれば、障害のある方々が「働きたい」と思う意欲は年々高まっており、ハローワークにおける障害のある方の就職件数は、この11年連続で増加しています。 また、平成30年4月1日より障害者雇用率(企業等の事業者に義務づけられた、障害者を雇用しなければならない人数の割合)が引き上げられ、企業や自治体、教育機関等の事業主が、障害のある方を積極的に雇用するよう後押ししています。 この記事では、障害者雇用枠での就職を目指す方に向けて、障害者雇用の基礎知識をまとめました。障害のある方の雇用をどのように国が推進しているのかを知ることで、障害者の権利や、権利が守られない場合の対処法について知識を深めましょう。 [toc] 障害者雇用促進法とは 障害者雇用促進法は、正式な名称を「障害者の雇用の促進等に関する法律」といいます。その目的は、大きく下記の3つです。 障害者の雇用の促進と安定障害者が職業に就くため、また就いてからの、職業リハビリテーションの推進障害者の自立の推進 つまり、誰もが自分の能力や適性を十分に発揮し活躍ができる雇用環境を整え、障害の有無に関わらず皆がともに働く社会を作るための法律が、障害者雇用促進法です。 障害者雇用促進法で定められている制度やルール それでは、障害者雇用促進法で定められている制度やルールについて、具体的にその内容を解説していきます。 1. 障害者雇用率制度 企業等のすべての事業主は、常時雇用(※)する従業員のうち、一定の割合=法定雇用率以上の障害者を雇用することが義務付けられています。 ※常時雇用…正社員・パート・アルバイトなどの名称にかかわらず、「期間の定めなく雇用されている者」「過去 1 年以上の期間について引き続き雇用されている者、または雇い入れ時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者」のこと。 法定雇用率は、事業主の区分によって割合が定められています。令和3年3月の法改正によって以下のように割合が引き上げられ、障害者雇用の推進が図られています。 民間企業(従業員45.5人以上)…2.2%→2.3%国、地方公共団体、特殊法人…2.5%→2.6%都道府県等の教育委員…2.4%→2.5% 令和3年3月の法改正では法定雇用率の引き上げとともに、民間企業の事業主の範囲が「従業員45.5人以上」から「従業員43.5人以上」へと拡大し、より多くの民間企業が対象となりました。なお、福祉先進国であるヨーロッパの国々では、法定雇用率は5%以上となっており、日本もそれにならう形で、今後さらに割合が引き上げられると予想されています。 2. 障害者雇用納付金制度 障害者雇用に伴う、事業主の間の経済的負担の差を調整したり、経済的な負担を軽減したりするための制度です。大きく分けて以下の2つがあります。 2-1. 納付金・調整金 先ほど「1. 障害者雇用率制度」でもご紹介したとおり、障害者雇用促進法では、すべての事業主に対して一定の割合での障害者の雇用を義務づけられています。しかし実際には、障害者雇用率を満たせている事業主も、満たせていない事業主も存在します。 障害者雇用のためには、施設の整備や介助者の配置など、事業主には少なからず経済的な負担が発生します。「障害者雇用を推進する企業だけが経済的な負担を背負い、推進できていない企業は負担を免れる」ということにならないように、法定雇用率を満たせていない企業からは納付金を徴収し、満たせている企業には調整金を支給する仕組みになっているのです。 なお、納付金を徴収する対象は、一定の規模以上(常時雇用される従業員が100名以上)の事業主となっており、100名未満の事業主からは徴収されません。これは、規模の大きな事業者ほどより大きな経済的利益を得ており、社会的な責任も大きいという考えに基づいています。 そのため、大企業の方が、中小企業と比べてより積極的な障害者雇用を求められていると言えるでしょう。 2-2. 各種助成金 事業主が障害のある方を雇用した際や、施設の整備、介助者の配置などを行った際に申請することで、事業主に一定の金額が支給される助成金制度が整備されています。事業主の経済的な負担を軽減し、障害者雇用を後押しするための制度です。 3. 障害者に対する差別の禁止 すべての事業主に対し、障害者であることを理由に不当な差別をすることを禁止するルールです。募集や採用を行う際、そして採用後の待遇(賃金・配置・昇進・教育訓練など)において、以下のような差別を禁止しています。 募集・採用時 ・「障害がある」ことを理由として、募集や採用の対象から外す ・障害のある方に対してのみ不利な待遇条件を提示する(例:賃金が低い、賞与・昇給がない、福利厚生がない、雇用形態が異なる、等) ・求める経験を持つ候補者が複数いた場合に、障害のない人を優先し採用する 採用後 ・教育訓練(研修、実習など)を受けさせない ・食堂、休憩室などの利用を制限する ・人事考課を行わない、昇進・昇格がない ・ジョブローテーション(社内における職種変更)を受けられない なお、このルールで禁止されているのは不当な差別です。障害の有無にかかわらず職業能力を適正に評価し、その結果として待遇が異なるということを説明できる場合には、ルール違反を問われることにはなりません。 4. 合理的配慮の提供義務 合理的配慮とは、障害のあるなしに関わらず誰もが平等に生きることができる社会を実現するために、障害によっておきる困難さを取り除いたり、周りの環境を整えたりするなどの支援のことです。 合理的配慮の提供を受けることができる「障害者」とは、「障害者手帳を持っている人のこと」だけではありません。 手帳の有無や、障害の種別(身体・知的・精神)、雇用の形態(障害者雇用か一般雇用か)を問わず、障害の特性によって、社会のなかで困難さを抱えている人すべてが対象となります。(もちろん、発達障害の方も対象です。) 合理的配慮については、以下のコラムで詳しく解説していますので、ご参照ください。 合理的配慮ってなに?企業に依頼をする前に知っておくべき基礎知識「合理的配慮」申請マニュアル 4つのステップと知っておくべきポイント自分にとって必要な配慮は?を学ぶための、合理的配慮の事例集みんなの「お悩み」ポイントはどこ?合理的配慮のよくある質問集 5. 苦情処理・紛争解決援助 障害者雇用促進法の制度やルールが守られていなかったり、実際には機能していなかったりするような場合に、相談する窓口や対応する体制を整えておくためのルールで、以下の措置を事業主に義務づけています。 相談窓口を従業員に周知すること相談者のプライバシーを守ること相談内容を理由に不利益な取り扱いをすることを禁止すること。また、従業員に対して「相談内容を理由に不利益な取り扱いはしない」ことを周知すること。 なお、障害のある従業員と事業主との「当事者同士」での解決が難しい場合には、各都道府県が運営する労働局(の職業安定部)に援助を求めることができます。 労働局に援助を求めた場合には、「労働局長による助言、指導または勧告」や「第三者による調停」が行われます。 障害者雇用の対象者 障害者雇用促進法では、事業主に対して雇用を義務づけている障害者(=障害者雇用率の人数としてカウントされる対象)を、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかの交付を受けている人と定めています。 つまり、障害者雇用の求人に応募したい場合には、障害者手帳が必要ということになります。 参考:厚生労働省|障害者の雇用 申請先や申請方法は自治体や手帳の種類により異なりますが、まずは、各自治体の「障害福祉担当窓口」に相談してみるのが良いでしょう。手帳を取得することで、障害者雇用の求人に応募ができるほか、障害の種類や程度に応じ、さまざまな福祉サービスを受けることもできます。 障害者雇用と一般雇用のそれぞれの特徴や、メリット・デメリットについては、以下のコラムで詳しく解説していますので、ご参照ください。 障害者雇用と一般雇用とは?実際の支援の現場から見えてきた、障害者雇用・一般雇用におけるメリットとデメリットみんなの「お悩み」ポイントはどこ? 障害者雇用(障害者求人枠)と一般雇用(一般求人枠)のよくある質問集【企業人事に聞いた】変わりつつある「障害者雇用」への考え方 押さえておきたいポイント 少し分かりづらいのですが、「障害者雇用促進法の対象者」と「障害者雇用枠の対象者」は異なっていますので、注意が必要です。 