BLOG

手順が変わると、慣れた仕事でもミスが増えるあなたへ|橋本の就労移行支援でできること

10月に入って、担当が変わった。使うシステムが新しくなった。確認の流れが少しだけ変わった。

どれも大きな変化ではないはずなのに、前は問題なくできていた仕事で、なぜかミスが続く。注意されるたびに「前はちゃんとできていたのに」と思って、だんだん自信がなくなっていく。そんな状態になっていませんか。

  • 新しい手順なのに、気づくと前のやり方で進めている
  • 変更点を聞いたはずなのに、いざ作業になると思い出せない
  • 確認することが増えて、作業のたびに頭がいっぱいになる
  • ミスが怖くて何度も見直し、そのぶん仕事が遅れる

こうした困り方は、決して珍しいものではありません。そして多くの場合、やる気や能力の問題だけで説明できるものでもないのです。

なぜ手順が変わると、慣れた仕事でもミスが増えやすいのか

体が覚えている「前のやり方」が先に出てくる

毎日くり返してきた仕事は、いちいち考えなくても手が動くようになっています。これは本来、とても助かる力です。

ただ、手順が変わると、この「考えなくても動ける」部分がそのまま前のやり方で動いてしまうことがあります。頭では新しい手順を知っているのに、忙しいときや疲れているときほど、慣れた動きが先に出る。慣れている仕事ほど、こうしたミスは起こりやすいものです。

「確認すること」が一気に増える

手順が変わった直後は、作業の一つひとつで「これは前と同じだっけ、変わったんだっけ」と考える必要があります。

人によっては、同時にいくつかのことを頭に置いておくのが苦手だったり、予定外の変化に強い負担を感じたりします。ADHDやASDなどの発達特性がある人、不安が強いときや疲れがたまっているときにも、こうした負担は大きくなりやすいと言われます。ただし、どこで困るかは人によってさまざまです。

変更点の伝わり方が、あいまいなこともある

「基本は前と同じで、ここだけ変わったから」と口頭で一度説明されただけ。手順書は前のまま。こういう職場は少なくありません。

「ここだけ」がどこなのか、はっきりしないまま作業に入ると、迷う場面が増えます。ミスの原因が、本人ではなく伝わり方の側にあることもあるのです。

ミスへの不安が、さらに余裕を奪う

一度ミスをすると「また間違えるかも」という不安が残ります。不安があると注意がそちらに向いて、目の前の作業に使える余裕が減っていきます。

その結果、またミスが出て、さらに不安になる。こんな悪循環に入っている人もいます。

よくある誤解

  • 前にできていたのだから、今できないのは気が緩んでいるせい
  • 何度も確認するのは、周りに迷惑をかけている
  • 慣れれば自然に何とかなるので、工夫はいらない
  • メモさえ取れば、ミスはなくなるはず

慣れることで落ち着く部分は、たしかにあります。でも、慣れるまでの間に自分を責め続けると、そのぶん消耗してしまいます。

大切なのは「全部を覚え直す」より「変わったところだけを見える形にする」

手順が変わったとき、マニュアルを最初から読み直して全部覚え直そうとする人がいます。真面目な人ほど、そうしがちです。

でも、変わっていない部分まで覚え直す必要はありません。大事なのは、「どこが変わったのか」を自分の目で確認できる状態をつくることです。

頭の中だけで新旧の手順を区別しようとすると、それだけで疲れます。違いを外に出しておけば、頭はその分、目の前の作業に使えます。

今日から使える、手順が変わったときのミスを減らす工夫

全部を試す必要はありません。やりやすそうなものを一つ選んでみてください。

① 「変わったところだけメモ」を作る
手順全体ではなく、変更点だけを「前 → 今」の形で書き出します。例えば「前:Aさんに提出 → 今:共有フォルダに保存」のように一行ずつ。数が少ないほど見返しやすくなります。作業する場所の近くに置いておくと、迷ったときにすぐ目に入ります。

② 手順の「つなぎ目」に確認ポイントを一つだけ置く
ミスが出やすいのは、作業と作業の切り替わる場面です。「保存する前」「送る前」など、変更があった場所の手前に一つだけ確認のタイミングを決めておきます。全部を確認しようとしないのがコツです。

③ 前のやり方の手がかりを片づける
古いマニュアル、前の手順が書かれた付箋、使わなくなったファイルのショートカット。目に入ると、つい前のやり方に引っぱられます。見えない場所に移すだけでも、迷いが減ることがあります。

④ 質問は「まとめて1回」にする
わからないことが出るたびに聞くのが気まずいなら、質問をメモにためておき、決まったタイミングでまとめて確認します。「変更点について、5分だけ確認させてもらえますか」と時間をもらうと、相手も答えやすくなります。

