2024年04月08日

「働くことが怖い」と思うのは発達障害の特性？？

【ディーキャリアワーク柏スタジオ卒業生の事例】

ディーキャリアワーク柏スタジオを卒業したKさんは、今まで就労経験がなく、
学校の中退をきっかけに引きこもりになってしまい、相談員さんに促され
ディーキャリアワーク柏スタジオに相談に来ました。
就労経験がない事や、過去の失敗経験で自信を失っていることから、
すぐに就職や、バイトから始める等ではなくディーキャリアワーク柏スタジオを利用し
就職をしていく事としました。
通所開始時は緊張やストレスから腹痛になってしまい休むことが多かったため、
お休みするのではなく面談し、まずはスタッフと雑談から始め、その後、
今後の事や今感じている不安な事を話してもらいました。
また遅刻でも良いから通所することに取り組み、通所日数を徐々に増やしていきました。
週5日通所ができるようになると、その分訓練にたくさん参加できるようになりました。
作業訓練では、受け答えや返事などコミュニケーションの丁寧さや、
振り返りで気づいたことを発言してくれるなど良い点がたくさんあり、
スタッフから肯定されながら訓練に励みました。
訓練の内容を理解し把握できるようになると、自分より後に入った利用者の方や、
体験で来られた方に作業のレクチャーにチャレンジしました。
最初はスタッフがサポートしながら取り組んでいましたが、徐々にサポートがいらなくなりました。
その作業で困ったときに「スタッフに相談して判断してもらう」のではなく
「自身の考え/経験を基に方法を提案」してみるやり方に変えていきました。
そうする事で、「こうした方が良いと思うのですがどうでしょうか」という発言が増えました。
その後、実習に参加し、スタッフ以外の人である企業の実習担当者にアドバイスやより良くの視点を教えてもらいました。
この頃にはすっかり、事業所の事はほとんど把握できており、さらに聞かれたことに応えたり、
ほとんどのことを自分で対応できるようになりました。
そして就職活動では、職歴が無いので、ディーキャリアワークでの経験や
実習での他者からもらった評価を自身のアピールポイントとして面接で伝えていき、
就職活動に励みました。
そうして数か月の就職活動の末、見事内定を取り就職しました。
働き始めてからは仕事を覚えることを頑張っていましたが
頑張ると同時に「働き続けることができるのか」「周りの人はできているのに・・・」
と悩みを持ってしまい、不安から腹痛の症状が出てしまうこともありました。
しかし、企業からは挨拶がしっかりできている、責任感があり業務の覚えも早く問題ないと
高い評価をいただき、体調はゆっくり整えていってもらえればいいと言っていただきました。
本人にもそのことを伝え、また、一緒に入社した方々と自分を比べる必要はなく、
今自分ができることに取り組んでいきましょうとお伝えし、現在もその方は就労を継続しています。

少し長くなりましたが、この方のポイントとして、自信がない状態からスタートしたが、
・「見た」「聞いた」ではなく自分で経験をする事
・自身の作業や生活する環境を把握する事
・完璧を求めるのではなく、スモールステップでも良いので進む事
・他者から評価を得て出来ているという実感を得る事
で自信をつけていく事ができました。