【訓練内容】アサーティブコミュニケーションとは?
突然ですが、こんな悩みを感じたことはありますか?
「いつも自分の意見を押し殺してしまう…」
「自己主張が苦手…」
「人に頼みごとをするとき、一方的になってしまう…」
「相手の選択をないがしろにしてしまう…」
「どうすれば対等に話せるだろう?」
…などなど、人間関係において相手と自分の優先度・バランスが悪くなってしまうことで悩む方は多いと思います。
そこで本日は、自分も他者も尊重するためのコミュニケーション法、「アサーティブコミュニケーション」について解説します!
目次
1.アサーティブコミュニケーションの概要について
1-1.アサーション(アサーティブ)とは?
「アサーション(アサーティブ)」とは、「自分だけではなく相手も尊重し、自分の気持ちや伝えたい事を過不足なく、誠実な心持ちで、そして対等な態度で相手へ伝えるためのコミュニケーションの考え方と方法」です。
コミュニケーション力を高めるというと、社交的になって誰とでも分け隔てなく接する必要があると考える方が多いかもしれません。
しかし、大切なのは、自分の性格を変えるのではなく、伝えたいことや伝えるべきことを過不足なく、誠実に伝えられるスキルを身に付けることです。
自分と相手の違いを認識し、その上で自分とは違う相手を尊重しコミュニケーションをとるために、アサーションはとても大切な考え方になります。
1-2.自己表現のタイプ
コミュニケーションの取り方は、自分と相手どちらを大切にするのか(しないのか)という視点で、4つのタイプに分けられます。
・攻撃的(アグレッシブ):
相手よりも自分を大切にした自己表現。
自分の伝えたい事を相手の気持ちを考えることなく伝える。
・非主張的(ノン・アサーティブ):
自分よりも相手を大切にした自己表現。
自分が伝えたい事があっても相手の気持ちを考えて伝えないことが多い。
・作為的:
自分のことも相手のことも大切にしないタイプ。
自分の伝えたい事も伝えられず、相手にも不快な思いをさせてしまう。
・アサーティブ:
自分も相手も大切にするタイプ。
相手の気持ちに配慮しながら、自分の伝えたい事をきちんと伝えられる。
自分の気持ちと相手の気持ち双方を尊重しながら、
目の前にある問題(意見の相違や食い違いなど)を協力して解決するためにおこなうコミュニケーションが、アサーションです。
上記4つの自己表現のタイプ、みなさんは、どれに当てはまるでしょうか。
人それぞれのタイプが違うのはもちろん、ひとりの人でも、場面や相手によって自己表現の仕方は変わってきます。
まずは自分に当てはまりがちなタイプを知った上で、
その他のタイプを使い分けられるようになることが大切です。
1-3.コミュニケーションを支える4つの柱
ここからは、アサーティブコミュニケーションを取る上で必要な「心構え」について解説していきます!
人は、どれだけ丁寧に接してもらっても、相手の心の苛立ちや不穏な空気、裏がありそうな口調などを感じ取ることで心を開けなかったり、対等な関係を築けなくなったりしてしまいます。
そのため、コミュニケーションをとるときには、表面上出てくる言葉だけではなく、自分自身の心持ちも大切にしなければなりません。
アサーティブコミュニケーションでは、下記の4つを意識してコミュニケーションを取ることが必要とされています。
- 誠実・・・・自分の気持ちと相手の気持ちに対して真摯に向き合うこと
- 率直・・・・伝えたい事を分かりやすくかみ砕いてストレートに伝えること
- 対等・・・・立場に関わらず、相手も自分も同じ人間でそれぞれの気持ちがあることを考えて接すること
- 自己責任・・コミュニケーションを取った結果起こることについての責任は、自分自身でとること
みなさんは、「誠実」「率直」「対等」「自己責任」の4つの言葉をどのように解釈しますか?
自分なりの言葉でかみ砕いた解釈を考えておくと、腑に落ちやすく、実践にもつなげやすくなります。ぜひ、あなたなりの4つの言葉の解釈を考えてみてくださいね!
2.アサーティブコミュニケーションの事例紹介!
2-1.アサーティブな会話のスタイル
アサーティブな会話では、「相手の気持ちを尊重する」「自分の気持ちを伝える」「相手と自分の気持ち、そして状況の落としどころを見つける」ことが必要になります。
この3点を意識した会話は、こんな感じです。
<後輩に依頼した書類の提出期限が過ぎていて提出を促す場合>
A:「先日依頼したAという書類について、進捗はいかがですか?」
B:「大体80%くらい終わっています」
A:「進めていただいてありがとうございます。
ただ、この書類は明日の会議で使用するため、
できれば昨日中に提出いただきたかったんです。
私からも途中で確認すべきでしたね。
本日中に仕上げていただくことはできますか?」
B:「期日を失念していました。申し訳ありません。
実は、本日中に提出する資料が他にもありまして、
手が回らない状況にあります。
可能であれば、明日の朝までに期日を伸ばしていただくことはできますか?」
A:「お忙しいのですね。
わかりました!
