発達障害のある方に自己理解はなぜ必要なのか?
自己理解とは
「自己理解」
文字通り自分の事を理解するという意味です。自分のことなので理解できていると思われる方も多いと思いますが、自己理解とはとても重要なのです。
発達障害のある方は自分の障害特性までも含めて自己理解をする必要があります。それは障害があることで社会での生きづらさに繋がっていくからです。
自己理解ができないと自分にとっての有益な人生の選択が導きだせないからです。
自分を理解する為にも自分の性格や態度、価値観などを知り、それを自分自身が納得して受けとめていく必要があります。
「これまでの自分の人生や経験を振り返り、客観的に自分を見つめなおしてみること」になります。大事なことは自分を客観視する作業ということです。振り返ると自分の歩んできた過去を思いだします。「楽しかったこと」「怒ったこと」「良いこと」「嫌なこと」などさまざまな場面が思い浮かぶのではないでしょうか?しかしこれを客観視する作業は難しいものです。
客観視できない方に多いことは
・自身に都合の悪いことは隠す
・良いことばかりの人生しか認識しない
・直視できないことに対して都合の良い内容を入れて上書きする
これは人間の防衛本能にも関係していることです。
このように自己理解が欠落してしまうことで働く時にやりづらさを感じたり、生きづらさを感じているのであれば自身の障害特性の自己理解を深めていくことが大切になります。
自己理解が大切なのか
発達障害の方にとって自己理解が大切な理由としては、
・自分に合う仕事や働き方がわかる
自己理解を深めることで自身の弱みや強みを把握することができ、自分に合った仕事や働き方が実現 しやすくなります。自分がやりたい仕事と自分ができる仕事は違います。好きな仕事に就くという点で考えれば自己実現ですが、自分自身の特性がその仕事をすることに対して無理がないかを知ることは大切です。たとえばその仕事が好きでやりがいを持っていても、自分の体力がフルタイム勤務できる状態ではない時などです。無理しては働くことでかえってストレスがでてしまい、好きな仕事なのに苦痛になるかもしれません。その結果、長続きしないのであれば意味がありません。
・周囲に理解してもらえる
自己理解をすることで周囲に自分自身のことを詳しく伝えることができ、どんな配慮が必要なのかを詳細に伝えることができます。自分だけが努力しても限界があります。社会参加は個人と社会が相互に歩み寄る努力が必要となります。相手に自分の事を知ってもらうことで初めて相手(企業)も必要な配慮がわかり、仕事をする上でスムーズに進めていくことができます。
自己理解を進めるために重要なことは
発達障害のある方が自己理解ができていないことで障害特性にあった進路選択や職業選択ができず不適応や二次障害が生じることになりますので、特性を理解して配慮を得られる環境を選択できることが重要になります。
そのためには
・障害の受容ができている
・手帳の取得、障害者雇用の選択で働きやすさを求める
・障害特性を理解した上で自身の強みや弱みを把握し合理的配慮を得る
・セルフモニタリングでの体調管理や感情抑制
などが必要になります。
自己理解を進めるためのステップとして
自己理解をおこなう上で次の視点から考えてみることで深く理解することができます。
・自分から見た自分→自己分析や特性の理解
・他者から見た自分→他者からFBを受ける
・データから見た自分→検査の結果
これらの視点から自己理解を多面的に見ていきます。
そこから導き出されることとして
自分の強みと弱みを知る
自己理解を通して強みと弱みを知ることで自分の特性が活かせる職場や環境を見つけやすくなります。
・強みは企業に提供できる資質
これまでの仕事や生活で自分の得意であることが何か、うまくできたことなど強みを言葉にできれば企業側にどのようなメリットがあるかを想像してもらいやすくなります。
・弱みを知ることで配慮に繋げる
弱みに関しては自分で理解し言葉にすることで企業側がどのような配慮が必要なのかを想像してもらいやすくなり、それにより働きやすくなるということに繋がります。
特性は強みにもなり弱みにもなります。たとえば過集中の特性がある方は、状況に応じた臨機応変な仕事をするという面ではマイナスなこともありますが、集中力の持続が必要な環境下の仕事であればその強みを活かすことができます。
このようにどのような環境であれば自分の強みが活かせるかをを知ることも大事です。
障害や病気のどのような理由により困り事があるのかをを知る
自分自身の障害や病気からどのような症状が起きてどのような困りごとがあるのかを知ることも重要です。仕事での経験や生活での困り事を書き出してみると分かりやすいでしょう。
環境での困り事を知る
環境の変化によっても体調が悪くなったり集中できないこともあります。どのような環境が自分にとって落ち着いて仕事ができるかのかを理解しておくことも大事です。
就労移行支援事業所ディーキャリアでは自己理解を深める為に
これまでの自分を振り返る
→成育歴、学歴、職務経歴の棚卸し、自分の価値観や強みを見出す
模擬業務や企業実習を通じて強み弱みを知る
→思考のコントロールやセルフケアなどのプログラムでスキルを学び、そのスキルを模擬業務や企業実習を通じて使い、業務に活かせる自分の強みは何かを知る、そして弱みとなることの課題を見つけそれに対する対策を考えることをおこないます。
支援員や他者からのフィードバックを受け自分が知らない自分に気付く
→ディーキャリアでは主にグループワークをメインとした集団での訓練をおこなうことで支援員からだけでなく、他の利用者から自分のことを知る機会も多くあります。これにより一方向からだけでなく、さまざまな角度から自己理解を深めることに繋がります。
一人では気付くことのできない自分の一面をディーキャリアのプログラムを利用し、支援員や他の利用者の方と共に考えることで気付くことができ、自分の新しい一面を知ることができます。
自分がよくわからない、自己理解が進まないと感じている方は是非、ディーキャリア梅田オフィスへ見学にお越しください。またプログラムの体験も併せてご利用ください。
お気軽にお問い合わせください。お待ちいたしております。
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