障害者雇用促進法という法律そのものは、「障害のために、長期にわたって職業生活に相当の制限を受けている方、または、職業生活を営むことが著しく困難な方」を対象としており、障害者手帳の有無は問われていません。 一方で、先ほども述べたように、障害者雇用枠の対象者は障害者手帳を持っている方です。 法律の目的は「誰もが自分の能力や適性を十分に発揮し活躍ができる雇用環境を整え、障害の有無に関わらず皆がともに働く社会の実現」ですので手帳の有無は問われませんが、障害者雇用の制度を利用するためには、障害による困難を確認できるものとして障害者手帳が必要となるということを、ポイントとして押さえておきましょう。 障害者雇用の現状 私たちが生活する日本の社会のなかで、障害者雇用が実際にはどれくらい推進されているのでしょうか。現状は以下のようになっています。 雇用されている障害者の数(令和3年度) 民間企業(常時雇用する従業員数43.5人以上:法定雇用率2.3%)に雇用されている障害者の数は約59.8万人で、前年より3.3%(2万人)増加しました。障害ごとの内訳は以下のとおりです。 障害種別 雇用人数 前年度対比 身体障害 35.9万人 0.8%増 知的障害 14.0万人 4.0%増 精神障害(発達障害含む) 9.8万人 10.2%増 いずれも前年度より増加しており、特に、発達障害者を含む精神障害者の雇用が大きく伸びています。 実雇用率 2.20% 前年度対比で0.05ポイント増 実雇用率とは、実際に雇用されている障害のある人の割合のことで、10年連続で過去最高を更新しています。実雇用率は常時雇用、つまり、継続的に雇用されており労働時間も一定以上の障害者の人数をもとに計算されており、障害のある方が社会のなかで長期的・安定的に働けていることの指標となります。 障害者雇用率達成企業の割合 47.0% 前年度対比で1.6ポイント減 令和3年から事業主の範囲が「従業員45.5人以上」から「従業員43.5人以上」へと拡大し、これまで報告対象でなかった43.5人〜45.5人未満規模の企業の達成率が35.1%に留まっており、全体の割合を押し下げる要因となったようです。 なお、令和3年の法定雇用率未達成企業は全国で56,618社ありますが、そのうち「1人だけ不足している」という企業が63.9%でした。つまり、未達成だった企業でも、その過半数は達成まであと一歩のところまで来ている、ということが言えそうです。 特例子会社の状況 全国で562社 前年度対比で20社増 特例子会社とは、「障害者の雇用の促進及び安定を図るために特別な配慮をした子会社」のことで、配慮にもとづき職場環境の整備が求められるため、一般企業の障害者雇用枠と比べて、さらにサポート体制が充実しています。 特例子会社が雇用する障害者の内訳は、下記のようになっています。 障害種別 雇用人数 前年度対比 身体障害 1.2万人 2.5%増 知的障害 2.2万人 6.8%増 精神障害(発達障害含む) 0.8万人 13.5%増 ハローワークにおける障害者の職業紹介状況(令和2年度) 新規求職申込件数は211.926件で前年度より5.1%減少、就職件数は89,840件で前年度より12.9%減少しています。就職率(就職件数÷新規求職申込件数)は、前年より3.8ポイント下がり、42.4%でした。障害ごとの内訳は以下のとおりです。 障害種別 就職件数(前年度対比) 就職率 身体障害 20,025件(21.4%減) 34.7%(6.4ポイント減) 知的障害 19,801件(9.6%減) 57.7%(1.7ポイント減) 精神障害(発達障害含む) 40,624件(18.1%減) 42.6%(3.6ポイント減) その他の障害(手帳を所持しない発達障害者含む) 9,390件(52.2%増) 38.2%(1.6ポイント増) 新規求職申込件数は、平成11年度以来、21年ぶりの減少に転じています。新型コロナウイルス感染症の影響により「製造業」、「宿泊業,飲食サービス業」、「卸売業,小売業」といった障害者が比較的応募しやすい業種の求人数が減少した影響と考えられます。 精神障害者雇用義務化 ここまで見てきたように、障害のある方の就職に関するさまざまな指標で、精神障害者(発達障害含む)の数値は近年、大きな伸びを示しています。 一方で、精神障害者の人数:389.1万人に対して、就業者数(実際に働いている人)は9.8万人しかおらず、わずか2.5%と非常に低い状況です。 平成30年4月1日の法改正では、法定雇用率が引き上げられたのと同時に、障害者雇用義務の対象として、「身体障害者」「知的障害者」だけでなく、「精神障害者」も加わりました。(この法律上の精神障害者には、発達障害も含まれています。) ここにいう雇用義務化とは、「事業主が必ず精神障害者を雇用しなければならない」ということではなく、「法定雇用率の算出に、精神障害者を対象にしてよい」という意味です。 精神障害者の雇用義務化により、企業等による精神障害や発達障害の方の雇用が進んでいくことが期待されています。 まとめ 法改正後、国や福祉サービスを提供する事業者が、企業等に対して精神・発達障害への理解を深めるためのセミナーを実施する例が増えてきました。精神・発達障害とはそもそもどのようなものなのか、企業等の側として受け入れるためにはどうすべきか、企業等の側も関心が高まっていることが伺えます。 また、今回ご紹介をした法律や制度以外にも、例えば、実雇用率が低い企業については行政処分の対象となったり、逆に雇用に積極的な企業は税金が優遇されたりするなど、障害者の雇用を支援するさまざま制度が整備されてきていますので、障害者の雇用がさらに推進されていくことが期待されています。 一人で悩まず、ディーキャリアに相談してみませんか? 障害者求人枠が自分に合うかが分からない…障害者雇用というものにまだ不安がある…というお悩みがある方も多いと思います。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 参考URL 厚生労働省 障害者雇用対策https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html 厚生労働省 障害者の雇用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html 厚生労働省 令和3年 障害者雇用状況の集計結果https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23014.html 内閣府 令和3年版 障害者白書 参考資料 障害者の状況https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r03hakusho/zenbun/siryo_02.html 厚生労働省 令和2年度 障害者の職業紹介状況等https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19443.html就労移行支援事業所のよくある質問集就労移行支援に興味があるけど、問い合わせをする前に詳しいことを知りたい!といった方に向け、就労移行支援事業所ディーキャリアに多く寄せられるご質問をまとめました。タグ:就労移行支援事業所障害者雇用詳しく見る メールやお電話での無料相談、そして、ディーキャリア各事業所で行っている無料相談会では、大人の発達障害がある方で、悩みを抱えている方から、多くのご相談をいただきます。 最近は「大人の発達障害」に対する社会的な認知度が高まり、テレビ番組や雑誌などでも取り上げられることが増えてきました。また、インターネットでも、専門的な情報から実際の当事者による体験談まで、さまざまな情報を手に入れることができるようになりました。 一方で、誰とも相談しないまま、「調べれば調べるほど、一人で悩んでしまう」という方も多くいらっしゃいます。「誰かに相談する」というのは、なかなかハードルが高いもの。最初の一歩を踏み出すには、勇気が必要です。 そこでこちらの記事では、私たちがご相談をいただくなかで、「就労移行支援事業所」についての、よくある質問をまとめました。「同じ困りごとを抱えている人が、どんなポイントで悩んでいるのか」を知ることで、ご自身の悩みを解決するための、ヒントを得られるかもしれません。 [toc] Q1.就労移行支援事業所の選び方のコツは? A1.「1. 訓練プログラムの内容」「2. 事業所の立地・雰囲気」「3. 利用者の属性(障害種別や年齢等)」「4. 就職実績」の4つの観点から選ぶことをおすすめしています。 いずれもWebサイトやパンフレットだけでは分からないところが多いので、見学や体験に行くことをおすすめします。それぞれの詳細を以下に解説します。 1. 訓練プログラムの内容 どの就労移行支援事業所でも、「一般就労を目指す」というゴールは同じですが、運営している法人・団体や事業所により、どのような内容に取り組む訓練プログラムになっているのかは異なります。まずは、自分にとって必要な知識やスキルを身に付けられる内容かどうかを確認しましょう。 これまでのお仕事のご経験やスキル、そして障害による困りごとの内容により、訓練を「簡単すぎてつまらない」と感じてしまう、逆に「難しすぎてついていけない」と感じてしまうことがあります。訓練プログラムのレベル感が自分に合っているかどうか、確認することが大切です。 近年は、障害の種別に合わせて強みを持つ事業所や、専門的なスキル(IT系など)を習得できる事業所が増えてきています。例えば、うつ病等の方の復職を支援する、在宅ワークができるようにIT系のスキルの習得を支援するといった事業所もあります。就労移行支援事業所ディーキャリアでは、主に「大人の発達障害の特性」のある方に向けて、 自分の障害特性を知り、特性による得意・不得意を理解すること 環境や業務内容など苦手なことへの対策・打ち手を考え、実践をすること 感情への向き合い方やストレスへの対処法を学ぶこと 対人関係やストレス対処・業務上で必要なコミュニケーション方法を身につけること ……など、発達障害ならではの課題に向き合う訓練プログラムをご用意しています。 また、ディーキャリアITエキスパートは、就労移行支援事業所であるとともにIT・Web 系専門職(プログラマーなど)を目指す「プログラミングスクール」としての機能を併せ持っており、実務スキルの習得だけなく、発達障害の特性理解や対応方法とを同時に学ぶことができます。 2. 事業所の立地・雰囲気 就労移行支援事業所は「通所型」(自宅でサービスを受けるのではなく、事業所へ自分で通うタイプ)のサービスですので、通い続けられるかどうかというのも大切なポイントです。自宅からの通所のしやすさもしっかりと確認しておきましょう。 事業所に通っている期間の中では、気分や体調がすぐれない時期もあるかも知れません。交通機関に乗っている時間はそれほど長くなかったとしても、例えば 乗り換えの便が悪い 混雑が激しい 遅延や運休があった場合に代替の路線がない ……といったことがあると、通うことが困難になってしまう可能性もあります。インターネットの「乗り換え案内」で調べるだけでなく、見学に行く際に、通所する場合の実際のルートを、自分で確認してみることも大切です。 事業所の雰囲気は、運営している法人が同じ=提供されている訓練プログラムが同じであっても、建物の内装やスタッフによって、だいぶ異なるように感じられることがあります。 通所している他の利用者の方や、スタッフとの相性も当然あります。また、事業所の建物によっては、例えば「窓が大きい建物で、視覚過敏のためまぶしくて集中ができない」ということもあるかも知れません。 見学や体験の際には、自分にとって居心地が悪くないか、大きな負担のかからない環境であるかを確認しておきましょう。 3. 利用者の属性(障害種別や年齢等) その事業所をすでに利用している他の利用者の方について、どの障害種別(身体・知的・精神)の方が多いのかは、自分に合った事業所を探すための大切なポイントの一つです。 自分と同じ困りごとを抱えている方が多ければ、その困りごとに合わせた訓練プログラムやサポートも手厚くなります。また、他の利用者の方と悩みや課題を共有することもできるかも知れません。 同様に、利用者の方の年齢層が自分と合っているかどうかも、通いやすさを左右するポイントになります。 4. 就職実績 事業所を比べる際に、数字でもっとも端的に比較しやすいのが就職実績です。以下の4つの項目を確認しておきましょう。特に注目すべきは「就職率」と「定着率」です。 「就職実績」として確認しておきたい4つの項目 1. 就職率 事業所を退所(※)した人のうち、一般就労等をした方の割合。その事業所が「仕事に必要な知識・スキルを含め、実際の就職にむけた支援を十分にできているか 」を測る指標となる。 2. 定着率 事業所の退所後に入社した企業等を、早期退職せずに継続して勤務している方の割合。その事業所が「長期的に継続した安定就労をするために、必要な支援が十分にできているか 」を測る指標となる。 3. 就職人数 その事業所を退所して就職した人の人数。「延べ人数」や「累計」の場合は、単純に開所からの年数が長いほど増えるので、「直近半年~1年の実績」を確認すると、最新の 事業所から一般就労への移行状況を比較しやすい 。 4. 就職実績のある業界・職種 その事業所を退所した人が就職した企業の業界や職種。「その事業所が、どの分野の就職に強みがあるのか」という特色が現れやすいため、希望する業界・職種がある場合はチェックすると良い。 ※ 就労移行支援事業所では、「訓練を終えて就職した人」「就職が決まらず途中で退所、または、利用期間が終了した人」も、いずれも「退所」と表記します。 新しく開所したばかりの事業所はまだ実績がない(あるいは、少ない)ため、数字を公表する準備ができていない(=数字が公表されていない)場合もあります。同じ法人が複数の事業所を運営している場合には、当該法人の別の事業所の数字を参考にすると良いでしょう。 なお、最近では、1社で長く働くだけでなく、複数の会社で働く「複業(副業)」や「個人事業主(フリーランス)」といった、多様な働き方が認知されるようになってきました。 そういった働き方を目指される方もいらっしゃるかと思いますが、「心身の健康が安定して、長く働き続けること」という観点はどのような働き方にも共通しますので、就職率・定着率などの数字はぜひ参考にしてみてください。 Q2. 就労移行支援事業所に通うことで具体的にどんなことが身に付くの? A2.「企業に求められる人物像」になるための基礎知識や能力を身に付けることができます。 「企業に求められる人物像」というと「何か特定の経験やスキルを持っていること」を思い浮かべがちですが、実際には下記のような条件が上位にランクインしています。 <障害者雇用枠における、企業が求める採用条件 TOP 5>※ディーキャリア調べ 生活リズムが整っており、勤怠が安定していること 障害への自己受容ができていること ストレスへの自己対処ができること 就労意欲・仕事への熱意があること 最低限のビジネスマナーがあること このように、業務経験や特定の資格・スキルよりも「働く上での基本的なこと」が重視されており、それだけ基本的なことの実践が難しいとも言えます。 障害の有り・無しにかかわらず、自分のことを理解し必要な対応をすることは、なかなか難しいものです。自分一人では難しいことでも、身につけていくことができるよう、専門の支援員によるサポートを受けることも一つの方法です。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、まずは「働く上での基本的なこと」を学び、習得することを目指します。その基礎の上に、その人その人の「強み」や「やりがい」を明確化し、それらを活かせる職場探しを支援します。 さらに、実務スキルを高めるための模擬職場を用意し、PCスキル(Word、Excel、PowerPointなどオフィスソフト)の向上を目指すための訓練プログラムをご提供しています。 Q3. 一日の利用時間は?毎日通わなければならないの? A3.「1日4~6時間」を訓練時間とする就労移行支援事業所が多いようです。 法律上は「1日の訓練時間」や「通所する日数」は特に定められていませんが、「一般企業への就職を目指す」という観点から、実際に働く際の時間や日数を想定して設定している事業所が多いようです。 なお、事業所によっては平日だけではなく、土日祝日も開所している場合があり、受給者証の契約支給量の範囲内であれば、週5日以上通所することもできます。 