80%まで仕上げていただいているところまでで、一度提出いただけますか?
Cさんの手が空いていそうなので、Cさんに引き継いでみます。」
B:「ありがとうございます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
A:「全然大丈夫ですよ。状況を教えていただいてありがとうございます。」
このように、相手の状況を確認しながら、自分の状況と要望を伝えること、そして、要望を受け入れてもらうことが難しかったときには代替案を提示することで、問題解決へと向かっていきます。
このように、ただ単に「伝えたいことを分かってもらう」のではなく、自分の状況と相手の状況をすり合わせる案を考えることも、アサーティブコミュニケーションでは大切なことです。
少し難しく感じた人もいるのではないでしょうか?
一気にすべてできるようになろうとするのではなく、まずは自分ができることから始めることが大切です!
このブログを通して、「これならできそう!」と思う方法を見つけてもらえたらうれしいです。
2-2.問題解決のためのアサーティブな方法
ここからは、アサーティブな表現ができるようになるための実践的な方法をお伝えしていきます!
アサーティブの考え方は分かったけど、実践できるか不安…。どうやって実践したら良いの!?という方、ぜひ参考になさってくださいね。
<DESC法を使ったアサーティブな伝え方>
アサーティブコミュニケーションを取るための方法のひとつが、「DESC法」です。
下記の「D」「E」「S」「C」のすべてを網羅することで、アサーティブな会話となる可能性が高くなります。
D = describe:描写する
事実や状況、言動、期日など、客観的に把握できる事柄を伝える。
E = express,explain,empathize:表現する・説明する・共感する
自分の気持ちや考えを伝える。
相手の気持ちに共感する言葉をかける。
S = specify:特定の提案をする
相手にお願いしたいことを伝える。
C = choose:選択する
「S」を提案して、相手に受け入れてもらえなかったときに、
代わりとなる案を提示する。
会話の中でDESC法のすべてが網羅されていればOKです!
先ほどご紹介したアサーティブな会話をDESC法に沿ってチェックしていきましょう。
<後輩に依頼した書類の提出期限が過ぎていて提出を促す場合>
A:「先日依頼したAという書類について、進捗はいかがですか?」
→相手の状況を確認している/共感(E)
B:「大体80%くらい終わっています」
A:「進めていただいてありがとうございます。
→相手への配慮の言葉/共感(E)
ただ、この書類は明日の会議で使用するため、
できれば昨日中に提出いただきたかったんです。
→事実を伝える(D)/自分の気持ちを伝える(E)
私からも途中で確認すべきでしたね。
→相手への配慮の言葉/共感(E)
本日中に仕上げていただくことはできますか?」
→自分の要望を伝える(S)
B:「期日を失念していました。申し訳ありません。
実は、本日中に提出する資料が他にもありまして、
手が回らない状況にあります。
可能であれば、明日の朝までに期日を伸ばしていただくことはできますか?」
A:「お忙しいのですね。
→相手への配慮の言葉/共感(E)
わかりました!
80%まで仕上げていただいているところまでで、一度提出いただけますか?
→代替え案の提案(C)
Cさんの手が空いていそうなので、Cさんに引き継いでみます。」
B:「ありがとうございます。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」
A:「全然大丈夫ですよ。状況を教えていただいてありがとうございます。」
→相手への配慮の言葉/共感(E)
このように、一度の発言すべてDESCを入れ込むというよりも、会話全体を通してすべてが含まれていると、アサーティブなコミュニケーションになります。
最初はなかなか使いこなせず、日々の会話でDESC法を使うことを難しく感じるかもしれません。そんな方は、まずは「E(共感)」と「S(提案)」を意識してコミュニケーションを取ることへのチャレンジをオススメします!
ひとりではなかなか難しそう‥という方は、就労移行支援事業所など、職業訓練をおこなっている場所で訓練を受けることができます!
興味がある方はぜひ調べてみてくださいね(*^^*)
3.まとめ
【自他ともに尊重したコミュニケーション(アサーション)のポイント】
- 自分と他者の両方を尊重する!
- 「誠実」「率直」「対等」「自己責任」を大切に
- アサーティブコミュニケーションの第一歩はDESC法から!
コミュニケーションに難しさを感じたら、是非こちらを活用してみてください!
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発達障害があるとコミュニケーションが苦手?接し方と工夫について
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人とのコミュニケーションが苦手というお悩みに合わせて、
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訓練では、相手も自分も尊重しながら付き合う方法を学びます。
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