【ADHDの仕事術】もう先延ばししない!スケジュール通りに仕事をするには(後編)
こんにちは、中野オフィスです!
前回に続き、多くのADHD(注意欠如・多動性障害)当事者を悩ませる「先延ばしグセ」について、
障害特性を踏まえ、どのように対処できるかを考えていきます!
今回も、ADHD当事者支援員の私井上と、
普段サービス管理責任者として利用者様の支援に関わる遠藤、
そして、支援力はディーキャリアいちと自負するマネージャーの大橋の3人で、
このテーマを話し合っていきたいと思います。
ディーキャリアは、なんと言っても発達障害の特性に応じたプログラムを提供する就労移行支援事業所!
発達障害の診断を受けているあなた、あるいは「発達障害かも?」と思っているあなた、
ぜひこの記事を読んでみてください!
◆先延ばし解消法:パターン①(タスク忘れ→先延ばし)の場合
井上:前回は、障害特性を踏まえ、なぜ先延ばしをしてしまうのか、そのメカニズムを分析しました。
その結果、先延ばしのパターンには3つあることを確認しましたね。
(詳しくは「【ADHDの仕事術】もう先延ばししない!スケジュール通りに仕事をするには(前編)」を確認ください)
井上:まず一つ目のパターンは、
ワーキングメモリの少なさにより他の刺激により注意が逸れ、タスクそのものを忘れてしまい、
結果として先延ばしになってしまうというパターンでした。
まずはこのパターンから解消法を考えていきたいと思います。
大橋:「思い立ったが吉日」ですね。
思いついたら、すぐやる。いまやる。
やらなきゃいけないタスクを思いついたら、忘れる前に取り掛かってしまう、というのが一つ大切ですね。
それがいつもできるようにするために、必要なものは肌身離さず全部持っていることをおススメします。
遠藤:思いついたときにそれがないと、結局先延ばしになってしまいますもんね。
大橋:そう。
「思い立ったが吉日」をするために、私は必要になるかもしれないものを全部カバンにブチこんでるんですよ。
ワクチン2回目の接種券とか、勉強のためのテキストとか、ランニングの時に見るためのiPadとか、
特に必要ないときも常に持ち歩くようにしてます。
遠藤:筋トレですね(笑)
大橋:思い立った時にすぐ取り組めるように、
とりあえずいるかもしれないものはカバンに入れておくセルフケア、おススメです。
遠藤:あと、感覚刺激を減らすというのも大事ですね。
気を散らさないための環境設定(チャットなどの通知を切る等)をして、集中できる環境を作るといいと思います。
大橋:あともう一つは、タスクを管理するツールを一つに絞るということです。
付箋でメモして、タスク管理アプリでも管理して、カレンダーにも書いて……みたいにすると、
結局どこに何を書いたかわからなくなってしまう。
それで忘れてしまうと、もう思い出すのが難しいんですよ。
でも、一元化しておくと、何か忘れたらとりあえず自分の管理ツールに戻ってさかのぼることができる。
忘れても、「あそこを見たら書いてある」と思えるか思えないかが結構重要です。
井上:なるほど、ありがとうございます!
まとめると、一つ目のパターンの解決策としては、次の3つが見つかりましたね。
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①「思い立ったが吉日」をするため必要そうなものはとりあえずカバンへ
②感覚刺激を減らして気が散らない工夫を
③タスク管理ツールは一元化し、忘れたらそれを見る
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◆先延ばし解消法:パターン②(他タスクに目移り→先延ばし)の場合
井上:それでは、二つ目のパターンについて考えていきたいと思います。
二つ目のパターンは、
やらなければいけないタスクについては認識しているものの、
他の自分のやりたいタスクをやりたい!という衝動に勝てず、そちらを優先してしまって、
結果として先延ばしになってしまう、というパターンです。
大橋:これの対策は、「目移りするものを置かない」ですね。
これはさっきの対策とは逆なんですよね。
さっきの対策は、思い立った時にすぐできるように全部持っておく!ということでしたが、
今回のパターンでいうと、もしかしたら全部持っておくことで
他タスクに目移りしてしまうことを誘発するかもしれません。
遠藤:あとは、衝動的に他タスクを優先した場合のリスクや、事後の対応を考えておく、ということも必要ですね。
タスクAをやらずに、タスクBを優先した場合、そのあとでもちゃんとフォローできるのかどうか、
考えておくことが大事です。
大橋:「宣言する」こともこのタイプの先延ばしには有効だと言われていますね。
今から「○○のタスクをやります」と宣言しておくことで、目移りすることを防ぐやり方です。
遠藤:たしかに、宣言してくれると周りも「○○のタスクをやるんだな」と認識できますもんね。
こちらから、「○○のタスクって終わりました?」とか、声掛けすることもできますね。
井上:私も時々このセルフケアをやっています!