いずれにせよ、支援スタッフと相談しながら、スケジュールを組み立てると良いでしょう。 就労移行支援事業所「ディーキャリア」での事例 ディーキャリアでは、10:00~15:00が訓練時間です。(うち1時間休憩、15:00〜16:00までは任意で自習・面談可) 「毎日通所をしなければならない」というルールはありません。利用開始前の面談や、実際に契約を開始する際の契約時に希望する通所日数をお伝えいただくことができます。 また入所後は、月1回「タイムカード(通所の予定表)」をご自身で作成しており、その際に調整していただくことも可能です。もちろん、体調不良や忌引き等の場合には、ご連絡をいただいたうえで欠席することもできます。 「勤怠の安定を目指すために、カレンダー通りの土日祝日を除いた平日は毎日通所をする」という方もいれば、「まずは体調を安定させるために、月・水・金曜日のみ」という方もいます。ご自身の希望や体調や障害の状況により、調整をすることが可能です。就労移行支援事業所とは?対象者・料金・サービス内容をまとめました。障害のある方が「働く」ことへの不安やお悩みを抱える方をサポートする、障害福祉サービスの「就労移行支援事業所」。利用対象や利用料金、サービス内容などの基本情報を紹介しています。タグ:就労移行支援事業所障害者雇用詳しく見る 「障害者雇用での就職・転職を目指しているけれど、うまく働けるだろうか」「過去の失敗を繰り返さないように、自分だけで対処できるだろうか」 自分の障害と向き合いながら「働く」ことを考えたとき、このような不安な気持ちを抱いてしまうことありませんか。今回のコラムでは、障害者が「働く」うえでの上記のようなお悩みに対し支援を提供している「就労移行支援事業所」について紹介します。 [toc] 就労移行支援とは 就労移行支援とは、障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)で定められた障害福祉サービスの一つで、障害のある方の「働く」を支援するサービスです。 サービスの具体的な内容としては、一般企業への就職を目指す65歳未満の障害のある方を対象として、下記のような支援を提供します。 ・働くうえで必要な知識・技能を身につけるための職業訓練 ・就職活動のサポート ・個人の適性や経験などに応じ、企業の求人を開拓 ・就職した後に、長期間・安定的に働くための支援(定着支援) 上記のサービスを原則として24カ月(2年)の間、利用することができます。 就労移行支援事業所とは 就労移行支援事業所とは、就労移行支援のサービスを提供する事業所のことです。障害福祉課などの自治体の支援窓口や、病院・クリニックなどで近隣の就労移行支援事業所の紹介を受けたり、パンフレットを見かけたりしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 国の調査によれば、就労移行支援事業所は2019年10月1日時点で全国に3,506か所あります。ボランティアのようなものではなく、国・自治体からの税金と利用する障害者からの利用料とで運営されており、自治体から指定を受けた民間企業や社会福祉法人、NPOが運営を行っています。 専門学校や塾などと同じように、事業所によって特徴はさまざまです。雰囲気や利用者層が異なるだけではなく、サービスとして提供される訓練や就職活動サポートの内容、そして、どの分野に強みがあるか(例:IT系企業への就職に強い)など、その特徴は多岐にわたります。 なお、私たちが運営している就労移行支援事業所ディーキャリアついては、下記のページをご参照ください。 ・ディーキャリアの特徴 ・ディーキャリアの就職支援 対象となる方 就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスであるため、利用には所定の要件があります。また、実際に利用する場合には、お住まいの自治体に利用を申請し、希望するサービスの利用を認定された障害福祉サービス受給者証(以下、受給者証)の発行を受ける必要があります。 就労移行支援の対象になる方は、以下のとおりです。 ・原則として18歳以上満65歳未満(※)の方 ※例外として「65歳に達する前の5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けていた方で、65歳に達する前日において就労移行支援の支給決定を受けていた方は、当該サービスについて引き続き利用することが可能」と定められています。 ・身体障害、知的障害、精神障害(統合失調症やうつ病、双極性障害、適応障害、てんかんなど)、発達障害や、難病の方のある方 ・一般企業(※)への就職を目指しており、就労が可能と見込まれている方 ※「就労継続支援事業所(A型・B型)」のように、通常の事業所に雇用されることが困難な方に向けた、福祉支援のある事業所は対象となりません。 ・現在、就労していない方(※) ※申請を受け付ける自治体の判断により、休職中やアルバイトをされている方などの利用が例外的に認められる場合もあります。休職者については、所定の要件を満たす場合に利用が可能となります。 就労移行支援は、障害者手帳をお持ちでない方でも、医師の診断書や意見書など、障害や疾患により支援が必要であることが確認できる書類があれば、利用を申請することができます。 また、一般企業で働いていたが休職中の方や、在学中の大学生(4年制大学・大学院・短大・高専含む)の方についても、一定の条件を満たす場合には、ご利用いただけることがあります。 ディーキャリアでは、「復職する予定が決まっている休職中の方」や「大学4年生の方」が利用されている事例がありますが、その可否を判断するのはあくまで申請を受け付ける自治体です。障害者雇用と一般雇用のよくある質問集発達障害のある方が就職活動をはじめるときに、知っておくべき知識を、よくある質問形式でまとめました。タグ:障害者雇用クローズ就労オープン就労詳しく見る メールやお電話での無料相談、そして、ディーキャリア各事業所で行っている無料相談会では、大人の発達障害の特性に悩まれている方から、多くのご相談をいただきます。 最近は「大人の発達障害」に対する社会的な認知度が高まり、テレビ番組や雑誌などでも取り上げられることが増えてきました。また、インターネットでも、専門的な情報から実際の当事者による体験談まで、さまざまな情報を手に入れることができるようになりました。 一方で、誰とも相談しないまま、「調べれば調べるほど、一人で悩んでしまう」という方も多くいらっしゃいます。「誰かに相談する」というのは、なかなかハードルが高いもの。最初の一歩を踏み出すには、勇気が必要です。 そこでこちらの記事では、私たちがご相談をいただくなかで、「障害者雇用(障害者求人枠)と一般雇用(一般求人枠)」についての、よくある質問をまとめました。「同じ困りごとを抱えている人が、どんなポイントで悩んでいるのか」を知ることで、ご自身の悩みを解決するための、ヒントを得られるかも知れません。 [toc] Q1. 一度でも障害者雇用で働くと、もう一般雇用では働けなくなってしまうって本当? A1. 過去に「障害者雇用」で働いたことがあっても、「一般雇用」で働くことができます。 一般雇用での採用に応募する際、過去に障害者雇用で勤務していたことを伝えなければならない、ということはありません。 「過去に障害者雇用で働いたことがあるが、障害の特性に自分で対処できるようになり、会社に配慮を求める必要がなくなった」という方が、次のステップとして一般雇用で転職される事例もあります。 また、障害者雇用で入社した後に、「勤怠が安定し、特性へも十分対処できるようになったので、障害者手帳を返還して、同じ会社のなかにいながら一般雇用に切り替えた」という事例もあります。 Q2. 「 障害者雇用」で入社をすると、会社の上司や同僚の全員に障害のことが知られてしまうの? A2. プライバシーは守られており、仕事をする上で配慮が必要な範囲に限って障害のことが開示されます。 国が定める障害者雇用の制度では、障害者雇用で入社した従業員に対し、プライバシーに配慮した障害者の把握・確認を適正に取り扱うガイドライン」が定められています。これにより、自分が同意しなければ、勝手に会社の中で障害のことが公表されることはありません。 