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トラウマは克服できるのか
おはようございます。ディーキャリア所沢オフィスのピアスタッフのKです。
トラウマとは強烈なできごとを経験することで起きる心の傷のことを指します。トラウマはストレスとは異なり、その後の人生に大きく影響してきます。ストレスは一過性のものであるため解消することができますが、トラウマは簡単に解決できる問題ではありません。トラウマがあるとどういったことが起きるのか、それに対してどう対処していけばいいのか、当事者の視点でご紹介していきます。

トラウマ
トラウマとなり得る強烈な体験には下記のようなものが挙げられます。
・自然災害
・犯罪
・虐待
・いじめ
・交通事故
これらはいずれも日常的に起こるものではなく、かつ一度に受ける衝撃がとても強いできごとです。これらは個人で対処できる範囲には限界があり、それを超えて精神的な傷を負ってしまう状態がトラウマと呼ばれるものになります。
トラウマ持ちは過去に生きている
トラウマがある人はその過去に囚われて生きているとよく言われます。例えば電車で痴漢の被害にあったトラウマがあると、怖くて電車に乗れないといったことが挙げられます。例え車両に誰も乗っていなくとも、その空間や環境が当時の状況を蘇らせ、過去のできごとをその人に鮮明に映し出すのです。そのため、電車に乗ることを避けたり、電車に乗れても落ち着かず、吐き気や動悸といった拒絶反応を示すことがあります。
実際に私も小~中学生の頃にいじめを経験したことがあり、現在でもトラウマとなっています。成績が良い人は何をしても許されるという風潮があり、当時成績がよくなかった私は周囲からいじめの対象となっていました。そのため、成績さえ良ければいじめられない、成績が良ければ何をしても良いという認知が自分の中で強く根付きました。高校からは熱心に勉強をして成績が上がりましたが、自分よりも成績が下の人がいじめられることがない環境に強い違和感を覚えました。自分が今まで経験したことは何だったんだろう?といつも考えるようになりました。いろいろ考えた結果、自分は今まで成績が悪かったから、世の中から隔絶された環境に来てしまったんだと考えるようになりました。
そこからは、世の中から隔絶されていない環境に戻るため、より一層勉強に打ち込み大学に入学しました。しかし、そこでも成績が悪い人がいじめられるという光景はなく、自分の心にぽっかりと穴が開いたままでした。自分が小~中学生の頃に経験したことはなんだったのか?今まで社会と隔絶されたと思っていた環境はなんだったのか?気づけばそんなことばかり考えるようになりました。このように、一見ただ勉強に専念してきただけの学生のように見えても、その実態は過去のできごとに囚われて行動を起こしていることがあります。私は次第に、その頃から過去にいじめを受けた経験を夢で見るようになりました。いわゆるフラッシュバックと呼ばれるものです。
トラウマとフラッシュバック
フラッシュバックとは過去の嫌なできごとやトラウマ体験などが何らかの原因で突発的に鮮明に蘇ることを指します。私はこのフラッシュバックが現在でも起こり、仕事や家事に影響が出ることがあります。もう10年以上前のことですが、未だに鮮明に覚えており、当時浴びせられた言葉なども全て再現されてしまいます。フラッシュバックのタイミングは人によって異なりますが、私の場合は夢に出てくるだけで起きている間にフラッシュバックが起こることは殆どありませんでした。そのため、当時は夢を見ないように短時間睡眠を繰り返したり、何日も寝ないといった生活を繰り返していました。しかし、体が持たずに体調を崩してしまったり、強い眠気に勝てずに結局眠って夢を見てしまうといったことがあり、どれも良い対策とは言えませんでした。
原因を深掘りすると悪化する
私はこのフラッシュバックを根絶しようと徹底して調べてみました。過去に関係することを一切しない、あるいは逆に取り組んでみる、過去の自分にできなかったことをやってみたり、フラッシュバックが起きる原因を事細かに調べてデータを取りました。しかし、いくら調べても原因が分からず、規則性などが判明するどころか逆にフラッシュバックが日中にも起きるようになってしまいました。原因を調べて改善すること自体は良いことではありますが、精神的な問題についてはこれが必ずしも正しい選択ではないということがあります。

トラウマ持ちは過去に囚われていると説明した通り、トラウマは過去の体験から来て、当時の蘇った光景の中で生きています。フラッシュバックの原因を考えることは、過去に遡っていく行為であるため、自分から過去に戻ってしまっています。過去のできごとを振り返ることは大切なことではありますが、そこにトラウマのような強烈な体験がある場合には、余計に掘り起こされてしまう可能性があるため、必ずしも良い方法とは言えません。
今と未来にフォーカスする
では、過去のトラウマ体験を遠ざけるにはどうするべきでしょうか。それは過去から遠ざかること、つまり現在と未来にフォーカスを当てることです。過去に起きたトラウマを一旦切り離し、まずは今の自分の状況に目を向けましょう。今の自分は何がしたい?将来どんなことをしたい?など今から先のことについて考えてみましょう。大きなことでなく、日常の些細なことでも構いません。
“今日は暑い?寒い?”
“今はお腹が空いている?空いていない?”
と自分に問いかけてみましょう。気温に合わせて適切な服装に着替え、お腹が空いていれば自分がおいしいと思うものを食べましょう。その後も自分がどう感じているかを問い続けてください。
“ちょうどいい服装で快適だ”
“お腹が空いていたからいつもよりおいしく感じた”
今度はそこから今後どうしていきたいかも考えてみましょう。
“これから先、暑くなるから夏服を揃えたい”
“今度は自炊に挑戦してみたい”
このように今と未来に焦点を当てる癖をつけていくことで、自然と過去のトラウマ体験と距離を取ることができます。そんなことで?と思うかもしれませんが、トラウマに苛まれることが日常化している人にとって、こういった今自分が感じているものには意識がいかないのです。暑いか寒いか、空腹か満腹かに関わらず常に過去のことについて考えているため、今の自分のコンディションも分かりません。コンディションが悪化していることに気づけないとそこからさらに体調を崩して苦しい思いをします。また、現在のことが考えられないと必然的に未来のことについても考えられません。

現在・未来に対してフォーカスすることで過去から遠ざかり、トラウマに関するできごとが次第に薄れていきます。トラウマ自体が完全になくなるわけではありませんが、そこに目を向けないよう意識することでフラッシュバックをある程度抑えることが期待できます。
トラウマは人生に大きな影響を及ぼすものですが、トラウマを克服しようとすると負の連鎖に陥る可能性があります。トラウマは肯定も否定もせず、ただトラウマがある自分を受け入れることが大事です。その1つとして、過去を切り離して現在と未来にフォーカスを当てる方法が有効です。もし、あなたがトラウマで悩んでいることがあれば、今の自分が何を感じて、何を思うのか、現在の自分について知るところから初めてみてはいかがでしょうか。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川オフイス・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、ディーキャリア所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。 凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹Tweet


