好きなゲームの話|ロックマンX ― 強いボスを倒して、少し大人になった日
好きなゲームについて、少しずつ書いてみようと思います。今回の一本は、今でも大好きな『ロックマンX』です。

『ロックマンX』を遊んでいたのは、小学校に入るか入らないかくらいの頃でした。
今でも覚えているのは、強いボスを倒せたときのうれしさです。
ただ「ゲームで勝てて楽しかった」というだけではなく、あのときは、少し大人になったような気がしたのでした。
今でも「あそこにパーツがありそう」と思う
『ロックマンX』は、ボスとの戦いだけでなく、そこへ向かうステージも好きでした。
仕掛けを越えて先へ進んだり、普通に進むだけでは見落としそうな場所が気になったり。
「あそこ、行けるんじゃないか」
そう考えながら、あちこち探すのも楽しさのひとつでした。先へ進みたいけれど、気になる場所もある。ステージには、そんな寄り道をしたくなる面白さがあります。
音楽も、よく覚えています。
ステージの音楽を思い出すと、その場所を動き回っていた感覚まで、少し戻ってくる気がします。何度も挑戦していたからこそ、耳にも残っているのでしょう。
その影響なのか、今でも実際に街を歩いていて、ふと考えることがあります。
「あそこにパーツがありそうだな」
建物の上の出っ張りや、ちょっと奥まった場所を見ると、つい気になる。
もちろん、そこに強化パーツはありません。私は壁を蹴って登れませんし、勝手に入ったら怒られます。
それでも、何十年も前に遊んだゲームの見方が、今の自分に残っている。それが、なんだか面白いのです。
私には強いボス、二人には倒せるボス
当時の私には、ボスがとにかく強かった。
特に覚えているのは、スティング・カメリーオです。どうにも苦手でなかなか倒せなかったことと、倒せたときのうれしさは残っています。
何度も挑戦して、それでも負ける。
ところが、4つ上の兄と、5つ上のいとこは、私が苦戦するボスを比較的簡単そうにやっつけていました。
同じゲームなのに、二人が遊ぶと違って見える。
私には難しいことが、二人にはできる。
今なら、年齢も経験も違うのだから当然だと思います。でも、小学校に入るか入らないかくらいの私にとって、その差は大きかった。
自分より大きい二人にはできて、私にはできないこと。そのひとつが、『ロックマンX』の強いボスを倒すことでした。
一人でいるときに、倒せた
そんなボスを、あるとき、一人で遊んでいる間に倒せました。
「倒せた!」
何度もやられていた相手を、自分でやっつけた。
兄やいとこに任せるのではなく、一人でできた。
そのときのうれしさには、二人に少し追いつけたような気持ちも混ざっていたと思います。
自分にもできるんだ。
ちょっと大人になったかもしれない。
もちろん、ボスを一体倒したくらいで、大人になったとは片腹痛い。
でも、あの頃の私には、それくらい大きな出来事でした。
大人になることの、小さなシンボル
ボスを倒したからといって、急に何かが変わったわけではありません。
年齢が上がったわけでも、兄やいとこと同じように何でもできるようになったわけでもない。
それでも、私の中では、ひとつの境目になっていたのかもしれません。
それまで「自分より大きい人ができること」だったものが、「自分にもできたこと」になった。
『ロックマンX』のボスを倒すことは、当時の私にとって、大人になることの小さなシンボルだったのだと思います。
大人になった証明、と言うほど立派なものではありません。ただ、自分が少し大きくなった気がする。その気持ちを形にしてくれた出来事でした。
子どもの頃には、そういうものがあるのかもしれません。
周りから見れば小さなことでも、自分にとっては「前の自分とは少し違う」と思える瞬間が。
私には、そのひとつが、ゲームの中にありました。
大人にはなった。ゲームはうまくなっていなかった
何年か前に、『ロックマンX アニバーサリー コレクション』という、シリーズ作品をまとめて遊べるソフトを買いました。
懐かしい。あの頃に遊んだゲームが、また手元にある。
ところが、久しぶりに遊んでみると、思うように動かせません。
小学生の頃の自分は、もっと自由自在に動かしていたはずなのに。頭の中ではできるつもりでも、実際にやってみると、どうにも違う。
あの頃、強いボスを倒して「少し大人になった」と感じた私も、今では十分に大人です。というか、おじさんです。
兄やいとこに追いつきたかった子どもが、今度は、昔の自分に追いつけない。
それでも、あのとき一人でボスを倒せたうれしさは、今でも覚えています。今の私がうまく遊べなくても、あの日の「自分にもできた」は、そのまま残っています。
私にとって『ロックマンX』は、少し大人になった気がした日のゲームです。どうも大人になりすぎたら、腕前はダメなようですが。
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筆者プロフィール
竹村 ゆうじ (ディーキャリアびわこ第一オフィス管理者)
発達障害のある方の就職支援に携わる一方で、歴史とゲームと漫画が好き。お酒も好き。
『FINAL FANTASY VII REMAKE』シリーズ完結編の情報がどんどん出てきて大パニックになっています。忙しくなりそうだ!
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