2022年09月20日

大人のASD｜話し方が特徴的・独特と言われやすい？その原因と対策を解説

投稿日2022年9月20日更新日2023年7月12日

このコラムでは大人のASD（自閉症スペクトラム障害）のある方が、話し方が特徴的・独特と言われやすい傾向がある原因とその対策を解説していきます。

このコラムを読み終わるまで、5分～10分が目安です。

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１：ASDのある方は話し方が特徴的、独特と言われやすい？その原因①
２：ASDのある方は話し方が特徴的、独特と言われやすい？その原因②
３：吃音症　チック症
４：話し方が特徴的、独特と言われる場合の対策
５：まとめ

１：ASDのある方は話し方が特徴的、独特と言われやすい？その原因①

みなさんは人から「話し方が特徴的」「話し方って独特だね」と言われた経験はありませんか？

ディーキャリアを利用されている方にも、話し方で誤解を受けると悩んでいる方、独特のイントネーションを指摘されて話すのが怖いと言われている方も少なくありません。

ASD（自閉症スペクトラム障害）の診断を受けている方、コミュニケーションが苦手で1人で過ごす時間が長い方などはこういうことが多いのではないでしょうか？

「人は人と話すことで、話し方を学んでいる」ということがあります。

つまり、我々は普段から人とコミュニケーションを取っていて、

「話し方の基準を知らず知らずに学び、練習している」

のですが、人と話していないと、その

「話し方の基準を忘れる」

「練習ができないから体に覚えていた話し方の記憶もなくなっていく」

ということになり、どう話せばよいかわからなくなり、ぎこちないしゃべり方、抑揚のないしゃべり方、などになったりします。

そこで、1人で過ごす時間に本を読むことが多くなっていると「文語」に触れる回数が多くなるので、話し言葉も文語の話し方になってしまうということになってしまう。という方が多いです。

一時期、「拙者」「○○殿」とオタクの人が話してキャラが立っている漫画で描かれた漫画作品がありましたが、このケースは上記の時代劇などの作品に触れる機会が、人とコミュニケーションをすることより、多い方に起こりえます。

そして、ASDのある方の場合、特に他人に興味を持ちづらい、共感が苦手な特性があり、

「人との接触やコミュニケーションを避けてしまう」傾向があります。

また特性上、他者視点を気にすることが苦手なため話をしていても、話し方、声のトーンなどに気が回らず、『内容が通じればよい』とだけ考えてしまい、周りの人の言い回しや話し方を学習せず、（する意味がないと判断して）話し方が周りの人よりも特徴的になってしまうことがあります。

２：ASDのある方は話し方が特徴的、独特と言われやすい？その原因②

人は情報を収集するときに、視覚情報優位型、聴覚情報優位型とわかれています。WＡＩＳなどを受けた方は知っていると思いますが、そこでは視覚情報と聴覚情報における、入力と出力の力の差を調べます。

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主に発達障害の診断をされる方は、視覚情報で情報を受け取る力が高いのに対し、聴覚情報で情報を受け取ることが普通より苦手であったり、その逆もあったりします。

つまり、視覚能力と聴覚能力の差が激しいと発達障害の傾向があると診断されたりします。

その、視覚から情報をインプットする力が、聴覚から情報をインプットする力よりも優れているという凸凹がある場合、「聴覚が鈍麻になる」という事が起きます。

こういう凸凹があると音声による情報を軽視するので、結果、自分が話すこと、聞くことに関心が起こらないし、聴覚情報の入力が弱いので「自分の話し方と他者の話し方がそもそも物理的に比較して理解できない」いうケースもあったりします。

こちらのケースはディーキャリアの利用者の方にも見られ、抑揚の付け方が判らない、自分の話し方と他の人の話し方を比較してもどういった違いがあるのか判らないという方がいらっしゃいました。

次は、これまで紹介した原因以外で、話し方が特徴的と言われるものに触れていきます。

３：吃音症　チック症

吃音、これはドモリとも呼ばれています。

「き、き、君」と連続して言う連発性

「お――はよう」と伸ばして言う伸発性

「……こんにちは」となかなか言葉を発さない難発性

の3つがあります。吃音には幼児期に発症する発達性吃音とストレスの過多などで起こる獲得性吃音があります。獲得性吃音は原因がストレスとわかっているのですが、発達性吃音の場合は原因がわかっておらず、吃音の人の9割が発達性吃音と言われています。

チック症は一過性のものと一年以上続くものとあり、一年以上続くものはトゥレット症と呼ばれたりしています。

また、チック症は運動性チックと音声チックの2種類あり、中でも音声チックと呼ばれているもので「舌打ち」「鼻を鳴らす」「咳払い」などを無意識におこなってしまうなどが症状です。本人は全然怒っていないのに舌打ちをしてしまったり、他意はないのに咳払いしてしまい注意されたと周りに受け止められたなんてあったりします。

ＡＤＨＤの診断を受けている方でチック症の割合が結構あるという話もあります。