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【発達障害あるある】「普通」を装う発達障害とカモフラージュのリアル
こんにちは。ディーキャリアITエキスパート田町オフィスのサービス管理責任者(保有資格:臨床心理士・公認心理師)の鈴木です。
以前のブログで発達障害に関する「どうしてもおしゃべりが止まらない方へ」について記載しました。
臨床心理士の知識と、発達障害のある方を支援した経験にもとづき今回は「「普通」を装う発達障害とカモフラージュのリアル」についてお伝えします。
1.擬態・カモフラージュとは
発達障害のある方が、周囲に障害があることを悟られないよう意識的に、もしくは無意識のうちに、定型発達者のようにふるまう(特性を隠す)ことを「擬態」と呼ぶことがあります。
女性を中心に、擬態やカモフラージュの本がたくさん出てきているので、気になるかたはチェックしてみてください。
ASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠如・多動性障害)特性による困難を隠すために、相手や環境に、過剰適応をすることがあります。
よくあるのは、「空気が読めない」という場合に「人の感情に気づけるように、周囲の表情の変化に意識を向け続ける」などして必要以上に疲れてしまうことです。
特性によって「表情の読み取りの困難」があったとしても、「眉間のしわ・口角の上げ下げ」などを常に具体的に認識することで理解するなど“度を過ぎるほどに頑張れば”空気を読めるようになることはある、ということです。
一方で、本来は特性上苦手であるため、汎用性がなかったり、やりすぎて過度なストレスになり、うつ・適応障害等の二次障害につながるリスクがあります。
参考:過剰適応について(https://dd-career.com/column_data/what-is-overadaptation/)
本来の自分だと、相手や環境になじめずに苦しい思いをしたことから、擬態・カモフラージュが処世術のようになったり、身体に染み付いたりしている方もいらっしゃるかもしれませんね。
擬態・カモフラージュすることが、発達障害者である自分を否定することにも繋がりかねず、自己肯定感を下げることにも繋がるかもしれません。
2.特に擬態・カモフラージュが強まるコミュニケーション場面では
ASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠如・多動性障害)特性があったとしても、自分1人で過ごしたり、周りの迷惑にならないようにできることは多分にあるでしょう。
特性の出方や目立ち方は、人それぞれです。
その中で、特に目立ちやすく、人の目に付きやすい、違和感をもたれやすいのは、やはりコミュニケーション場面においてです。
コミュニケーション場面では相手がいるので、複数回にわたり、さまざまな強度で自分の特性が相手に伝わり、ともすれば反応やフィードバックを何度も受けることになるからです。
こういった経験で、自分自身がストレスを感じ、コミュニケーションが嫌になって避けることや、過剰に頑張って体調不良に繋がることがあります。
もちろん、相手に合わせること、多少無理してでも頑張った方が良いことがある、というのは事実でしょう。
一方で、無理をしすぎる、苦手なことをやり続けると、不調のサインが出ることも想像に難くないことです。
3.自分を守るための対処法
「普通」、「自分らしさ」とはなんでしょうか。考えてみて、すぐ答えが出る方は多くないでしょう。
これまで生活、仕事をして、周りの方とコミュニケーションをとる中で、辛い思いをされてきた方は、ぜひ、立ち止まって考えてみましょう。
「辛いことが当たり前」「いまやっていることが普通」と思い過ぎなくて良いです。
場合によっては自分の考えにとらわれすぎていることもあるかもしれません。
特に、みんなが当たり前にできていることが、自分にとって過剰適応してできるから良い、というわけではありません。
人とのコミュニケーション1つとっても、自分が知らなかっただけで、楽になる方法を実践することや、相手にちょっとしたお願いをすることだってあります。
辛い時にはなかなか柔軟に対処法を考えにくいとは思いますが、対処法を身につけることで、今より楽になることは想像できるでしょう。
対処法を身につける上で大事なのは、いま自分がやっていること以外のパターンを知ることです。
先の例上げた、相手の観察を通してコミュニケーションすることについては、あらかじめ自分が表情を読み取ることが苦手であること、返答がズレてしまうことがあることを伝えておくのも良いでしょう。
また、指示をもらしてしまうことが常なら、メモを出しておいて「もう1回、ゆっくり言ってください」などを伝えることで、相手から自分が工夫していることが見えやすいですし、自分の理解度がグッと上がることに繋がるでしょう。
自己対処をすることは社会生活において大事ではあるが、自分の心身を守ることも非常に重要です。
自分で柔軟に考えることが苦手だな、と思う方は、ぜひ相談してください。
問い合わせは専用のフォーム、メール、お電話などで承っておりますので、自分に合った方法でお問い合わせください。
ディーキャリアでは、利用者の皆様の困りごとを解消し、自己管理を行えるよう、特性理解のプログラムを提供しています。
自己理解の方法や、コミュニケーションの方法を学ぶことができます。
皆様の苦手なことやトラブル場面において、効果的な対応方法を身につけられるように練習していきましょう。

ブログ担当 臨床心理士 鈴木
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