発達障害者の一人暮らしは難しいのか?
おはようございます。ディーキャリア所沢オフィスのピア支援員のKです。
ADHDやASDといった、いわゆる発達障害と呼ばれるものは、その特性から家事をおこなうことが難しかったり、人一倍苦労したりするといった傾向にあります。そのため、発達障害のある方が一人暮らしをしたいと思っていても、なかなか踏み切れないといった悩みがあります。実際にどういった点が難しく感じるのか、なぜ難しいのか、どういった工夫ができるかを一人暮らし歴8年のピアスタッフがお伝えしていきます。
そもそもどういった家事があるのか?
まずは一人暮らしを始めることで、自身でやらなければならない家事をまとめてみましょう。大きく分けると「料理」、「洗濯」、「掃除」の3つに分類できます。これだけだと一見簡単そうに見えますが、実際にはこれらに付随した家事が多くあるため、見た目以上に大変です。例えば料理であれば、献立を考えることから始まり、買い出し、調理、食材の管理、皿洗いと複数の工程があります。洗濯や掃除であれば、どちらも定期的におこなわなければならないルーティーンワークの側面もあれば、スーツやコートなどのクリーニングをしたり、普段は行き届かない箇所の掃除をしたりするといったイレギュラーな対応も求められます。また、これらの家事はマルチタスクになることが多いため、家事をこなすということは想像以上に難しいものになっています。
どういった点に難しさを感じるのか?
発達障害の特性上、一人暮らしの家事ではさまざまな部分で壁に直面します。ADHDの特性上、マルチタスクが苦手であることから、家事を同時並行してこなすことに難しさを感じることがあります。例えば洗濯機を回している最中に部屋とお風呂の掃除をして、終わったら皿洗い、洗濯機が止まったら洗濯物を干して買い物に出かけるといったようにマルチタスクになる場面が多々あります。こういった際に、優先順位がつけられずにどれも中途半端になってしまうことや、家事の抜けがあり、夜になってから慌てて家事をするといったケースも出てきます。一方で、過集中になりやすい人は1つのことに夢中になりすぎて、気が付いたら夜になっているというケースもあります。また、ADHDの特性には先延ばし癖があるため、やらなければならない家事がどんどん溜まっていってしまい、余計に優先順位がつけられなくなり、ゴミが溜まっていってしまうこともあります。
その他にも、ASDの特性上、物事に対する強いこだわりから、普段とは違うイレギュラーな対応や臨機応変な対応が苦手といったこともあります。例えばいつも買い物しているお店が臨時休業で別のお店を探さなければならなかったり、洗濯物を干そうとしたら急に雨が降ってきて部屋干しにせざるを得なかったりと、日常生活にはさまざまなイレギュラーが発生します。こういったことに対処することが難しかったり、強いストレスを覚えてしまうことがあるため、一人暮らしのハードルは高いと言われています。
対応策は?
最初にどういった家事があるのかを書き出し、それらをルーティーンワークとイレギュラーのものの2つに分類することをオススメします。ルーティーンワークに分類されたものは自分のやりやすいやり方や頻度を設定しましょう。例えば部屋の掃除は週に1回必ずやる、トイレの掃除は月に1回必ずやるといった具合です。ルーティーン化できるものに関しては、習慣化していくことによって忘れにくくなっていきます。最初のうちは忘れてしまうこともあると思いますので、紙に書いて部屋の目立つところに貼っておくのもいいでしょう。ルーティーンの内容が固まったら、次にスケジュールを立てます。できるだけ1週間スパンで計画を立てていくのがオススメです。例えば日曜日は1週間分の食材の買い出しと料理の作り置きをして、月曜日は皿洗いをして、火曜日は洗濯物を干して…というように、いつ・なにをするかを設定しておくと抜け漏れがかなり減っていきます。ここで大切なのは、スケジュールを立てる際には必ず余裕を持って立てることです。これには理由が2つあり、1つはここにさらにイレギュラーなことが入ってくる可能性があること、もう1つは家事には終わりがないため、毎日無理なく続けられるペースでなくてはならないからです。イレギュラーな家事に対しては、事前の対策が難しいケースが多いです。しかし、唯一できる手段があるとすれば、それは時間に余裕を持たせておくことです。イレギュラーなことは苦手であっても、時間をかけることで対処は可能です。そのため、常日頃からある程度の余裕を持って家事をおこなうようにしていく必要があります。また、家事には終わりがないため、今週1週間頑張ったからといって、数カ月も家事をしなくてもいいということにはなりません。例え風邪を引いたとしても、寝不足でふらふらだったとしても、家事は毎日やってきます。そういった際にも対応できるよう、日頃から無理のない範囲で取り組んでいけるように設定していくことが大切です。
いかがだったでしょうか。
家事は一見簡単そうに見えるものであっても、実際にやってみると意外と複雑であり、さまざまな能力が求められます。発達障害の特性上、これらに対応することは人一倍苦労しますが、上手くできたときの達成感も人一倍感じられます。また、一人暮らしをするということは圧倒的な自由を手に入れることができるという大きなメリットがあります。これらをモチベーションにし、日々の生活を送れるよう少しずつできることから挑戦していきましょう。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリア立川オフイス・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリア立川オフィス、ディーキャリア所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。 凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凸凹凸凹凸凹凸凹Tweet
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