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発達障害の私が思うメモ取り——私のワーキングメモリー【就労移行支援・立川】

〜「聞きながら書けない」をあきらめない、私が実践しているメモのライフハック〜

「メモを取りなさい」と言われて、メモを取ろうとすると話が聞けなくなる。話を聞くことに集中すると、メモが取れなくなる。あとでメモを見返すと、何を書いたのか自分でもわからない——そんな経験、ありませんか?

こんにちは!ディーキャリアITエキスパート立川オフィスのピアスタッフ、かまちです。

私はメモ取りがずっと苦手でした。「聞く」と「書く」を同時にやろうとすると、頭の中がパンクしてしまうんです。どちらか一方ならできるのに、同時になると両方が中途半端になる——これに長い間悩まされてきました。

でも、これは「不真面目だから」でも「集中力がないから」でもありません。頭の中にある「聞いた情報を一時的に置いておく場所」が、人より小さかったり、すぐにいっぱいになったりするという特性の話です。だとすれば、その置き場に頼らない工夫をすればいいのです。

この記事では、メモ取りが苦手になる理由を整理したうえで、私が実践している、「聞きながら書けない」を前提にしたメモのライフハックをお伝えします。


1. なぜ、「聞きながら書く」がこんなに難しいのか?

メモ取りが苦手なのは、やる気がないからでも、頭が悪いからでもありません。いくつかのごく自然なしくみが重なっています。

  • 「聞く」と「書く」は、頭の中で同じ置き場を取り合っている。
    人の話を聞くとき、頭の中には「聞いた内容を一時的に置いておく場所」があります。メモを書くときも、実は同じ場所を使っています。発達障害のある方はこの置き場が小さめだったり、すぐにいっぱいになりやすかったりするため、「聞く」と「書く」を同時にやると、置き場の取り合いが起きて両方が中途半端になってしまうのです。

  • 「何をメモすべきか」の判断が、その場では難しい。
    話を聞きながら「これは重要」「これは書かなくていい」を瞬時に仕分けするのは、実はとても高度な作業です。全部書こうとすると追いつかず、要点だけ書こうとすると「どれが要点かわからない」——この判断に頭を使っているあいだに、話はどんどん先に進んでしまいます。

  • あとで見返したとき、書いた時の記憶が飛んでいる。
    必死に書いたメモなのに、あとで見ると「これ何のこと?」となるのは、書いている瞬間に内容を理解する余裕がなかったからです。「書く」ことに全力を使ってしまい、「意味を理解して書く」まで手が回らなかった——それだけの話です。

2. まず知っておく!メモは「全部書くもの」じゃなく「思い出すきっかけを残すもの」だ

「メモ=話を全部書き取るもの」という思い込みを、まず手放しましょう。ここを整理しておくことが、一番大切な下ごしらえです。

メモの本当の目的は、「あとで思い出すきっかけを残すこと」です。 全部書く必要はまったくありません。むしろ、頭の中の置き場が小さめの人ほど、「書く量を最小限にして、聞くことにエネルギーを残す」ほうが、結果的にいいメモになります。

そして、もうひとつ大切なことがあります。「聞きながら書けない」なら、聞く時間と書く時間を分ければいいのです。同時にやることをあきらめるのは、後ろ向きなことではなく、自分の特性に合った賢い戦略です。


3. その場で試せる!私が実践しているメモのライフハック

私が実際にやっている、「聞きながら書けない」を前提にした工夫を紹介します。

【工夫①】メモは「単語だけ」でいいと決めておく

文章で書こうとするから、頭がパンクします。ハードルを地面まで下げて、「単語だけ書けばOK」と自分に許可を出しましょう。

  • 「明日 15時 会議室A 資料3部」
  • 「田中さん 電話 折り返し」

あとで見て思い出せる最小限のキーワードだけで十分です。きれいなメモを作ることが目的ではありません。

【工夫②】話の直後に「30秒の書き足しタイム」をもらう

聞きながら書けないなら、聞き終わったあとに書けばいいのです。話が終わった直後に「今の内容、少しメモさせてください」と30秒だけもらいましょう。記憶が新しいうちに単語を書き足すだけで、メモの精度が大きく上がります。この一言が言えるだけで、「聞きながら書く」というプレッシャーから解放されます。

【工夫③】「指示はテキストでもらう」をアサーティブにお願いする

口頭指示が多い職場では、「口頭での指示が重なると抜け漏れが起きやすいので、重要な指示はチャットやメモで送ってもらえると助かります」とお願いするのも立派な対策です。

ただし、ここで大切なことがあります。「障害があるから配慮してもらえて当然」という姿勢ではなく、相手の立場も尊重しながら伝える——アサーティブコミュニケーションを大切にすることです。 職場にはそれぞれのルールや事情があります。「正確に対応したいので、可能な範囲でご検討いただけますか」というように、自分の希望を伝えつつ、相手に判断の余地を残す伝え方が、結果的に配慮を受けやすい関係を作ります。

また、職場によってはチャットツールの利用ルールが決まっている場合があります。お願いする前に「どんな形なら可能か」を上司や支援者に確認しながら進めるとスムーズです。

【工夫④】スマホの録音・音声メモを活用する(ただし職場のルール確認を)

長い説明や複雑な指示は、録音や音声メモを活用するのもひとつの方法です。ただし、職場によっては録音が禁止されていたり、情報管理のルールで難しい場合があります。 必ず事前に「メモ代わりに録音してもいいですか?」と確認を取りましょう。ここでもアサーティブな伝え方が大切です。難しい場合は、話を聞いた直後に自分のスマホや手帳に単語だけ書き足す方法に切り替えれば十分です。

【工夫⑤】メモは「その日のうちに1分だけ」見返す

メモは書いて終わりではなく、その日のうちに1分だけ見返して、意味がわからない部分を補足しておきましょう。時間が経つほど「これ何だっけ?」が増えます。帰る前の1分、これだけで翌日の自分が助かります。


■ まとめ:メモ取りは「同時にやる」をあきらめると、うまくいく

「聞きながら書けない自分はダメだ」と一人で抱え込んでフリーズするのをやめて、「単語だけ書く」「直後に30秒もらう」「アサーティブに相談する」という道具を使いながら、自分の頭の仕組みとちょうどいい距離でスマートにメモを取っていこう。

メモが苦手なのは、あなたの努力不足ではありません。頭の中の一時的な置き場が小さめだという特性の話です。「全部書く」をやめて「思い出すきっかけを残す」に切り替えるだけで、メモはあなたの味方になります。


最後に:ディーキャリア立川オフィスで「自分に合ったメモの取り方」を一緒に見つけよう

ディーキャリア立川オフィスでは、メモの取り方・指示の受け方・アサーティブコミュニケーションなど、実務に直結するスキルを自分の特性に合わせて一緒に整えていくプログラムに取り組んでいます。「メモが取れなくて仕事でミスが続く」「口頭指示をよく聞き漏らす」「配慮のお願いの仕方がわからない」という方も、ぜひ一度、見学や無料相談にいらしてください。

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■この記事を書いた人は?■

ディーキャリア立川・所沢オフィス編集部

普段は、ディーキャリア立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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