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【発達障害】何回言っても伝わらない人との接し方

目次

1.【理由】何回同じことを言っても分かってくれない!どうして?
 1-1.【脳の特性】人それぞれ理解しやすい伝え方がある
  1-1-1.聴覚優位
  1-1-2.視覚優位
 1-2.【障害特性】その伝え方、発達障害がある人には理解がしづらいかも!
  1-2-1.ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性
  1-2-2.ADHD(注意欠如多動性障害)の特性

2.【対策】一度で分かってもらう方法はあるのか?
 2‐1.【脳の特性】視覚情報と聴覚情報どちらも活用しよう
 2‐2.【障害特性】具体的に!ゆっくりと!ポイントを押さえて!伝える

3.まとめ

1.【理由】何回同じことを言っても分かってくれない!どうして?

「何回言っても分かってくれない」
「言うのもう3回目だよ…」
「どうして何回も言われるのに行動を変えないんだろう??」

職場では結構あるあるなお悩みなのではないでしょうか?

この記事を読んでくださっている方は、
この悩みを解決したいと思う気持ちを少なからず抱いているのではないかと思います。

私は発達障害の診断を受けている方を支援する立場にありますが、
「伝わらないな~~」という経験を幾度となくしてきました。

この経験の中で知ったことは、
「伝わらないのには必ず理由がある!」
ということです。

今回は、私が支援現場で気づいた「伝わらない理由」を
伝わらないことで悩んでいる皆さんに共有いたします。

仕事や大学などで何らかの情報を伝えるときのヒントにしていただけるととても嬉しいです(*’▽’)

1-1.【脳の特性】人それぞれ理解しやすい伝え方がある

まず最初の気づきは、発達障害の特性あるなし・子ども大人・性別に関係なく、
人それぞれ理解しやすい伝え方があるということです。

模擬業務を訓練する場で、同じ指示の出し方をしても、
Aさんはスムーズに理解してくれるけどBさんは難しい。
また別の指示の出し方をすると逆のパターンになる…。
なんてことが毎日のように起こっています。

これは支援をするスタッフ間でも同じことです。
みなさんも、なんとなく人によって頭に入る伝え方が違うな~と思ったことはありませんか?
あるいは、自分は口頭指示が全然入ってこないな~とか、図解されてもよく分からないな~でも
大丈夫です。

とにかく、自分とAさん、AさんとBさん、Bさんと自分はそれぞれ脳の作られ方が違っていて、
情報のインプットの仕方が異なる
のです。

情報のインプットの仕方は多種多様ですが、
今回は代表的な「聴覚優位」「視覚優位」についてご紹介しますね!(^^)!

1-1-1.聴覚優位

「聴覚優位」とは、「言葉で聞いた情報の方が理解がしやすい」という脳の特徴です。
(ちなみに私は聴覚優位のタイプです!)

学生時代、皆さんは暗記をどのようにしていましたか?
私は声に出して音読をして覚えていた記憶があります。

また、本を読んだりネット記事を見たりするとき、頭の中に音声は流れていますか?
私は自分の声で再生されています。笑

これらに当てはまる人は、「聴覚優位」=「言葉で説明された方が分かりやすい」タイプだと考えられます。

仕事の場で見られる特徴としては、

  • 口頭や文字情報で伝えられた指示をよく覚えている
  • 図解で解説をすると言葉での説明を求める
  • 文章を読んで(黙読も含む)理解することが得意
  • 文章を「音」で理解するため脱字に気が付きやすい
  • 言葉のあやに気が付きやすい

などが挙げられます。

1-1-2.視覚優位

「視覚優位」とは、「視覚的に提示された情報の方が理解がしやすい」という脳の特徴です。

学生時代、教科書を見る時に図を真っ先に見ていた方はいませんか?
(当事業所では、管理者がそのタイプです!)

何か文字を書き写すとき、写真のように捉えて形で覚えていませんか?
(当事業所の支援員がそうだと言っていました!笑)

これらに当てはまる人は、「視覚優位」=「図や絵で説明された方が理解がしやすい」タイプだと考えられます。

仕事の場で見られる特徴としては、

  • 文章を細かく読まないといけない仕事が苦手
  • 物の配置をよく覚えている
  • 形が似ている漢字を間違えることが多い
  • 図や絵で解説するとすぐに理解ができる

などが挙げられます。

1-2.【障害特性】その伝え方、発達障害がある人には理解がしづらいかも!

ふたつ目の気づきは、
「発達障害の特性上、どうしても理解が難しい伝え方がある」ということです。

最初は伝わらないことに対して、
「なんで分かってくれないんだろう?」
「普通はこの伝え方で分かるよね?」
と思ってしまっていました。

でも、発達障害の特性や症状について学びを深めていくにしたがって、
「理解をしてもらえないのは伝え方に問題があるんだ」
と気づくことができました。

今回は、発達障害がある方への伝え方に関わる代表的な特性を共有します!

1-2-1.ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性

ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性を持っている方は、
「あいまいな表現」の理解が難しい傾向にあります。
(私もどちらかというとこのタイプです)

みなさんは、
「作業進捗ってどんな感じ?」
と聞かれて、スムーズに返答ができますか?