一方、仕事上で必要な障害への配慮をするために、自分が所属する部署の上司や同僚へ、障害について開示することを求められる場合があります。この場合でも開示を拒否することはできますが、障害のことを知ってもらえなければ、当然、適切な配慮は受けられなくなってしまいます。 そのため、実際には「仕事をする上で必要な範囲にのみ障害を開示し、それ以外の(業務上関わりがない)部署には、障害のことを開示しない」という選択を取る方が多いようです。 なお、障害者雇用で入社する際には、会社に対して障害者手帳を提示する必要がありますので、「入社手続きの関わる社員(人事担当者など)には、障害のことは自ずと知られることになる」という点は覚えておきましょう。 Q3. 就職活動の際に、障害者求人枠と一般求人枠で違う点は? A3. 大きく違う点は2つです。 ①「障害特性(障害による作業上の苦手や困難)」と「会社に対して、どのような配慮を求めたいのか」を説明する必要がある 面接の際に面接官から聞かれる「障害に関する質問」へ明確に答えられるよう、回答を事前に準備しておくことがポイントです。 ②面接の前後に実習(インターン)があることが多い 実習(インターン)の目的は、入社した後に「こんなはずではなかった」というギャップが起こらないようにすることです。 「実習」と聞くと大変なもののように聞こえてしまいますが、応募する側にとっては「この会社でやっていけそうかを、実際の職場の環境や、仕事内容から判断する機会」であり、会社側にとっては「求められた配慮をしっかり提供できるか、実際の職場で受け入れが出来そうかを判断する機会」となります。実習は、良い仕事環境を実現するための、応募者・企業双方の確認の場ととらえていただくと良いでしょう。 Q4. 障害者求人枠って、「誰でもできるような単純作業」しかないって本当? A4. 単純作業と言われるような仕事は、求人全体の2割程度です。 単純作業と言われるような仕事は、求人票では「軽作業」と表記されます。軽作業の求人は、障害者雇用の求人全体の約2割程度です(ディーキャリア「発達障害を対象とした求人傾向調査」より)。 「障害者雇用の仕事」=「誰でもできる単純作業」というイメージを持たれる方は少なくありません。 かつては、「障害への理解」や「障害者雇用の実績」が乏しい企業が多かったことから、障害者雇用された社員にどのような仕事を任せたら良いのかが分からず、「比較的、簡単な作業を任せることしかできない」というケースが多いことがありました。 しかし、近年では企業側の理解が進み、障害の有無にかかわらず「その人の能力や経験を発揮できるポジションや職場環境」を用意する企業が増えてきました。(詳しくは変わりつつある「障害者雇用」への考え方の記事をご参照ください。) なお、「軽作業」が一概に悪いかというと、そうではありません。例えば次のような業務は、発達障害(とくにASD特性)の特性に配慮した業務だと言われています。 手順が明確=マニュアルなどで手順が可視化されている、自分の業務の見通しを持ちやすい業務シングルタスクの業務(同時並行作業=マルチタスクではない業務)イレギュラー(通常と異なる、突発的なこと)が少ない業務 障害の特性という視点から考えたときに、発達障害のある方(該当する特性のある方)は「定常的な業務(ルーティン)を、毎日コツコツとこなすこと」が向いていると言えます。 もちろん、発達障害と一口に言っても人によって特性(得意・不得意)は異なりますが、「障害の特性を活かした仕事」という意味で、軽作業の求人も一定の割合があるのです。 Q5. 障害者手帳を持っていたら、一般雇用で働くことはできないの? A5. 本人が自由に決めることができます。 障害者手帳を持っていても「障害者雇用を選ぶか、一般雇用を選ぶか」は、本人が自由に決めることができます。 また、一般雇用で働く場合に、障害者手帳を持っている(=障害がある)ことを会社に申告する義務もありません。もし、会社への障害開示を希望しない場合には、一般雇用であればは伝える必要はないのです。 ただし、「障害のことを会社に伝えずに入社する」ということは、入社後に障害の特性が原因で仕事上のミスをしたり、体調不良によって安定的な勤務ができなくなったりしたときに、会社側から配慮を受けることは難しくなるということですので、注意が必要です。 Q6. 「マイナンバー制度」や「保険手続き」で、開示していなくても障害のことを知られることがあるって聞いたけど本当? A6. 「マイナンバー制度」や「保険手続き」で障害の有無が明らかになることはありません。 入社手続きを行う際に、会社へマイナンバー(個人番号)を知らせる必要がありますが、それによって障害の有無が明らかになることはありません。同様に、健康保険や雇用保険の入社時の手続きによって、明らかになることもありません。 ただし、会社が行う税務手続き上で、会社が障害の有無を知ることができる可能性があります。 税金のうち、住民税には「障害者控除」の制度があり、申請をすることで税金の負担を少なくすることができます。 住民税は通常、給与から天引きされて、会社が本人に代わって納税をしています。そのため、住民税の金額は、社員が住んでいる市区町村から会社へ通知書が届くようになっています。 この通知書には、「障害者控除」の金額についても記載があるため、制度を利用していた場合には障害者控除がある=障害があるということを、会社に知られてしまう可能性があるのです。 Q7. 一般雇用の採用試験で「健康状態」を聞かれた場合に、障害による体調不良や、通院していることを隠しても問題ないの? A7. 状況によっては「経歴詐称」や「病歴偽証」「病歴詐称」にあたる可能性があります。 採用へ応募する際の書類や、採用面接の質疑応答で「事実とは異なる(虚偽の)申告」があった場合には「経歴詐称」や「病歴偽証」にあたるとされることがあります。職務遂行に影響を及ぼす症状があったのにも関わらず、障害のあることを隠していた場合には、「病歴詐称」にあたるとして、最悪の場合、懲戒処分となり、減給や降格になることや、懲戒解雇となるケースがあります。 「障害が原因で、心身の不調があり勤怠が安定しない」「障害により、特定の業務ができない」など、障害の状態が仕事に大きな影響を与えてしまう場合、採用試験を通過して入社ができたとしても、あとから問題になるケースが少なくありません。 会社に損失を与えたり迷惑をかけたりするだけではなく、自身も辛い思いをする可能性があります。健康状態や障害のことを隠してまで一般雇用を選ぶのかどうかは、慎重に検討をすることをおすすめします。 Q8. 一般雇用で障害を開示せず働いているときに、障害の特性によるトラブルで会社に障害のことを知られてしまったら、何か罰則はあるの? A8. 障害により業務が限定されてしまう場合には、給与が下がったり、降格になるケースがあります。 「Q7. 一般雇用の採用試験で「健康状態」を聞かれた場合に、障害による体調不良や、通院していることを隠しても問題ないの?」と同様です。 採用選考時に申告していた内容が実際と異なり、実際にトラブルとなってしまった場合には、「病歴偽証」で懲戒処分になる可能性があります。 トラブルの程度にもよりますが、その結果「ミスが多い業務や、苦手な業務ではなく、他の業務の担当に変える」など、障害により、業務が限定されてしまう場合には、給与が下がったり、降格となったりするケースが多いようです。 Q9. 障害者雇用は給与が安いって本当? A9. 配慮の必要がない一般雇用の社員と比べると、障害者雇用は低いです。 給与の水準は、一般雇用に比べると障害者雇用は低いです。障害の特性により、仕事内容や就業時間、勤務環境に配慮を受けられる分、「配慮の必要がない(一般雇用の)社員」とは、給与の条件が異なってしまうのです。 ただし近年では、「障害があっても、能力や経験から、求められる業務を行うことができる」「特性への対処が十分にできており、業務に支障がない」場合は、一般雇用と同等の給与条件が提示されるケースが増えてきています。 なお、障害者雇用の給与について「給与が低いのは、障害年金をもらえるためなのか?」という質問をいただくことがありますが、障害年金を前提に給与を設定している企業はほとんどありません。 障害年金とは、「病気やケガなどが原因で、一定程度の障害が継続する場合に生活を保障する目的で支給されるものです。