人間の言葉は万能?
こんにちは!ディーキャリア岐阜駅前オフィスのワークスキルコース訓練生です。
私が言葉に興味を持つようになったきっかけの一つに、『ふしぎなことば ことばのふしぎ』という本があります。(なお、このブログ内で上記の本からの引用は「ことば」、それ以外は「言葉」と表記します。)
この本の存在を知ったのは、高校生時代の現代文の教材でした。その中にとても印象に残る文章がありました。

その文章への違和感
その文章は、「動物たちは『ことば』の勉強をしなくてすむからいいな、などと思ってはいけません。(中略)動物の『ことば』は、動物たちをせまい世界の中に閉じ込めています。」「人間は『ことば』を学ばなければならない代わりに、学べば学ぶほど、新しい言いまわしを身につければつけるほど、世界が広くなっていきます。」という内容でした。
確かに、人間は過去や未来、空想や計画など、目の前にないことまで伝えられます。その点では、人間の言葉の豊かさは本当にすごいものだと思います。
ただ、私はこの文章を読んだとき、少し違和感を覚えました。
確かに「人間の言葉は無限である」のは正しいです。しかし、「動物の言葉は決まったことしか伝えられない」という書き方が、どこか動物の言葉を低く評価しているようにも感じたのです。
もちろん、著者がそのような意図で書いたとは思いません。それでもそのときの私は、「動物の言葉にも、人間に負けないくらいすごいところがあるはずだ」「動物の言葉も、こんなにすごいと書いて欲しい」と思いました。なぜなら、動物たちには何億年もの間、紡いできた歴史があるからです。対して、人類の歴史はたった200万年ほど前からです。
もし人間の言葉の長所を書くのであれば、動物の言葉の長所にも少し触れてほしかった、という気持ちが今でも残っています。
動物の言葉のすごさ、人間より優れていると思うところ
その後、言葉についていろいろ知り、考える機会が何回かありました。その中で私は動物の言葉にも、人間にはない良さがあると思うようになりました。その例を3つ挙げます。
まず、「相手を不必要に傷つける言葉を言わない」という点です。
人間は言葉が豊かだからこそ、励ましたり支えたりできます。しかしその反面、誤解や批判、皮肉などによって相手を傷つけてしまうこともあります。さらに、中には悪意がある場合もあります。
動物の言葉は、危険を知らせる、仲間を呼ぶ、情報を伝えるなど、生活に必要な情報を伝えることが中心です。そのため、相手を言葉で深く傷つけることは、人間より少ないと思います。
次に、「簡単な言葉のやり取りで済む」という点も魅力だと感じます。
人間同士では、相手との関係、場面、状況によって言葉を選ぶ必要があり、それが負担になることもあります。
動物は、必要な情報を比較的シンプルに伝えます。その分、言葉のやり取りよるストレスは少ないのかもしれません。
最後に、「伝えたいことが一貫している」という点です。
人間は同じ言葉でも、話し手と聞き手、場面によって意味が変わることがあります。そのため、言葉の行き違いが起こることがあります。
一方で、多くの動物の言葉は目的がはっきりしています。食物のありかを知らせる、異性を惹き付ける、家族や仲間に危険を知らせる、または呼び寄せる、なわばりを知らせるなどは、誤解が少なく伝わるようにできています。
どちらにも良さがある
もちろん、人間の言葉には、人間の言葉にしかできないことがあります。
文学や音楽、物語、研究、未来の計画、思い出の共有など、人間は言葉によって文化を築いてきました。それは本当に大きな力です。
しかし、動物の言葉が劣っているとは思いません。
私自身は、「人間の言葉、動物の言葉、そのどちらにもよさがある。だからどちらも大切」という考え方が好きです。
あの文章を読んで感じた小さな疑問は、今では多様性を認めることにつながりました。人間の言葉の豊かさにも、動物の言葉のシンプルさにも、それぞれの魅力がある。そう考えると、世界はより豊かになると思います。
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