うつを抱えながら仕事して生きる | 大人の発達障害/精神疾患
うつ経験者の支援員が思うこと
私は支援員として働いていますが、うつ経験者でもあります。
支援現場で多くの方と関わりながら感じるのは、
うつを抱えながら働くことの難しさです。
「 以前のように働けない 」
「 頑張りたいのに身体が動かない 」
「 周りと比べてしまう 」
そんな声をたくさん聞きます。
それは私自身が感じたことでもありました。
以前の私は、「頑張ること」が正解だと思っていました。
「苦しくても我慢する。」「しんどくても続ける。」
「できないことは努力で埋める。」
そうやって乗り越えてきました。
けれど、うつになって思い知りました。
人には、頑張れない日があることを。
頑張れない自分もまた、自分なのだということを。
うつになってから、
自分を守るうえで大切にしていることがあります。
それは、できる自分を基準にしないこと。です。
勿論、生きていたら当然できない日もあります。
トータル30点以下の日だってあるでしょう。
・出勤することしかできなかった日。
・起き上がるだけで精一杯だった日。
・布団から出られないまま終わった日。
以前の私は、「できなかったこと」を棚に上げ、反芻して
自己否定を繰り返していました。
いまは、その日の自分にできる精一杯を出せたなら、
それで十分だと思っています。
私たちは上手くいかないことがあると、
ついできない自分を責めてしまいがちです。
「できない。」「続かない。」「頑張れない。」
しかし、できることがゼロになったわけではありません。
以前のように長時間、集中できなくても、短時間なら取り組めるかもしれない。
以前のように話せなくても、話すこと自体はできるかもしれない。
できないことばかりに目を向けると、今後の可能性を見失ってしまいます。
大切なのは、自分を認めること。です。
そして、できない自分を責めないこと。
そのうえで、できることを探していくこと。です。
それが、うつと共に生きるということなのだと思います。
自分を責めないために
私の場合は、完治を目指さなくなりました。
代わりに、うつと共生することを掲げています。
調子の良い日もあれば。悪い日もある。
波があることを前提に生活を組み立てる。
状態のわるい自分を否定せず
状態がわるい自分と付き合っていく。
完治を目指さなくなって、生きるのが少し楽になった気がします。
又、自分を守るうえで、忘れてはいけないことがあります。
しんどいときは無理をしないこと。です。
支援をしている中で、 がんばっている人ほど
「諦めること」を悪いことだと思っているように感じます。
ときには思い切って諦めることも必要です。
休む。延期する。断る。一旦やめる。
そんな選択が必要な日もあります。
やり続けるだけではなく、
勇気を出してやらない選択をとることも大事です。
その判断が自分を守ることもあります。
私はうつを経験して
当たり前だと思っていたものが、当たり前ではないことを知りました。
できることなら経験したくなかったですが。
色々なことが、以前と同じようにはいきません。 以前と同じ自分にはもう戻れません。
でもそれでいいのだと思います。
そう思えるように生きていく。
できないことが増えた自分も自分。調子が悪い自分も自分。
客観的にみると、ただそれだけなんですよね。
完璧を目指さない
以前は
「ちゃんとやらなければ」 「迷惑をかけてはいけない」 「期待に応えなければ」
と考えることが多かったように思います。
うつを経験して気づいたことがあります。
それは完璧を目指すほど苦しくなるということです。
「 60点あればいい。」「 70点なら十分。」
いまはその日の体調や状態に合わせて、自分なりの合格点を決めるようにしています。
完璧を目指すことよりも、続けることのほうが大切です。
長く働き続けるためには、
頑張り続けることよりも、自分を追い込みすぎないことが必要だと思います。
周りと比較しない
働いていると、どうしても周りが気になるときがあります。
「 同僚は、並行して仕事をこなしているな。」
「 後輩は、次々と仕事を覚えているな。」
「 友人は、昇進や結婚の報告をしているな。」
しかし、人それぞれ抱えているものは違います。
見えている部分だけで比べても、
実際どうかなんて本当のことはわかりません。
比べるなら誰かではなく、昨日の自分。
「昨日できなかったことが今日はできた。」
「先月より若干疲労に気づけるようになった。」
「前よりも休む判断ができるようになった。」
そんな小さな変化に目を向けるほうが、自分らしく前に進めるような気がします。
精神疾患を抱えながら生きる私たちに必要なのは、
誰かに勝つことではなく、自分のペースで歩き続けることだと思います。