受給条件によっては支給されないケースもあり、必ずしもすべての障害のある方が受けられるわけではありません。 障害年金の対象となる方は、それだけ「障害により仕事上の制約が大きい状態」と言えます。結果として、障害年金の対象ではない方と比べた場合にできる業務が限られ、給与が低くなってしまう傾向がある、ということです。 Q10. 「障害者雇用」で入社した場合は、障害者だけのチームで働くの? A10. 就職先の企業や職場により、ケースバイケースです。 障害者雇用で入社した場合に所属する部署(チーム)には、以下のような例があります。 特例子会社…会社そのものが障害者の雇用の促進や安定を図るために設立されていますので、従業員のほとんどは、障害のある方です。社内の「障害者雇用チーム」…特例子会社ではなく、自社内の部署として設置している場合もあります。この場合も、チームメンバーは障害のある方です。人事部付…社内の相談先である、人事担当者の近くで業務を行うケースです。一般雇用の方が働く部署に配属 「特例子会社」や「障害者雇用チーム」は、障害に配慮した職場環境を整備しているため、より働きやすい環境です。一方、一般雇用の方が働く部署においては、障害の有無に関係なく、仕事のやりがいを感じながら、スキルアップを目指しやすい環境があると言えるでしょう。 企業選びをする際には、「障害のある方中心で、理解や配慮が得られやすい職場」と「一般雇用の社員と同じ環境で働く職場」のどちらが自分の希望を実現できるのか、考えてみることが大切です。 Q11. 障害者手帳を持っていないと、障害への配慮を受けられないの? A11. 手帳を持っていなくても、配慮を受けながら働くことは可能です。 Q5. 「障害者手帳を持っていたら、一般雇用で働くことはできないの?」への回答にもあるとおり、障害を開示した上で、一般雇用で働くことは可能です。平成28年に施行された「障害者差別解消法」では、障害者手帳の有無を問わず、障害に対する配慮を求められた場合には対応をおこなうことが、企業に対して求められます。(合理的配慮の提供) ただし、「合理的」とあるように、「企業にとって、障害への配慮を行う負担が重すぎない範囲で、対応するよう努力する」と定められており、どのようなことでも配慮を受けられるわけではありません。 一般雇用で働くことを希望する場合は、「職業能力を適正に評価」された結果として、採用に至らないケースもあります。 更に詳しく知りたい方はあわせて以下の「障害者雇用と一般雇用とは?」の記事をご覧ください。 Q12. 一般雇用で働いているけど、働きづらさ・生きづらさを感じている。会社には知られないようにどこかに相談したいが、どこか相談先はあるか? A12. 主な相談先は以下の3か所があります。 ①障害者就業・生活支援センター仕事と日常生活の両面に支援を必要とする障害者に対して、相談を受け付けたり、支援を提供したりしている公共機関です。正式名称が長いため、“ナカポツ”や“ナカポツセンター”という俗称で呼ばれることもあります。 ②発達障害者支援センター発達障害児・者への支援を行う専門的な公共機関です。都道府県ごとに設置されており、その人が必要な支援が受けられるよう、各種の窓口と繋いでくれる「総合窓口」としての役割を担っています。 ③精神保健福祉センターこころの健康の維持や、精神障害者の社会復帰の支援を図る専門的な公共機関です。(発達障害は、「精神障害」に分類されます。)各都道府県・指定都市に設置されており、医師、保健師、心理判定員、ケースワーカーによる障害者に関する専門的な相談、指導、判定を受けることができます。 上記でご紹介した3カ所のほか、就労移行支援事業所などの福祉事業所、民間の支援団体や当事者会などが開催をしているセミナーや交流会などのイベントでも相談ができることがあります。インターネットで「発達障害 イベント」や「発達障害 交流会」などのキーワードで検索すると、たくさんの情報を得ることができます。 「いきなり専門の公共機関へ相談に行くのは抵抗がある…」という方は、まずは第一歩として、こうしたセミナーやイベントなどに参加してみるのも良いでしょう。 就労移行支援事業所ディーキャリアの各オフィスでも、発達障害の特性のある方に向けた無料イベントをおこなっています。イベント一覧はこちらよりご覧いただけます。 一人で悩まず、まずは相談してみませんか? 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 参考URL 厚生労働省|障害者雇用対策https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html厚生労働省|障害者の雇用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html厚生労働省|「特例子会社」制度の概要https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/07.pdf【企業人事に聞いた】変わりつつある「障害者雇用」への考え方最近、障害のある人が働きやすくなったって聞くけど本当?障害者雇用担当者のリアルな声をまとめました。タグ:障害者雇用クローズ就労オープン就労詳しく見る 支援の現場から見る 障害者雇用・一般雇用のメリットとデメリット の記事で紹介した内容は「これまでの」障害者雇用に関するものでしたが、近年では、企業の障害者雇用への理解も深まってきています。また、社会的な情勢の変化もあって、障害者雇用のあり方が変わってきています。私たちが企業の障害者雇用担当者から直接お話しをお伺いしたところ、大きく2つの動きがあることがわかりました。 この記事では、時代とともに変わりつつある「これからの」障害者雇用についてご紹介します。 [toc] ①「戦力」としての採用 「障害への配慮はするが、業務内容や評価制度は一般雇用と同じ」という求人が増えています。 これまで企業は、障害者雇用を「法定雇用率を達成する」「CSR(企業の社会的責任)を果たす」といった側面から捉えていることが少なくありませんでした。しかし近年では、障害の有無を問わず、戦力となり得るかを採用基準とする企業が増加傾向にあります。 従来の障害者雇用では、一般的に下記のようなデメリットがあると言われてきました。 昇格の機会が少ない昇給を目指すことが難しい任せられる仕事の裁量が少ない職域が狭く、同じ作業の繰り返し専門的な知識を求められる仕事がない そのため、障害に配慮してもらえる代わりに「仕事のやりがい」を求めることは難しく、仕事におけるスキル向上やキャリアアップのチャンスが少ないケースも多くありました。 しかし近年ではダイバーシティ(多様な人材の活用)の広がりや、少子高齢化による労働力不足といった社会情勢などを反映し、「障害への配慮をすれば、一般雇用の社員と同等(あるいは、得意分野においてはそれ以上)の能力を発揮できる」という考えの企業が増えてきました。 障害の有無に関わらず、「これまでの経験」や「業務遂行スキル」で評価されるため、求められる業務内容や成果が一般雇用と変わりないという点で難しさもありますが、待遇(給与など)の向上や、何よりも、やりがいを感じて仕事をしたい方にとっては、選択肢が増えてきたと言えるでしょう。 ②柔軟な勤務形態 障害者の方が長期的に活躍し続けられるための環境作りのため、本人の志向や、求めるキャリア、現在の状況に応じて、より「フレキシブル」な雇用条件を設定する企業も増えてきました。 例えば、「入社後しばらく給与は低くてもいいので、短い時間から少しずつ働きたい」という場合、短時間勤務の期間中はパートタイマーで雇用し、本人の希望や勤怠の状況を見ながら途中でフルタイムに変更(正社員登用)する、といった事例もあります。 他にも、入社当初の試用期間は「障害者チーム」で働き、本人の特性や希望と、業務スキルとを照らし合わせて見極めたうえで「そのまま障害者チームに残る」、あるいは「一般雇用の方と同じ部署に転属する」という選択肢を用意している事例もあります。 いずれの事例でも、障害者の方が自分の特性に合わせて、もっとも力を発揮しやすい環境で、腰を据えて長く活躍してもらいたい、という狙いがあるのです。 まとめ ダイバーシティの推進や、障害福祉に関する法改正(法定雇用率の引き上げなど)に伴い、積極的に障害者雇用を行う企業が増えてくる中で「活躍できる人材を採用するために、これまでのやり方を見直していく」という動きが広まってきています。 