発達障害(ASD)による「苦手さ」とは?特性を理解し、自分らしい働き方へ
「なんとなくうまくいかない…」その背景にあるもの
「仕事が続かない」「人間関係でよく誤解される」「指示が曖昧だと混乱する」
そんな“なんとなくの生きづらさ”を感じている方がいらっしゃいます。
それはもしかすると、発達障害(ASD・ADHD)の特性が関係しているかもしれません。
今回は、ASD(自閉スペクトラム症)の主な特性と、そこから生まれやすい“苦手さ”について、具体例を交えてわかりやすく解説します。
ASD(自閉スペクトラム症)とは?
ASDとは、対人関係や社会的コミュニケーションに特性が見られ、興味・関心が偏ったり、想像力に独特の傾向があったりする発達障害のひとつです。
自閉の本来の意味は?
「自閉」と聞くと「閉じこもる」といった印象を持つ方も多いかもしれません。
しかし、医学的には「自分の中で自己完結的に行動してしまう傾向」という意味があります。
結果として…
- 自分本位に見える
- 人の気持ちがわからない
- 空気が読めない
といった言葉で評価されてしまうこともあります。
けれど、この特性は必ずしも“悪いこと”ではありません。
たとえば、「周囲の空気に流されない」「損得に左右されず自分の意見を言える」といった、ぶれない価値観の持ち主ともいえるのです。
大切なのは、「どう伝えるか」。
ASDの方には、自己主張の方法としてアサーティブコミュニケーションを身につけることで、特性を“強み”に変えていく可能性もあります。
ASDの特性と、そこから生まれやすい苦手さ
脳の特性:シングルフォーカス/シングルレイヤー/ハイコントラスト
ASDのある方には、以下のような脳の傾向があると考えられています。
| 特性 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| シングルフォーカス | 一度に注意できる範囲が狭い | 周囲の情報に気づきにくい/マルチタスクが苦手 |
| シングルレイヤー | 一つのことしか処理しにくい | 冗談・皮肉が理解しづらい/複雑な指示が苦手 |
| ハイコントラスト | 白黒思考/極端な捉え方 | ちょっとの失敗で「自分はダメ」と思いやすい |
たとえばこんな場面:
- 【皮肉を誤解】
上司:(残業が多い相手に対して)「毎日遅くまでよく頑張ってるね(嫌味)」
本人:「ありがとうございます!(純粋に褒められたと思う)」 - 【ルールに厳格すぎる】
制限速度40kmの道で「絶対40km以下で走らなければ」と思い、渋滞を引き起こしてしまう。
これらは悪気があっての行動ではなく、「脳の特性」によるものです。
社会的コミュニケーションの苦手さ
コミュニケーションは「言葉」だけではありません。
表情や声のトーン、ジェスチャーといった非言語の情報が多く含まれます。
ASDのある方は、こうした非言語情報の読み取りが苦手なことがあり、
- 表情が固い/出しづらい
- 何を考えているかわからないと見られてしまう
といった誤解につながることがあります。
感覚の過敏・鈍麻
ASDの方の中には、感覚がとても鋭かったり、逆に鈍かったりする場合もあります。
感覚過敏の例:
- 蛍光灯がまぶしすぎて目が痛い
- 話し声やキーボードの音が気になって作業に集中できない
感覚鈍麻の例:
- のどの渇きに気づかない→水分補給せず熱中症になる
- 疲れていても気づかず無理をしてしまう
こうした違いは外から見えにくく、理解されづらいため、生きづらさの原因になりやすいのです。
こだわり・曖昧さへの苦手さ
- 予定変更に強くストレスを感じる
- 明文化されていない「暗黙のルール」が理解できない
- 「曖昧さ」があると不安になる
といった特性が、学校や職場でのトラブルにつながることもあります。
「自分は正しいのに、周囲が間違っている」と感じて孤立してしまう場合もあります。
ASDの特性と困りごと(まとめ)
| 特性 | 起こりやすい困りごと |
|---|---|
| シングルフォーカス | 興味の幅が狭く、関心がないことに取り組みにくい |
| シングルレイヤー | 会話の裏の意味が読み取れない |
| ハイコントラスト | 小さな失敗を大きく捉えて落ち込みやすい |
| 感覚過敏/鈍麻 | 集中できない・体調不良に気づきにくい |
| 曖昧さが苦手 | 予定変更や柔軟な対応が難しい |
自己理解から始まる「働きやすさ」
ASDの特性や苦手さは、すべての人に同じように出るわけではありません。
一人ひとりの特性や状況により、困りごとや配慮のポイントは異なります。
だからこそ大切なのが、以下の3点です。
- 自分はどのような場面で困るのか?(自己理解)
- どんな工夫や配慮があれば働きやすいか?(対処法・配慮事項)
- それをどうやって他者に伝えるか?(説明スキル)
ディーキャリア新潟オフィスでは
ディーキャリア新潟オフィスでは、
- ASDなどの特性理解
- 自分の強み・弱みの整理
- 対処法や配慮の言語化
- 関係機関(障害者職業センター等)との連携による客観的・データによる自己理解
といった内容を、実践的なトレーニングを通してサポートしています。
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