【発達障害・グレーゾーン】「働きやすさ」「長く働く」には、そもそも何から始めればいいの?
こんにちは、ディーキャリア新潟オフィス管理者の五十嵐です。
近年、障害者雇用が促進されていることもあり障がい者の雇用率は、年々上昇傾向にあります。
厚生労働省の調べでは、令和3年の時点で民間企業の雇用障がい者数18年連続で過去最高を更新しており、前年度に比べて雇用障がい者数が3.4%上昇、1万9,494人増加したという結果が出ています。
それでは、障害者雇用は障害がある人にとって働きやすい環境や状況が整ってきているのでしょうか?
一般企業へ就職した障がい者の就労継続支援A型を含む定着率は、障害者職業総合センターの調査によると、就職後3カ月時点で80.5%、1年時点では61.5%となっています。つまり、約4割の方が3か月時点で離職してしまっており、福祉的就労である就労継続支援A型を除く場合では、就職後3カ月時点で76.5%、1年時点で58.4%という結果。ほぼ半数の方が1年経たずに離職してしまっているという現実があります。
就職者数は増えていますが、障害者雇用をおこなう環境や職場の理解はまだ発展途上であり、働く側の人達もまた、働き続けるための準備ができていない状態で就労してしまうことで、せっかく就職してもすぐにやめてしまうという問題が発生しているのです。
それではなぜ、せっかく就職しても1年で離職してしまう人が多いのでしょうか?
一番大きな理由として挙げられるのが「職場の人間関係と雰囲気が合わない」ことです。
もちろん、一般雇用でも上位に挙がってくる離職理由ではありますが、特に発達障害、精神障害がある方にとって、特性上職場で求められるコミュニケーションは鬼門となりやすく、自身の特性理解や苦手にあった対策をしていかないと、職場で求められる適切なコミュニケーションが難しくなる傾向があります。
他の理由として「職場が障害(特性)のことを理解してくれない」「適切な仕事がなく、任せてもらえない」といった離職理由も挙げられることが多く、何も準備せずに就職しても、どうしてもうまくいかない可能性があることがわかります。
とはいえ、離職理由で上がってきた理由だけを見ても、必要な準備が多岐にわたることがわかります。
まず「ビジネスコミュニケーション」と「業務遂行能力」。
次に「特性理解とそれを職場に伝える能力」
さらに「自分ができること、できないことの整理」
どこから手を付けていいかわからなくて不安に感じる方も多くいらっしゃると思います。
ということで、前置きが長くなりましたが、今回の記事では、発達障害・グレーゾーンの方が「働きやすく」「長く働く」には、そもそも何から始めればいいの?をテーマとして見ていきたいと思います。
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ディーキャリア 新潟オフィスは大人の発達障害に応じたプログラムの就労移行支援事業所です。
精神障害・発達障害を対象に就労支援を受けることができ、 「働き続けるためのプログラム」で高い職場定着率を実現しています。
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1・発達障害・グレーゾーンがある人が「働きやすさ」「長く働く」には、まず何から始めればいい?
結論から言ってしまうと、はじめにおこなうべきことは「自己理解」です。
ここでいう「自己理解」とは、何らかの手段によって、自分の性格や態度、価値観などを知り、それを自分自身が納得して受け止めている状態です。
「自分はこうしたかったのか」、「こう考えた理由はこうだったのか」など、自分自身の経験を理解し、納得するためには、自己理解が必要になります。
この自身の願望や考え方がわからないことで、適切な進路を選ぶことが難しかったり、思考や感情が停滞してしまい、ネガティブな考えから逃れられなくなってしまうのです。
また、発達障害の診断を青年期以降に受けた方は特に、障害に対する否定的な考え方を持っていたり、障害のわかりにくさから、障害を受け入れる難しさが出ることがあります。
しかし、障害特性にあった進路選択や職業選択がされないことで、環境への不適応や鬱、適応障害といった二次障害につながることもあり、特性による困り感がある場合は、自身の特性を理解し、自己対処する、適切な配慮をしてもらうことが非常に大切なのです。
そして、そのために必要なのが「自己理解」、それも自分から見た自分と他者から見た自分、データからみた自分の3つの視点から、自分自身の特性と強み、弱み、強みを活かせる環境や仕事、弱みに対する工夫と配慮、陥りやすい考え方のくせ等、他人に説明できるレベルまで自分自身のことを理解することが重要ということです。
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2・自己理解のための3つの視点とは?
