発達障害の私が思う「将来が考えられない」——キャリアを考えるのが苦手な人への2つの視点
〜「やりたいことを探せ」をやめて、心をラクにするライフハック〜
「将来何がしたいですか?」と聞かれるたびに、頭が真っ白になる。「5年後のビジョンを描いてください」と言われても、明日のことすら不安なのに5年後なんてまったく想像できない——そんな経験、ありませんか?

こんにちは!ディーキャリアITエキスパート立川オフィスのピアスタッフ、かまちです。
「やりたいことを見つけなきゃ」「将来の目標を持たなきゃ」——そういったプレッシャーを感じながら、でもどうしても答えが出なくて、キャリアを考えること自体が億劫になってしまっている方は、本当に多いです。私自身もそうでした。
でも、ガチガチの未来予想図を描く必要は、まったくありません。この記事では、キャリアを考えるのが苦手になってしまう理由を整理したうえで、今日からすぐ使える、心をラクにする2つの視点をお伝えします。
1. なぜ、「将来を考えよう」とするほど苦しくなってしまうのか?
キャリアを考えるのが苦手になるのは、想像力が乏しいからでも、やる気がないからでもありません。いくつかのごく自然なしくみが重なっています。
- 「やりたいこと」を探そうとすると、脳がフリーズしやすい。 人間の脳は、「理想を探す」よりも「不快を避ける」ほうが得意にできています。「将来何がしたいですか?」という問いは、脳にとってとても負荷の高い作業です。発達障害のある方は特に、選択肢が多い・答えが曖昧・正解がないという状況でフリーズしやすいため、「やりたいこと探し」が苦手に感じやすいのです。
- コントロールできない未来を考えると、不安だけが膨らむ。 5年後・10年後のことを考えようとしても、その間に何が起きるかは誰にもわかりません。不確かな未来を想像しようとすればするほど、不安だけが先に膨らんで、思考が止まってしまいます。「将来を考えること=不安になること」という経験が重なると、考えること自体を避けるようになってしまいます。
- 「答えを出さなければいけない」というプレッシャーが思考を止める。 就活・面接・支援者との面談など、キャリアについて「答え」を求められる場面は多いです。しかし「まだ答えが出ていない」という状態でその場に臨むことで、焦りと自己否定が重なり、ますます考えにくくなってしまいます。答えが出ないのは怠慢ではなく、アプローチが合っていないだけです。
2. まず知っておく!キャリアは「やりたいこと」から考えなくていい
「キャリアを考える=やりたいことを見つける」という思い込みを、まず手放しましょう。ここを整理しておくことが、一番大切な下ごしらえです。
アプローチを少し変えるだけで、キャリアはぐっと考えやすくなります。その視点が2つあります。
視点01:「やりたいこと」ではなく「やりたくないこと」から決める
「将来何がしたい?」と聞かれてもすぐには浮かばなくて当然です。それなら、「これだけは絶対に嫌だ」という消去法から始めてみましょう。
- 満員電車に乗りたくない
- 数字のノルマに追われたくない
- 孤立した環境で働きたくない
- 毎日同じことの繰り返しは嫌だ
- 大きな声が飛び交う職場は無理だ
嫌なものを排除していくだけで、自然と「自分にとってマシな選択肢」が残ってきます。やりたいことを積み上げるより、嫌なことを削っていくほうが、脳への負担がずっと少なくて済みます。
視点02:「大きな目標」ではなく「次の1歩(行動)」に集中する
5年後・10年後のビジョンなど、コントロールできない未来を考えると不安になるだけです。大切なのは、今の自分が100%コントロールできる「目の前の行動」にピントを合わせることです。
- 今日、通所する
- 今日、訓練内容を1行メモする
- 今日、気になった求人を1つだけ見る
結果ではなく「行動」に集中する。この小さな積み重ねが「自分で選んだ」という手応えになり、キャリアを考える自信を少しずつ育ててくれます。
3. その場で試せる!具体的な対策
2つの視点を、実際の場面で使うための対策を紹介します。
【対策①】「絶対に嫌なこと」を紙に書き出してみる
まず紙に「絶対に嫌な仕事・環境・条件」を思いつくだけ書き出してみましょう。「残業が多い」「服装が厳しい」「電話対応がある」「チームワークが必須」——どんな小さなことでも構いません。書き出したものを眺めると、「自分はこういうことが苦手なんだ」という輪郭が見えてきます。やりたいことがわからなくても、嫌なことを知っているだけで、求人選びが格段にラクになります。
【対策②】「今週の次の1歩」を1つだけ決める
キャリアについて大きく考えようとするのをやめて、「今週、自分が確実にできる行動を1つだけ」決めましょう。
- 「気になる職種を1つだけ調べる」
- 「スタッフに自分の苦手を1つ話してみる」
- 「訓練に3日間通う」
小さくていいです。「できた」という事実が積み重なると、「自分はちゃんと前に進んでいる」という感覚が育ってきます。
【対策③】「将来を聞かれたとき」のセリフを用意しておく
面談や面接で「将来の目標は?」と聞かれたとき、答えが出ずにパニックになってしまう方は、あらかじめ答えのひな型を持っておきましょう。
<面談・面接で使えるセリフ>
「まだ大きなビジョンははっきりしていませんが、今は『〇〇が苦手な環境を避ける』ことと『まず目の前の仕事をきちんとこなす』ことを大切にしています」
「答えがない」ではなく「今はこの段階にいる」と伝えるだけで、十分誠実な回答になります。
■ まとめ:キャリアは「やりたいこと」から考えなくていい
「将来が描けない自分はダメだ」と一人で抱え込んでフリーズするのをやめて、「やりたくないことを書き出す」「今週の次の1歩を1つ決める」「将来を聞かれたときのセリフを用意する」という道具を使いながら、自分のペースでスマートにキャリアと向き合っていこう。
焦らなくて大丈夫です。やりたいことが見つからなくても、嫌なことを知っていれば進めます。大きな目標がなくても、次の1歩を踏み出せれば十分です。
最後に:ディーキャリアITエキスパート立川オフィスで「自分のペースのキャリア設計」を一緒に考えよう
ディーキャリアITエキスパート立川オフィスでは、「やりたいことがわからない」という状態からでも、自分の苦手・得意・譲れない条件を一緒に整理しながら、就職への道筋を一歩ずつ作っていくプログラムに取り組んでいます。「将来が全然見えない」「キャリアを考えると不安になる」「まず何から始めればいいかわからない」という方も、ぜひ一度、見学や無料相談にいらしてください。
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■この記事を書いた人は?■
ディーキャリアITエキスパート立川・所沢オフィス編集部
普段は、ディーキャリアITエキスパート立川オフィス、所沢オフィスでそれぞれ支援員として勤務。
主にオフィスの日常やイベント情報、発達障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、限局性学習障害(SLD)、精神障害、特性への工夫、障害者雇用、セルフケア、ライフハック、日々の支援員の気づきなど、さまざまな情報を発信しています。
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