⑤ ミスを「どの場面で起きたか」で記録する
「またやってしまった」と書くのではなく、「月末の締め作業」「電話のあと」など、起きた場面だけを記録します。2週間ほど続けると、ミスが出やすい時間帯や状況が見えてくることがあります。自分を責めるための記録ではなく、対策を考えるための材料です。

もし手順書がなく、口頭の説明だけで困っているなら、「変更点を書いたものをいただけますか」とお願いすることも一つの方法です。

一人で抱え込む前に。「就労移行支援」という選択肢

就労移行支援は、障害や体調の不安などがあり、一般企業で働くことを目指す人が、就職や働き続けるための準備をする福祉サービスです。生活リズムを整える練習、自分の得意・苦手を知る取り組み、就職活動のサポート、就職後の相談などを受けることができます。

「手順が変わるとミスが増える」という困りごとは、職場が変わっても、働いている限り何度も出てきやすいものです。仕事のやり方は、思っている以上によく変わるからです。

だからこそ、

  • 自分はどんな変化のときに混乱しやすいのか
  • どんな手がかりがあれば、新しいやり方に移りやすいのか
  • 職場にどんな形で説明してもらえると助かるのか

を知っておくことが、働き続けるための大きな支えになります。

就労移行支援では、訓練の中で実際に作業をしながら、つまずきやすい場面をスタッフと一緒に振り返ることができます。うまくいった工夫は、自分の取扱説明書のような形でまとめていきます。就職後も、職場での困りごとについて相談したり、必要に応じて職場との調整を依頼したりすることができます。

仕事の変化への対応については、こちらの記事でも取り上げています。

関連記事:臨機応変な対応が苦手なあなたへ|橋本の就労移行支援でできること

橋本・相模原エリアで探している方へ

ディーキャリア橋本オフィスは、JR橋本駅改札から徒歩0分の場所にあります。

「今の職場でミスが続いてつらい」「次の職場では同じことをくり返したくない」。そんな段階からの相談も受け付けています。これまでの仕事で困った場面を一緒に整理するところから始められます。

障害のある方の就労支援の制度については、厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」でも確認できます。

よくある質問

Q. 前はできていた仕事でミスが増えました。発達障害なのでしょうか?

手順が変わった直後は、誰でもミスが増えやすい時期です。この記事だけで特性の有無を判断することはできません。ただ、ミスや困りごとが長く続いて生活や仕事への影響が大きい場合は、医療機関や相談機関に話してみるのも一つの方法です。

Q. 何度も質問すると、迷惑だと思われそうで聞けません。

聞くタイミングを工夫するだけで、気まずさが減ることがあります。質問をメモにためておき、「5分だけ確認させてください」とまとめて聞く方法を試してみてください。確認してからのほうが、結果的に手戻りが少なく済むことも多いです。

Q. 職場に「手順書がほしい」とお願いしてもいいのでしょうか?

お願いしてかまいません。障害のある人は、合理的配慮として、働きやすくするための調整を職場に相談することもできます。「書いたものがあると、ミスを減らせます」と、理由と一緒に伝えると話が通りやすくなります。

Q. 今働いていますが、就労移行支援を利用できますか?

就労移行支援は、主に一般企業への就職を目指す人が対象のサービスです。現在働いている人の場合は、利用できるかどうかが状況によって異なります。休職中の人など、自治体の判断で利用できる場合もあるため、まずは相談の中で一緒に確認していきます。

この記事を読むうえでの注意

  • ミスの起こりやすさや、変化への感じ方には個人差があります。
  • この記事は、診断や治療を目的としたものではありません。
  • 気分の落ち込みや眠れない状態が続く、仕事に行くのがつらいなど、心身への影響が大きい場合は、医療機関への相談も検討してください。

就労移行支援についての補足

  • 就労移行支援の利用には一定の条件があります。原則として65歳未満で、一般企業への就職を目指す方が対象です。
  • 利用期間は原則2年間です。
  • 利用できるかどうかは、お住まいの自治体の判断によります。診断名だけで決まるものではありません。

用語の注釈

  • ADHD:注意欠如・多動症。忘れ物や不注意、気が散りやすいなどの困りごとが出やすい特性です。現れ方は人によって大きく異なります。
  • ASD:自閉スペクトラム症。コミュニケーションのとり方や、予定や手順の変化への対応などに、その人なりの特徴が出やすい特性です。こちらも現れ方は人それぞれです。
  • 合理的配慮:障害のある人が働きやすくなるように、職場が無理のない範囲で行う調整のことです。手順書を用意する、指示を書面で伝える、などがその一例です。

まずは、無料相談・見学から

「ミスが続いているけれど、これって相談していいことなのかな」。そう迷っている段階でも大丈夫です。今の職場で困っている場面を話すところから始めてみませんか。