ASDは完璧主義が多い？！その理由と対処法を紹介します！｜大人の発達障害

こんにちは！ディーキャリアITエキスパート海老名オフィスです。

ASDの特性をお持ちの方で、「完璧主義」の傾向がある方が多くいらっしゃいます。
もともとの性格の場合もありますが、ASDの特性が関係しているかもしれません！

そこで今回は、ASDに多い完璧主義について、原因や対策を含め解説していきます！

完璧にしないといけない！と思ってなかなか作業が進まない…
他人のミスやアラが気になってイライラしてしまう…

などのお悩みをお持ちの方はぜひ最後までご覧ください♪

ASDの特性と完璧主義の関係は？

ASD（自閉症スペクトラム障害）は、発達障害と呼ばれる障害の一つで、先天的な脳の神経系の障害です。ASDの特徴として、対人関係やコミュニケーションに対する社会性の障害、想像の困難や興味の偏りなどが特徴として現れます。
このような特徴から、「完璧主義」の考え方が生まれてくることがあります。
細かく見ていきましょう。

①物事に対する強いこだわり

ASDの特性上、限定的な対象に強い関心やこだわりを持つ方が多いです。“シングルフォーカス”という、１度に狭い範囲の情報しか取り入れられない特性も関係している可能性があります。
作業の進捗や全体像などの大きな枠より、小さなミスや細部の作業ばかりが気になってしまう。それによって納期に間に合わない、なかなか作業が進まないということが起こります。
細部にこだわってしまう点から「完璧主義」のように見えるということですね。

②マイルールで作業を進めてしまう

こだわりの強さや、“シングルレイヤー”というASDによくある特性により、自分の中でマイルールを作ってしまい、そのルールに基づいて作業を進めてしまうことがあります。
“シングルレイヤー”とは、複数の要素を統合して物事を考えることが苦手で、1つの層や要素のみを見て物事を判断してしまうといった思考のことです。つまり物事が起こった背景や、相手の考え、状況などを考えずに物事を判断してしまいます。
例えば、仕事のミスをしたとしても、体調がとても悪かった・特性上苦手なことだった・身内の不幸があって…などさまざまな要素がその背景にあるかもしれません。上司にとって、それが伝わっていれば「まあ今回は仕方ないから、次回から気を付けて」くらいで許されるミスの場合もあります。しかし、シングルレイヤー思考の方は背景を考えられず、「ミス＝悪いこと」という要素のみ捉え、ひどく落ち込んでしまうなどのことが起こります。

上記のようなシングルレイヤー思考やこだわりが強い特性があると、「相手はどうか」「状況はどうか」などの背景が考えられず、こだわりから「これが終わらなければ次に進めない」「こちらの方が自分にとって都合がよいからやり方を変えよう」などマイルールを作って、報告しないまま進めてしまうことがあるのです。

そうすると周囲から見ると、「完璧主義の人」と見られてしまうことがあります。

③特性上の考え方のクセ

ASD含む発達障害の方に多い考え方の中に“白黒思考（ハイコントラスト思考）”があります。白黒思考とは「白か黒か」「0か100か」など極端な考え方で物事を判断してしまう、いわゆる「グレー」の部分を考えることが難しい考え方のことです。
このような思考の場合、例えば作業をしていても「一つのミスも許されない」と極端に考えすぎてしまい、何度も確認をしたり、ミスを指摘されると「私は仕事のできない人間だ」とひどく落ち込んでしまったりします。つまり“完璧（100％）でない＝価値がない（０％）”と思い込んでしまうのです。
このような考え方だと周囲からは「完璧主義」「理想の高い人」と思われることもあります。

完璧主義で困っているあなたへ！4つの対策！

完璧主義がゆえになかなか仕事や人間関係がうまくいかない…
妥協できなくて頑張りすぎてしまう…

そんな方もいると思います。
少し対策するだけで、その完璧主義は少しずつ緩和できるかもしれません。対策をいくつかご紹介していきます。

◆自己評価を加点式にする

特に白黒思考の方に有効です。完璧（100）から減点式で自己評価をしていると、どうしてもよくないところに目が行ってしまい、より完璧に近づけようと頑張りすぎてしまいます。
そんな人はぜひ自己評価を加点式に変えてみてください！
0をスタートととして、今日は○○ができた！、○○がうまくいった！、作業が○○まで進んだ！など加点していくと、うまくいったことが積み重なっていき、自然と完璧ではないがうまくいったという経験を得ることができます。その経験を積むことで、「完璧でなくても大丈夫」と考えられるようになるかもしれません。

