就労移行支援の訓練は何のため?通所を続けるうえで考えたい「目的意識」
こんにちは! ディーキャリアITエキスパート岐阜オフィスのワークスキルコース訓練生です。
就労移行支援事業所では、就労定着や安定した社会生活を目指して、さまざまな訓練をおこなっています。
ディーキャリアITエキスパート岐阜オフィスでも、毎朝、あいさつ練習やラジオ体操、三分間スピーチなどをしたり、決められた時間での休憩をとったり、終礼前に掃除をしたりしています。また、入退室の際には「おはようございます」「お疲れさまでした。お先に失礼します」「席を外します」「ただいま戻りました」と全体へ声をかける決まりがあります。ワークスキルコース訓練生は、当オフィス独自で訓練生が使うシステムの開発をおこなったり、イベントの企画運営をおこなったりすることもあります。
こうした活動は毎日繰り返されるため、次第に「いつものこと」「決まりだから行うこと」になりやすいものです。
しかし、同じ訓練でも、「何をするか」だけでなく、「なぜ行うのか」を意識することで、得られる気づきや学びは変わってきます。
精神障害などにより、体調や集中力、意欲に波がある方にとって、毎日強い目標意識を持ち続けることは簡単ではありません。だからこそ、大きな目標だけを見るのではなく、目の前の訓練が何につながっているのか、無理のない範囲で確かめていくことが大切なのではないかと考えています。

日々の訓練にはどのような意味があるのか
例えば、ラジオ体操は、体を動かすこと以外にも意味があります。
朝に体を動かすことで、心身を活動する状態へ切り替えたり、その日の体調を確かめたりできます。
「今日は体が重い」「肩が動かしにくい」「昨日よりも少し楽に感じる」といった変化に気づくことも、セルフケアの一つです。すべての動きを完璧におこなうことより、自分の状態を知る機会として活用することが大切です。
決められた時間に休憩をとることにも意味があります。
集中すると休憩を忘れてしまう方もいれば、疲れや不調を自覚することが得意ではなく、限界まで頑張ってしまう方もいます。安定して働き続けるためには、疲れ切る前に休み、休憩後に再び作業へ戻る力も必要です。
休むことは、自分の体調や集中力を管理しながら、活動を続けるための大切な技術なのです。
入退室時の声かけも、単なる形式にしてはいけません。
自分がその場にいるのかどうかを周囲に伝えることで、連絡の行き違いや混乱を防ぐことができます。実際の職場では、声かけでなく、チャットや予定表などの仕組みを使う場合もあります。
大切なのは言葉をそのまま覚えることではなく、自分の行動に関する情報を、必要な人へ伝えるという考え方を身につけることです。
作業の先にいる「利用する人」を考える
ディーキャリアITエキスパート岐阜オフィス独自で取り組むシステム作成にも「なぜ」があります。
例えば、セルフケアチェックシステムを作る目的は、フォームや表計算、プログラムを完成させることだけではありません。
利用する人が自分の体調を確認し、普段との違いに気づいたり、体調の変化の振り返って原因を探ったり、スタッフへ相談するきっかけにしたりすることなどが本来の目的です。
入力項目が多かったり複雑だったりすれば、毎日使うことが負担になるかもしれません。結果の表示が複雑であれば、自分の状態を理解しにくくなる可能性もあります。
「誰が使うのか」「どのような困りごとを減らしたいのか」を考えることで、本当に必要な機能や分かりやすい見せ方を検討できるようになります。目的が分かっていれば、入力する項目や操作方法についても、「作りやすいか」という作り手の事情だけでなく、「使いやすいか」という使い手の視点で考えることができます。
これはシステム作成に限りません。実際の仕事でも、作業を終わらせることだけでなく、その作業が誰の役に立ち、どのような問題を解決するのかを考えることで、仕事の質を上げることができるのです。
訓練の中で「なぜ作るのか」を考えることは、実際の仕事にもつながる大切な経験です。
「なぜ」を考えることは自分を責めることではない
目的を意識すると聞くと、「常に意欲的に取り組まなければならない」「すべての訓練に意味を見つけなければならない」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、目的意識を持つことは、自分を追い込むことではありません。
精神障害などによる体調の波が強い日には、訓練の意味を考える余裕がないこともあります。その日は事業所に来られたことや、途中で休憩を取れたこと自体が、大切な一歩になる場合もあります。
また、訓練の目的が分からなければ、スタッフへ尋ねてもよいと思います。
目的を理解したうえで、「現在の方法で本当にその目的を達成できるのか」「自分には別の方法のほうが取り組みやすいのではないか」と考えることも大切です。
すべての人に同じ方法が合うとは限りません。人前で話すこと、声を出すこと、集団で行動することなどに、強い不安や負担を感じる方もいます。
その場合は、訓練の目的を確認しながら、負担の程度や取り組み方についてスタッフと相談することも、就労に向けた訓練の一部です。
「なぜ」を考えることは、決まりに無条件に従うためではありません。目的と方法を分けて考え、自分に必要な力や配慮を知るための手がかりでもあります。
まとめ
就職する、安定して働く、生活リズムを整えるといった大きな目標を持つことは大切です。一方で、日々の活動について、「なぜこれを行っているのか」を考えることも、同じように大切です。
目的が分かると、訓練はただ決められたことをこなす時間ではなく、自分の得意なことや苦手なこと、必要な配慮、身につけたい力を知る機会になります。
毎日明確な目的を持ち続ける必要はありません。体調や気持ちに余裕があるときに、目の前の訓練が何につながっているのかを、少し立ち止まって考えてみる。
その小さな積み重ねが、日々の通所や訓練を、自分にとって意味のある経験へ変えていくのではないでしょうか。
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