「これまで」の障害者雇用のイメージから、ネガティブな印象を持つ方もいらっしゃいますが、「自分らしく働く」ために一般雇用と障害者雇用のどちらが良いのか考えてみることは大切です。しかし、実際には応募する企業一つひとつについて、制度の内容や考え方を理解し、自分に合っている企業を探すことは簡単ではありません。そんなときには、発達障害の方を対象とした就職のプロに相談してみるのはいかがでしょうか。 自治体の障害者支援担当窓口や、発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センターなどの専門機関、そして就労移行支援事業所など、発達障害の方の【働く】をサポートする、いろいろな支援の仕組みが用意されています。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) 就職とは人生の目的を実現するための通過点です。自分の「なりたい」姿を見つけ、障害特性への対策と自分の能力を活かす「できる」ことを学び、社会人として長く働くために「やるべき」ことを身に付ける。 「なりたい」「できる」「やるべき」の 3 つが重なりあうところに仕事の「やりがい」が生まれると、私たちは考えています。 ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 参考URL 厚生労働省|障害者雇用対策https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html厚生労働省|障害者の雇用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html厚生労働省|「特例子会社」制度の概要https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/07.pdf支援の現場から見る 障害者雇用・一般雇用のメリットとデメリット障害者枠・一般枠には、それぞれメリットとデメリットがあります。良い面、もしくは悪い面だけではなく、両方を知ることにより、自分が目指したい働き方と照らし合わせてみることができます。タグ:障害者雇用クローズ就労オープン就労詳しく見る 「障害者雇用と一般雇用(オープンとクローズ)とは?」 の記事では、障害者雇用と一般雇用、オープンとクローズ、それぞれについての「基礎知識」をご紹介しました。 しかしながら、障害者雇用への理解が進んでいない企業も少なくなく、すべての企業が、障害への理解があり、体制が整っているわけではありません。 企業によって障害者雇用への取り組みはさまざま。職場見学や面接時に、企業の採用担当者の方に話を聞いてみることがとても大切です。 そこで今回の記事では、実際に発達障害のある方の就職支援をおこなっている現場から見えてきた、障害者雇用と一般雇用で働くそれぞれの「メリット」と「デメリット」について、詳しくご紹介します。 あくまでも「傾向」のため、すべての求人に当てはまるものではありませんので、ご注意ください。 実際に就職した後に「こんなはずではなかった…」「思っていたのと違っていた…」と後悔しないためにも、まずはそれぞれのメリットとデメリットを理解し、それらを踏まえて企業の採用担当者の方に話を聞いてみることをおすすめします。 [toc] 障害者雇用で働くメリット・デメリット 障害者雇用で働くメリット 応募· これまでの実務経験やスキルを問わない求人が多い(未経験歓迎求人が多い)· 内定競争倍率が低い(一般求人枠と比べ、ライバルが少ない)· 実習を受けられることが多い(選考の中で、実習として業務体験ができる)障害への配慮· 合理的配慮を依頼しやすい· 通院・服薬等、体調管理のための時間を考慮してもらいやすい(通院のための休暇、服薬調整のための午後出社など)· 勤務形態(時短勤務・時差出勤などの働き方)、業務内容を調整してもらいやすい(特性上、苦手な作業を担当しないなど)· 上司や同僚など職場から障害への理解を得ながら、仕事を進めることができることが多い心身の安定· 「障害があることに気づかれてしまうのでは?」という不安がなくなる· 「障害への理解をしてくれる」「配慮をしてくれる」という安心感を持つことができ、ストレスから解放されることがある職場への定着· 支援機関(就労移行支援事業所、等)の支援を受けて就職していれば、業務内容・勤務条件・人間関係などの相談ができたり、企業との間に入って調整をしたりしてもらう「職場定着支援*」を受けることができる*職場定着支援は、企業側に支援を受けていることを開示する必要がないため、企業を介さずに支援機関との面談を実施することが可能 障害者雇用で働くデメリット 仕事の選択· 一般求人枠と比べて障害者求人枠は求人数が少なく、選択肢の幅が狭い· 障害者求人枠の業務内容は、約6割が「事務職」、約2割が「軽作業」(ディーキャリア調べ)となっており、職種が限定されていることが多い· 専門スキルが求められる仕事(経理・人事、企画・マーケティング、建築関係、エンジニアなど専門知識が必要となる職種)が少ない待遇· 一般雇用と比べ、給与水準が低い· 雇用形態が「契約社員」「パート・アルバイト」など有期雇用契約*スタートになることが多い *試用期間の意味合いが大きいため、契約期間が満了しても、契約打ち切りになることは少ない· 一般雇用とは人事制度が異なることがあり、昇格やジョブローテーション(さまざまな部署・職種を経験し成長するための人事異動)がないことがある 一般雇用で働くメリット・デメリット 一般雇用で働くメリット 仕事の選択· 求人数が多く選択肢の幅が広がる· これまでの実務経験(とくに専門スキルを有している場合)がある場合は、それが活かせる職に就ける可能性が高い待遇 · 障害者雇用と比べ、任される業務の裁量が大きくなるケースが多い · 昇格・昇給やジョブローテーションなど、キャリアアップの機会が、障害者雇用に比べると多い 一般雇用で働くデメリット 応募· 一般雇用での応募では実習がないことが多く、入社前に職場体験をして相性を見極めることができないことがある障害への配慮· 障害への配慮を求めることや理解を得られにくいことがある· 通院のための休暇取得や、服薬や体調不良のための勤務時間の調整をしづらい· 障害特性による苦手や困難があっても、勤務形態や業務内容の調整ができないことが多い心身の安定· 入社後に「障害のことを知られてしまったら?」という不安を抱えてしまうことがある· 残業や休日出勤などが生じるケースがあり、生活リズムが乱れる可能性がある 職場への定着· 支援機関が企業と本人との間に入って調整することができないため、問題が生じた場合は、基本的に自分で解決をしなければならない まとめ 障害者雇用と一般雇用、それぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで、「どちらが自分の求める働き方に近いか」を考えてみることが大切です。 ただし、今回の記事でご紹介したメリット・デメリットは「そういった傾向がある」「そういった求人が多い」ということであり、すべての企業が障害者雇用に対して同じ制度や考え方を持っているわけではありません。特に近年では、ダイバーシティ(多様な生き方・考え方の尊重)の観点から、障害者雇用に対して柔軟な取り組みをしている企業が増えてきています。 応募する企業一つ一つについて、制度の内容や考え方を理解し、自分に合っている企業を探すことは簡単ではありません。そんなときには、発達障害ある方の就職のプロに相談してみるのはいかがでしょうか。 自治体の障害者支援窓口や、発達障害者就労支援センターなどの専門機関、そして就労移行支援事業所など、発達障害の方の【働く】をサポートする、いろいろな支援の仕組みが用意されています。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 参考URL 【参考URL】 厚生労働省|障害者雇用対策https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html厚生労働省|障害者の雇用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html厚生労働省|「特例子会社」制度の概要https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/07.pdf障害者雇用と一般雇用とは?