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不安は悪いものではない?就職活動や仕事のストレスに役立つ不安との上手な付き合い方

「面接が近づくと不安になる」

「新しい環境に行くと緊張する」

「失敗したらどうしようと考えてしまう」

就労移行支援を利用されている方から、このようなお話を伺うことがあります。

不安な気持ちが続くと、「こんなに不安になる自分はダメなんじゃないか」と感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし実は、不安そのものは悪いものではありません。

今回は、不安についての研究をもとに、不安の役割や不安との付き合い方について考えてみたいと思います。


不安は人間に備わった大切な機能

2013年に発表されたGrupe氏とNitschke氏の研究では、不安は「将来起こるかもしれない危険や問題に備えるための感情」と説明されています。

例えば、

・面接前に緊張する

・初めての職場で不安になる

・大切な発表の前に落ち着かなくなる

こうした反応は異常なことではありません。

むしろ、「失敗しないように準備しよう」「確認しておこう」と行動を促してくれる大切なサインでもあります。

もし不安を全く感じなければ、

  • 面接の準備をしない
  • 持ち物を確認しない
  • 約束の時間を気にしない

といったことが起こるかもしれません。

適度な不安は、私たちが安全に生活し、仕事に取り組むために必要な感情なのです。


なぜ不安は苦しくなるのか

では、なぜ不安は苦しいものになってしまうのでしょうか。

この研究では、不安が強くなりすぎる背景として「不確実さ」が大きく関係していると説明されています。

人は未来を完全に予測することができません。

  • 面接に受かるか分からない
  • 新しい職場に馴染めるか分からない
  • 周囲からどう思われるか分からない

この「分からない状態」が続くと、不安が強くなりやすいのです。

特に不安が強いときには、次のような考え方が起こりやすくなります。


① 最悪の結果を予想する

「失敗したら終わりだ」

「一度ミスをしたら信用を失う」

「面接に落ちたら就職できない」

実際には可能性の一つでしかないことを、確実に起こる未来のように感じてしまいます。


② 危険な情報ばかりに目が向く

不安が強いと、人は失敗や危険を探そうとします。

すると、

  • 自分のできていない部分
  • 相手の表情の変化
  • 小さなミス

ばかりが気になるようになります。


③ 避けることで不安が大きくなる

不安を感じると、その場面から逃げたくなることがあります。

しかし、

  • 面接練習を避ける
  • 人前で話す機会を避ける
  • 相談を避ける

といった行動が続くと、「やっぱり自分には無理だ」という思い込みが強くなり、不安がさらに大きくなることがあります。


不安をなくそうとしなくてよい

不安を感じると、多くの人は「不安をなくしたい」と考えます。

しかし実際には、不安を完全になくすことは難しいものです。

それどころか、

「不安になってはいけない」

「緊張してはいけない」

と思うほど、不安に意識が向きやすくなります。

大切なのは、不安をゼロにすることではなく、不安があっても行動できるようになることです。

面接前に緊張していても面接会場へ行ける。

不安があっても相談できる。

自信がなくても一歩踏み出せる。

その積み重ねが就職や定着につながっていきます。


不安との付き合い方

では、どのように不安と付き合えばよいのでしょうか。

① 不安を書き出す

頭の中だけで考えていると、不安はどんどん膨らみます。

紙に書き出してみると、

  • 何が不安なのか
  • 本当に起こりそうなのか
  • 今できることは何か

が整理しやすくなります。

② 事実と予想を分ける

例えば、

事実
「来週面接がある」

予想
「絶対に失敗する」

この二つは違います。

不安が強いときほど、予想を事実だと思い込んでしまうことがあります。

③ 今できることに目を向ける

未来を完全にコントロールすることはできません。

しかし、

  • 面接練習をする
  • 履歴書を見直す
  • 体調を整える
  • スタッフへ相談する

など、自分にできることはあります。

不安な未来ではなく、今できる行動に意識を向けることが大切です。

④ 一人で抱え込まない

不安は誰にでもあります。

一人で考え続けると、不安は大きくなりやすくなります。

家族や支援員、信頼できる人に話すことで、自分では気づかなかった見方が見つかることもあります。

まとめ

不安は私たちに危険を知らせ、準備を促してくれる大切な感情です。

しかし、不安が強くなりすぎると、

  • 最悪の結果を考える
  • 危険ばかりに目が向く
  • 行動を避ける
    という悪循環が起こることがあります。大切なのは、
    不安をなくすことではありません。
    「不安があっても行動できる」
    「不安があっても相談できる」
    そんな力を少しずつ身につけていくことが、就職への大きな一歩になります。
    不安は敵ではなく、自分を守ろうとしてくれている心からのサインなのかもしれません。


参考文献
https://www.nature.com/articles/nrn3524?utm

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