【発達障害】自分の伝えたいことがうまく伝わらないなと思ったら、読む記事【コミュニケーション】
こんにちは、職業指導員の五十嵐です。
社会で働く上で必ず必要となる「コミュニケーション」ですが、
コミュニケーションと一言に言っても、その幅はかなり広くなっています。
このブログでも何度か取り上げている「報連相」もビジネスコミュニケーションの一つですし、相手の話を聴いて理解する「傾聴」も必要な能力でしょう。
相手と自分を尊重したコミュニケーションである「アサーティブコミュニケーション」は双方向的な連携に不可欠ですし、「プレゼンテーション」で相手に自分の伝えたいこと、伝えるべきことを伝えるスキルも大切です。
その他、休憩時間の雑談や朝礼や夕礼で人前に立って話すこともあるでしょうし、会議やミーティングで複数人を相手にしてコミュニケーションを取らなくてはならない場面も出てくるでしょう。
こうして「コミュニケーション」を紐解いていくと、やらなくてはならないことがたくさんあって、膨大な量のスキルや高い能力が必要そうに見えますが、結局どの場面でも必要なのは「話す力」と「聞く力」だけ。それならなんとかなりそうでしょうか?
しかし発達障害をお持ちの方の場合、ここにプラスして「マルチタスクの苦手」や「他者の心情理解の難しさ」、「衝動性」、「客観視の苦手」といった固有の特性が関わってくるせいで、さらにコミュニケーションを難しくしているわけです。
とはいえ、発達障害の特性について、何が強いのか、どこに苦手があるのか、は個々人によって異なってくるため、一般的な「コミュニケーション能力を上げる方法」では、カバーしきれない部分も多いです。いくらコミュニケーションについての本を読み漁っても、うまくいかないのは、コミュニケーションスキルではなく、個人の特性が関係しているかもしれません。
自身の特性について、自分で自己分析するのは難しいです。ディーキャリア新潟オフィスでは、訓練や個別面談を通じて、自己理解や特性に合わせた自己対処を考えることを、スタッフと一緒に進めていくことができますので、自己学習・自己対処に行き詰まりを感じている方は、是非一度見学・体験に参加してみてください。
さて、それでは今日の記事の本題「伝えたいことが伝わらない」について見てきたいと思います。
原因として考えられるのは
- ①伝え方の問題
- ②言語能力の問題
- ③聞き手の問題
の3つが大まかに挙げられます。
今回見ていくのは①伝え方の問題。伝え方にも様々な視点があり、その全てをカバーすることはできないので、今日は「ペーシング」という技法をメインに問題を見ていきたいと思います。
そもそも「ペーシング」とはどんなものでしょうか?
ディーキャリアでは「相手の呼吸や話し方を観察し、そのペースに合わせながら相手と波長を合わせるための技法」とされています。
双方向的な会話にはペースがあって、相手があまりに早口すぎたり、のんびりすぎたり、自分のペースとかみ合わないと、それだけで疲れてしまったり、違和感を覚えたりしてしまいますよね?
ここがうまくいかないと、
・気が付けば自分ばかり話している
・相手に自分が伝えたいことが伝わらない
・相手から何度も聞き返されてしまう
といった問題が発生しがちになるのです。
問題の原因を見ていきましょう。
原因①
トークスピードが速すぎて相手のメモや理解が追い付いていない可能性がある
話すスピード、聴くスピードは人それぞれ。相手のペースに合わせた話し方ができれば、指示の聞き漏らしや一方的な押し付けは軽減していくことができるでしょう。
原因②
口調や言葉遣い、伝え方に問題がある
口調や言葉遣いは相手に合わせてペーシングをおこなうことができると、相手を安心させられます。
伝え方は高圧的になりすぎていないでしょうか?あるいはフランクになっていませんか?
相手に合わせて伝え方を変化させていくことが よいコミュニケーションを取るコツです。
原因③
相手にコミュニケーションを合わせられていない
相手に自分の伝えたいことが、うまく伝わらないと感じている人は、相手に合わせたコミュニケーションが取れていない可能性があります。
感情優位の人に論理で説明しても、共感は得られないでしょうし、論理優位の人に感情的に伝えても理解は得られないでしょう。
また、言葉の使い方や表現の仕方も同じく相手のレベルに合わせることも大切です。
知識や言語能力は人それぞれなので、難しい言葉や表現だと言葉の意味がわからない人や逆に平坦な言葉を使うことで、馬鹿にされていると感じる人もいるでしょう。
ですが「じゃあ相手に合わせてコミュニケーションの取り方を切り替えていこう」ということは簡単にできるでしょうか?
「できます!」という方は、そもそもこの記事を読んでいないと思われます。
それはとても難しいことですよね。
だからと言って、相手に合わせることを放棄して「自分は論理しか信じないから、論理一本で行きます」とか「人間は感情の生き物だから、とにかく情に訴えかければいいや」とか、自分本位の考えに固執してコミュニケーションを取ろうとすれば、うまくいかなくなるのは当たり前です。
すぐに自分の考え方を変えることはできないと思いますが、自分が「正しい」と考える伝え方だけが、すべての人に効果的ではないということだけは覚えておきましょう。
コミュニケーションは「お互いを尊重」しあうからこそ、うまくいくものです。
自分の想いだけをとにかく伝えたい、とか、相手の意見は初めから受け入れるつもりはない、とか、相手を尊重していないコミュニケーションになってしまえば、自分の伝えたいことをいくら話しても、相手に伝わるはずはありません。
「なんでわかってもらえないのかな」「相手の理解力の問題だ」ではなく、「自分の伝え方は相手にとって適切なものだろうか」「自分の意見だけを押し通そうとしていないか」、改めて自身のコミュニケーションを見つめ直し、自分にとっても相手にとってもよりよいコミュニケーションを目指していただければ幸いです。
最後に改めて宣伝させてください。
自分のコミュニケーションを客観視するのは難しいです。かといって、身近な人に「自分のコミュニケーションってどう?」と尋ねて回るのは恥ずかしいし、実はネガティブに捉えられていたらショックですよね?
ディーキャリア新潟オフィスでは訓練や個別面談を通じて、自己理解や特性に合わせた自己対処をスタッフと一緒に考えていくことができます。コミュニケーションや特性理解にお悩みの方は、是非一度見学・体験に参加してみてください。
それでは。
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