私は、かなり難しい質問だなーと感じます。

なぜなら、「どんな感じ」って、何を求めて聞いているのかが分からないからです。

他にも、
「みんなが分かるように掲示をしておいて」
と指示が出た時、完璧に指示通り実行できる自信はありますか?

これもとても難しい指示だと感じます。

指示をくれた相手が想像している「みんなが分かるように」の程度が明確ではないからです。

このように、「何を求めているのか分からない指示」をされると、
ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性がある方はとても理解がしづらく
なって、
何度も同じミスを繰り返してしまう可能性があります。

何気なく伝えている指示でも、
発達障害の特性がある方にとってはとても難問に捉えられていることがあるんです。

1-2-2.ADHD(注意欠如多動性障害)の特性

ADHD(注意欠如多動性障害)の特性を持っている方は、
「集中力が続かない」「別のことが気になってしまう」傾向にあります。

みなさんは、
指示を受ける時に「あれ、そういえば昨日もらった業務っていつまでだっけ?」
なんて別のことに気が散ってしまうことはありませんか?

また、
話を聞いているうちにその人の手の動きが気になり始めて、全然話が頭に入ってこない…
なんて経験はありませんか?

ADHD(注意欠如多動性障害)の特性がある方は、
注意のハンドルを自分で握って操作することが難しい場合が多いです。

そのため、良く寝ていても、悪気が無くても、集中したいと思っていても、
どうしても注意が別に逸れてしまって何度も同じことを聞いてしまうことになるのです。

2.【対策】一度で分かってもらう方法はあるのか?

ここまで読んでくださった方は、
「何度も同じことを聞く人がいる」「何度言っても伝わらない人がいる」
理由がなんとなく分かってきたかと思います。

それでも、やっぱり1度伝えたら、せめて2度伝えたら分かってほしいですよね。
予定が差し迫っている時なんかは特に…。

ここからは、私が福祉の支援現場で実践して効果を感じた方法を共有していきます(‘◇’)ゞ

2‐1.【脳の特性】視覚情報と聴覚情報どちらも活用しよう

まずひとつ目、
人それぞれ持っている脳の特性「視覚優位」「聴覚優位」に配慮した伝え方です。

<視覚優位に配慮した伝え方>

  • 図や絵を用いて指示を出す
  • 一緒に画面を操作しながら操作方法を伝える
  • 口頭で説明するよりもまずはやってみてもらう

<聴覚優位に配慮した伝え方>

  • 口頭でゆっくりと伝える
  • チャット機能を使って指示を出す
  • 正確な言葉で伝える

どちらが理解しやすいかは人それぞれ違うため、
一緒に働く人の特性を理解してその人に合わせた伝え方ができるとベストです。

ただ、がっつり観察して「むむっ、視覚優位だな」「おっ、聴覚優位だな!」
と判断する余裕がない方
も多いと思います。

そんな時には、もういっそのことどちらの情報も同時に提示しちゃいましょう!

<視覚と聴覚どちらにも配慮した伝え方>

  • 図と文章両方が載っているマニュアルを渡す
  • 画面を見せながら口頭でもゆっくり説明する
  • 口頭で説明してから実際に一緒にやってみる

2‐2.【障害特性】具体的に!ゆっくりと!ポイントを押さえて!伝える

ふたつ目は、障害特性に配慮した伝え方です。

<ASD(自閉症スペクトラム障害)の特性に配慮した伝え方>

  • 「理由」を伝えてから指示を出す
    例)「会議には社長も出席するから(理由)、ホチキス止めは丁寧におこなってね
  • 曖昧な表現はできる限り具体化する
    例)NG:「みんなに分かりやすいように掲示」→OK:「全員が毎日目にするところに掲示」
  • 指示をした後に不明点がないか確認する

<ADHD(注意欠如多動性障害)の特性に配慮した伝え方>

  • 呼名をして注意を引き付けてから指示を出す
  • 指示を出すときにはできる限り静かな環境でおこなう
  • ひとつの指示をできる限り短くする
  • 指示が複数に渡る場合は間で不明点が無いか確認する

脳の特性と同じで、「誰にどんな障害特性があるのか」を知るためには、
その人をようく見ていなければなりません。

時間的余裕がない方は、
「ゆっくり」「できるだけ具体的に」「ポイントを押さえて」指示を出し、
指示の後には必ず「不明点はない?」と聞くことを忘れずにいればOK
です。

3.まとめ

以上、「何度言っても伝わらない人」について、
その理由と解決策をご紹介してきました!

今回お伝えしたものは、すべて、私が福祉の世界で支援の仕事をしてきて
実感したものです。
(今も実感しつづけています。笑)

「だれもがしてもらうと理解しやすいな」という方法を、
どれだけ忘れずにコンスタントにおこなえるかが発達障害の特性がある方と協力して働くための
秘訣
なのかもしれません。

お互いにリスペクトの気持ちを忘れず、理解のしやすい方法を模索しあっていきたいですね(*^^*)

↓↓↓↓他の発達障害あるあるについてはコチラの記事で解説しています↓↓↓↓

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