根性・気合いで頑張らない
うつになってから手放したものの一つが「根性論」です。
「気合いで乗り切る。」「頑張ればなんとかなる。」
「努力が足りないからできないんだ。」
恥ずかしい話、うつになってなかったら、今でも平気でやっていたと思います。
元気なときには通用していた考え方かもしれませんが。
うつは根性で解決できるものではありません。
むしろ無理を重ねることで、さらに状態を悪化させてしまうことがあります。
大切なのは追い込むことではなく、自分の状態を理解することです。
「今日はどのていど動けるのか。」「何をどれくらい行なうと疲れるのか。」
「どこまでなら今日は頑張れるのか。」
根性や気合いで乗り切ろうとするのではなく、
いまの自分の状態と相談しながら今日を生きる。
それもまた、大切な力だと思っています。
一般論をあてにしない
これは完全に私見ですが…
うつになるとたくさんのアドバイスが耳に入ってきます。
「運動すれば良くなる」「考え方を変えればいい」「前向きになろう」
「休むのが大事」「動いてる方がいいよ」「相談しなさい」
もちろん、それで助かる人もいます。
しかし、それがすべての人に当てはまるわけではありません。
うつの症状も、生きてきた背景も、人それぞれ違います。
なので私の場合は、一般論を鵜呑みにし過ぎないようにしています。
大切なのは、「世間の常識」ではなく、「自分に合っているか」です。
他人の正解が、自分の正解とは限りません。
周りの声には感謝しつつ、一旦受け止めておき、
そのうえで、だれかが何か言っているな程度の気持ちで、
受け流すくらいが丁度いいと思います。
あくまで、自分なりの生き方を見つけてゆければいいと思います。
うつの自分として、生きていく
今まで私はなにかに憑りつかれたように
必死に「以前の自分」に戻ろうとしていました。
「あの頃のように働きたい。」「あの頃のように動きたい。」
「またあの頃の自分に戻りたい。」
その思いはいつしか自分を苦しめるようになりました。
以前はできたことなのに、いまは理想とは程遠い乖離した現実。
その事実は想像を超えてつらく、ある時から考え方を変えました。
以前の自分に戻るのではなく、
うつの自分として生きていく。うつとの共存戦略です。
いままでどれだけの呪いを自分にかけていたのか。
と思うほどに。呪縛が薄らいでいったように思います。
自己否定をし続けるのではなく、
ある一定のところで現実を受け入れることも必要なのだと思います。
うつと共生して生きる覚悟をもつ
いまでも調子を崩すことは結構あります。
疲れやすく、身体がうごかない日も多々あります。
何もしたくない日もあります。
しかし以前よりも、その状態を悲観しなくなりました。
うつを悪とすることをやめたからです。
いまでも治療は継続していますし、日々の体調管理も欠かせません。
必要な支援も受けています。
しかし、「うつをなくさなければならない」とは
いまは考えていません。
うつがあっても働ける。人生を楽しめる。笑えるときもある。
病気や障害を抱えながら生きることは、不便なときもありますが、
不幸ではありません。
共生しながら生きていく。
病気や障害と共に生きることを大切にしていい。と
そう思えるようになりました。
現実を受け入れて生きる覚悟を持つ。 と
見え方・感じ方が変わることを体験できました。
共生しながら仕事をして生きることは
可能です。
□ 障害/疾患(ASD/ADHD/うつ/双極症)
もし、似たような疾患で悩んでいる方がいましたら
何かお役に立てることがあるかもしれません。
障害/精神疾患を抱えながら 仕事を続けていくために
最後に…
大切なのは
・無理している自分に気付くこと
・限界がくる前に勇気を出して止まること
・必要に応じて助けてもらうこと
・自分に合う方法を知ること
がんばり続けることよりも、
“ 崩れることなく続けられること ” のほうが大切です。
私は、障害や精神疾患を抱えながら仕事をして生きることは、可能だと考えます。
いまを、これからを、ともに乗り越えていきましょう。
私たちディーキャリアは、行政の福祉サービスをおこなうサポート施設です。
「見えづらい障害特性への対処」や「仕事がうまくいかない原因」を
一緒に整理するサポートを行なっていますので、もしよければ、
今どんなことで困っているのか、どんな場面でつまずくのか、などを
共有いただければと思います。
もしいまが、大変な状況だとしても、 現状をふまえながら
無理なく前に進める方法を 共に考えていく支援をおこなっておりますので、
必要であればご連絡ください。

■ ディーキャリア新松戸オフィス
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