クローズからオープンに転職したピアスタッフ体験談
おはようございます。ディーキャリア所沢オフィスのピアスタッフのKです。
私は以前クローズの職場で働いており、1年ほどで退職してオープン就労に切り替えました。退職した理由としては、業務内容が自身にとってハードルがとても高く、心身共に限界がきてしまったためです。現在オープン就労で継続して就労できており、クローズ就労の頃と比べるとかなり安定してきています。オープンとクローズは実際にどういった違いがあるのか、実体験を交えてお伝えします。

そもそもオープン就労/クローズ就労とは何か?
オープン就労とは、自身の障害特性を会社に開示して働くことを指します。対してクローズ就労とは自身の障害特性を会社に開示せずに働くことを指します。
障害特性を開示することによって、会社から業務内容や出勤時間などの配慮を得られ、自身の特性に合わせた働き方が可能になります。配慮を得られる一方、業務内容が限られてしまったり、給与水準が低い傾向にあるなどといったデメリットも存在します。
障害特性を開示せずに働く場合、企業からの配慮は得られませんが、オープン就労に比べて幅広く業務に携わることが可能となっており、求人数が多いことや給与水準が高くなるといった傾向があります。一方、オープン就労と比較すると業務内容・勤務時間共にハードになっており、残業も月10~20時間程度はあることが多いです。
なお、オープン就労では一般枠と障害者雇用枠の2種類があり、一般枠で働く場合は、クローズ就労と同等の業務に携わることも可能です。クローズ就労は一般枠のみと
なります。

私の場合、クローズ就労の一般枠からオープン就労の障害者雇用枠へ転職して今に至ります。そのため、今回はクローズ就労の一般枠とオープン就労の障害者雇用枠での比較となります。
クローズ就労の体験談
私が勤めていた会社は運送会社の中小企業で、事務員として働いていました。日々の業務としては、受けた注文を表にまとめて受領書を発行し、それを担当するドライバーに振り分けるといった内容でした。これが1番のメインとなる業務ではありますが、基本的にこれだけに専念するという訳ではなく、片手間に車の整備や車検管理、ドライバーの給与計算に決算書の作成などなど、マルチタスクの連続です。

また、注文もメールで届くこともあれば電話がかかってくることもあり、油断していると抜け漏れが発生してしまいます。これに加え、新規のドライバーの求人応募の窓口対応と配送時のトラブル対応もあり、イレギュラー対応がとにかく問われる職場でした。とにかく忙しい職場であったため、業務指示も毎回丁寧に来るわけではないため、曖昧な表現が多く、指示とズレたことをしてしまうことが何度もありました。おまけに上司も感情的になりやすい人であったため、業務上のミスの指摘には何度も強く叱責されました。
最初はまだ1年目だから慣れていないだけと思い、頑張ればなんとかなると考えていましたが、どれだけ意識しても指示が抜け落ちてしまったり、ケアレスミスも減りませんでした。当時、イレギュラーな事態に対応できずに固まってしまった際に、上司から「お前、老人みたいだぞ」と言われたことが特にショックでした。
最初はミスをカバーしてくれていた同僚たちからも次第に嫌煙されるようになり、最終的に職場に居場所がなってしまい退職という運びになりました。この時はまだ自身の障害を把握できていなかったため、自分でもどうすれば良いのか分からなかったのが本音でした。
オープン就労(障害者雇用枠)の体験談
現在では就労移行支援事業所の事務員として、事業所の雑務から経理補助といった業務に携わっています。クローズ就労のときと比較して違う大きなポイントとしては、業務内容・合理的配慮・勤務時間の3点あります。

まず業務内容については、自身の特性にあった無理のない範囲での業務が振り分けられています。私はADHD(注意欠如・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)の2つの発達障害があり、中でもマルチタスクや曖昧な表現・業務指示が苦手です。オープン就労では、こういった特性による配慮がされ、なるべくマルチタスクにならないよう業務がある程度整理された状況で振り分けられたり、業務指示を具体的に説明してもらうことやマニュアルが用意されているなど、苦手なことでも対処しやすくなっています。
また、自身の特性をもとに、こういった配慮をしてほしいと職場に打診することもでき、これを合理的配慮といいます。私はフラッシュバックで気持ちが落ち込んでしまうことがあり、それが起きてしまった際には単純作業に従事することで気持ちを落ち着かせるよう対処しています。そのため、職場には気持ちの落ち込みがあった際には単純作業に従事させてほしい旨を伝え、了承を得ています。
以前の職場であれば、気持ちが落ち込んでいたとしても行きつく間もなく電話や仕事が舞い込んできたため、精神的に苦しい思いを何度もしてきました。現在では気持ちを整理させるための時間が確保できているため、とても安心して働くことができています。
また、勤務時間についてもクローズ就労と大きく異なります。1日8時間の勤務が一般的ではありますが、障害者雇用においては1日6~7時間の短時間勤務のケースが多くあり、実際に私も1日6時間で働いています。勤務時間が短いのは、障害特性上、他者よりも疲れやすくなってしまうことが主な理由です。また、一般的に残業は月10~20時間程度ありますが、障害者雇用においては基本的に残業はないことが多いです。障害特性がある人が残業するといつも以上に疲れてしまい、翌日体調を崩してしまう可能性があるため、基本的に残業を設けていない会社が多い傾向にあります。 私は障害者雇用枠で働き始めた頃は1日8時間勤務していましたが、過集中傾向が強かったため体力の消耗が激しく、途中から1日6時間の勤務に変更しました。自身の疲労にも鈍感なため、時間を変更することでしっかりと自身の体調を見つめ直す時間を確保することができました。クローズ就労の頃では残業は当たり前なうえ、何かトラブルがあれば休日でも連絡が来るといった状態で気が休まりませんでした。現在ではしっかりとオフタイムのケアに集中することができるため、業務にもメリハリができて安定したパフォーマンスを発揮できていると感じています。

障害特性の診断を受けたからといって必ず障害者雇用で働かなければならないという制限はなく、自身で対処することができるのであればクローズ就労も可能です。しかし、金銭面に魅力を感じたり、自身の障害を受容できないからといった理由でクローズ就労に進むとミスマッチが起こりかねません。仕事においてミスマッチが生じると、そこからうつ病や適応障害といった二次障害を引き起こす可能性も考えられます。自身にあった仕事を見つけるために、オープン就労とクローズ就労のどちらが自身にあっているのかを適切に見極めましょう。
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凸凹凸凹凸凹凸
○ディーキャリア所沢オフィスお勧めブログ
○ディーキャリア所沢オフィスのブログ記事一覧はこちら
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
就労移行支援事業所【ディーキャリア所沢オフィス】
◆お問い合わせ/ご見学のお申込みはコチラ
〒359-0037
埼玉県所沢市くすのき台三丁目18番10号 新明ビル南館5F
TEL:042-595-8163
受付時間:平日10:00~18:00の間
E-mail:tokorozawa@dd-career.com
◆ディーキャリア所沢オフィスのご紹介はこちらから
【ディーキャリア 所沢オフィス】ご紹介
就労移行支援事業所ディーキャリア所沢オフィス
◆同法人 ディーキャリア立川オフィスのご紹介はこちらから
【ディーキャリア 立川オフィス】ご紹介
就労移行支援事業所ディーキャリア立川オフィス
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川オフイス・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、ディーキャリア所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。 凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹Tweet
所沢オフィスのブログ一覧
オフィス情報
所沢オフィス
- アクセス
- 西武池袋線/西武新宿線「所沢駅」東口より徒歩5分
- 電話番号
- 04-2946-8578