◆リフレーミングの活用！考え方を意識的に変えてみる

リフレーミングとは、物事に対する捉え方を変え、視点を変えること・視野を広げることです。
特性上細部にこだわってしまう・白黒思考をしてしまう等の考え方がある場合もありますが、特性の有無にかかわらず、自分の無意識的にしてしまう考え方のくせを人は持っています。無意識の考え方を変えるのはなかなか難しいです。今回のテーマの「完璧主義」的な思考がクセになっている方にとってはそれ自体を変えようと思うと苦しいですよね。

ですが、意識的に他の視点や考え方を取り入れることはできます。
自分の考え方のクセを理解したうえで、違う視点で考えたらどうか？を考えてみてください。

・細かいミスなら、あとから修正もできる
・人間誰でもミスはするものだ
・うまくいかなければ途中で軌道修正すればいいから、とりあえず始めてみよう
・上司にとって、クオリティより納期のほうが今回は重要かもしれない
・一つの小さなミスですべてが終わるわけではない

などなど、違う考え方を取り入れられれば少し心が軽くなり、頑張りすぎを防ぐことができるかもしれません。

◆人に相談する

自分だけで考えて仕事をしていくと、どうしてもマイルールで進めてしまっていること、細部にこだわりすぎてしまっていることなどに気づけないことがあります。それで結果的に、業務をおこなうのに時間がかかりすぎてしまっている、納期に間に合わないなどの困りごとに発展してしまうこともあります。
もしその傾向があり、なかなか自覚できないという方は、周囲の人に相談してみるのも一つの手段です。人に相談することで、客観的な視点を知ることができ、自分の状況に気づくことができます。
また、他者の意見を入れることで、相手が何を求めているか、マイルールになっていないかを確認することもできます。
仕事でよく“報連相”が大切といいますが、このような面でも“報連相”を積極的におこなってみてください。

◆優先順位や納期等を可視化する

マイルールで進めてしまい優先順位が付けられない、細部にこだわってしまい納期が間に合わないなどの困りごとが発生している場合には、TODOリストやスケジュール帳等のツールを使うなどで優先順位や納期を可視化して、目で見て確認できるようにしてみましょう。定期的にそれを確認する、また見えるところに常に置いておくことで、全体をとらえながら作業を進めることができます。また、納期が分かることで、予定を都度修正していくことも可能です。
頭の中に入っているから大丈夫！と思っていても、頭の中が他のことでいっぱいになってしまえば、意識できなくなってしまうことも当たり前のこと。
ぜひ目に見える形にしてみてくださいね。

ここまで“完璧主義”の対策を紹介してきました。
ぜひ参考にしてみてください。

完璧主義はデメリットばかりではない！？

“完璧主義”はデメリットが多いイメージがありませんか？
ここまで原因や対策を書いてきましたが、確かに完璧にこだわることで起こる困りごとも多いと思います。
完璧主義によってつい頑張りすぎてしまう、一つのミスで極端に落ち込んでしまう、一つの仕事に時間がかかりすぎてしまうなど、自分にとってのデメリットもあります。また周囲に仕事が遅いと指摘されてしまうということもあるかもしれません。
さらに、考え方を他人に押し付けてしまい、他人の行動に対してイライラしたり、つい細かく指摘してしまい敬遠されてしまうなんてことも。他者とのコミュニケーションの部分でもうまくいかなくなる原因になりかねません。

ですが、完璧主義にはメリットもあるんです！少し見方を変えてみましょう。

・一つのことに集中して取り組める
・責任感や緊張感をもって業務に取り組める
・細かく丁寧な仕事が得意
・仕事の質が高い

など、見方を変えれば長所にもなるんです。

完璧主義は上記のような良い面もあるため、自信を持ってください！
ただ、行き過ぎてしまうと頑張りすぎてしんどくなって、最悪の場合には適応障害やうつ病などの精神障害に発展してしまうこともあります。

ここまでに紹介した対策等で、少し息を抜きながら、長所として活かしていけるとよいですね！

ディーキャリアITエキスパート海老名オフィスでは、自分の特性を理解する「自己理解」や視点を変える「リフレーミング」、ストレスや自分の状態に対応する「セルフケア」など、仕事において必要なスキルを訓練を通して身に着けていくことができます。
さらに、オフィスを職場に見立てた“模擬職場”の環境で、学んだスキルを実践し身に着けていくことも可能です。

そんな悩みをお持ちの方、ぜひ1度相談してみませんか？
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最後までご覧いただきありがとうございました。いつでもご連絡お待ちしています♪

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執筆者：篭谷（生活支援員/社会福祉士）
監修者：佐藤秀祐（サービス管理責任者/社会福祉士・介護福祉士）

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