基本情報をまとめました。「障害者雇用」「一般雇用」「オープン」「クローズ」それぞれの基本情報を分かりやすくまとめました。どのような違いがあるのか、選ぶポイントはどこにあるのかについて解説いたします。タグ:障害者雇用クローズ就労オープン就労詳しく見る 就職活動をはじめるにあたり「障害を就職先に開示するべきかどうか」「障害者求人枠を受けるべきかどうか」の判断に迷う方は少なくありません。 障害への配慮を受けながら無理なく働きたいと思う一方で、 「一般求人枠と比べて給与が低いのではないか、将来のキャリアが描きにくいのではないか」「障害特性に対処できていれば、障害を開示しなくても働けるのではないか」 と悩まれたことはありませんか? 見た目では分かりづらく、障害による悩み事も人によって程度がさまざまである発達障害だからこそ、このような悩みと直面してしまう、とも言えます。 本コラムでは、「障害を開示するべき?障害者求人枠で応募するべき?」と悩んだ方が、最初に理解をしておくべき、障害者雇用と一般雇用の基礎知識をまとめました。それぞれの特徴を理解したうえで、自分がどのような働き方を実現したいのかを考えていきましょう。 [toc] まず初めに知っておくこと オープンとクローズとは 障害者雇用と一般雇用の違いを知る前に、知っておくべきことが「オープン」と「クローズ」の違いについてです。 オープンは就職先に障害を開示すること、クローズは就職先に障害を非開示にすることです。 オープン=「障害者求人枠」と考えてしまいがちなのですが、このオープンには「一般求人枠」で障害を開示して就職をすることも含まれています。 障害者雇用・障害者求人枠とは 日本では、障害があっても働く機会を平等に得られるように、国や自治体、企業に対して「一定の人数、障害者を雇わなければならない」というルールが定められています。このルールに則り設けられている採用枠のことを、障害者求人枠といいます。 「障害者雇用枠」や「障害者枠」といわれることもあります。 障害者求人枠で働くことを障害者雇用といいます。 障害者求人枠に応募する場合には、障害者手帳の所持が必須となります。医師から発達障害の診断を受けていたとしても、手帳を持っていない場合は障害者雇用を選択することができません。 ※一般求人枠で障害を開示して就職をする場合には障害者手帳の取得は必須ではありません。 障害者雇用は、障害を開示した上で採用されること、また配慮をすることを想定していることから、一般雇用枠で障害を開示した場合と比較すると、多くの場合が障害への理解や配慮を得られやすいです。 「障害者雇用」とひとくちに言っても、実際の働き方は、企業によってさまざまです。 例えば、社内の「障害者雇用メンバー」の一員として軽作業や簡単な事務作業を担当する場合もあれば、経理部や営業部など一般の部署に配属されて、一般雇用の従業員と一緒に働く場合もあります。 自分はどのような障害があるのか、何が得意で、何が不得意なのか。これら障害についての情報を勤務先に開示するので、障害への合理的配慮を受けやすくなることが、障害者雇用における最大のメリットです。 また、配慮を受けられることでの「安心感」や、一定の収入ができ「生活の安定」を得られることも重要なポイントでしょう。 大企業では、特例子会社を置いている場合もあります。特例子会社とは、障害者の雇用の促進及び安定を図るために特別な配慮をした子会社のことで、配慮にもとづき職場環境の整備が求められるため、一般企業の障害者雇用枠と比べて、さらにサポート体制が充実しています。 障害への配慮が受けられる一方で、給与や昇進のスピードが、障害者枠ではない従業員とは異なる場合があります。 また業務内容も、備品整理や清掃、データ入力、書類整理など、比較的単純な作業が多く、キャリアアップを目指すというよりは、「安定」と「安心」を重視する方に向いていると言えるでしょう。 ただ、最近では外資系企業や IT 企業などで、障害者雇用であるかどうかは関係なくその人の能力が活かせる仕事を任せて、成果や実績で社員を平等に評価しているような企業もあります。 一般雇用・一般求人枠とは 障害のない方と同じ条件で雇用をされる採用枠のことを、一般求人枠といいます。 「一般雇用枠」や「一般枠」といわれることもあります。 一般求人枠で働くことを一般雇用といいます。 一般求人枠に応募をする際は、障害の開示は必須ではなく、当然障害者手帳を持っていなくても応募ができます。 障害を開示するかしないかはご本人の希望次第です。 ただし、障害を開示した場合でも、就職先に過重な負担がかかってしまう場合には、配慮が受けられないことがあります。配慮が認められる部分を除き、ほかの従業員と同じ水準の職務内容・働き方・成果を求められます。 障害を開示しない場合には、障害があることを前提とした配慮を得ることは難しくなります。 「障害者手帳を一度取得してしまうと、障害者雇用でしか働けなくなるのでは?」というご質問をいただくことがありますが、障害を開示して働くかどうかは、あくまでもご自身で決めることができるのです。 一般雇用で働くメリットは、給与や昇進の機会に、制限がないことです。 特性による苦手なことに対する自己対処法を持っている方や、仕事内容が特性に合っており十分な成果を出すことができる方など、配慮を受ける必要がない場合には、一般雇用を目指すことも多いです。 一方で、デメリットは、上司や同僚など職場から、障害に対する理解や得られにくいこと、配慮を受けにくいことです。 一般雇用で働いている方も、障害により職業生活に制限を受けている場合には、合理的配慮を求めることができますが、障害を非開示にして入社をした場合には、言いだしづらい・理解されづらい…という難しさを感じることが多いのが現状です。 まとめ 就職先を考えるとき、「障害者雇用か一般雇用か(オープンかクローズか)」という、一方の選択だけで結論を考えてしまいがちですが、実際の働き方にはいろいろなケースがあります。現在の心身の状態、これまでの経験や持っているスキル、そして、就職先の職場環境や仕事内容によって、いろいろな可能性があるのです。 しかし、障害の有無に関係なく、「自分にあった職場や仕事」を探すのは難しいもの。 そんなときには、発達障害の就職のプロに相談してみるのはいかがでしょうか。自治体の障害者支援窓口や、発達障害者就労支援センターなどの専門機関、そして就労移行支援事業所など、発達障害の方の【働く】をサポートする、いろいろな支援の仕組みが用意されています。 就労移行支援事業所ディーキャリアでは、働くことで悩みを抱えている発達障害のある方の支援をおこなっています。 就労移行支援事業所とは、障害のある⽅が就職するための「訓練・就職活動」の⽀援をおこなう障害福祉サービスの一つです。(厚⽣労働省の許認可事業) ご相談は無料です。フリーダイヤル、または、24 時間受付のお問い合わせフォームにて、お気軽にお問い合わせください(ご本人様からだけでなく、当事者のご家族の方や、支援をおこなっている方からのご相談も受け付けております)。 お電話(0120-802-146)はこちら▶ お問い合わせフォームはこちら▶ また、全国各地のディーキャリアでは、無料の相談会や体験会も実施しています。 全国オフィス一覧はこちら▶ 就労移行支援事業所ディーキャリアは、「やりがい」を感じながら活き活きと働き、豊かな人生を目指すあなたを全力でサポートします。お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。 参考URL 厚生労働省|障害者雇用対策https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html厚生労働省|障害者の雇用https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page10.html厚生労働省|「特例子会社」制度の概要https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/07.pdf 前へ123