大橋:メンタル不調がない方は、これをやるといいですね。
宣言したことで、逆に追い詰められてしまうとか、ネガティブになってしまう方はしない方がいいですが……。
井上:なるほど、ありがとうございます!
まとめると、二つ目のパターンの解決策としては、次の3つが見つかりましたね。
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①目移りしないようものを減らす
②他タスクを優先した場合のリスクや事後の対応を考えておく
③宣言をし、周りを巻き込む
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◆先延ばし解消法:パターン③(報酬系機能エラー→先延ばし)
井上:それでは、最後のパターンを考えていきたいと思います。
最後のパターンは、報酬系機能が弱いために、
将来の成果よりも、今この時の「やりたくない」という感情を優先してしまった結果
先延ばしが起こる、というパターンでした。
大橋:報酬系機能が弱い人は、言ってみれば我慢できずに目の前にぶら下げられたニンジンを食べてしまう、
みたいなことが起きてしまうわけですが、
どうしてそれが起こるかというと、「思考する」からなんですよ。
例えば、朝寝ていた方が楽だから外に出られない、というお悩みを利用者さんから頂くことがあるのですが、
その際に私が伝えているのは、「ルーティンを作って思考せずに家出るまでをやる」ということです。
井上:ルーティンですか?
大橋:そう。朝ベッドから起き上がって、歯を磨いて、顔を洗って、服を着て……みたいな一連の流れを、ルーティン化する。
そのことによって朝脳みそを使わないで外に出られるようになると、
そもそも報酬系機能の思考が発生しないから、先延ばしが生じないです。
井上:なるほど。
大橋:あとは、「モチベーションをどうやったらあげられますか?」とか、
「やる気が出てくれば先延ばしせずにできるようになると思うんです」って皆さんおっしゃるんですが、
それは特性上難しいです。
逆に、やる気とか、モチベーションがなくても活動できる対策を作ることが大切です。
成果を出すとかは置いておいて、とりあえず活動を維持することができる、自分なりの働き方が確立できれば、
いつか何かのきっかけでやる気が出てくることもあると思います。
井上:ありがとうございます。
私はかなり先延ばしが多いんですが、
よくあるケースとして、そのタスクをこなすために誰かに相談したいと思ったときに、
聞くことを先延ばしにしてしまって、ずるずる時間だけが過ぎて、どんどん聞きづらくなってしまう。
それで結局聞けなくて、タスクは残ったまま……みたいなことが多いんですが、
これはどうしたらいいんでしょうか?
遠藤:今大橋さんが言った「モチベーションがなくても活動する」っていうところで、
「聞かなきゃできない」ではなくて「とりあえずできるところまで進めてみる」、っていうのをしたほうがいいんじゃないかな。
大橋:「何かひとつでもできることに着手する」ということはかなり大事ですね。
例えば、相談する内容がまとまっていないから相談できない、って先延ばしにするんではなく、
「相談する時間をください」って声掛けだけしておく、みたいに、
何かその時点ですすめられることに取り組むっていうのはすごく大事です。
大橋:あとは、「めんどくさい」を極力減らすことも重要ですね。
先延ばしにしたくなる要素をできる限り減らして、取り組みやすくする。
例えば、準備が面倒でなかなかジムに行けない人がいたときに、
必要なものは全部レンタルで借りて、準備しなくていいようにするとか。
お金はかかってしまいますが、特性を考えるとそっちの方が継続できると思います。
井上:なるほど、ありがとうございます!
三つ目のパターンの解決策としては、次の4つが見つかりましたね。
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①思考せずに行動するためのルーティンをつくる
②モチベーションがなくても活動できる対策を作る
③何か一つでもできることに着手する
④「めんどくさい」を極力減らし、取り組みやすくする
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◆まとめ
いろいろと対処法が出てきましたね!
上の三つのパターンの先延ばしに共通する対策としては、
「先延ばしをしていることに何度も向き合える環境を作る」ということです。
タスク表を毎日見る時間を作るなどして、
どんなタスクがあるのか、何のタスクを先延ばししているのかを
自身で振り返る時間を何度も持つことが、先延ばしから離脱するための重要なファクターになると思います!
ディーキャリアでは、障害特性を踏まえて困りごとの原因を探り、
一人一人にあった対処法を日々支援の中で探しています。
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