自己理解の方法として、下記の3つの視点から考えてみることで、より深く自分自身のことを理解することができます。
- 自分から見た自分(自己分析・特性理解)
- 他者から見た自分(他者からのフィードバック)
- データから見る自分(各種検査の結果など)
就職活動における「自己理解」は「1自分から見た自分」の視点でおこなわれることが多く、「2他者からみた自分」「3データから見た自分」の視点は抜けがちであり、また獲得することが難しい部分となります。
障害者雇用で就職を考える場合は、2,3の視点を取り入れるために「就労移行支援」や「就労継続A・B型」といった福祉サービスの活用をお勧めします。
3・発達障害がある場合に、自己理解を進めていく上で重要なこと
自己理解を進めていく上で重要な視点として、下記が挙げられます。
- 障害の受容:必要に応じた支援の選択
- 手帳の取得や障害者雇用を選ぶなどの、人生の選択や決定
- 特性を理解し、強み弱みを把握して、合理的配慮を得られる生活環境の選択
- セルフモニタリングを前提とした感情制御・体調・業務管理の問題認識と対処
- 学習経験や併存疾患などの要因を踏まえた考え方の特性や自己肯定感
特に発達障害がある場合、障害の特性上、「自分とは何か」といった抽象的な課題よりも、弱みに対する工夫や配慮、強みを活かした仕事・環境を得られるように具体的な理解をしていくことが、自己理解の基礎となります。
1「発達障害・グレーゾーンがある人が「働きやすさ」「長く働く」には、まず何から始めればいい?」で見てきたように、他人任せの特性理解や業務管理では、適切な配慮を受けたり、業務を任せてもらうことはできません。
自分自身で配慮事項、できることできないことを整理し、それを企業に伝えてはじめて、働きやすさややりがいのある仕事を手に入れることができるのです。
また、障害特性の理解だけでなく、自己肯定感や体調管理なども、発達障害がある方の自己理解には重要です。特性上、自己肯定感が低くなりやすかったり、体調管理が難しかったりするため、自分がどのようなことに自信があるのか、体調の波はどうなっているのか把握しておくことで、悪化時に適切な対処ができるようになります。
4・発達障害がある方の自己理解をサポートしてくれる機関
①ハローワーク(公共職業安定所)
障害のある・なしに関わらず、就職を希望する方に対して、職業相談や紹介をおこなう機関です。
職業相談では専門の職員を配置するなど、きめ細やかな相談をおこなっています。
また支援については、公共職業訓練のあっせんやトライアル雇用などの支援策も活用されています。
②障害者職業センター
障害がある方に対して、ハローワークと協力して就職に向けての相談、職業能力などの評価、就職前の支援から、就職後の職場適応のための援助まで、個々の状況に応じた継続的なサービスを提供しています。自身の職業適性を評価する「職業評価」や休職中の方が企業への復職を図る「リワークプログラム」なども実施されています。
③障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
障害がある方に対して、就労面と生活面の一体的な相談や支援をおこなう機関です。
関係機関と連絡調整しながら、窓口での相談や、職場・家庭の訪問をおこないます。
就業面では、就労準備や定着支援。生活面では、生活習慣の形成や健康管理・金銭管理などの日常生活の自己管理支援や地域生活の設定について助言したりしています。
④就労移行支援事業所
障害福祉サービスの一つで、就労を希望する障害のある方で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる方に対して、訓練や求職活動の支援、就職後の職場定着のために必要な相談などの支援をおこなう機関です。標準利用期間は2年となり、基本的には2年間の中で就職を目指します。
ディーキャリア新潟オフィスはこの「就労移行支援事業所」に当たります。
ディーキャリア新潟オフィスでは
ディーキャリア新潟オフィスには、就職して働き続けるための3つのコースがあります。
①ライフスキルコース
②ワークスキルコース
③リクルートコース
ディーキャリア新潟オフィスでは、訓練の中で自身の特性理解や強み弱みの整理、特性に対する対処方法や配慮など、自分視点、他者視点からの自己理解、障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターと連携することで、データの視点からも自己理解を進めることができます。
これら3つの視点を通じて、自己理解を進めていくことで自分自身の特性と強み、弱み、強みを活かせる環境や仕事、弱みに対する工夫と配慮、陥りやすい考え方のくせ等、他人に説明できるレベルまで自分自身のことを理解することができ、併せてそれらを他者や企業へ伝える練習をしていくことで、長期的な継続就労を目指せます。
「新潟で長期継続就労を目指したい」と考えている方は、ぜひ一度ご見学・体験ください。
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ディーキャリア 新潟オフィスは大人の発達障害に応じたプログラムの就労移行支援事業所です。
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