仕事で質問できない|「何が分からないか分からない」ときの整理の仕方
仕事で質問できない。「分からなかったら聞いてね」と言われても、困ってしまうことはありませんか。
聞いてよいと言ってもらっているのに、声をかけられない。
何を聞けばいいのか分からない。相手が忙しそうで声をかけられない。一度説明してもらったことを、もう一度聞くのが怖い。
そのまま作業が止まったり、自分なりに進めて間違えたりして、「どうして聞かなかったの?」と言われる。
そんな経験はありませんか。
質問できないとき、本人も困っていることがあります。「聞けば済むこと」と思われても、その「聞く」までに、いくつもの難しさがあるのです。
今回は、仕事で質問できないときに、何が起きているのか、どう整理すると聞きやすくなるのかを考えてみます。

仕事で質問できない理由は、人によって違う
一言で「質問が苦手」といっても、困る場面は人によって違います。
例えば、こんなことはないでしょうか。
- 説明を聞いたけれど、何から始めればいいのか分からない
- どこまでは理解できていて、どこから分からないのか整理できない
- 質問したいことはあるけれど、言葉にするのに時間がかかる
- 相手に声をかけてよいタイミングが分からない
- 「さっき説明したよね」と言われるのが怖い
- 説明されたときは分かったつもりでも、作業を始めると迷う
質問の内容で困っているのか。声をかけるタイミングで困っているのか。それとも、聞いた後の反応が不安なのか。
まずは、そこを分けてみると、工夫を考えやすくなります。
「何が分からないか分からない」は、質問する前の困りごと
質問するには、分からない部分を見つけ、それを相手に伝わる言葉にする必要があります。
でも、説明全体がつかめていないと、分からない部分だけを切り出すのは難しいものです。
例えば、「この資料を、前回と同じようにまとめておいて」と頼まれたとします。
前回の資料はどれなのか。「まとめる」とは、数字を集計することなのか、文章を短くすることなのか。いつまでに、どの形で仕上げればいいのか。
分からないことが重なっていると、「何を質問すればいいんだろう」と考えているうちに、動けなくなることがあります。
そんなときは、きれいな質問文を作ろうとする前に、作業を小さく分けてみましょう。
仕事で質問できないときは、三つを書き出してみる
メモに、次の三つを書いてみてください。
① 頼まれたこと
「前回と同じように、今月の資料をまとめる」
② 今、分かっていること
「使うのは今月の売上データ。前回の資料は共有フォルダにある」
③ 止まっているところ
「前回の資料が複数あり、どれを見本にするか分からない」
ここまで整理できれば、質問は少し具体的になります。
「前回の資料が二つあるのですが、どちらを見本にすればよいですか?」
ただし、三つとも埋められなくても大丈夫です。
「頼まれた内容をうまく整理できない」という状態なら、そのことから伝えてかまいません。
「説明を聞いたのですが、最初に何をするか整理できていません。まず取りかかる作業を確認させてください」
分からない場所を、一人で全部見つけてから質問しなければならないわけではありません。
声をかけるタイミングが分からないとき
質問したい内容があっても、相手が忙しそうだと声をかけにくいことがあります。
「今、聞いていいのかな」と様子を見ているうちに、時間だけが過ぎてしまう。
そんなときは、内容を話し始める前に、質問する時間を確認する方法があります。
「作業について確認したいことがあります。今、少しお時間よろしいですか?」
今は難しいと言われたら、次のタイミングを聞いてみます。
「何時ごろなら確認できますか? それまでは、別の作業を進めておいてよいでしょうか?」
職場によっては、チャットで質問を送る、質問する時間をあらかじめ決める、といった方法が使える場合もあります。
毎回、相手の様子だけで判断するのが難しいなら、質問の仕方を先に相談しておくことも工夫のひとつです。
一度聞いたことを、もう一度聞くのが怖いとき
「さっき説明してもらったのに、また聞いたら迷惑かもしれない」
そう考えると、質問するのをためらってしまいます。
ただ、実際に作業して初めて気づく疑問もあります。説明を聞くことと、自分で作業を進めることには違いがあるからです。
聞き直すときは、今の理解と、確認したい点を一緒に伝える方法があります。
「先ほどの説明では、入力してから確認するという理解です。確認は自分で行うのか、担当の方にお願いするのか、もう一度教えてください」
説明を受けた直後に、自分の言葉で確認しておく方法もあります。
「まずこの表に入力して、終わったら報告する、という進め方で合っていますか?」
メモや手順書が使えるなら、確認した内容を残しておくと、次の作業でも見返せます。
それでも聞き直しにくい場合は、本人の工夫だけでは難しいこともあります。質問したときに強く責められるなど、職場のやり取りに問題がある場合も考える必要があります。
「もっと積極的に」だけでは、解決しないこともある
仕事で質問できない人に、「遠慮せずに聞いて」「もっと積極的に」と伝えることがあります。
もちろん、質問してよいと伝えることは大切です。ただ、それだけでは動き出せない人もいます。
何を聞けばいいか分からない人には、最初の作業や完成の見本を示す。
タイミングが分からない人には、質問する時間や連絡方法を決める。
口頭の説明だけでは整理しにくい人には、手順を文字で残す。
本人が聞き方を工夫することと、周囲が伝え方を工夫すること。その両方から考えると、仕事を進めやすくなる場合があります。
仕事で質問できない悩みを、うまく説明できなくても大丈夫です
ここまで読んで、「これ、私にもあるかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。
ただ、質問できない経験だけで、発達障害などの診断が決まるわけではありません。仕事への慣れ、疲れ、不安、説明の分かりにくさなど、さまざまなことが関わります。
大切なのは、自分を一つの言葉で決めつけることより、どんな場面で困り、どんな方法なら進めやすくなるかを考えることです。
「何に困っているのか、うまく説明できない」
それも、相談の出発点になります。
例えば、相談するときに、
「この記事の、何が分からないか分からないところが、自分に近いです」
と伝えるだけでも、話し始めるきっかけになります。
ディーキャリアびわこ第一オフィスへの見学・体験のお問い合わせでも、気になっている仕事の困りごとをお伝えください。利用の対象や手続きについても、あわせてご確認いただけます。
仕事で質問できないことを、一人で「自分の性格だから」と抱え込まず、まずは困っている場面から、一緒に整理してみませんか。
(参考記事)ADHD の困りごと一覧|自分に当てはまる原因と対処法を整理
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